2017年9月アーカイブ


カマキリモドキ

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今日で9月も最終日。当ブログは、来月あと30回更新で終了する。

このまま終了するのでは、ちょっと悔いが残るなあ、というのが一つある。

それは、宮崎に来てから一度もカマキリモドキ類に出会っていないこと。
出会っても無いので、一度も記事にできなかった。※1
ブログを閉じるにあたって、宮崎でのカマキリモドキ事情なるものを紹介できないままでは、少々、悔しい気持ちもある。

※1正確には一度記事にしている。2015年8月24日、高千穂町五カ所高原で、ヒメカマキリモドキを撮影しているが、その一期一会のみ。ヒメカマキリモドキは全国に分布しており、カマキリモドキ類のなかでもっとも普通種。
四国南部、九州にしか生息していない、しかも大型のオオカマキリモドキを見つけることが、まずは目標だった。

ところが、本日、ついにオオカマキリモドキを三股町内の上米公園で見つけることができた。しかも、白昼。
オオカマキリモドキIMG_1647.JPG
本種は、1994年高知県の安居渓谷で撮影して以来だから、じつに25年ぶりにその姿を拝むことができたわけだ。
安居渓谷は高知と愛媛の県境に近い場所だが、私が知る限りではなぜか愛媛県側では記録がない。※2
25年前に撮影できたといっても、それは夜の灯りに飛来した個体を飼育してのこと。
当時、仕事で仙台のホテルに宿泊していたおり、ずっと持ち歩いていたメスが、ケース内で産卵した。
しかし、卵はふ化せず、それで終わってしまった。

2 昨年、愛媛県の山地でも本種が採集されているようだ。いづれ記録が公表されるだろう。

オオカマキリモドキについては、卵とふ化幼虫の記載論文はあるが、それ以降の生態については、今もって謎のままのはずである。

午後4時過ぎ。3時間ほど撮影歩きしたあと、最後に柿に来ているゴマダラチョウを覗いてみた。
先日は途中から日が陰ってしまったので、晴天下で撮り直すつもりだった。
ゴマダラチョウは今日も来ていたが、生憎高い場所で撮影条件が悪い。
クロウリハムシがちょうど目線の高さの果実に2頭くらいついていて、それを見ていたらすぐ左手の葉裏に、アシナガバチがいた。

いや、それがアシナガバチそっくりに見えたオオカマキリモドキ。
私は思わず声を上げてしまった。
「ここにいたかあ〜!」

撮影しているうちに、手前の葉っぱをどかそうとした弾みで、飛び去ってしまった。
「しまった!」
でも習性からして、そう長くは飛翔しないはずだ、としつこく梢を見上げていると、少し離れた枝先にちょこんと静止していた(上の写真)。
お腹の大きなメスだったので、車まで走って捕虫網を取りに戻った。
すぐには移動しないはずという確信があった。

最近、網を滅多に使わないので、ちょっと緊張したが首尾よく採集できた。

で、もう一本、数メートル離れた柿の木を見てみた。
すると、すぐにも葉裏に止まったメスが見つかった。その木では次々と5頭も見つかった。
オオカマキリモドキIMG_1654.JPGオオカマキリモドキについては、明日も続きを書きます。


踊るガガンボ

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うちの林では初めてだと思う。ジョロウグモの糸にぶら下がっていた。
ガガンボspIMG_8561.JPG何しているのだろう?   まるで洗濯物を干しているようにも見える。

このあと葉っぱの上で、トランポリンのごとく、跳ね飛びを何度も繰り返していた。
教えてほしい、何をしたいんだい?

日南市北郷町の渓流の崖で休んでいた、コシボソヤンマ♂
コシボソヤンマIMG_8616.JPG

ヒバカリ

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この時期、庭のコマユミに枝そっくりの、ウスイロオオエダシャク幼虫が見つかる。
ウスイロオオエダシャクIMG_8228.JPG
終齢かな。

今日も、三股町 上米公園。わずかに残された常緑樹林を歩いた。

舗装道路をクネクネと這っていたのは、ヒバカリ。
体長、わずか13センチほど。
タカチホヘビIMG_8247.JPG
タカチホヘビIMG_8253.JPG
どうせなら、と、小枝に登ってもらった。体を巻き付けて器用に枝を移動していた。
タカチホヘビIMG_8264.JPG

