2017年6月アーカイブ


コウモリガ幼虫の「しわざ」を、我が家に取材に来られたディレクターの方に説明しようとしたら、そのすぐ傍にオオフタモンウバタマコメツキがピタリと貼り付いた格好でいた。アカメガシワの幹である。
オオフタモンウバタマコメツキIMG_4703.JPG
夜の灯りにはよくやって来るが、林で探すとなるとそう簡単には見つからない。
先日はクヌギの樹液に来ていたが、すぐに立ち去ってしまった。どういった暮らしをしているのか、よく判らない。
せっかくなので掌に乗せてパッチン、ジャンプを見てもらった。

そのあとコウモリガ幼虫の巣トンネルの入り口を見てもらい生活史を説明しているうちに、すぐ脇に絡んだサルトリイバラ葉裏にはホソアシナガバチの巣も見つかって、終わりのない昆虫観察が続いていった。


前にも紹介したキササゲの花に、ミヤマカラスアゲハのオスが来ていた。
ミヤマカラスアゲハIMG_4715.JPGもっと花の姿もしっかり見えるカットもあったのだが、ストロボが発光せずチョウの翅が真っ黒に潰れてしまった。ストロボのバッテリーがヘタッっていて、チャージが間に合わなかったのだ。陽射しがきつくコントラストが強いので、影になるところをストロボ光で軽くおこすのがコツ。今日の写真はかろうじて証拠写真。

昨日、見つけてあったクロヒカゲ幼虫は、とまっていた葉を全部平らげてから、姿を消していた。ところが今日はその場所とは道路を挟んで反対側のササの葉でも、幼虫が見つかった。
クロヒカゲ5令IMG_4761.JPG成熟度で言うと昨日の幼虫のほうが肥えていたし、道路巾は4メートルあるので、昨日のとは別個体だろう。それにしても葉裏が道路のほうに向いていて、裏側に身を潜めているつもりだろうが、嫌でも目立っていた。

昨日の幼虫は、私の目線の反対側の葉裏にいたにも関わらず、逆光の位置にあったため、幼虫の黒いシルエットがすぐ目に入った。
クロヒカゲの幼虫探しは、食痕のしわざを目印に、葉をめくっては探す、という地道な作業を要し、それも当たり外れが大きく、根気と忍耐が必要なことがほとんど。

昨日、今日と立て続けに、それも犬の散歩中に勝手に目に入ってくる、というのは幸運としか言い様が無い。
良い事(幸運)は二度あっても三度目は無いと知りつつも、どこか三度目を期待してしまう。

クロヒカゲ写真の使用機材:EOS-80D + EF-s35mm f2.8 Macro IS STM


CanonのEF-s35mm f2.8 Macro IS STMは、昨日発売された新レンズ。
APS-C専用レンズで、標準マクロ。
昆虫写真撮影では望遠マクロレンズと標準マクロの両方が必要で、撮影目的に応じて使い分ける。





午後から鹿児島県のフィールドにとんぼ返り。帰る間際にコミスジの蛹が目に入った。ナツフジにぶら下がっていた。
コミスジ蛹IMG_4593.JPG陽射しを反射して黄金色に輝く。
IMG_4583.JPGでも、小さいよ。体長1センチあるかないか。

午後から久しぶりの陽射しが出て、かなり蒸し暑くなった。ニイニイゼミの鳴き声もしだいに賑やかになってきていい感じだ。梅雨の中休み、ということらしい。



近所のボタンクサギがようやく咲き始めた。昨年よりかなり遅れている。
ボタンクサギIMG_4639.JPG黒いアゲハがよく訪れる花だ。
と、この場所のすぐ近くでヒメハルゼミが鳴き出した。午後6時29分。鳴いているのは一頭だけのようだ。



今の時期、メダケで良く見つかるヒサゴクサキリの幼虫。
ヒサゴクサキリ幼虫IMG_4676.JPG
若い幼虫で脱皮直後のようだが、まるでスジエビみたいだ。

こちらは羽化直後の、キリギリス(ニシキリギリス)。
キリギリスIMG_4698.JPG
使用機材:EOS-80D  TAMRON SP90mm Macro


ノコギリクワガタ

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ニワウメの実が色付いてきた。
ニワウメ17.06.JPG赤い実を試食しようとしたら、カナヘビと目が合った。

カナヘビIMG_4393.JPG
ライトトラップのすぐ傍には、ノコギリクワガタのオス。
ノコギリクワガタIMG_4474.JPG
蛹室から出てまだ日が浅いのか、擦り傷一つ無い。


