2016年9月アーカイブ


陶芸家の技とは?

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三股町 田上

玄関の門灯横に、スズバチが泥巣を作り始めた。

スズバチ.JPG数日前に気付いたときは、作りかけて放棄したのかと勘違いしたが、昨日になってトックリ型の泥巣が一個完成し、今朝には襟の部分が排除され、泥で封印されていた。

そして今朝のこと、第一泥巣部屋の上部に、第二泥巣の建造が始まっていた。

スズバチIMG_4043.JPGスズバチの泥巣作りはこれまでにも撮影したことがあるが、それは完成間近の段階で、トックリ型の個室の建造はまだしっかりとした観察もできていない。以前にチャンスもあったのだが、途中で放棄してしまったのだ。

入り口の襟の部分の製作工程などは特にじっくり見ておきたいし、もちろん撮影したい。

じつは今日明日中に片付けるデスクワークがあったのだが、スズバチの泥巣作り撮影のチャンスを逃すわけにもいかない。予定を急遽変更して、カメラを携え玄関に陣取ることにした。

スズバチの場合、まずは水場に行き吸水を行う。次に土の採取場所へ移動し、水を吐き戻して泥玉粘土を拵える。これを大事そうに抱えて、営巣場所に正確に戻って来る。一旦この作業が始まると、このテンポは結構早く進む。うっかり目を離していると、肝心な工程を見落としてしまうので、気が抜けない。

巣に近寄ると最初は警戒して、こちらに向かってきたりするが、決して刺したりしないし、じっとしているとすぐに馴れて、作業を再開し、作業に熱中するとどんなに近寄っても平気となる。巣造りしているハチの体に指先で触れても全然平気だった。

大アゴと前脚のふ節を使って、泥玉を薄い壁に仕上げていく様は、陶芸家の技を凌ぐのでは、と思えるほど見事だ。

襟の仕上げを終えた後、産卵をして(産卵も初めて撮影できた)、どこかへ去って行った。
4ミリ径の入り口から、泥壷内部の天井から短い糸でぶら下がった卵が一個見える。
作業の続きは、明日に持ち越しとなった。

このあとの作業は、幼虫の餌となるイモムシの搬入である。そのためには、イモムシの狩りが必要で
スズバチはセンダンにつく、フトスジエダシャクを専門に狩るようだ。
泥巣一部屋に、3〜8頭を貯蔵するらしい(岩田久仁雄「自然観察者の手記」より)。

明日もこの泥巣から目が離せなくなった。



庭の虫

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三股町 田上

庭の畑でハラビロカマキリが産卵中だった。もう終了間近。午前7時半。

ハラビロカマキリ産卵IMG_4870.JPG午後6時50分、仕事部屋の窓にカツン、カツンと体当たりする音がして、磨りガラス越しに見えたシルエットは、コウモリガだった。外に出て捕虫網で捕らえようとしたら、網に止まっておとなしくなった。

そのまま部屋の中にぶら下げておいた。

コウモリガP9290003.jpgコウモリガの♀だが、灯りに飛来して結局、こうしてじっとしているだけ。部屋が明るかろうが暗かろうが、まったく動じない。

黄昏時に活動したから、あとはもうじっと眠るだけ、なのだろうか?だろうなあ。


午後4時半から2時間ほど、草刈り作業をした。主に林内の観察路を中心に行ったが、全体の三分の二くらいしかできなかった。座骨神経痛を発症して37日目、ようやく通常の作業ができるようになった。なったが、やはり作業後に腰が痛む。一ヶ月も草刈りを怠ったせいで、観察路は歩きづらくなっていたが、
今日の作業で、谷津田に抜けるルートは確保できた。

台風16号の影響で、でっかい落枝がたくさんあった。中には3メートルもある枝もあった。
コナラとクヌギの枝が一番多かった。

今日は夏日、30度を超える蒸し暑さ。そのなか、正午前にアブラゼミがうちの林で鳴き始めた。


ヒメカマキリ幼虫

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三股町 田上

畦道の草むらにいた、ヒメカマキリの幼虫。

スタジオIMG_4830.JPG脱皮直後だったようで、抜け殻も傍にぶら下がっていた。
スタジオIMG_4833.JPGおそらくステージは、終令かと想像する。10月に成虫が現れるのは、ヒメカマキリであって、サツマヒメカマキリではない。逆算すれば、この幼虫はヒメカマキリと思う。