たわわに実った柿には、ゴマダラチョウが来ていた。
ゴマダラチョウIMG_8493.JPG
別の実にももう一頭来ていたが、熟柿に本種が来ているのは、初めて見た。
よく見ると、下のほうにクロウリハムシの姿もある。



きのこ

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三股町 上米公園

ずっと幼菌かと思っていたが、そうではなく、朽ち木に生えるとても小さなキノコ。

ビョウタケIMG_8148.JPG形が画鋲に似ていることから、「ビョウタケ」。
地面に寝そべるか、朽ち木を目線まで持ってこないと、画鋲の形が見えづらい。
ビョウタケIMG_8192.JPG薄い傘は、数時間でしぼんでしまう、キツネノハナガサ
こちらも4㎝程度と小さめ。
キツネノハナガサIMG_8150.JPG傘や柄にレモン色の粉がついている。
キツネノハナガサIMG_8143.JPGここのスダジイ大木に、4年前までは生えていたオオワライタケは、2年前から生えなくなった。残念。

ツクツクボウシが夜の9時〜10時半ころまで、賑やかに鳴いていた。
仕事部屋の外灯の明るさに、影響を受けたのだろう。一旦、灯りに飛来してから鳴き始めた。


19日から始まった撮影旅行も、今日が最終日。
新宿御苑を歩いてみた。

ここはいつ来ても人が多いが、アマチュアカメラマンの姿も多い。

目の前にアブラゼミのメスが、派手にもがきながら落っこちて来た。
拾い上げてみると、まだ元気。

アブラゼミIMG_8031.JPGしかし、よく見れば頭部が無く、口吻だけが残っていた。
アブラゼミIMG_8038.JPG鳥にでも襲われたのだろうか?

姿勢を正したままのセスジツユムシ褐色型。

セスジツユムシIMG_8101.JPGエノキの実生木で見つかるのは、アカボシゴマダラの幼虫ばかり。
アカボシゴマダラIMG_8135.JPG
新宿御苑から新宿駅南口の東急ハンズまで、歩いたら結構あった。
しかも知らず知らずと遠回りしていた。
人混みのなかを重い荷物担いで歩くのはくたびれたが、次男と約束していた誕生日祝いの財布を買うのが、最後の務めだった。

宮崎空港に着いてロビーを出たら、ずいぶんと蒸し暑い。

高速バスの高城駅を降りると、マツムシ、スズムシの合唱にアオマツムシも混じる。
自宅周辺では、スズムシとタイワンクツワムシが賑やかだった。




19日から仙台〜山形〜仙台〜飯能、と巡って、昨夜から都内新宿に移動。

今回は、3冊の写真絵本のための撮りおろしが目的。

20、21日と写真家の永幡嘉之さんに、山形のフィールドを案内していただいた。
永幡さんには、2005年の初夏に初めてお会いしてから、じつに12年ぶりとなるフィールド歩き。

20日は山形市内の公園。サクラ、ヤマボウシ、カエデ、オニグルミ、ミズキ、クリ、コナラ、クワ、などの二次林と草地。
コナラの樹液には、オニベニシタバが何頭か来ていた。

21日は山形市内から約2時間掛かる、飯豊山麓のブナ林を歩いた。
飯豊山麓IMG_8207.JPG
ツヤツヤのトチノキの実は、思わず拾いたくなる。和菓子の栗饅そっくりだ。
IMG_8246.JPG
スギの倒木朽ち木には、白いスギヒラタケが多かった。
IMG_8212.JPG
さんざん探し歩いてようやく見つけていただいた、ブナ立ち枯れのサルノコシカケ。
サルノコシタケIMG_8289.JPG
ブナの幹で佇んでいた、ツノアオカメムシ♀。
ツヤアオIMG_7467.JPG

4時間あまり歩いて、最後は草原の斜面を登った。けっこうバテたが、ススキ野原が奇麗だった。
IMG_8336.JPG
山形での二日間のフィールド巡りでは、狙い通りの撮影ができた。

あらためて、永幡嘉之さんにお礼を申し上げます。

ふたたび仙台市内の森。

腐生植物のギンリョウソウモドキ(アキノギンリョウソウ)。
ギンリョウソウモドキIMG_8359.JPG
ギンリョウソウモドキIMG_8363.JPG
昨年の11月にはこの場所で裂果を観察できた。