午後7時半、ヒグラシの鳴き声が昨日と同じ方角で始まった。



   使用機材:(上)EOS-5D MarkⅢ  EF100mm Macro
                   (中、下)EOS-80D  TAMRON SP90mm Macro

パソコンモニターの足下に、ウニの殻が一つ。

8年前に日南市の海岸で拾ったものだ。貝殻もいくつか拾ったけど、ウニの殻が一番気に入って目の届くところに転がしてある。


ウニIMG_4406.JPG
しかし、今日の今日まで、殻の表面に色が残っていることには気付かなかった。
私の老眼もかなりのものだが、いやそれより見る心構えの問題だろうと思う。

ウニIMG_6116.JPGもっといろんなウニの殻を拾い集めてみたくなった。


午後7時半、夕食の片付けをしていると(うちの夕食は早い)、少し先の杉林からヒグラシの鳴き声が聞こえた。

日中はずっとニイニイゼミが鳴き続けていた。



水玉虫めがね

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仕事部屋のすぐ傍で雨宿り。
ツヤアオIMG_4368.JPGツヤアオカメムシは雨滴を纏っていた。

水玉虫めがねのおかげで、カメムシの体表にある微細な点刻模様が浮き立つ。
ピントが今一つ甘いけど、、。
IMG_4350.JPG
撮影スタジオの整理をしつつ、撮影機材で騙し騙し使っていたものを見直して、使い易いように改造工作をしておいた。
飼育している虫の撮影、敷地内フィールドで観察、あっという間に一日が過ぎてしまう。


クヌギの小枝にコウモリガ幼虫が穿入していて、そこから樹液が滲み出ている。
庭の真ん中にあって、まだ私の胸の高さ程度の小木。
小木だが、コウモリガ幼虫が3頭、潜入している。

樹液には無数のアミメアリがたかり、そしてクロコノマチョウも来ていた。

IMG_4294.JPGすぐに逃げられるか、と覚悟していたが食事に夢中なのか、かなり近づいても平気だった。

よく見ると、甲虫の幼虫も来ていた。ホタル類だろうか?
しばらくしてからもう一度覗いてみたが、すでに幼虫の姿は無かった。

午前10:50、ニイニイゼミの鳴き声がすぐ近所から聞こえてきた。しばらくして、うちの林に鳴き声が移動。


使用機材:EOS-80D    タムロンSP90ミリマクロ VC USD
               


葉っぱの中

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雨で濡れたササの葉のマイン。中にいるタケトゲハムシ幼虫の姿が浮き立つ。
タケトゲハムシIMG_4205.JPG
高校生の水泳の時間。つまり42年前のことを、ふと想い出した。

同級生で一人、肌色の海水パンツを履いていて、プールから上がるや悲惨なことに。意地悪い奴らが指さして野次るは、もうみんな笑いの渦。おしゃれな肌色パンツが裏目に出た。
私が通った高校の校内にプールが無く、水泳の授業は市営プールに各自集合。授業といっても学外なので、どこか解放感もあった。
その松山市営プール、今はもう無い。


タケトゲハムシ、幼虫が多いが、成虫もいて交尾、産卵もまだ見られる。
IMG_5932.JPG


ツチアケビの花盛りは、今月の10日頃だったようだ(「宮崎神宮ブログ」を参考)。

それでもとにかく一目見ておきたくて、宮崎神宮まで出掛けてみた。

IMG_7496.JPG霧雨程度だったが、雲が厚く薄暗い
IMG_7485.JPG
すでに赤い実が膨らみ始めている。来年こそは、花盛りの頃に訪れてみたいものだ。
宮崎市街地のど真ん中にある神宮だが、鎮守の森は自然観察を満喫できる素晴らしいフィールドでもある。数年前、ここで昆虫観察会を開催したこともあった。

毎年、2、3回は訪れているが、ここにツチアケビが自生していることは今年、初めて知った。生える場所も年によって変わるようだ。地元新聞誌上でも記事になっているようだ。

高校生のとき植物図鑑を買い求めて、毎日のように眺めていたが、ツチアケビはそのころとても印象に強く残り、いつかは出会ってみたいとずっと思い続けてきた。
ようやくそれが叶ったのが一昨年の夏で、高千穂の山中だった。神宮のツチアケビはそのときより株が大きく見事だ。

