ツマジロエダシャク、キタテハの蛹

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都城市 東公園   11月4日 2015年

撮影でよく訪れる公園だが、平日しか行かないのでいつも人影はほとんどない。
きたてはの蛹_Z5A0879.JPG河川が公園の中央部を流れており、水辺植物が繁茂した足下からクロコノマチョウが次々と飛び立つ。大柄な秋型の舞う姿に、一層、秋が深まってきたことを感じる。
陽当たりのいい梢にムラサキシジミの♂がチラチラ飛んでいた。ときどき葉上で休むも翅を広げない。開翅を期待して待っていたが、待ちくたびれてふと視線を落とすと、そこにツマジロエダシャクがいた。
ツマジロエダシャク_Z5A0858.JPG
前翅を立体的に構えているところが目を惹く。これは一体、どういうことになっているのか?もしも標本にするとしたら、このままの姿勢で固定できるだろうか? 角度を変えて撮影しようとしたら、思いもかけず敏捷に飛び去ってしまった。公園にはクスノキが多いが、本種の幼虫はクスノキやオガタマで育つようだ。

飛び去って行くツマジロエダシャクを目で追いかけているうちに、金網にキタテハの蛹の抜け殻を見つけた。その周囲を探ると他に生きた蛹と死んだ蛹の2個がぶら下がっていた。なるほど河川の土手にはカナムグラの群落があり、そこで育った幼虫が足場を求めて金網までやって来たのだろう。
キタテハの蛹_Z5A0903.JPG
下にはミノムシとカゲロウの一種が見える。2004年〜2006年までのブログ「昆虫ある記」で、公園に設置された金網やロープ柵が、昆虫観察にとっては極めて有効な「観察トラップ」になる、ということをしきりと書き込んだものだ。昆虫にとっては人工物であっても、しっかりした足場、隠れ家は有り難いものであり、それがまた、観察者にとっては非常に見易い観察ポイントとなる。清瀬市の空堀川沿いのフェンスでツマキチョウの越冬蛹がよく見つかったことなども、それを如実に物語る。

キタテハ蛹_Z5A0905.JPGさて、このキタテハ蛹、無事に羽化するだろうか。

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