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カバキリガ(3月)
Orthosia evanida (Mar)
まだ冬でありながら、すでに春の兆しが見られる。キブシの開花に気付いた私は、夜の多摩丘陵を彷徨うことにした。肌寒いが吹く風にもう厳しさはない。懐中電灯に照らし出されるキブシの垂れた花房がうす緑色に輝くようだ。探すこと1時間。いた!白い三角翼のキリガだ。無心に花蜜を吸う。そっと近寄ったのだが殺気の方が伝わったか、かのキリガはストーンと地面の落ち葉に急落下した。プルプル翅を小刻みに震わせている。うん!?口元がキブシの黄色い花粉まみれだ。こうして見ると丸々とした体型は、アザラシかトドのようだ。