神宮のお隣にある民家園に回って、ケンポナシの花も見ておいた。花は高い位置にあるので、下からシルエットがかろうじて確認できる程度だ。
ケンポナシIMG_4108.JPG南九州、そして平地、という条件のためか開花が早い。
昨年、愛媛県の面河渓では花(ケケンポナシ)を目線の位置で撮影した(7月8日2016年)。

花壇のミツバでは、キアゲハ幼虫が育っていた。
キアゲハIMG_4112.JPG県立博物館傍のタシロランも、花のピークは終わりかけだった。
うちの林でもかつて開花したので、戻ってから探してみたが、見つからなかった。

使用機材: EOS-70D、EOS-80D
EF-s60mmマクロ、EF-s10-18mm、EF70-200mmF4L


昨日は、サツマヒメカマキリ。

今日はクヌギに群れていた、サツマコフキコガネ。
サツマコフキコガネIMG_4038.JPG梅雨に入ると、待ってました!とばかりに姿を現す。

ベニシジミがハナグモの餌食になっていた。
IMG_4042.JPG



小さなカマキリ

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今の時期、よく目につくカマキリは、オオカマキリ、ハラビロカマキリ、などの幼虫たち。オオカマキリと思っている個体には、チョウセンカマキリも混じっているかもしれない。オオカマキリだと体長が5センチ程度のものもいるが、大方は3センチ以下と小さい。幼虫だからもちろん翅がまだ無いので、体全体がツルンとしている。

今日の夕方、近所の草むらで交尾していたのは、サツマヒメカマキリ。

サツマヒメカマキリIMG_4003.JPG
メスで体長3.5センチほどの、小さなカマキリだ。
本種は幼虫で冬を越し、成虫となるのは5月半ば頃から。初夏の今頃が成虫期となる。

普通種とされるが、他のカマキリと比べて遭遇頻度はそれほど高くない。うちの庭でもときたま見かけるが、見たいと思っても簡単にはいかない。

写真のカップルは、さらに近づこうとしたところで、ピョンッと草むらに飛び降りて、姿を見失ってしまった。習性も他のカマキリとはかなり異質。

同じ草むらで、ツマグロイナゴモドキ(ツマグロバッタ)のオスの姿が増えてきた。

ツマグロイナゴモドキIMG_4007.JPGまだメスは見ていない。

昨夜は激しい雨と強風が吹き荒れ、窓枠に巣網を掛けていたコガネグモは、少し移動して新しい網を張り直していた。かくれ帯は、今回も下に「ハ」の字型。網の向きが窓枠とはだいぶ斜めにズレてしまった上、高い位置になったので、これまでのように背景を綺麗にぼかした絵柄は撮影できなくなった。
今後も、できれば産卵するまで観察したいとは思うが、さて、どうなるだろう。




梅雨本番

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犬の散歩の途中で撮影することも多く、両手を使うときはリードを離す。
それでも、チョロが勝手に先へ行ってしまうことはない

チョロIMG_8011.JPGリードの持ち手に結わえてあるスコップが、ガラガラと音を立てるとチョロはピタリと、その場に留まるようになった。
10歳のチョロだからで、若い頃だとすぐさま喜んで駆け出していた。以前はスコップではなく、打ち込みペグを結わえていたものだ。

さて、窓枠のコガネグモ♀だが、今朝になってかくれ帯を新調していた。

701A0591.JPG
下に「ハ」の字型はよく見かけるタイプ。 今朝は亜成体を数匹、見つけたが、X字型のかくれ帯は一匹もいなかった。

ナツフジの花蕾には、ウラギンシジミの2令幼虫もいた。
IMG_5819.JPG1令幼虫が脱皮して2令になると、その途端、お尻の突起が現れる。(画面左側に頭)

1令の脱皮兆候(収縮運動)を捉えていたが、ちょっと目を離した隙に脱皮が完了していた。
まだ時間が掛かるだろうと油断したが、シジミチョウ類の幼虫の脱皮は動きが小さく、あっさりと終わってしまう。

昼前
から雨になり、夕方から強風を伴う激しい降りになった。
梅雨_Z5A0072.JPG


ウラギンシジミの♀が、庭のナツフジの花蕾に産卵していた。
遠目にも白い卵がたくさん付いているのがわかるほど、数が多い。

ウラギンシジミ卵IMG_5612.JPG
ゴルフボールのような卵。ふ化殻も多く、齧られた蕾もあるので、幼虫を探してみると、ふ化幼虫が見つかった。
ウラギンシジミふ化幼虫IMG_5603.JPGお尻の一対の突起はまだ無い。


昨日、脱皮して成体となった、窓枠のコガネグモ。

やはり、かくれ帯に変化が!
701A0475.JPGそれと、もう一つ大きな出来事もあった。

同じ円網にいた♂(30センチほど離れていた)が、今日になって交接を試みていたが、なんとこの♀に食べられてしまったのだ。
オスは、メスが成体になったことをどうやって察知できたのだろうか?
メスは性フェロモンを出しているのだろうか?