仕事の内容によっては、室内撮影もする。被写体の様子を窺いながら、撮影のチャンスを狙うので、一旦組んだ撮影セットはしばらくそのままで待機となることも多い。

スタジオP9280002.jpg今日はその撮影を始めたが、途中でアクシデントが発生し、撮影を中断した。この撮影セットは、チョウの蛹を立体的に撮影するのが目的。三脚は思い切り脚を広げているので、気を付けないと躓きそうだ。

4台のカメラが室内撮影専用として稼動している。いつやって来るかも知れない撮影チャンス。その時になって慌てて準備をしても間に合わない、とうことがないように備えている。
撮影条件によってカメラ4台がそれぞれの持ち場で控えている。

もう一台加われば、サンダーバード5号まで揃うのだが、 これではスタジオ撮影を減らしたい、という願いに反するが、まあ仕方ない。

今日は聴こえなかったが、昨日まで、アブラゼミが近くで鳴いていた。
9月に入ってから羽化する個体も稀にいるが、さすがにアブラゼミの季節は終了と言っていいだろう。

玄関前のイロハカエデの梢で、コガネグモの子グモが出のうしていた。


スタジオIMG_4849.JPG


三股町 田上

台風16号の爪痕の片付けを2時間ほど掛けて行った。
まずは倒れたコナラの解体。

拾い物IMG_4780.JPGナタで枝を払ってから、幹はチェンソーで切断した。幹にはトンネルが2本あって、クワカミキリの熟令幼虫が2匹入っていた。樹が枯れてしまったので、幼虫もいづれ死ぬ運命だ。そもそも樹が倒れた原因は、クワカミキリ幼虫がトンネルを穿ち、そのせいで樹が弱体化したせいだ。

貴重な観察樹を失って残念だが、またここにコナラ苗木を移植するつもりでいる。

クワカミキリの大アゴ。このアゴで硬い材にトンネルを穿ったのだ。

拾い物2IMG_6121.JPGこの写真は出来が悪いので、あとで撮り直そう。

※当初、ミヤマカミキリとしていましたが、精査し直したところ、クワカミキリ幼虫と判明しました。種名訂正しました。

コナラ倒木の片付けの次には、駐車場に降り積もった落ち葉の掃除を行った。

さて、地区のゴミ集積場。自治会に入っていないと、ここにゴミ出しができないが、もちろん我が家も自治会に入っている。三股町に転入手続きをした際、自治会に入らないとゴミ出しもできないよ、と役場から脅された(笑)。

先日の台風の影響で、その集積小屋が大きく傾いてしまった。
拾い物2IMG_4774.JPGこの場所は崖っぷちであり、コンクリート土台の下の地盤が崩れたせいだ。重い扉の開閉がやりにくくなったのと、いつ崩落するかしれず危険も伴う。

じつは7年前、今回と同じように地盤が緩んで傾いたことがあった。その年、私はこの地区の支部長だった。支部長としてこの事態を解決すべく、色々対策を考えてみたが、私としては集積小屋を写真画面奥の平坦な場所に移動するのがベストと思えた。
なぜなら、土台の下の崖はかなりの高さがあり、ここをしっかり増強工事するとなると、施工業者による工事が必要で、そのような予算はないからだった。
それより、数メートルだけ移動する方が得策と思えた。

そこで役場に出向き、集積小屋の移動に必要な許可申請書類を入手し、地区の方々に移設の案を提示してみた。
しかし、私の提案はあっさり却下されてしまった。理由はよくわからない。

*追記:先日、嫁さんの聞き込み情報で、集積場を画面右方向にある公民館内へ移設することが決まったそうだ。さすがに今回の台風被害で地盤の補強工事は無理と判断されたようだ。



拾い物

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三股町

買い物に立ち寄ったスーパー「ながやま」の駐車場に、コガタノゲンゴロウの死骸が2つ、ころがっていた。

コガタノゲンゴロウ701A5802.JPG昨夜あたり、スーパーの照明に飛来したのだろう。ここの照明(看板を照らす)には、よく昆虫が集まって来る。飛んで火にいる夏の虫、というわけだ。

