携帯展翅板とオカモトトゲエダシャク♀

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渋谷の青山通りに「志賀昆虫普及社」があったのはもうだいぶ昔のことだが、
東京に住んでいた頃には、何度か行ったことがある。

自分にとっては高価でなかなか手が出なかったのが、「携帯展翅板」。それでも仕事上、展翅標本を作ることもあって、ある日、思い切って購入した。私の場合、これを出先に持ち歩くのではなく、自宅で使うためだった。乾燥中のゴキブリ対策だから、適当な段ボール箱でも良かったとは思うが、スマートにきっちり展翅板が納まるのが欲しかった。
展翅板を大中小と選ぶのに、店の奥さんに相談して手伝ってもらった。いろいろ組み合わせを試行錯誤してみて、ピッタリと納まったときには、二人で歓声を上げた。

携帯展翅板_Z5A9303.JPG全部で6本の展翅板がきっちりと納まっている。いづれも傾斜式でちょっと値が張る。お値段は2万円程度したと思うが、細かい金額は忘れた。

買ったはいいものの、標本を作ることは滅多になく、この携帯展翅板の中が乾燥標本で全て埋まったことは一度も無い。
今、写真の一頭だけ展翅中の標本は、宮崎県美郷町産のオカモトトゲエダシャク♀。先月、ある方から生きたまま譲り受けたのだが、容器のなかで産卵していた。
オカモト_Z5A8587.JPG最初、成虫の写真画像を拝見し、「もしやクワトゲエダシャクでは!!」と期待したのだが、いざ展翅してみれば、オカモトトゲエダシャクと判明した。それでも♀はなかなかお目にかかれないし、私も初めて見た。

卵が有精卵であることを願っている。



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