朝の犬の散歩ついでに、コガネグモを見ておいた。
幼体らしき個体は1頭のみで、他はすべて成体かと思う(少し自信が無くなった)。

かくれ帯IMG_3760.JPGX字には程遠い、かろうじて「ハ」の字型。
あるいは、

かくれ帯IMG_3761.JPG「チョン」の一筋のみも。
ほかにも数個体見たが、上写真のような、下側に「ハ」の字型が多かった。
「X」字型は意外と見つけにくいようだ。






居間の窓枠に巣網を張っているコガネグモ。
X字型のかくれ帯が、見事だ。(昨日、撮影)

IMG_6031.JPG
しかしここまでしっかりX字になるかくれ帯は、むしろ珍しいかと思う。多くは、中央でつながることはなく、しかも4本ならず、2本や1本の筋に省略?している。
何かおかしいなあ〜、とは感じていた。


そして、本日。  
窓を覗いて、「あ!脱皮しているよ!」と声を張り上げてしまった。

コガネグモ701A0461.JPG
今日の今日まで、ちょっと小振りの成体♀かと、思い込んでいた。
この最後の脱皮で、正真正銘の成体になったのである。
体がパンパンに張っていたのは、満腹していただけでなく、脱皮を控えてのことかと思えた。

コガネグモのかくれ帯について、幼体と成体で作り方に違いがあるような気がしないでもない。幼体のときのほうが、X字を几帳面に作る傾向があるような、ないような。もちろん、幼体のステージにもよるが、これは来春の宿題としておこう。

今日、成体になったメスが、今後、かくれ帯にどう手を加えるのか、注目したい。

アジサイの茂みで、食事中のオオカマキリ幼虫。体長3センチほど。別の場所では体長5センチを超えるのもいた。

オオカマキリ幼虫IMG_7961.JPGヤマアジサイの花粉を食べていたのは、ヨツスジハナカミキリ。
ヨツスジハナカミキリIMG_7942.JPG庭のヤマアジサイは大きくなり過ぎたので冬に剪定したため、花芽がわずかとなり今年の花数は少ない
ヨツスジハナカミキリIMG_7953.JPGセカセカと歩き回り神経質だが、食事に夢中になっているときには、いくら近づいても平気のようだ。葉っぱの上で、身繕いを始めた。

クリの葉っぱを食べていた、ネジロキノカワガの幼虫。
ネジロキノカワガIMG_7914.JPG特徴のある姿だが初めて見たので、まずは講談社『日本産蛾類生態図鑑』で調べてみたら、すぐに本種と判明。

撮影の仕事で必要な飼育虫の世話には、結構、時間が掛かる。飼育容器の洗浄、記録、ときには撮影もありで、あっという間に時間が経つ。
前にも書いたが、こうした室内撮影のために、撮影目的に応じた撮影台を拵えている。ライティングや撮影アングル、倍率によって、工夫を凝らした撮影台だ。

今日は新たな撮影台を組んだ。観察していた虫の撮影のタイミングが近いことに気付いたからで、できるだけ簡素で場所をとらないセットにしてみた。

室内撮影では、フルサイズの一眼レフを使う。あるいは敷地内や近所のフィールドなど近場の撮影も、もっぱらフルサイズ一眼レフカメラが安心できる。
操作性、ファインダーの見易さ、などがその理由だが、機材を酷使して生じるトラブルをできるだけ抑え分散するために、撮影場所や目的によってカメラ機材の使い分けは必要だ。
車で出掛けるときや、遠征の際にはAPS-Cカメラやミラーレスを使うことが多い。
とくに高倍率撮影ではミラーレスの独壇場となった。




キササゲの花

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道路を挟んですぐ真向かいの斜面に植えられている、キササゲ。
花が咲いていた。
たしか3年ほど前に苗木が植えられたかと思う。
キササゲ701A0434.JPGノウゼンカズラ科に属し、中国原産。薬用植物としては、いろんな効能があるようだ。