午後から埼玉県、飯能市へ移動。途中、激しい雨が断続的に降った。
明日は天候が回復することを祈りたい。



ブナ林を歩く

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20、21日は、山形県のフィールドを歩いた。

ネット通信が不安定な環境なので、自然観察の詳細はいづれ。
両日、天候にも恵まれ、かなり内容の濃い充実した観察、撮影ができた。

今日は、ふたたび仙台市内のフィールドで撮影のあと、
関東へ移動する予定。

写真は山形のブナ林。


みちのくの秋

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宮崎空港から伊丹行きの便に搭乗したものの、滑走路で待機したまま動かない。
なんと1時間も経ってから、
ブレーキ系統のトラブルで点検が必要ということで、搭乗した便はあっさり欠航となり、
一旦、搭乗口に戻って降ろされてしまった。
伊丹行きは3時間後になるとのアナウンスにガックリきたが、しばらくして、
私の名前がアナウンスで呼ばれて駆けつけてみれば、名古屋空港経由の便に空席があるので
そちらに乗れるとのこと。

なるほど、宮崎からは名古屋空港経由での仙台行きというルートもあると初めて知った。
予定よりか2時間遅れだが、なんとか仙台空港に着いた。

今回も仙台在住の昆虫写真家、中瀬潤さんに案内をしていただく。
こうして仙台を訪れるのは、振り返ってみればもう10数回以上にもなる。

東北の、みちのくの、フィールドの魅力は大きい。

あまり時間は無かったが、仙台市の太白山自然観察の森で、狙いのカメムシを撮影。

久しぶりに見た、フシグロセンノウ。
フシグロセンノウIMG_7160.JPG写真のは花弁が傷んでいるが、この大きな花がここ仙台では普通に生えているのが羨ましい。

フシグロセンノウのすぐ傍、クリの根元際には小さなツチアケビの実があった。
ツチアケビIMG_8190.JPG
「ずいぶんと背が低いけど、これツチアケビだよね」と私。

「高校生の頃から、植物図鑑(保育社ポケット図鑑)で見て、ずっと憧れていた植物なんですよ」と私。



台風一過

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朝から雲一つない快晴だったが、しだいに大きな雲が湧いた。
台風一過701A1693.JPG
日射しは強く、日向ではけっこう暑いが、日陰に入るとグンと涼しい。

庭のクヌギの樹液レストランには、今日もゴマダラチョウが2頭、来ていた。
一本の木に、4カ所のレストランがあるので、虫たちはそれぞれに分散している。

オオスズメバチが居ないうちにと、特等席で口吻を伸ばす、ゴマダラチョウ。
台風一過701A1741.JPG
しばらくすると、急に食事を中断した。

なんだろう? と近寄ってみれば、、、、、
台風一過701A1757.JPG
アリが口吻の先端にしがみついて、暴れていた。     まさに、アリがた迷惑。

先月末に蛹化したシロモンフサヤガ、が15日に羽化した。蛹期間は約2週間。

体に触れると、翅の裏側を合わせて脚を縮め、擬死をする。
しかも数分間以上と長い。
シロオビフサヤガIMG_1338.JPG


昨夜から今朝にかけて雨脚が強く雷も鳴っていたが、日が昇ってからは雨も風もさほどではなかった。
チョロは昨年と同様、玄関に自主的に非難してきた。

台風が鹿児島に上陸して、これからいよいよ来るぞ!と準備万端備えていたが、
なんだか肩すかしとなった。
風が強く吹き荒れたのは、束の間。


クロアゲハIMG_8021.JPGアカメガシワが風に激しく煽られている。
アカギカメムシたちは、大丈夫だろうか?

雨が止んだおりには、庭の低い位置を無数のウスバキトンボが群れ飛んでいた。
ヒガンバナには、アゲハ類やキチョウも来ていた。


クロアゲハIMG_8017.JPG
午後5時過ぎ。晴れ間も出て来た。
待ってました!とばかり、羽化しているアカギカメムシがいた。
クロアゲハIMG_8023.JPG
群れていた成虫や幼虫は分散していたが、あちこちで2、3頭が寄り添っていた。幼虫は2頭しか見つからず、ほとんどが羽化を終えたようだ。

クヌギの樹液レストランはいつも通りにオオスズメバチで賑わっていたが、
今日はゴマダラチョウの姿もあった。
クロアゲハIMG_8073.JPG
ダイミョウチクで、シロヘリカメムシを確認。

嵐の前の静けさ

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三股町は朝からときおり小雨程度で、静かだった(午後8時現在まで)。

