カイコの繭作りに使う、まぶしは、昔の格子型のものではなく、もっと扱い易い新しい形のものが開発されている。そのまぶしを、九州大学大学院農学研究院遺伝子資源開発研究センターで拝見したのは、昨年の秋。しかし、そのまぶしは特注品ですでに製造する業者が無いそうだ。
私は見学しながら、これならホームセンターで入手できる素材で、類似のまぶしを自作できると思った。実際、すでにそういうことは考案されていた。
日本大学生物資源科学部植物資源科学科応用昆虫学研究室で、研究、考案されたものが、園芸用資材トリカルネットを加工したものだった。参照文献は、
「 園芸用資材を活用した波形蔟の考案」蚕糸・昆虫バイオテック 80(3)、243-245(2011)
さっそく私もトリカルネットを取寄せて同じものを作ってみた。ただし、使ってみて、トリカルネットが柔らかくしなること、折り目が緩んでくることから、改良してみた。改良といっても簡単なことで、竹棒を両端に芯として通しただけ。
これでしなることなく、まぶしの移動の際、扱い易くなった。
山折谷折りしたトリカルネットを、両端の竹棒の芯2本でがっちり支えている。
これを野菜収穫ネットにいれて完成。軽い。
熟蚕を次々とこの中に入れてやれば、それぞれ落ち着いた場所で繭作りする。
おしっこをするので新聞紙を厚めに敷いた上に平に置く。
「ぜんぶわかるカイコ」(ポプラ社)に掲載した写真では、この竹棒の芯を入れるという
改良点は入っていない。じつは、本が出来上がってから、撮影道具の片付けをしていて、
ふと思いついたのであった。
今日も30度を超える夏日。いきなり暑くなって、体調を崩しそうだ。
しかし、昆虫たちは今の時期、元気に活動している。
大きなクモを狩る、ベッコウクモバチ。コガネグモもこのクモには適わない。
少し山に入ると(青井岳)一面雲に覆われ、小雨が降っていたし平地でもあちこちで、
にわか雨があった。
ヒメハルゼミの大合唱、そして背後からはアカショウビンの涼しげな囀りを聞きながら、
今日もヤブカンゾウの群落の傍を通った。