庭のアジサイに来ていた、ホソコハナムグリ。
ホソコハナムグリ_Z5A9985.JPG滅多に出会えない小型(体長1センチ)のハナムグリで、複数個体を一度に見たことが無い。いつも単独である。小さいながら、光沢のない渋い緑色、細身の体型、などなかなか魅力的で、印象に強く残る。
警戒心の強い個体だったらしく、一度驚いて固まってしまうとそのままになって、撮影がしづらかった。ようやく動き始めたかと思えば、プイッと飛び去ってしまった。

キササゲの隣にあるクリは、毎年、たくさんの実を付けるが、これが結構、美味しい。路上に落ちたクリは車に轢かれてしまうので、その前にいただいている。もちろん地主さんから許可を得ている。
昨日と今日、見つけたナカキシャチホコの中令幼虫。
ナカキシャチホコ701A0418.JPG
この幼虫も特徴のある「しわさ」を残す。

霧島山のシルエットが霞んで見える。
IMG_7873.JPG先日、大きなゲホウグモ♀を見つけたのは、この辺りの耕作放棄地の草むらだった。


ヤマグワの実は小振りだけど、ヒメツノカメムシがたくさん育っていた。
都城市 青井岳。

IMG_3593.JPG枝に群れている、終齢幼虫の集団。
IMG_7445.JPG
こちらは羽化した成虫がほとんどの集団。幼虫は5頭いる。
ヒメツノカメムシIMG_3579.JPG
成虫になってもしばらくは、こうして群れている。
大きなヤマグワの梢には、あちこちに幼虫の集団がいた。

庭にいた、ニホンホホビロコメツキモドキのオス。

ニホンホホビロコメツキモドキIMG_3720.JPGオスなので、顔の形は左右対称。

山仕事を2時間半ほどやって、汗を流した。梅雨とは思えないカラリとした晴天。汗もべとつかず、すぐ乾く。
山仕事に終わりはない。年中なにかしら、やり続ける。
天候を睨みながら、やれるときにササッと行う。
毎日、眺める自分のフィールド。体を動かしている間はできるだけ何も考えないことにしている。





ノアザミの花も終わりに近づき、白い綿毛種子が目立つようになった。
綿毛_Z5A9809.JPG昨年は撮影し損ねたカワラヒワの食事シーン。一年待っていよいよチャンス到来だ。

昨日の朝、出掛ける寸前に飛来したので、1時間ほど出発を遅らせて撮影。
ビ〜〜〜ン♪ 」 という、さえずりを聞いて、窓に設置したカメラにそっと駆け寄った。
カワラヒワS0111279.jpg食べ頃のをキョロキョロと物色してから、さっそく綿毛を引き抜いては種子を啄み始めた。
カワラヒワS0111221.jpg
種子の薄皮?を器用に揉みしだいて捨てている。動作は速いのでシャッターを切るタイミングには慎重になる。
カワラヒワS0111239.jpg
すっかり熟れてはじけた種子だけでなく、まだ固く詰まっている種子も強引に引っぱり出しては啄んでいた。 
乳白色の種子は、人の目にも美味そうに見える。
701A0339.JPG居間の窓からノアザミまでの距離は約8メートル。スズメ程度の大きさのカワラヒワを撮影するには、かなりの望遠レンズが必要になる。
8メートルの距離があってもカワラヒワは警戒するので、カーテンの隙間からレンズだけを突き出して撮影する。

レンズはCanonのEF400ミリF5.6。
これに純正2倍テレコンをかませ、カメラはOLYMPUSのOM-D EM-5 マーク2。
35ミリ判換算で1600ミリという超望遠レンズとなる。

EF400ミリF5.6は27年も前に購入したものだが、手ブレ補正のISが内蔵されてないので、ISに馴れてしまった今では、大変扱いにくいレンズと感じる。しかし、EM-5 マーク2のボディ内蔵手ブレ補正がよく効き、稼動率が低く眠っていた旧レンズが生き返ったように活躍してくれる。
とは言え、鳥の動きは速い。被写体ブレを防ぐには高速シャターを切るしかないので、あとは天候しだいとなる。昨日は曇ってはいたが、幸いにもときおり薄日が射してくれた。ISOは800とした。



6月も、もう半ば

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午前7時41分。 庭にキアゲハ。
キアゲハIMG_5960.JPG
昨晩からずっとクヌギの葉で休んでいたタマムシの新成虫を撮影していると、
嫁さんが「あっちには、まるで図鑑に出ている標本写真みたいなチョウがいるよ」
と教えてくれた。犬小屋のすぐ傍だ。