夕食の準備に取り掛かる前に、居間の障子を閉じようとしたら、網戸にクロコノマのシルエットがあった。

コガタノゲンゴロウIMG_4288.JPG



ジャコウアゲハ

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都城市 安久町

ジャコウアゲハの産地に行ってみたが、ちょうど草刈り作業をしており、
ウマノスズクサのほとんどは、刈りとられてしまった。

それでもしつこく見て回ると、墓地の一角の空き地に、わずかだが、ウマノスズクサの群落が残っていた。

メス2頭、オスは4頭、狭い範囲を盛んに飛翔しながら、ときおり花壇で吸蜜していた。


ジャコウアゲハ♀IMG_4655.JPG台風16号の爪痕の後片付けもまだ全くできていない。

やるとなると、かなりの作業量になりそうだ。
どこから手をつけようかと算段することさえ、まだできない。


日南市

ヒゲナガヘリカメムシは、奄美大島で撮影したことがある。

亜熱帯のカメムシだが、宮崎にも定着するようになった。本種はホウライチクにつく。

今日は久しぶりに遠出をして、日南市に出向いてみた。日南市在住の知り合いの方に
ヒゲナガヘリカメムシの生息ポイントを案内していただいた。

ヒゲナガヘリカメムシはホウライチクの若い茎で吸汁している。そこにはオオテントウも必ず同居していた。で、さっそく成虫や幼虫が見つかったが、若令幼虫の数が多く、成虫は少なかった。

新成虫と幼虫が並んで、お食事中だった。


ヒゲナガヘリカメムシP9210010.jpg画面右の4令幼虫のお尻から出た排泄液(無色透明)を、アリ(不明種)がくわえとっていた。

幼虫達は極めて敏感で、近寄るとすばやく裏側に逃げたり、飛び降りたりしてしまうので、撮影は難しい。成虫も捕獲しようとすると、すぐに飛び立ってしまう。
ようやく捕らえた成虫の放つ臭いは、これが実に素晴らしい香りだった!

(写真:OLYMPUS TG-4 )


台風16号の爪痕

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三股町 田上

夜中の2時。雨戸を叩きつける激しい雨音で眼を覚ました。
玄関前の犬小屋の様子が気になり、門灯のスイッチを入れたが停電でつかない。懐中電灯で照らしてみれば、あるはずの犬小屋が吹き飛ばされて無かった。
普段は西側に置いていある犬小屋を、風向きを考慮して東側の玄関前に移動しておいたのだ。

それでも今回の台風の強風は凄まじかった。

びしょ濡れになったチョロが、扉に寄り添うにして震えていた。
あわてて玄関の中にチョロを引き入れた。

ひとまず寝室に戻って布団に入ったが、しばらくしてチョロがウロウロして落ち着かない。
「どうした?」と声を掛けると、扉に近づき外の様子をしきりと気にしながら「クウン、クウン」と鳴く。

さてはと、扉を開けてやると、サッと外に出ておしっこをした。用を済ますとそそくさと玄関内に戻った。
しかし、そのあともウロウロして落ち着かないので、私も腹をくくって上がり框に座り込んでみた。
「ここにいるよ」と手を差し伸べ、チョロを見つめてやった。
すると、チョロは私をじっと見上げるようにしてから、やがて安心したかのように横たわった。
横たわってからも、チラ、チラと私の姿を見ている。LEDのカンテラの灯りも、チョロには安心できるようだった。1時間ほどしてチョロが寝息を立て始めたので、灯りを消してそっと寝室に戻った。

午前5時半。雨風も止んで静かになった。外の様子を見てびっくり。
庭のコナラが根元から折れて、倒れていた。

台風P9200013.jpgこのコナラは50センチほどの実生を6年前に移植したもので、観察用として理想的な枝ぶりであった。
しかし、今夏になってクワカミキリの異常とも思える過剰産卵を受けた。カミキリムシの幼虫達は順調に育っているようで、産卵痕からは夥しい木屑状のフンが排出され、根元に山積みとなっていた。これを見て、このコナラも長くはないなあ、と憂鬱になっていたが、やはり。

花の最盛期を過ぎていたヒガンバナも、ほとんど風でなぎ倒されていた。
台風P9200012.jpg

庭も駐車場も家の前の路上も、地面という地面はどこもかしこも、風で飛ばされた枝葉でびっしりと覆われていた。

台風P9200025.jpg
停電が復旧したのは、午後6時ちょうどだった。停電はほぼ16時間。
我が家は井戸水なので、電気が止まると炊事も洗濯も、水洗トイレにも困る。
冷蔵庫内の食品も心配だった。
以前からこうした事態に備えて、小型発電機をと考えていたが、これを機会に検討してみたい。


