2017年4月アーカイブ


昨年、コナラのドングリが豊作で、今春、うちの林には実生がいっぱい。

ほとんどが三つ葉だが、

コナラIMG_9961.JPG
まれに、四つ葉も混じっている。

コナラIMG_9970.JPG
実生のうち生き残れるのはわずかだろうが、何本かは庭に移植したいと思う。

エノキの幹で、ヨツボシホソバ幼虫が地衣類をかじって食べていた。

ヨツボシホソバIMG_9988.JPG
「カリ、ポリ、カリ、ポリ」と音が聞こえそうなほど、硬そうだった。

本種の幼虫はクヌギにも多く、樹種よりか地衣類の有無のほうが大事なのだろう。


お知らせ:   明日からしばらく、当ブログの更新を休止します。

                 


待ったなし

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谷津田の用水路にあった、ヤマサナエの羽化殻(ヤゴの抜け殻)。
ヤマサナエ抜け殻IMG_9932.JPG庭のエノキの幹に数頭がたむろしていた、ヨツボシホソバの幼虫。
ヨツボシホソバ幼虫IMG_9929.JPG家庭菜園のネギ坊主で吸蜜していた、ツマグロヒョウモン♂。
ツマグロヒョウモンIMG_9924.JPG花に混じって、果実(豆さや)も目立ち始めた、レンゲ。
レンゲIMG_9941.JPG


花のレストラン

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新刊本の紹介です。

「ようこそ!花のレストラン」 写真・文:多田多恵子               少年写真新聞社
花のレストラン.JPG
著者は、植物生態学者の多田多恵子さん。

64ページのボリュームたっぷりの写真絵本です。
表紙デザインを見るだけで、思わず手にとりたくなります。内容はたいへん濃くて、大人の方でも読み応えのある植物生態学の入門書です。



昨日やり残した林の下草刈り作業だが、今日はパスして明日に持ち越し。

林に降りてしゃがみ込んでみれば、目の前でホソミイトトンボ♀が食事中だった。

ホソミイトトンボIMG_9794.JPG獲物はユスリカの一種。目一杯大きく写したくて、あえて対角線の構図にした。

ヒメヒラタアブ属の一種は、ホバリングしては花に着地していた。

ヒメヒラタアブIMG_9696.JPG

変動とは

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数年前にもあったのだが、今春、ナナホシテントウの数がやたらと多い。
ナナホシテントウIMG_9662.JPG庭の人工池ではクロスジギンヤンマとハラビロトンボの羽化が続いている。
ハラビロトンボIMG_7528.JPG午後から草刈り作業を行ったが、平地の部分のみで、林の方は時間切れ、体力切れで、できなかった。2時間を超えると、さすがに疲れる。

ビーバーで刈っていると、すぐ傍までハシブトガラスが寄って来た。ずっと私の後をつきまとってくる。いつもならこんなに近くまで寄る事はないのだが、と振り返れば、刈ったところから次々と虫を啄んでいた。
東側にあるスギ植林のてっぺん近くに営巣している番のようだ。今はヒナに運ぶエサ探しで忙しいのだろう。

そういえば、玄関先で育っていたキジバトのヒナの姿が、三日間家を空けて戻ってみれば消えていた。巣立ったのだろう、と思っていたが、草刈りしていて、巣場所から近い庭の地面一カ所に羽毛がたくさん散っているのに気付いた。
どう見ても何者か天敵に喰われた痕跡である。キジバトのヒナ2羽のうち、少なくとも1羽が餌食になったようだ。




公園に入ってすぐに目に入ったのが、ミミズクの幼虫だった。
ミミズク幼虫IMG_4432.JPG普通種でありながら、探して見つかる虫でもない。
しかし、今回は最速1分で見つけたのだから、自分でも驚いた。  だが、しかし、二匹目は見つかっていない。

そして、次の目標、ウシカメムシも一頭だが見つかった。


松山の実家近くでは、ウマノスズクサの蔓がニュキ、ニョキと無数に生えていた。
ここは元、ゴルフ場の事務所が建っていた跡地である。今後また何かの工事が入って撹乱されるかもしれない、極めて行き先の知れない不安定な草地だ。