午後1時32分。  日南市北郷町。

アブラギリIMG_6020.JPG
アブラギリの花は遠目には白く目立っていたが、近寄ってみれば、すでに散った花の方が多い。

午後4時41分。 庭のクヌギでヤブキリ♀を発見。洗濯物を取り入れているときだった。
ヤブキリIMG_3372.JPGヤブキリが狙っていたのは、網掛け飼育中のヤママユ幼虫。
ご馳走を目の前にして、ずっとこの場所から動こうとしない。
止む無く排除した。 

また戻って来るだろうと思っていたら、案の定!
40分後に覗いてみたら、網の別の場所にしがみついていた。
中のヤママユ幼虫が移動していたのをちゃんと探し当てたわけだ。

網を外したウスタビガの繭たちも気になる。繭に穴を開けられ食害を受けてはたまらない。

午後5時58分。 K子おばあちゃんの畑で、ニンジンの花が咲いていた。
ニンジンの花IMG_7842.JPG虫は、ハエの類いが数匹来ているだけだった。

都城市〜串間市〜日南市、そして三股町と、3時間の運転は少し疲れた。





御器かぶり

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今朝のこと、居間の畳みにクロゴキブリが佇んでいた。
クロゴキブリIMG_3135.JPG家族に見つかっていたら、それこそ大騒ぎになるところだが、見つけたのが私で良かった。
いい機会だからいろいろアングルを変えて撮影しておいた。

午後6時過ぎ、羽化直後のヤブキリ♂がいた。

ヤブキリIMG_3259.JPGこのところ♂成虫の姿をよく見かけるようになった。

ヤブキリの成虫は肉食で、他の昆虫を襲う。

アゲハの幼虫を、ユズの木に網掛け(袋掛け)して飼育していたが、昨日、前蛹になっていた。
今日の夕方になって様子を見てみれば、前蛹が消えていた。

前蛹が付いていた所の網が破れている。

網破れIMG_3159.JPG何者かが網を齧って破り、そのまま前蛹を食べてしまったようだ。破れたところには前蛹のものと思われる体液が付着している。

犯人は、おそらくヤブキリかコロギス、あたりではないかと推察する。
コロギスも、昨日すぐ傍のクヌギでメス成虫を撮影したばかりだ。


夏毛のテン

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三股町内では田植えの準備作業が盛んになった。すでに田植えを終えた田んぼもあるが、例年、6月半頃がピークとなる
稲作701A0308.JPG写真は縁側から撮影。

雨が止んだ正午前に、遅めの犬の散歩。
うちを出てすぐ、路面に横たわる死骸が目に入った。
 夏毛のテンである。
IMG_5670.JPG昨日の夕方には無かったのと、テンの行動時間帯から考えると、おそらく昨夜遅くから今日の早朝、車に轢かれたのであろう。まだ体は柔らかかった。

草薮に隠しておいたが、夕方になってカラスが引っぱり出していた。眼球がすでに無かったのは、カラスが食べたのかもしれない。



今日の写真は、ナミテントウとツーショット。
自撮りIMG_5261.JPG
私の坊主頭もしっかり写っている像!


庭木の剪定と草刈り作業で汗を流していたら、足下にツバメシジミのカップルがいた。

ツバメシジミIMG_5518.JPG画面左がメス。




森上信夫さんの新著『身近な昆虫さんぽ手帖』(世界文化社)、が届いた。

さんぽ手帖.jpeg森上さんのこれまでの著書には『虫の呼び名事典』(世界文化社)、と『調べてみよう名前のひみつ昆虫図鑑』(汐文社)があり、森上さんの言われるところの「生きた標本写真」を存分に使った昆虫白バック本シリーズが3作揃ったことになる。

今回の『身近な昆虫さんぽ手帖』のタイトル通り、文庫版サイズで、カバーをとるとビニール表紙になっており、紐しおりまで付いている、まさに手帖型。
ちょっとのお出かけに本書を携え、森上さん独特の軽妙でユーモアのある文章を、写真を眺めつつ楽しむのもいいだろう。本棚から引っぱり出すのではなく、普段から机の片隅などに置いておき、気が向いたときにふと手に取って読める、という気軽さもある。
構成は春夏秋冬、四季の流れで組まれてあるが、気ままにどの頁からめくってもいい。


この時期コガネグモは成体が増えて、幼体はほとんど見かけなくなった。
「あ、まだいたか!」と思って近づくと、オスだったりする。が、それでもポツリと見つかることもある。

今日の夕方、犬の散歩で見つけたメスは、あと2回脱皮すれば成体になるかと思う大きさだ。

コガネグモ幼体IMG_5470.JPG



窓の外から 「タマムシが、来ているよ」と、犬の散歩から戻った嫁さんの声。

     「ああ、それは訪問者ではなく、うちの庭で誕生した新成虫だよ。

       これから、どこかへと旅立って行くんだよ」と、私。

嫁さんが指差す先を目で追うと、いました!