無論、オール電化などはしておらず、台所はガスコンロなので、加熱調理はできた。これは有り難いことだった。電気会社の口車に安易にのってはいけない。

鍾馗水仙

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三股町 田上

ヒガンバナの花も花盛りを過ぎた。 例年より少し早めだろうか。

鍾馗水仙IMG_3967.JPG入れ替わるようにして咲き始めたのが、鍾馗水仙の黄色花だ。
鍾馗水仙IMG_3941.JPG訪花するチョウ達の姿も様々。けれど、翅が擦れてボロボロになった者が多いようにも感じる。

ミヤマカラスアゲハ♀。

鍾馗水仙IMG_3965.JPGアゲハ♂。
鍾馗水仙IMG_3986.JPG
台風16号の接近に伴い、雨が強くなってきた。

チョウ達は、どこに避難するのだろうか?

三股町 田上

来るかな、来るかな!?  と、 ファインダーを覗きながら待っていたら、
やはり、来た。

クロセセリ、だ。

クロセセリY0580016.jpgこのあと、長〜い口吻を伸ばして蜜を吸い始めた。

吸蜜時間はしかし、ほんのわずかだった。

        ( 写真:OM-D E-M5 MarkⅡ   Micro-Nikkor  55mm )


緑色型

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三股町 田上

昨日、持ち帰ったクロメンガタスズメ幼虫。

今朝になって  「まだチトニアに残ってますよ」
と電話をいただいた。

「葉っぱもどうぞ」と言って下さったので、さっそく引き取りに行った。

3頭の褐色型の他に、緑色型も一頭だけ見つかった。

クロメンガタスズメ_Z5A6019.JPG
座骨神経痛は、しだいに治ってきてはいるが、完治までにやはり一ヶ月以上、つまり今月一杯はたっぷり、掛かりそうだ。予定していた遠征ロケは中止にせざるを得なかった。こんなことは初めてのことだったので、ちょっとショックだった。
寝ているとき以外はずっと痛む、という生活を送っていると、気分も後ろ向きになりがちである。

無理な姿勢のまま、重い機材を構えたまま、長時間待機したり、と、その結果、腰痛や肩こりは当たり前になる。これはまさに労災とも言えるかもしれない。ま、自業自得である。


三股町 田上

ご近所のお庭のチトニアには、多数のアゲハやツマグロヒョウモンが飛来していた。
チトニアは別名「メキシコひまわり」、中央アメリカ原産のキク科。
チトニアY0560004.jpgアゲハのオス3頭が1頭のメスに求愛し始めたので、急いで花に近づいてみれば、
目の前の茎に、でっかいイモムシが数匹とりついていた。

クロメンガタスズメの幼虫だ。
どれも褐色型。
クロメンガタスズメ_Z5A6004.JPG        私 「このイモムシ、いただきますね」

      Tさん 「どうぞ、どうぞ、いくらでも」

( 写真:E0S-5D MarkⅢ シグマ50ミリマクロ ストロボ Nissin i40 )


アゲハチョウ祭り

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三股町 田上

朝、窓を開けると、今日はシロヘリクチブトカメムシが植木に止まっていた。

「おお〜、久しぶりだねえ」 と独り言をつぶやき、いそいそとフィルムケースを取りに行く。

家族は、こうした私の言動を毎日見ているせいか、何も感じていないか、あるいは聞かなかったことにして無視していると思われる。

シロヘリクチブトカメムシの所へ歩み寄る直前、竹筒アパートに、ハラアカヤドリハキリバチの姿があった。

「あ、おかあさん!  そこのカメラとってくれる〜!」

ハラアカヤドリハキリバチは労働寄生バチで、オオハキリバチの巣の中身を横取りする。
あまりお目に掛かれないハチだ。シャターを一回切ったところで逃げられてしまった。


庭のヒガンバナはいよいよ花盛りだ。

陽射しが出て来ると、アゲハ類が次々と飛来する。

一番多いのは、アゲハ。5〜7頭が一度に集まって来ることもある。他には、

モンキアゲハ、ナサガキアゲハ、クロアゲハ、カラスアゲハ、ミヤマカラスアゲハ、
オナガアゲハ、キアゲハ。

ミヤマカラスアゲハを撮影しているうちに、いつのまにかカラスアゲハに入れ替わっていたりしている。とにかく、賑やかで目まぐるしい。

まさに、アゲハチョウの響宴である。チョウ達から、私はどう見えているのだろうか?
できるだけ、じっと動かない姿勢をとるのも疲れる。左脚が特に痺れて来る。

カラスアゲハの♀。

カラスアゲハ♀701A5356.JPGミヤマカラスアゲハの♂。
ミヤマカラスアゲハ♀701A5462.JPGオナガアゲハの♂。
オナガアゲハ701A5402.JPGキアゲハの♀。
キアゲハ701A5506.JPG
(写真:EOS-5D マークⅢ  EF70-200mm F4L IS USM  スピードライト430EX III-RT )