今のうちに腹ごしらえ、ということだろうか、庭のヒガンバナや紫蘇の花にはたくさんの昆虫で賑わっていた。


モンキアゲハIMG_1257.JPG
ヒガンバナには写真のモンキアゲハと、ナガサキアゲハ、カラスアゲハ、アゲハ、が来ていた。

紫蘇の花には、とくにスズバチが多く、雌に求愛するオス同士の闘争も頻繁に見られた。

ハラボソツリアブは交尾したまま、メスだけが吸蜜していた。写真画面の左がメス。
ホソツリアブIMG_1227.JPG
このあと、オスが単独で吸蜜していた。交尾中はおそらく食事を控えているのだろう。

クヌギの樹液には、これまでヒメスズメバチの飛来が多かったが、今朝から急にオオスズメバチが
頻繁に通うようになった。こうなると、ヒメスズメバチは樹液レストランから閉め出されてしまう。

オオスズメIMG_1183.JPG
ほんとうに台風が接近しているの?と、拍子抜けするような一日だったが、
天気情報では、日付が変わる頃から風雨が激しくなる、ということらしい。

チビクワガタ

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朝から小雨模様。
しばらくして雨脚が強くなり、雨樋から雨水が溢れ出した。

だいぶ前から雨樋が詰まっていたのだが、台風が来る前にと重い腰を上げた。
ポンチョ合羽を身に纏い、梯子に登って雨樋の掃除をしておいた。
特にひどい箇所では、スズメが運び込んだ巣材が雨樋の結合部にどっさり詰まっていた。

結合部を外した途端、もの凄い水圧で雨水が飛び出し、顔面を強打。
一瞬、息が出来なくなり、おまけに顔は泥と藁くずだらけになった。

手で割り開くことができるほど柔らかいクヌギの朽ち木から、チビクワガタが出て来た(写真は昨日、撮影)。
チビクワガタIMG_7737.JPG羽化直後の飴色の新成虫や蛹、幼虫も見つかった。
この朽ち木は、4年前に伐採したクヌギの枝の一部。
オオフタモンウバタマコメツキの新成虫や熟令幼虫、そしてキマワリ幼虫も多数、
出て来た。

オクラと胡瓜、茄子、ピーマン、紫蘇などが植わっている家庭菜園には、
オオカマキリのオスがいた。ミニトマトはもう終わり。
オオカマキリIMG_7773.JPG






日本紅斑熱

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アカギカメムシの羽化が今朝も見られた。
アカイラガIMG_1055.JPG
この場所は、脚立最上段まで登ってようやく目線の高さにまで寄れる。

クヌギで見つけたアカイラガは、8日に脱皮して終齢となった。毎日、葉っぱをよく食べている。

アカイラガP9140066.JPG
アカイラガP9140073.JPG
         ( アカイラガとマダニ 写真:OLYMPUS  TG-4 )

まだアカイラガの毒刺毛には刺されたことはないが、結構、痛いのだろう。

先日、10日の夜、阿蘇山から降りてから、左のお尻に軽い痛みを感じた。

座ったり立ち上がったりする動作で、下着に擦れるとチクリと感じる。手で触れるとわずかに皮膚が盛り上がっている。
帰宅後、嫁さんにお尻を突き出して見てもらったが、「赤くなってるよ」ということだった。
虫刺されかな?くらいで放っておいたのだが、昨夜になって違和感が強くなった。
寝床に入ってから指で患部を触れてみて、かさぶたのように感じたので、
思い切って引っ剝がした。

するとそれは、かさぶたではなく、飽血して肥大したマダニの一種だった。

マダニP9140058.JPG肥大化した体長は約4ミリ。おそらくこのマダニは、フタトゲチマダニで、
飽血肥大した体長からして、若虫(体長2ミリ)ではないだろうか。
成虫は体長3ミリで飽血肥大すると、10ミリ近くにもなる。

私のお尻に咬傷した本種を、嫁さんが「赤くなっている」くらいにしか見えなかったのも、2ミリという若虫だったからで、
しかもこうした小さな生き物を普段から見慣れていない「普通の人」だったからでもある。
もし私のような者が逆の立場で検分していたなら、2ミリといえども、決して見落としたりはしなかったはずだ。

