台風16号の爪痕

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三股町 田上

夜中の2時。雨戸を叩きつける激しい雨音で眼を覚ました。
玄関前の犬小屋の様子が気になり、門灯のスイッチを入れたが停電でつかない。懐中電灯で照らしてみれば、あるはずの犬小屋が吹き飛ばされて無かった。
普段は西側に置いていある犬小屋を、風向きを考慮して東側の玄関前に移動しておいたのだ。

それでも今回の台風の強風は凄まじかった。

びしょ濡れになったチョロが、扉に寄り添うにして震えていた。
あわてて玄関の中にチョロを引き入れた。

ひとまず寝室に戻って布団に入ったが、しばらくしてチョロがウロウロして落ち着かない。
「どうした?」と声を掛けると、扉に近づき外の様子をしきりと気にしながら「クウン、クウン」と鳴く。

さてはと、扉を開けてやると、サッと外に出ておしっこをした。用を済ますとそそくさと玄関内に戻った。
しかし、そのあともウロウロして落ち着かないので、私も腹をくくって上がり框に座り込んでみた。
「ここにいるよ」と手を差し伸べ、チョロを見つめてやった。
すると、チョロは私をじっと見上げるようにしてから、やがて安心したかのように横たわった。
横たわってからも、チラ、チラと私の姿を見ている。LEDのカンテラの灯りも、チョロには安心できるようだった。1時間ほどしてチョロが寝息を立て始めたので、灯りを消してそっと寝室に戻った。

午前5時半。雨風も止んで静かになった。外の様子を見てびっくり。
庭のコナラが根元から折れて、倒れていた。

台風P9200013.jpgこのコナラは50センチほどの実生を6年前に移植したもので、観察用として理想的な枝ぶりであった。
しかし、今夏になってクワカミキリの異常とも思える過剰産卵を受けた。カミキリムシの幼虫達は順調に育っているようで、産卵痕からは夥しい木屑状のフンが排出され、根元に山積みとなっていた。これを見て、このコナラも長くはないなあ、と憂鬱になっていたが、やはり。

花の最盛期を過ぎていたヒガンバナも、ほとんど風でなぎ倒されていた。
台風P9200012.jpg

庭も駐車場も家の前の路上も、地面という地面はどこもかしこも、風で飛ばされた枝葉でびっしりと覆われていた。

台風P9200025.jpg
停電が復旧したのは、午後6時ちょうどだった。停電はほぼ16時間。
我が家は井戸水なので、電気が止まると炊事も洗濯も、水洗トイレにも困る。
冷蔵庫内の食品も心配だった。
以前からこうした事態に備えて、小型発電機をと考えていたが、これを機会に検討してみたい。


無論、オール電化などはしておらず、台所はガスコンロなので、加熱調理はできた。これは有り難いことだった。電気会社の口車に安易にのってはいけない。
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