キアゲハ

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三股町 田上

午前6時05分。

居間のカーテンを開けると、外は霧で真っ白だった。
昨日の雨でヒガンバナもだいぶ、倒れていた。
昨日はこの時間帯で、すでにモンキアゲハが来ていたが、今朝は気温が低いせいか一匹も、蝶の姿は無い。

ヒガンバナIMG_3872.JPG午前7時15分。

「玄関前の柱に、キアゲハが止まっているよ」と、嫁さん。

「え、アゲハではなく、キアゲハ? 間違いない?」

そっと玄関に出てみれば、なるほど、たしかに、キアゲハ、だった。


ヒガンバナIMG_4613.JPG「キアゲハとアゲハの区別ができるとは、知らなかったよ。
でも、なんでやねん?  ここがねぐらで、一夜を過ごしたのかなあ?」

キアゲハは30分以上、このまま静止していた。

綺麗な翅だが、よ〜く見ると右後ろ翅の一部が欠けていた。
ヒガンバナIMG_4620.JPG最初は望遠レンズで慎重に撮影したが、まだ飛べない状況と判ってからは、
短いレンズで撮り放題。

調子にのって、もっとアップをと別のカメラを用意して戻ってみれば、
もう、キアゲハの姿は無かった。

そして、1時間後。

小雨が降り出したが、ヒガンバナにはアゲハが6頭、来ていた。
雨なんか、平気さ、とどのアゲハも元気に花から花へと飛び交っていた。

いや、よく見れば、そのうちの1頭はキアゲハだった。

さては、玄関で一夜を過ごした、あのオスだったか?


〜機材のお話し〜

昨日の続きで、MP-E65ミリレンズ用に改造したストロボ。

最高倍率×5だと、レンズが恐ろしく伸びるので、ストロボの固定方法も工夫する。ストロボ固定用特性リングも自作品。
モデリング用ランプもここに取り付ける。

マクロ65ミリ701A5188.JPGカメラは、EOS80D。 
内蔵ストロボを使って、ストロボはワイアレス発光もできる。
この場合、狭い室内であればワイアレス操作が効くが、反射物の無い屋外など広い場所ではワイアレス機能が使えない。
そこで、ストロボのワイアレス受光部の前に銀レフを付けておけば、ちゃんと発光してくれる。

もっとも、このレンズで使用する倍率は3倍くらいまでが多く、その撮影範囲であれば三脚座の上にストロボを載せておけば充分、光は回る。

内蔵ストロボのあるカメラでは軍艦部の前部への突出が長いので、そこに三脚座が干渉しないよう、一番薄い接写リングをかませておく必要がある。

マクロ65ミリ701A5185.JPGストロボ270EXⅡのワイアレス機能を使えば、カメラと接続するケーブルが無くなりすっきりしていいのだが、問題もある。話しが長くなるので端折るが、私はケーブルを使う方が安心なので、実際はそうしている。

ワイアレス発光の方式としては、無線方式のほうが確実なので、いづれストロボ270EXⅡクラスの、無線に対応した小型ストロボが発売されることを願っている。

で、ともかく、さっそく試写してみた。

クズの花で見つけた、ウラギンシジミの卵。倍率は×4.5。
ファインダーはとても暗いので、モデリング照明が必要だ。
ウラギン卵IMG_3809.JPG卵に穴が空いているが、穴の大きさ、位置からして、どうやら寄生蜂が出た痕ではないか、と思われる。
これも「しわざ」だ。    もちろん卵の中は空っぽ。

こちらは、ウラギンシジミ幼虫が無事に孵化した痕の穴だろう。
ウラギン卵IMG_3815.JPG卵の中央部天井に大きな穴がポカリと空いている。

ウラギンシジミの若令幼虫は蕾に頭を突っ込んで食事中だった。
ウラギン卵IMG_3820.JPG
MP-E65ミリレンズは、たしか1999年に発売されたと記憶している。待ってましたとばかりすぐに購入した当時は、まだフィルムカメラ時代だった。

