スミレモの香り

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三股町 田上

クヌギの幹に鮮やかなオレンジ色。

クヌギIMG_6960.JPG谷津田の再奥にあるクヌギ林は、もとは湿地でそこを開墾した田んぼだったようだ。林床のあちこちがぬかるんでおり、ツクシショウジョウバカマが自生している。
陽当たりも悪くクヌギの成長は芳しくないように見える。

さて、オレンジ色をしたフサフサは、藻類のスミレモ。こうして陸上で暮らす、藻類としてはかなりの変わり者、ということらしい。オレンジ色は細胞に含まれているヘマトクロームという色素。
ほかの場所には色がうすくて茶色に近いものもあるが、それはこの色素が少ないということだろう。

スミレモIMG_2992.JPG「スミレモ」と名前を聞いて、だれもが「なぜ?」と疑問に感じると思う。

少し調べてみたら、スミレモには植物のスミレの香りがするため、この名称がついたそうだ。
今日はその香りを確かめるべく、この林に来てみた。

「さあて、どんな香りだい?」と、鼻を近づけてみたが、何も匂わない。
クンクン、あげくは鼻をこすりつけてみたが、それでもまったく匂わない。
私の嗅覚がおかしいのか、あるいは香りが出る時期とかあるのかもしれない、と思った。

オレンジ色の垂れ幕をめくってみたが、それでも匂わない。

めくってみると、裏側は緑色だった。

スミレモIMG_3044.JPGクヌギの幹表面には、他にコケ類や地衣類も多い。
一番目立つのが、地衣類のウメノキゴケだ。
ウメノキゴケIMG_3060.JPGあらかじめ、地衣類の予習を少ししておいたので、ウメノキゴケに紛らわしいマツゲゴケも見分けることができた。

こちらがマツゲゴケ。

マツゲゴケIMG_3073.JPG
マツゲゴケには名前の通り、シリアというまつ毛のような黒い毛が並んでいる。
マツゲゴケのシリアIMG_3085.JPG
ウメノキゴケとマツゲゴケは混生することもあるらしい。

こちらは地衣類モドキ。
イノシシIMG_3078.JPG騙されてはいけませんよ。

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