タマムシ701A0279.JPGゴーヤを植えたプランターの縁にしがみついて、体を丁寧に繕っていた。

すぐ傍にクヌギの朽ち木があって、楕円形の真新しい羽脱口が空いている。
このクヌギ材も、4年前に伐採したもの。

タマムシは夜露に濡れていて、まだしばらくは飛べそうにない。

タマムシ701A0275.JPGそっと近くに寄ってカメラを構えたが、逃げるそぶりも見せない。

飛び立つ瞬間の写真(下)は、先日撮影した別個体。
ま、しかし、お昼前には姿が無かったから、こうして飛び立って行ったのだろう。

タマムシIMG_2854.JPG
梅雨明けころには、プランターのゴーヤの蔓が緑のカーテンになるであろう、窓枠には、コガネグモが巣網を張っている。窓ガラス越しに目線の高さでコガネグモの様子を毎日、観察できるわけだ。
ま、いつ眺めても、ほとんどはじっとして動かない。

X字型に拵えた「帯糸」が白く目立つ。  画面左にはカーテンが写り込んでいるが、窓ガラス越しに撮影したからだ。

701A0228.JPGなかなか綺麗な帯糸なので、ちゃんと撮影しておこうと、
窓を開けたらその弾みで、網糸の一部が窓ガラスに掛かっていたため、帯糸の左下だけがだらしなく崩れてしまった。しまったと!と悔やんだが後の祭り(昨日の昼)
701A0239.JPG

で、一日経っての今日。 修復しただろうねえと、期待していたのだが、、、、、、、、、、、。
コガネグモ701A0254.JPG修復作業が勢いづいたのか、帯糸が増設されていた。通常、帯糸はX字型の4本で、どれかが欠けて3本になることも多いが、6本というのは、初めて見たような気がする、、、、。
縦糸の間隔も乱れているから、そこで計算違い?が生じたのだろうか。






タマムシ色の秘密

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昨日、ナナミノキの朽ち木に入っていた、タマムシの蛹。
701A0164.JPG乳白色の蛹に、少しづつ体色が浮き出て来る。

羽化するまでの様子を見たくて、昨夜から撮影を続けている。


タマムシ

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午前8時半、足下からタマムシが飛び立った。

4年前に伐採したナナミノキの材から羽脱したことが、すぐにわかった。

さっそく材を割ってみると、
25センチ径、長さ60センチほどの材中には、タマムシが7頭育っていた。
コクワガタの幼虫や蛹も同居しており、ナナミノキ朽ち木は昆虫団地とも言える。

タマムシIMG_5353.JPG
IMG_2961.JPG
小学生の頃の昆虫の想い出として、カメムシとケラのことはよく憶えているのだけど、
タマムシのことが、どうしても蘇ってこない。
モヤモヤとしていて、なかなか記憶に辿り着けないが、タマムシが私にとって、もの凄く憧れであったような気がする。はっきりしないが、とんでもなく魅了された虫に、違いないのだ。

霧島山IMG_2973.JPG梅雨はいったい、どこにいったのやら。
このところ大気は澄んでいて、カラッとした夏日が続く。





サルトリイバラの実が、いつのまにか大きく育っていた。
サルトリイバラIMG_2599.JPG秋に真っ赤になるまでの色変化は見応えがある。これからが楽しみだ。

コガネグモは成体の姿が一段と増えた。幼体を見つけるのは、かなり苦労する。

コガネグモIMG_2484.JPGメスの網巣にオスが来ていた。年によっては、早い個体では5月末頃にも産卵が見られる。
写真のメスも今月末頃には産卵するかもしれない。

コガネグモの幼体を探して、耕作放棄の草むらを覗いていると、
目線の高さにゲホウグモがいた。
 自宅から歩いて2分の場所だ。
ゲホウグモIMG_2513.JPG腹長だけでも10ミリは超える大きなメスだ。
セイタカアワダチソウの枯れた花穂部にぶら下がっている。

ゲホウグモを初めて見たのは、13年も前の石垣島だった。
そのときは木の枝に見事に同化しており、まさに瘤にしか見えなかった。


垣島での出会いは森の中だったから、コガネグモが好むような明るい草地にいたことは、意外だった。

ゲホウグモが張る大きな円網も是非、見てみたいものだ。
本種は夜になって網を張り、朝には片付けてしまう。

酒を飲んでいてはイカンね。


本日、見本が届いたのでお知らせします。
せみ.JPG「はじめて見たよ! セミのなぞ」(少年写真新聞社) 

