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庭の虫、3種 2007/07/03(その1)
 雨が小降りになったときに庭を歩いてみた。いろいろと撮影のアイデアを考えるにしても、外で何かをやりながらの方がうまくいくことが多い。

 カエデの幹上で何かをしきりに舐めとっているヨツボシテントウダマシがいた(写真上)。
 ヨツボシテントウダマシはどこにでもいる普通種だが、我が家の庭でも個体数がたいへん多い。普段は地面近くを徘徊していることが多く、ワラジムシなどと一緒に見つかる。

 クロコノマチョウがアカメガシワの樹液に来ていた(写真中)。羽化したてのピカピカの夏型だ。撮影中に再び雨が降り始めた。

 サクラの小木にとどまること、ついに2ヶ月を迎えたのが、トビモンオオエダシャクの幼虫。体長は97ミリに達した。この大型シャクトリムシは5月の連休に裏の桝安森林公園で見つけたもので、うちに連れ帰ってから2回脱皮した。
 もう終令だからこの先脱皮することはないと思うが、本種の幼虫期間はきわめて長い。そして成虫になるのは、来年の早春である。新開 孝

キノコバエ科の一種の謎(その1) 2007/07/02(その1)
 先月の29日にアップした「珍虫」。再度、その写真を眺めてからこの記事を読んでいただくと、わかりやすいだろう。

 渓流の岸辺にあった倒木(写真上)で、その奇妙な昆虫に出会ったわけだが、目の前に現れたのは、糸でぶら下がった蛹、前蛹。そして糸でぶら下がった蛹に抱きついた成虫など、、、。いづれも初めて見るものばかり。

 さらには朽ち木の下側の樹皮表面には薄い粘着網が無数に張られており、そこには多数の細長い幼虫たちが奇妙な仕草をしている(写真中)。

 奇妙な仕草とは、頭部を激しく左右に振りながら、ゆっくりと移動することである。幼虫は、粘着網の表面をまるでスケートリンクを滑るかのように、機敏に移動する。彼らは粘着網に吸着できるおかげで、すみやかな移動ができることと、その生活の場から振り落とされてしまう心配も無いようだ。

  倒木の、しかも雨のかからぬ部位が、彼ら幼生期の住処となっており、これは例えば、ウスバカゲロウ(アリジゴク)のすり鉢状巣穴が、雨のかからない砂地という局所に住処を限定されるのに、よく似ている。

 さらにまだ、推測の域を出ないが、彼ら幼虫の餌が菌類に限定されるなら、この倒木、朽ち木という住空間は必須の条件でもあろう。

 今朝は、現場に到着すると、まさに交尾中のカップルに出会した(写真下)。
メスは羽化直後であり、まだ体は色付いていない。
 オスはメスの蛹に抱きついたまま、メスが羽化するのを待っていた訳だ。その蛹に抱きついている写真は29日にアップしてある。

 ということは、オスは蛹の雌雄をちゃんと見分けることができるのだろう。メスの蛹と判断できたら、早々と求婚をし嫁さんの登場を待ち受けるのである。ここへ他のオスが飛来すると、「この子はワシの嫁さんやで!!」とばかり、蛹に抱きついたまま翅を激しくはばたいて追い払うのを何度も観察している。

(撮影地/鹿児島県 財部町)

 新開 孝

キノコバエ科の一種の謎(その2) 2007/07/02(その2)
 謎の昆虫のもっとも興味深いことは、幼虫の餌が何であるかだろう。

 幼虫の頭部を激しく振る行動や機敏な行動から、捕食性なのかもしれないと思われた。実際、粘着網に引っかかった獲物を食べるというグループもいるようだ。

 しかし、今日の観察では捕食する場面は見る事が出来なかった。さらによく見ていると、激しく頭部を振る行動は、粘着網を張り巡らす行動ではないか?とも思えてきた。糸は非常に繊細であり、それで一定の面積をこしらえるには、頭部の激しい運動も必要かと感じる。
 幼虫の頭部はいかにも小さく、捕食するような大アゴの形態とは違うようだ。むしろ菌類を食べているのではないか、と思わせるふしもある、

 そこで食性を確かめるべく、倒木に生えていた菌類とともに幼虫を数匹、持ち帰ってみた。

 写真は、前蛹。このようなハンモック型の糸にぶらさがる理由はまだわからないが、幼虫時代に張り巡らした粘着網をよじった結果できたことは間違いない。新開 孝

カナブンとオオゾウムシ 2007/07/01
 今日もアシナガバチの巣を追加すべく、近くの公園に出向いてみた。
アシナガバチの巣はとことん天敵に攻めまくられ、大きなコロニーにまで到達できる確率はきわめて低い。アシナガバチの巣を恐れる人は多いが、恐いほどに大きく発達した巣は、とてもレアであることを知って欲しい。