本種は、日本紅斑熱のリケッチアを媒介するが、それは主に若虫によるものらしい(『Dr.夏秋の臨床図鑑   虫と皮膚炎』 夏秋優 ・著(秀潤社:2013)。

つまり、私はリケッチア感染した可能性も無くはない、とも言えるだろう。
そうではないことを祈りたいが。

指で無造作に引っ剝がせたのは、ほぼ飽血していたからだろうが、こういうやり方だとマダニ体内から血が逆流して感染し易いので、ほんとうはやってはいけない。
完全飽血させて自然脱離させるか、口器が皮膚内に残らないよう、慎重な脱離法をとる必要がある
一番確実なのは外科手術だそうだ。咬傷部位をごっそり切除するのだから、それはそれでかなり痛そう。

12年前だったか、やはり阿蘇山の放牧地を徘徊したあと、数日してから、体全身に赤い発疹が出て、高熱と激しい倦怠感に襲われ数日寝込んだことがある。
初めての経験でびっくりしたが、まさにリケッチア感染による日本紅斑熱病の症状だった。発症潜伏期間は1週間程度のようだ。

先日の10日、阿蘇山ではあまり距離を歩いてはないが、むしろ一カ所にじっと留まっている時間が長かった。牛の撮影に時間を掛けたからだが、放牧地でじっとしている時間が長いのは、マダニにどうぞいらっしゃい、と言っているようなものだろう。

阿蘇山だけでなく、うちの近辺でもマダニは多い。先月にも、庭で草むらに立っていたら、ズボンを登って来るマダニを発見したばかりだ。飼い犬にはマダニの予防薬を使っているが、人にもそんな便利な薬があるといいのだが、、、。






自宅林のアカメガシワに、アカギカメムシがいた。
アカギ701A1574.JPG羽化直後の新成虫が多いが、5令幼虫の集団もいくつかいた。

林床を丹念に見て行くと、羽化殻も見つかる。
アカギIMG_7535.JPG羽化して時間が浅い成虫は鮮やかな紅色。とても目立つ。
アカギIMG_7623.JPG過去、2009年、2010年の両年、9月に繁殖しているが、
今回もそのときと同じアカメガシワで見つかっている。
もちろん雌株のアカメガシワで、3カ所。

さて、
拙著「わたしはカメムシ」(ポプラ社)の表紙写真は、2008年8月5日に串間市で撮影している。
裏表紙のほうは、2009年9月7日に自宅林で撮影。
こちらは家屋を背景にできる、好条件の位置にアカギカメムシ集団がいてくれたが、そのときの枝は台風で折れてしまい、今では無い。

毎年、9月に入るとアカギカメムシには気をつけていたが、見落としが無かったかと言えばそこは確かではない。かなり高所で繁殖するので、葉陰に紛れて見つけにくいこともあるからだ。
ただ、上記写真のように羽化殻
が必ず下草に落ちているものなので、
私がこれを見落とすことはないだろうと思っている。


アカメガシワを眺めているうちに、ハゼノキの実が気になった。
ハゼノキ実IMG_7551.JPG
よーく、よーく、見つめていると、そこにはチャバネアオカメムシの卵殻から始まって成虫と全ステージの幼虫が群れている。



バトンタッチ

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クヌギ立ち枯れに生えたアラゲキクラゲ。
その傘に身を寄せるようにして、じっと佇んでいた、コクワガタのオス。

コクワガタIMG_7420.JPGよく見れば、左の大アゴが無い。 どうやら根元から折れたようにも見える。

このコクワガタ♂に、いったい何があったのだろうか?

夕方の犬の散歩で、チョロがクツワムシに飛びかかった。
けれど、すぐに追うのを止めた。これがトノサマバッタなら迷わず食べてしまうのだが。

クツワムシIMG_7492.JPG少し元気が無いオスだったけど、ジャンプして草むらへと姿を消した。

褐色型と緑色型の中間型、と言えようか。

このところクツワムシの合唱もピークを過ぎて、以前ほどの賑やかさはない。

アカハネナガウンカが見えるだけで7頭。ススキの一株に集まっていた。
あかはねながうんかIMG_7486.JPG
これなら交尾カップルもいるのでは、と覗き込んでみれば、やはり!

