古くは江戸時代から「天蚕」ヤママユの蚕糸産業で知られる、穂高町有明に来ている。
2000年「ヤママユ観察事典」(偕成社)を出して以来、ずっと気に掛けていた土地だが、ようやくにしてここを訪れることができた。この機会を得たのも、ある方との出会いがあったからだ。東京にいた頃、長野は近いようで遠い場所だった。
今日は松本市内の染織り工房で、天蚕糸を使った織物や、織り作業を取材撮影させてもらった。
夕方、お世話になる方のお家に到着。家のすぐ周りには森があり、赤松が多い。それならば、と幹を覗いてみれば、ハルゼミの抜け殻があった。
家から十数歩先にハルゼミの生息地があって、一声だったが、鳴き声も聴けた。
ちょっと散歩しただけで、ヤママユの繭殻や、コナラにできたナラメリンゴフシが多数、みつかった。
明日は、飼育林で「山付け」作業の様子を撮影する。「山付け」とは台紙にヤママユの卵を糊付したあと、クヌギの枝に留めていく作業だ。