だが、それでもジャコウアゲハは毎年、繁殖している。ウマノスズクサをぼんやりと眺めている私の膝元にも、メスが飛来して、さっそく産卵を始めた。

ジャコウアゲハ産卵IMG_4357.JPGだいぶくたびれたメスで、低空飛翔しながら草むらに潜り込むようにしては、ときおり産卵していた。

ノアザミで吸蜜するメスもいた。

ジャコウアゲハ吸蜜IMG_4373.JPG


二羽のヒナ

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玄関の巣箱上では、大きく肥えたキジバトのヒナが二羽、窮屈そうに並んでいる。

キジバトIMG_7511.JPG頭部に産毛が残ってはいるが、体全体はすっかりキジバトらしい姿になった。
カメラを近づけると、右手の大きなヒナは「ガガガ〜」と声をあげて体ごと威嚇してくる。

親鳥が抱卵しているとき、卵を撮影しておくつもりだったが、そのチャンスを逃してしまった。そのうちにと思っているうちに、卵の殻が地面に落ちていた。
キジバト_Z5A9616.JPG親鳥はふ化の日が近づいてからは、ほとんど巣を離れることがなかった。

このところ爆発的に虫の姿が増えた。
スズメの子育ても忙しくなり、数分おきに親鳥がエサを持ち帰って来る。
親鳥の嘴には様々な虫がこぼれんばかりにくわえられている。

「チイ、チイ、チイ〜」というか弱い、しかし、あまり聞き慣れない声がした。
庭を覗いてみれば、昨日耕したばかりの畑で、ツチガエルがシマヘビにくわえられていた。シマヘビは小さく、獲物のツチガエルの後脚片方しかくわえていない。



片翼飛行

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飛行機は片側のエンジンが止まっても、飛行ができるらしい。
さらには片翼を失っても、飛行を続けた事例もあるようだ。

さて、ではトンボの場合はどうだろうか?

本日、庭の人工池で羽化した、クロスジギンヤンマ。

クロスジギンヤンマIMG_9299.JPG最初、羽音で気付いたのだが、いっこうに飛び立つことができないでいた。

それもそはず、右の後ろ翅がほとんどなく、前翅もよじれている。

しかし、しばらくしてヨタヨタしながらも低空飛行をし、しだいに速度を増して視界から消えて行った。
曲がりなりにも飛行できたのには、驚いた。

ヤンマの姿を見失ったあと、羽化殻を探してみると、あった。

クロスジギンヤンマIMG_9300.JPG右側の翅芽部分を見ると小さく縮んでいる。これでは正常な翅が展開できなかったわけだ。
ヤゴ翅IMG_9301.JPGで、こちらが左側の正常な翅芽。
ヤゴ翅正常IMG_9303.JPG
ぜんぜん大きさが違うのがわかる。

片翼飛行でもって、どれだけ生きていけるのかは、わからない。すぐさま鳥の餌食になってしまうかもしれない。



鹿児島県曽於市  大河原渓谷

ボロボロノキとベニツチカメムシを見たあと、ムカシトンボのポイントへ移動。
生憎、曇り空で気温も低いためトンボの姿は見れなかった。

水が滴る崖に生えたサツマイナモリで吸蜜していたのは、ミヤマカラスアゲハのメス。

ミヤマカラスIMG_9252.JPGこの花で吸蜜するチョウの姿は、これが初めてだ。 花数も多くよほど腹ぺこだったのか、吸蜜時間が長く、機材を準備する余裕があった。

都城市 関尾の滝、ではシイの木の樹液に、これまた腹ぺこオオスズメバチ女王が来ていた。

オオスズメバチIMG_9270.JPG東京から来られた編集者の方を案内して歩いたが、先にも書いたように気温が低めで、活動する昆虫の姿はきわめて少なかった。

ベニツチカメムシを手渡して、耳元で発音を聴いてもらった。







幼虫で越冬していたヒゲジロハサミムシが、脱皮して成虫になった。
ヒゲジロ脱皮IMG_8854.jpg成虫になる脱皮を羽化と言うが、本種では翅が無いので羽化という用語がしっくりこない。

数頭いる幼虫のうち、脱皮してもまだ幼虫、つまり亜終令(おそらく)も混じっていた。ハサミムシの令数って、そういえば何令だろうか?


卵を見つけてからちょうど一週間目の今日、イボタガの卵がふ化した。
イボタガふ化IMG_4076.JPG
7本の長い突起もあるけど、小さな卵のなかにどうやって納まっていたの?