寿命

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庭にヒョっこり現れる、タマスダレ
サフランモドキIMG_7341.JPG夕方には花弁が閉じてしまう。

けっこう大きな体格のノコギリクワガタ。触れても動きは鈍い。
ノコギリIMG_7354.JPGこれよりずっと小柄な原歯型のオス2匹が別の樹液で、食事中だった。
見た目の姿に反して、元気があるのは小さいオスのほうだった。

もう夏も終わり。

寿命にも個体差が大きい。

※ 当初、サフランモドキ、としていましたが、ご指摘をいただき、タマスダレ、と訂正しました。

サフランモドキは、タマスダレのすぐ近くで咲いていたのですが、勘違いしていました。
ご指摘いただいた方に感謝致します。


阿蘇山

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昨日、紹介したムラサキシジミ前蛹は、今朝になって蛹化を終えていた。
ムラサキシジミIMG_7212.JPG
アリが数匹、まとわりついているが、幼虫時代にはありつけたご褒美は今は無いはずだ。
それでもアリ達がここに集まって来るのは、ムラサキシジミの蛹が、アリを誘因する何らかの香りでも出しているのかもしれない。

日曜日は避けたかったが、スケジュール上仕方ない。
早朝の公民館一斉清掃作業に参加したあと、熊本に向かった。

阿蘇山周辺の道路は去年の地震災害の復旧作業がまだ続いており、通行止めや工事で交互通行の箇所も多く、
渋滞と大きく迂回する行程のため、阿蘇山上には通常より1時間以上遅れて到着。3ルートのうち、東登山道一本しか通行できない。
山肌が大きく崩落した箇所など、災害の爪痕が凄まじい。


昨年の噴火の影響も大きく、山上一帯での放牧はずっと行われていないようだ。いつもならあちこちに転がっている牛糞もまったく見当たらない上に、草原の草丈も膝の高さまで伸びている
草千里の観光乗馬だけは賑わっていたが。観光客の数もかなり多い。

牛馬注意IMG_7219.JPG
牛馬IMG_7284.JPG
放牧地でも配合飼料の給餌が行われる。畜産農家のトラックが近づくと、
一斉に駆け出してそこへ集まって来る。



昨年出版した「虫のしわざ観察ガイド」(文一総合出版)。

この本に盛り込みたかった昆虫の種類はたくさんあって、入り切らなかったものや、
あるいは、予定していたのに撮影ができなかったものもある。

そのなかの一つ、オドリハマキモドキのしわざ、を撮り損ねたのが心残りだった。
本種は、小さな蛾の一種。

ちょうど今ごろ、第2化の羽化が盛んである。


ムラサキシジミIMG_7191.JPG
4枚の翅が重ならないように、ほぼ45度の角度で立てているのが特徴。
写真は後ろ姿だが、この様子はまるでクサヒバリのオスが翅を立てて鳴いているときのようだ。

本種はクヌギやシラカシなどを食樹とするが、幼虫の食痕や繭の形、すなわち「しわざ」が際立って特徴的である。

それをようやく撮影することができた。

オドリハマキモドキが多数、育ったクヌギの根元を見ていたら、ムラサキシジミの前蛹があった。
ムラサキシジミIMG_7198.JPG
アリが1匹だけ寄り添っているが、こんなに剥き出しで大丈夫だろうか?
明日には蛹化しているかと思う。

今日は、NHK宮崎放送局の番組収録があった。
スタッフの方々が到着する前に、オドリハマキモドキの撮影を大方、終了できたのは幸いだった。


午前5時50分。
ヒラタミミズク_Z5A4339.JPG霧島山のこの山容から、すでに夏は終わった、と感じるようになった。

ある虫を探し歩いて、三股町の椎八重公園に立ち寄ってみた。
ここはツツジだけを植栽したおそろしくつまらない場所だが、川沿いにはわずかだけ自然植生がある。
すると、ハゼノキにヒラタミミズクがいた。

ヒラタミミズクIMG_0698.JPGわかります?? どこだか。

三股町内で見つけたのは、これが初めて。猫の額のような自然環境も、しっかり見ておきたい。

ヒラタミミズクIMG_0696.JPGヒラタミミズクは、拙著「びっくり!?昆虫館」(岩崎書店)に幼虫、成虫の写真を掲載している。
国内では九州以南にしか分布しておらず、特に珍しい虫でもないが、多産地以外では探してもすぐに見つかるような虫ではない。

ましてや、かような擬態の達人。

デかい!!