 さて、三股町の上米公園とは、ほんの少しばかり照葉樹林を帯状に残して、それ以外は悲しくなるようなパターゴルフ場施設とサクラ公園にしてしまい、そこを取り巻くように植栽したところに遊歩道が設えてある。つまりはほとんどが人工的な植栽公園である。

 それでも、と言っておこう。このような施設もギリギリ、何らかの自然を抱え込んでいる。考えようによっては、生き物達を観察する上で、都合が良い場合も多々あるのである。植栽管理の仕方なども微妙に関係してくるが、そこそこに管理されているおかげで、多様な生物世界が意図されないうちに維持されていたりする。

 アラカシの樹液に、カナブンとオオゾウムシが来ていた(写真上/カナブン、写真中/オオゾウムシ)。

 遊歩道を上り詰めると、霧島山が見えた(写真下)。梅雨に入ってから、久しぶりのことだ。昨日まで滞在していた、鈴木さん、仲瀬さんに、この光景を見て欲しかったものだ。
新開 孝

ウスモントゲミツギリゾウムシ 2007/06/30
 本種は12年程前に、屋久島で撮影したことがある。そのときは、とても興奮したものだ。

 ところが三股町内の公園で、鈴木さんがタブノキの大きな立ち枯れ木で本種を多数、見つけられた。手元の文献では屋久島以南の分布となっており、宮崎にはいないはずなのだが、、、。

 そういえば、うちの庭でも本来なら分布しないはずの昆虫が見つかっている。真剣に取り組めば、そういう種類もどんどん増えてきそうだ。
 新開 孝

サツマコフキコガネ 2007/06/30
 先週の土曜日から1週間、うちに滞在していた鈴木知之さんと仲瀬葉子さんが、本日、東京に戻られた。

 鈴木さんは最近、コガネムシ類に熱心に取り組んでおり、宮崎の私のうちに来てからもコガネム類の撮影や観察に余念が無いという感じだった。
 それで、うちの敷地や周辺の林にサツマコフキコガネが多い事を教えてくれた。

 お二人を宮崎空港まで送ったあと、三股町内のフィールドで、サツマコフキコガネが食事中のところに出会した(写真上)。食べている葉っぱはコウゾかと思う。

 しばらく見ているうちに3匹いた他の個体が、面白い行動を見せてくれた。刺激を与えると、(例えば息を吹き掛けるなど)食事を中断して、前脚を大きく拡げ持ち上げるのである。こういう行動はカブトムシでも似た様な仕草を観察できるが、カブトムシの場合はもっと体を反り上げて。直立して前脚と中脚を同時に拡げる
(写真下。

 一見、弱々しいサツマコフキコガネが、威嚇行動をとるとは、意外な感じを強く受けた。新開 孝

アオバセセリ幼虫 2007/06/29(その2)
うちの近所のフィールドでは、アワブキとヤマビワ(写真上)の木を確認できた。近いのはヤマビワだが、アワブキも15分程度で行ける場所に生えていた。

 いずれも、スミナガシとアオバセセリの食樹だ。今日はヤマビワの若い木でアオバセセリ幼虫の巣を見つけた(写真中)。窓付きの葉っぱハウスだ。

 ときおり体を外に乗り出しては、ハウスの修繕を行なっていた(写真下)。

(写真上/E-330   8ミリ魚眼)
(写真下/E-500   35ミリマクロ+1.4倍テレコン)新開 孝

鹿児島県、霧島町、財部町 2007/06/29
 今日の天気は雨が激しく降ったかと思えば、夏空になり、また曇り、そして小雨が降りを繰り返し、きわめて不安定な一日だった。

 鈴木さん、仲瀬さんたちの滞在最終日ともなり、少し遠出をして霧島山の南側の裾野あたりを巡ってみた。結局、鹿児島県の国分町、霧島町、財部町(たからべ)を通ったことになる。

 田んぼの中に取り残されたような廃屋(写真上)は、何か懐かしい気がした。私が幼少の頃に記憶のある建物だ。ちょっとわがままを言って、ここで撮影をさせてもらった。


ある渓谷の倒木で、とても興味深い虫を見つけた(写真下)。本種に関しては今後も観察を続けて、いづれ整理してからアップしたいと思う。この虫は、久しぶりに出会った珍虫クラスに入るだろう。とにかく奇妙な生活を送っているようだ。

(写真上/OLYMPUS  E-330  14-54ミリズーム)
(写真下/OLYMPUS  E-500 35ミリマクロ+1.4倍テレコン)