詳しくは少年写真新聞社のHPをご覧ください↖︎。

イワサキクサゼミの撮影で、今年の4月、与那国島に渡った。入稿までもう数日しかないというギリギリのタイミング。
イワサキIMG_8277.JPG
例年なら3月半ば頃から成虫が鳴き始めるので、4月はじめなら問題ないだろうと。しかもその頃ならヨナグニサン第1化の羽化も始まっている、あわよくば二兎を得ようとした。
が、今春は全国的にも季節の進行が一週間以上遅れていた。

イワサキクサゼミの鳴き声どころか、島全体に虫の姿が少なく、一昨年同じ時期に渡島したときとは、まるで様子が違っていた。夜寝るときも、一昨年は窓を閉め切ってエアコンを使った(窓を開けたくても網戸が無かったので、蚊の猛攻が凄まじかった)。が、今年は窓を閉め切ってもちょうど良い按配で熟睡できた。

それでも一番大事な目的、土中にいるイワサキクサゼミの幼虫撮影は二日目で成果があり、ホッとした。難航することも予想して、サトウキビ畑での掘削許可を得る手立てまでとっておいたのだ。
今回も自分の直感力を信じてはいたが、いささか無謀な試みではないか、という一抹の不安もあった。初めての幼虫探しでもあったし。

幼虫を見つけて撮影している間、他の場所にトンボの撮影に向かった中瀬潤さんが、ほどなく戻って来た。えらく早いな〜?と、

「池に向かっていたら、途中でイワサキクサゼミが鳴いていて、成虫が多数いましたよ」との嬉しい報告!
おかげで成虫が鳴いている姿もこの日のうちに撮影できた。

しかし、イワサキクサゼミがまとまって見つかった場所以外では、その後、わずかに鳴き声を聞いたくらいだった。

じつにきわどい遠征撮影であったわけだが、天候にも恵まれた。
4頁分の写真撮影を無事成し遂げ、私は満足したが、
ヨナグニサンの撮影を楽しみにされていた、仙台在住の昆虫写真家、中瀬潤さんには、たいへん申し訳なかった。
今春のヨナグニサンの羽化は、我々が島を去ってから数日後に始まったようだ。








県南のフィールドへ。

途中、シイの花が目についた。

シイ701A9959.JPG近寄れないこともあって、ツブラジイ(コジイ)なのか、スダジイなのか、判らない。

カラッとした快晴で気分はいいが、梅雨入りが例年より遅れており、この影響を受けている昆虫もいる。

この時期、よく見かけるのが、キイロクチキムシだ。

キイロゲンセイIMG_2273.JPG


早めのランチで、手作り弁当を広げていたら、ペットボトルにウラギンシジミのメスが飛来した。
ウラギンシジミIMG_2292.JPG
ここに来る前に、梢で翅を拡げて日光浴をしていたので、メスだとわかった。

網かけ飼育

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庭のクヌギでは、ウスタビガとヤママユの幼虫を網かけで飼育している。

これだと餌交換の手間が省ける。

網かけIMG_7771.JPG幼虫が終齢になってからは、網一つに一匹ずつ入れてある。網は「種もみ袋」で容量18ℓ、
ヨコ40×タテ65㎝。一袋35円也。


今日は、網を4つ外した。ウスタビガの幼虫が4頭、営繭に入ったからだ。
ウスタビガIMG_5212.JPG幼虫の体のシルエットが、そのまま繭の外形の素地となる。
私はずっと昔、この体を折り曲げた姿を「クロワッサン」みたいと比喩したことがある。
自分の吐いた糸の壁の中で、窮屈そうに、しかし、じつにしなやかに体を回転させながら、繭作り作業は休むことなく続く。

壁の厚みが増して、中の幼虫がかろうじて透けて見える繭もあれば、
ウスタビガIMG_5220.JPGもう完全に幼虫の姿を覆い隠した、繭もある。
ウスタビガIMG_7790.JPGヤママユの幼虫は数日前に終齢になったばかりだから、まだこれからが長い。でっぷりと肥えた姿まで成熟するのは今月末頃だ。

午後7時50分。居間の窓から、ゲンジボタルの光が舞うのが見える。
クリの開花と、ゲンジボタルの舞いが同調しているかのようだ。