ふ化幼虫を撮影しつつ、庭を覗いてみれば、イボタガの成虫がいた。しかもピカピカの綺麗な姿。


イボタガIMG_8820.JPG

来週から開催予定の写真展の準備をしていると、庭でツマキチョウが行ったり来たりしていた。
そのうちもう一頭も加わって、乱舞状態。そこにモンシロチョウも混じったりと賑やかだった。
作業をしつつ部屋の中から眺めるだけだったが。

夜はケビン・コスナーの西部開拓ドラマ「ダンス・ウィズ・ウルフズ」を観た。3時間の映画はさすがに見応えあった。


瀕死のケラ

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犬の散歩で拾った、ケラ。
ケラIMG_8789.JPG死んでいるのかと思えば、触角がわずかに動いていた。しかし、ほとんど瀕死状態。
外見上でとくに体の損傷が見当たらない。

ケラIMG_8793.JPG元気が無い理由は何なのか?気になるので大事に持ち帰ってみた。

農薬という毒ガス攻撃に見舞われたのか、はたまた、もしかして寄生されているのか?

ケラを拾って謎に心ときめかすって、そういう楽しみ方もありだ、とはこっそり思っている。

うちの林もすっかり芽吹きの色に染まっている。クヌギよりコナラが先行して、いい色合いだ。

芽吹きIMG_8800.JPG


与那国島から戻って数日後、出版本の打ち合わせで東京に日帰り。
宮崎から日帰りをしたのは初めての経験だったが、こういうのもありかと思えた。

朝一番の飛行機に搭乗すれば、都内のどこでも午前10時半には余裕で間に合うので、昼を挟んで午後4時過ぎまでなら、じっくり打ち合わせができる。
ここ数年、海外旅行者が増えた影響なのか、都内のホテルは宿泊料金が高騰し予約もとりずらくなった。打ち合わせの仕事だけなら日帰りで済ませたほうがいい、と思い始めている。

しかし、ちょっとガックリくるのは、宮崎空港のレストラン。期待していたラーメン屋は午後8時20分がラストオーダー。タッチの差で夕食をとれなかった。まあ、不便なところが田舎の良さでもあるけどね。





本の紹介

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鈴木知之さんの新刊本、「新・カミキリムシハンドブック」鈴木知之・著(文一総合出版)、が届いた。

カミキリムシハンドブック.JPG旧版「日本のカミキリムシハンドブック」の増補改訂版で、40頁増えて、とくに幼虫図鑑の頁が充実。カミキリムシの幼虫は似たようなのが多いが、識別点など解説がたいへんわかりやすい。




イボタノキ

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午前中は、ある団体さんの自然観察を行うフィールドの下見を行った。

イボタノキの実生が多数、生えているのでこれは!?と思った。

すると予想通り、イボタガの卵が次々と見つかった


イボタガ卵IMG_3944.JPGここは都城市のとある場所。うちの近辺ではイボタノキが全く見つかっていないので、その多さに驚いた。


帰宅して庭のスイカズラを覗いてみれば、イチモンジチョウ幼虫がクチブトカメムシ2頭に吸血されていた。

クチブトカメムシIMG_3976.JPG1時間後に再び覗いてみれば、クチブトカメムシが交尾していた。仲良く吸血していたのは、そういうことだったのか? メスは交尾しながらもまだしぶとく吸血していた。




春の浦島太郎

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五日間、家を空けて戻ってみれば、すっかり様子が変わっていた。

エノキの枝又で顔を伏せて休んでいたゴマダラチョウ幼虫の姿は無く、抜け殻だけが残っていた

ゴマダラチョウIMG_8595.JPG
芽吹きが始まった梢を舐めるように見ていくと、成長した姿の5令幼虫がいた。
ゴマダラチョウIMG_8599.JPG
新芽をモリモリ食べ、でっぷりと肥えた姿になるのもそう先のことではない。