新開 孝

林道 2007/06/28(その2)
  今日は午後から隣の山之口町へ行ってみた。
 午前中、私がうちで仕事をしている間に、鈴木さん、仲瀬さんお二人がいい感じの林道を見つけてくれた。お二人が現地に入ったときはかなりの雨だったようだ。しかし、うちの周辺では雨はほんの少しパラ着いた程度で、南九州地方は朝から局地的に土砂降りとなっていたようだ。

 午後から三人でふたたび林道を訪れてみると、夏晴れとなった。狭い林道沿いには照葉樹林が残されており、朽ち木の倒木なども多い(写真上)。

 アラカシの大木にサルノコシカケ(クロサルノコシカケ?)(写真中)が生えており、その下の樹液にはネブトクワガタのオスが頭を突っ込んでいた(写真下/黒光りしてわかりにくいが、ネブトのお尻が見えている)。

 ●前に戻ると、同じ林道で見つけたキノコで、タマゴタケ、イグチ類の一種の写真も出ています。

(写真上/OLYMPUS E-330  8ミリ魚眼)
(写真中、下/E-300  14-54ミリズーム)
新開 孝

キノコ2種 2007/06/28(その1)
 タマゴタケ(写真上、中)は小さかったが、イグチの一種はかなり大きく傘の直径は20センチ近くあった。

(写真/OLYMPUS E-330 上/8ミリ魚眼、中/50ミリマクロ、下/14-54ミリズーム)新開 孝

アシダカグモ 2007/06/28
 徘徊性のクモとしては、大きい体のアシダカグモ。

今朝、家の外壁でトノサマバッタを捕食しているところを見つけた。どういうきっかけでトノサマバッタが捕まってしまったのだろう。
 庭にはときどきトノサマバッタの跳ねる姿も見かけるが、彼らが家壁に止まった瞬間、運悪く隙間に隠れていたアシダカグモに見つかったのだろうか?

 食べ終えてポロリと落とされたトノサマバッタを仔細に見れば、うっすらとクモの糸が絡んでいる。もしかしたら他のクモの巣に掛かってもがいていたトノサマバッタを、アシダカグモがさっさと持ち去ったのではないだろうか?クモの巣の主には、あまりにも獲物が大き過ぎたのかもしれない。

 で、落っことされたトノサマバッタの死骸にはすぐにオオズアリの一種がたかっていた。そして十数分後には巣へと運び去られていった。

(写真上/EOS-5D 100ミリマクロ)
(写真中/OLYMPUS E-330  8ミリ魚眼+1.4倍テレコン)
(写真下/OLYMPUS E-500 35ミリマクロ+1.4倍テレコン)新開 孝

トワダオオカ 2007/06/27(その3)
 隣町の山之口町にあるフィールドに行ってみた。ここには小さな神社がある。
今日も鈴木さん、仲瀬さんと同行。

 スダジイの幹に静止していたトワダオオカを鈴木さんが最初に見つけた。体長は1センチ以上もある大型の蚊だ。こんなでっかい蚊に刺されたらきっとものすごく痛いだろうが、本種は吸血しない。

 撮影しているうちに2匹目も見つかり、一旦飛んでしまっても、また同じ様な場所に戻ってくる事がわかった。どうやら巨樹スダジイにあるうろの中でボウフラが育っているのではないか、と思えた。

 トワダオオカのボウフラは、他のヤブカなどのボウフラを食べて育つ。 

(OLYMPUS E-500  35ミリマクロ+1.4倍テレコン)新開 孝

トゲナナフシの幼虫 2007/06/27(その2)
 宮崎に来てからずっと探していたトゲナナフシにようやく出会えた。
すでに大きく成長しているが、まだ幼虫期だ。

 トゲナナフシはそれほど珍しいわけではないが、いざ探してみるとなかなか見つからなかった。昼間はこうして脚を身体にぴったりとくっつけて休んでいるので、見つけにくいのだろう。

(OLYMPUS  E-500  35ミリマクロ+1.4倍テレコン)

新開 孝

蛹探し 2007/06/27(その1)
 庭のキンカンは小さな木だが、少し前までモンキアゲハとナガサキアゲハの幼虫が、たくさん育っていた。

 数日前、ナガサキアゲハの前蛹が3つ梢で見つかったが、モンキアゲハの幼虫たちは、みんなキンカンから姿を消してしまった。

 今朝になってナガサキアゲハの前蛹3つは、無事に蛹化していた。昨夜、降った雨で雨滴を身にまとっている。一旦、目を離すと蛹は葉っぱに紛れてしまい、探すのにも苦労する。

(EOSキッスデジタルN シグマ50ミリマクロ)新開 孝
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