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昨夜から朝まで雨が降り続いたが、しだいに雨脚は弱まり、昼過ぎには晴れ間が出た。

朝一番、庭のクヌギ樹液を覗くと、大きなヒラタクワガタの姿があった。
寄生バチIMG_0627.JPGこのオス、過去10年間で出会ったヒラタクワガタのなかで、もっとも貫禄があると思う。
左の触角先端部が欠けている他は、とくに傷は無い。

昨日、セスジスズメ幼虫体表面にあった繭から、寄生バチが羽化していた。
寄生バチIMG_0684.JPG四日前にはステージの若い幼虫(写真下の下側)でも繭が見つかったが、その繭は小さく、色も違えば、付着部位も腹側。
寄生バチIMG_0117.JPGその小さな繭のほうも昨日、同時に羽化したのだが、明らかに別種であった。
残念ながら小さい種のほうは早々と死んでしまった。



トゲナナフシ

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夜の灯りに誘われて来たのだろう。
今朝、仕事部屋の外壁にペタリと張り付いてた、トゲナナフシ。
トゲナナフシIMG_0618.JPGトゲナナフシは単為生殖で、オスはいないことになっている。

中脚、後脚をX字型にして前脚を体の延長線上に揃えたポーズが、いい。

今日は午後から宮崎市内の民放MRTラジオで番組収録があったので、
久しぶりに市内の叔父宅を訪問。
洒落たレストランで美味しいランチをいただいた。

旬の虫、トゲナナフシも
話しのネタとしてスタジオに持ち込んでみた。

番組は毎週日曜日、午後5時〜の「サンデーラジオ大学」。
私が出演した回は、17日(日)に放送予定です。


午前6時15分。ノコギリクワガタ♂が樹液を堪能していた。
大アゴも樹液の結晶?にまみれている。

ルリIMG_0372.JPG
じつはこのオス、昨日もこの樹液の傍までやって来たのだが、ハヤシクロヤマアリが多数たかっていたせいか、樹液には近寄らずしばらくして地面に降りてしまった。時間帯は昼前のこと。

今朝は早かったので、アリは一匹も来ていない。しかし、のちのち判ったのだが、アリがいても気にせずにノコギリクワガタは平然と樹液を吸っていた。
虫の気持ちを図るのは難しい。

観察中にアカズムカデだろうか、大きなムカデ列車が通過した。樹液にもよく来るが今朝は素通り。
ルリIMG_0378.JPG
こやつに噛まれるとかなり痛い。私は経験無いが(いや1回、顔面を噛まれたのだが少し痺れたくらいで済んだ)、嫁さんは2回も噛まれている。
1回目は東京の清瀬市、そして2回目はここ宮崎でつい数ヶ月前のこと。
2回目はひどく腫れ痛みも強かったので、病院に行った。

洗濯干場にルリタテハが来ていた。

ルリIMG_0409.JPG
羽化して日が浅いせいだろうか、私が近寄ってもあまり警戒しない。

それでも、ストロボのプリ発光にはときどき驚いていた。
ルリIMG_0410.JPG
ベニトンボの未熟個体だろうか? 朝の犬の散歩中に見つけた。
ルリIMG_0469.JPG
胸部にはM字紋がある。

午前10時半過ぎ、庭の枯れたイヌザンショウを片付けていたら、
タイワンクツワムシのオスが羽化していた。

タイワンIMG_0323.JPGクツワムシと本種の羽化は、多くは夜間で早朝のこともあったが、こうして陽が高くなってからというのはちょっと驚いた。
クツワムシはまだ元気に鳴いているが、タイワンクツワムシの羽化が始まった。
夜の役者が入れ替わるのはもう少し先だが、夏の終わりを強く感じる。

クヌギの樹液の近くを舞っていた、ウラギンシジミ。
ウラギンシジミも樹液に来るが、これまで撮影できたのはボロボロの個体。
今日は綺麗な姿で撮影できるか、と期待したが、やたらと舞うばかりだった。
タイワンIMG_0437.JPG写真はシャッターを押したタイミングで、飛び立ったところ。

ここは仕事部屋のすぐ東側に植えたクヌギ並木。
4年前に1メートル程の苗木を数本植えたものだが、今では屋根を越してしまった。
枝が混み合っていたので、風通しを良くするために剪定作業を行った。


林のなかでは、ハグロトンボが多い。写真はメス。
タイワンIMG_0465.JPG


カメムシの羽化

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夏日が続くとは言え、朝晩はかなり涼しくなった。

クズにいた、ホシハラビロヘリカメムシの終齢幼虫。
こりゃあ、もうすぐ羽化するなあ、と思い気に掛けていた。午前9時半。

ホシハラビロIMG_0066.JPG予想通り、3時間後に羽化した。