遅い春

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与那国島、滞在最終日。

季節の進行は例年よりか10日以上、遅れている感じだ。したがって虫の姿も少なく、ヨナグニサンの春第一化もまだ出ていないようだ。

3個見つけてあった繭はついに羽化せず。繭のなかで蛹は元気に踊っていたが。

体長5ミリほどの、タテスジヒメジンガサハムシ。 小さいけれど、緑色金属光沢が目をひく。

タテスジヒメジンガサハムシIMG_8396.JPGジュウニマダラテントウは、体長8ミリほど。ウリ類やナス科の葉上でよく見かけた。
ジュウニマダラテントウIMG_3798.JPG大きなクワズイモの葉っぱを裏返してみれば、体長3ミリの極小カメムシ、クワズイモカスミカメがいた。
クワズイモカスミカメIMG_3820.JPGアメリカセンダングサの葉に潜んでいたのは、ヨナグニアカアシカタゾウムシ。
ヨナグニアカシゾウムシIMG_3750.JPG


与那国島、滞在三日目。
朝一番、どんよりと曇っていたが昼前から日射しが出て来た。
昨日、日焼けした両腕がヒリヒリ痛む。

国内では与那国島にしか生息していない、アオナガイトトンボ。
アオナガイトトンボIMG_3856.JPG
同所では、アカナガイトトンボが連結産卵していた。
アカナガイトトンボIMG_3835.JPG
昼過ぎてからまた、曇ってきた。 与那国島最高峰の宇良部岳(231m)頂上からの眺め。
宇良部岳IMG_7391.JPG
バッテリーの充電は、止むなくたこ足配線で。
たこあし配線IMG_3746.JPG


与那国島、滞在二日目。
昨日より日射しが強く、日中の気温は高め。
あちこちでイワサキクサゼミの鳴き声も聴こえるようになった。

小川の水面に大きなミズスマシが7〜8頭、群れて泳いでいた。
オキナワオオミズスマシの亜種、タイワンオオミズスマシだ。
ともかくでっかい! こんな大きなミズスマシがまだ生息しているというのは、驚きだ。

先日はヨナグニシュウダを目撃したすぐ傍の沼で、ミズスマシの大群が泳いでいるのを見た。種類はわからないが、ミズスマシを見るのは何年ぶりだろう。



与那国島ふたたび

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今朝一番の便で与那国島に到着。

晴れてはいるが、風が強くて気温は思ったほど上がらない。
少し歩いてヨナグニサンの繭を見つけた。中にはずっしりと重い蛹が入っている。
一昨年来たときに比べて虫の姿がかなり少ない。ミヤコキンカメムシも一日歩いてまったく見ていない。今回の仕事の目的はヨナグニサンではないが、せっかくなので、繭の羽化を期待したい。
日当りのいい草地で日向ぼっこをしていた、ヨナグニシュウダを初めて見た。でっかい!!ドッサ〜と跳ねるように足下から茂みに逃げたので、びっくりした。

ナナホシキンカメムシの写真(⬇)は、昨日、那覇市内の公園で撮影したもの。
IMG_8135.JPG
久部良町の民宿から歩くと少し時間が掛かるが、最西端の灯台に行ってみた。
与那国島IMG_7344.JPG
肝心の仕事の撮影は、狙い通りにうまくいった。明日の追加撮影に備えて、オリオンビールで乾杯!


春型、アゲハ

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よく晴れたが、冷たい北風が強く、外に出るとけっこう寒い一日だった。

今朝は地区の公民館で自治会の総会があり出席した。いろいろ、田舎ならではの話題が上がったが、行事に若手が集まらない、という現実は深刻ではある。しかし、実際には若手がいないわけではない。世代間での断絶こそが突きつけられた問題だと思う。

風に逆らうように庭に飛来したアゲハは、ホトケノザでしばらく吸蜜していった。

アゲハ_Z5A9427.JPGこのあとボケの花も訪れたが、ほとんど吸蜜することなく、忙しく飛び回ってから姿を消してしまった。

「おい、おい、アゲハが来ているよ!」と嫁さんに声掛けしながらカメラを取りに走り、
ストロボの設定をメニューでやりつつ、外に出ても撮影には間に合った。
ラッキーだったと言えばそれまでだが、通常は間に合わないのが当たり前。

北九州市の自然写真家、武田晋一さんが取材の途中で我が家を訪問してくれた。
普段は孤独に仕事をしているので、同業者の方と会う時間は、きわめて貴重とも言える。

数年前にお会いしてから、なんだか印象が違って感じる。そういう自分も気付かないうちに変わっているのだろう、と鏡を見ているような気持ちになった。