和名にタイワンのつく昆虫、2種

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『新・ひむか昆虫記』は、今日を含めてあと5日で更新を終了します。

清瀬市から三股町に転居して、10年目を迎えました。
この10年間で印象に残った昆虫や自然観察について、簡単に振り返ってみます。

本日は、タイワンオオテントウダマシと、タイワンツバメシジミ、です。


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(写真撮影日:2010年7月7日  )

カラフルな姿のタイワンオオテントウダマシには、転居した初年の2007年、5月、庭で遭遇しました。
手で摘むと、独特な香りがします。私には朝鮮人参の匂いと感じますが、人によってはニンニク醤油の匂いにそっくりと、感じるようです。ともかく、不快なものではなく、不思議な香りです。これと同じ香りが、タイワントビナナフシの体からもします。

3月末に引っ越してから2ヶ月経ち、ようやく荷物も片付いた頃でした。

対馬のみに生息する本種が、宮崎のわが家の敷地内にいるはずがない、とにわかには信じられませんでした。しかし、どう見てもタイワンオオテントウダマシに間違いありません。

その後、宮崎昆虫同会の方から、本種が宮崎県内の数カ所で採集されていることを教えていただきました。今現在、九州の他県でも記録があるのかどうか、確認していません。

ともかく、わが家の庭や林ではほぼ毎年、クヌギ朽ち木で発生しており、幼虫や蛹も見る事ができます。年により発生数にはかなりムラがあります。
まだ、卵や配偶行動は観察できていません。いづれは観察してみたいと思っていますが、なかなか手強そうです。

タイワンツバメシジミは、すぐ近くの森林公園で初めて見つけることができました。
ススキに埋もれるようにして咲いているシバハギの花に産卵している姿を見て、えらく感動しました。ちょうど、ナンバンギセルも一緒に見つかるような環境です。

私の郷里、愛媛県にも生息していましたが産地は極限され、まぼろしの蝶でした。
タイワンツバメシジミ産卵X2122378.JPG
(写真撮影日:2008年9月12日)


その後、家のすぐ傍の道路脇にもシバハギがわずかですが見つかり、そこでも成虫や幼虫、卵が見つかりました。
歩いて2分も掛からない場所でしたが、草刈りされずにササや草木がはびこってしまい環境が変わってしまいました。
やがてシバハギが絶えてしまい、当然、タイワンツバメシジミも姿を消しました。何度か種子を庭に蒔いてみましたが、うまく育ちませんでした。

他人の土地なので、私が勝手に草刈りをするわけにもいきませんでした。
自宅周辺の土地所有者は役場で調べていますが、地主の方の住所が他県であったり、すでに亡くなって誰に相続されているのか判然としないことも多いのです。あるいは、所有者が次々と変わっていることもあり、林や原野の土地は厄介です。地主の方に会って話しをすることが簡単にはいかない場合もあります。
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