あれから17年間、このレンズはずいぶんと活躍してくれ、これまでに、2回修理もしている。
使用頻度の高さからしても、屋外用、屋内用と同レンズ2本を使い分けるようにした。


機材のお話し〜

キャノンのEOS-M3 を、昆虫写真で使う場合、こういう工夫をしてみた。
レンズは専用マクロレンズ28ミリ。カメラの内蔵ストロボをポップアップしている。

冷やっこ_Z5A5916.JPG豆腐ケースを2個合わせた、ボックス型ディフューザー。最高倍率でも内蔵ストロボの光が柔らかく綺麗に回る。これを称して「冷や奴ライト」。

後ろから見ると。

冷やっこ_Z5A5917.JPGストロボ発光部がはまる穴を空けている。

前面のボックスを外すと。

冷やっこ_Z5A5918.JPG
2個のボックスは、マジックテープで取り外しができる。

使わないときは、こうして2個を重ねて収納すれば頑丈。予備バッテリーケースに使える。

冷やっこ_Z5A5920.JPG
黒いゴム紐でレンズに固定し、ボックスはカメラのファインダーにマジックテープで固定する。

これとは別に簡易型のディフューザは、こちら。

冷やっこ_Z5A5921.JPG豆腐ケース1個にレンズを通す穴を開けて、あと邪魔な部分を切り落とすだけ。
レンズ径にぴったり合わせて、光が漏れないようにするのが肝要。
簡易なだけあって、ディフューザー効果は上記のボックス型より劣るが、日中シンクロで撮影する分には問題ない。
撮影の目的によって、使い分けるといいだろう。

「冷や奴ライト」での作例は、こちら。

クズの葉裏によくいる、ヨコバイの仲間。体長2〜3ミリ程度と小さい。
28ミリマクロレンズの最高倍率でもここまでが、やっと。

冷やっこ02IMG_4578.JPG上の写真を、トリミングしてみた。
冷やっこIMG_4578.JPG絞りはF16。結構、描写の良いレンズではある。

ランタナの蕾。 四角い形と、今日初めて気付いた。

冷やっこIMG_4576.JPGクズの葉にいた、ホシハラビロヘリカメムシ。 どんより曇り空の自然光の雰囲気そのままの描写だ。 

ホシハラビロヘリカメムシIMG_4591.JPGEM-3の内蔵ストロボ機能には、ちょっとした癖があるのでユーザーガイドをきちんと読んで把握しておく必要がある。
マニュアル発光も三段階しかないなど、「あれ?」とズッコケるのだが、オート機能としては初心者に優しい設定に組んであるとも感じる。


さて、私が使っているカメラの主力は、やはり一眼レフカメラ。素通しの光学ファインダーが一番だ。

高倍率撮影では、キャノンのMPーE65ミリをよく使う。
ストロボは、マクロツインライトMT24EXを使ってきたが、このストロボはデッカいので携行するには実に不便。そこで、小型ストロボ270EXⅡを、使い易いように改造してみた。

冷やっこ_Z5A5925.JPG写真は、仕事上の都合もあって、マクロ100ミリ+接写リング。改造ストロボはレンズの三脚座に固定。

ストロボ270EXⅡを逆さにして、発光部が下向きに使えるようにしただけのことだが、逆さで固定するための工作は、厄介だった。
要らなくなったストロボのアクセサリーシューを使っているが、その接合には二本のネジ止めと接着剤だ。
接着剤だけでは強度を保てず、使っているうちに外れてしまう。ネジ止めが必須だが、この工作はストロボを壊してしまうリスクが極めて高い。慎重に作業したのは言うまでもない。


冷やっこ_Z5A5926.JPGレンズの三脚座は邪魔な面もあるが、こうした使い方もできる。ストロボ固定金具もビデオ機材の既製品を改造してあるが、取り付け取り外しはネジで簡単にできる。

ストロボの延長コードも使い易いように改造している。この改造は20年前に行ったもの。

ツインではなくシングル発光なので、それなりに追加ストロボも使う。その使い方は撮影条件で色々、工夫している。




クズの花

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都城市 豊満町

一週間ほど出遅れたが、クズの花を撮影しに出掛けた。

クズIMG_4478.JPGやはり、花盛りはピークを超えていた。大群落の絵柄は撮れなかった。

副産物として、 ウラギンシジミの幼虫が目の前にいた。

クズIMG_4437.JPGわかります?

