| おいしそうな和菓子が並んでいる。甘さもひかえめなところが食欲を そそる。盛った器もいいではないか。そんなことを想いながらノキシノブの葉裏を撮影してみた。 さて、シダ植物のなかで一番最初に名前を覚えたのがこのノキシノブで、それは私が小学6年生のころだったと思う。愛媛県松山市、番町小学校の6年生だったその当時、理科の課題でシダ植物を20種類集めてこい、というのがあった。その課題を出した教頭であり理科の先生の顔は今でもよく憶えている。申し訳ないがあまりいい印象は残っていない。しかしシダ植物20種類というのも無茶な話ではある。図鑑もなく手当たりしだいに集めるわけだから、どれもこれも当時の私には同じにしか見えない。探す場所は松山城の森の中であるが、がさごそ薮に分け入っての探索はなんとも辛いものがあった。それでも私はまじめに20種類に挑んでしまった。そういう点では実に損な性格ではあった。結果はさんざんなものであり、先生からは、「なんだこりゃあ!」とばかり一喝されてしまった。それ以来シダ植物が嫌いになってしまったのは、ほんとうの話である。 | |