同じ場所に、コマツナギの花も賑わっていた。
クズIMG_4452.JPG
高校生の頃、実家の庭に植えたこともあった。そこへ、コミスジが産卵に来てくれて、嬉しかったのも、懐かしい。

うちの庭に戻って、ヒガンバナに次々と飛来するアゲハ類を眺めていたら、
すぐ傍のイヌビワの実で、クロコノマが吸汁していた。

クズIMG_4509.JPG
( 写真:EOS-M3  
 レンズ:EF-Mマクロ28ミリ、EF-M 11-22ミリ、
  EF-M 55-200ミリ、内蔵ストロボ )


三股町 田上

外壁にぶら下がっていたコガネグモの卵のうから、子グモが一斉に出のう、していた。

コガネグモ出のうP9100003.jpg写真では少し露光オーバー気味に写っているが、実際には卵のうの色は薄緑色がもう少し濃い。
その色合いは、まるでヤママユの繭色に似ている。

子グモはこちら。  肉眼ではどこが眼やらお尻がどっち向きかもよくわからない。
とにかく、小さい。

コガネグモ出のうP9100009.jpgコガネグモについては、拙著「クモのいと」(ポプラ社)「うまれたよ!クモ」(岩崎書店)、も参照になります。


菜園のシソの花には多種類の昆虫たちが集うようになった。

ハチの中で大柄なのは、このスズバチだ。

コガネグモ出のうP9100056.jpg他の虫と違って、スズバチの花選びはやけに神経質で慎重だ。
花に近寄っても、プイっと別の場所へと移動することを、何度も繰り返している。何が気に食わないのか、何が気に入るのか、まったく検討がつかない。

( 写真全て:OLYMPUS TG-4 )

彼岸花、咲く

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三股町 田上

今朝のこと、「あ、ヒガンバナが咲いているよ」 と 思わず声を上げた。

オオハキリバチIMG_3718.JPG居間の窓から、花茎が立ち並ぶ様子が見える。 数日前から一気に伸び上がってきたようだ。
オオハキリバチIMG_3715.JPG竹筒アパートには、昨日から、オオハキリバチの姿が目につくようになった。
オオハキリバチIMG_3703.JPG先日、もっとも大柄なのはオオフタオビドロバチ、と書いたばかりだが、このオオハキリバチの方が一回り大きい。ここに訂正します。

毎日、通っている整骨院の近くには、ウマノスズクサの自生地がある。今日は整体を受けたあと、そこへ立ち寄ってみた。

例年よりかウマノスズクサの株が少ない。少ないながらも、産卵されたばかりの卵が数個見つかった。
ウマノスズクサの葉を触っては、臭いを嗅いでみた。私の好きな香りの一つ。高校生の頃の懐かしい想い出が蘇る。


マツムシモドキ

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三股町 田上

網戸にマツムシモドキのメスが止まっていた。

マツムシモドキP9080004.jpg夜の灯りに飛来した居残りだろう。
しつこくカメラを近づけていたら、 ピュッと飛び立った。

短い距離だがはばたき飛翔する姿を、初めて見た気がする。いつもならジャンプして逃げていくことが多い。



夕方、チョロが吠えるので、外に出てみたら、近所のHさんだった。

私「去年は見なかったんだけど、数日前までは、ハチ、来ていましたよ」

Hさんは、にこやかに 「あ、そう、来ている」

「今年は○○○で一つ、巣を見つけたんだけど、こっちはどこにあるかな?」

ハチ採りを毎年、楽しんでいるHさん。

しかし、その代償も大きい。Hさん、三日前にも右腕を刺されたそうで、パンパンに腫れ上がったそうだ。

「痛かったよ。足首も捻挫していたし、ダブルパンチよ」

これまでに何回刺されましたか、という私の問いかけに、

「そうねえ、数え切れないねえ。どうやら、わしは免疫があるみたいだから、大丈夫だけど」

オオスズメバチに何度も刺されても、怯まない、まさに豪傑の、Hさん。

見た目にもガッチリとした体型で、サングラス掛けていると、誰もが怯んでしまうような、強面である。

でも、目は優しい。

「新開さん、どうこのごろ忙しい?」

「あ、はあ、9月に入ると俄然、忙しくなります」

自分の座骨神経痛のことは、とても口に出せなかった。

Hさんから、少しは元気をもらえたような気がした。





クツワムシ

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三股町 田上

台所で洗い物をしていると、窓のところに大きな虫のシルエットが。
あ! クツワムシのオスだ。

クツワムシP9070002.jpg網戸越しではつまらないので、外に出てみた。
クツワムシP9070009.jpg昼間の隠れ場所としては、如何なものか?と感じるが、クツワムシにとっては「良い場所みっけ!」だったかもしれない。

「オヤスミ  ノ  トコロ  ゴメンナサイ !」

先月、発症した座骨神経痛、激痛に耐えること約3週間、ついに我慢も限界となって今週から、ようやく整骨院に通い始めた。

人生57年、私にも少しは人を見る目があると信じて、片道15分で通える整骨院をチョイスしてみた。今日で三日目だが、私のチョイスは間違っていなかった、と確信している。

来週には、遠征ロケも予定している。  それまでには何としても快復したい。

藁にもすがる気持ち、とはこのことか、とつくづく思います。



家蜂

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三股町 田上

曇ったり、小雨降ったり、そして陽射しが出たりと、めまぐるしく空模様が変わる、不安定な天候の一日だった。

軒下の竹筒アパートは賑わっており、連日、ハチの出入りで忙しい。
一番大きいのが、オオフタオビドロバチ。

WindowsP9060011.jpgカメラ(TG-4)をすぐ傍まで寄せても平気で作業を続けていた。

さて、ある仕事でファイル送信を受信したものの、Macでは開くことができなかった。
あれこれ試してみるより、これはWindowsで開いた方が早い、と思い直し、久しぶりにWindowsを起動してみた。するとやはり、すんなりファイルを開いて閲覧できた。
WindowsP9060023.jpg画面右側が、Windows PC。  Macに慣れてしまうと、Windowsは使いづらい。それでもこうして、役に立つこともあるので、捨て難い。

葉切り蜂

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三股町 田上

先々週、飼育室の棚に置いてあった水道ホースに、ハキリバチの一種が出入りしていた。

ハキリバチ_Z5A5719.JPG数分おきに葉っぱを抱えて帰って来る。

葉っぱ材は、どうやらクヌギの若葉が多いようだった。


ハキリバチP9040015.jpg

こんな、「虫のしわざ」、みなさんのお庭でも見かけませんか?

三股町 田上

嵐の前の静けさだろうか。台風12号の影響なのか朝から蒸し暑い。
午後3時過ぎ、小雨になったので洗濯物を取り入れた。

玄関入ってすぐ、肩がくすぐったいと思えば、トゲナナフシが止まっていた。

なんだか、嬉しいね。

トゲナナフシ_Z5A5904.JPGいざ探すとなると、ホイホイ見つかる虫でもない。夜の森で、懐中電灯の灯りを頼りに探すのがいい。

さて、道路の向い側斜面に、キササゲが2本、植わっている。苗木から育ってみるみる大きくなり、今夏はたくさんの実がぶら下がっていた。


キササゲIMG_5892.JPG
中国原産のこのキササゲをわざわざ植えた理由を知りたかった。

すると先日、地主の方がこの実を収穫しているのが目に入った。さっそく飛び出して行って、ずっと不思議に思っていたことを尋ねることができた。

「これはね、種をとってよく乾燥させてから、お茶にするの。漢方薬になって効くんだよ」

どうやら利尿剤などに使われるようだ。

都城訛りでお話の半分は聞き取れなかったが、知人の方に譲ってあげる、とのことだった。

「挿し木で、よく育つよ」とも、教えてくれた。


捕虫網

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写真左は5メートルまで伸びる釣り用の、タモ網。
網は捕虫用のゴース地に取り替えてある。

写真右は市販の子供向け、捕虫網(エーワン)。網の枠は畳めない。
普段は家の廊下中央に置いてある。

P9010029 (2).jpgタモ網の枠はアルミ製で、四つ折りに畳める。
P9010031 (2).jpg
5メートルのタモ網を使うケースは稀だが、あれば非常に重宝するのは言うまでもない。
こちらは車のトランクに積んである。先日、久しぶりに持ち出したのは、コナラの高所に止まったチョウを捕らえるためだった。オスかメスか、確認したかったのだ。

昆虫との出会いは、一期一会であり、「あっ!!」と思った瞬間、次の出会いがいつになるか知れない、ということも多い。今では、捕らえて標本にすることは皆無となったが、撮影や観察のために捕獲することがときに必要となる。

まあ、もっとも、写真の右側の小さい網は、ゴキブリやムカデ、ゲジゲジが室内に登場して大騒ぎになったときに、必須の道具として活躍する場面の方が多い。