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アゲハとムクゲの花(8月)
Papilio xuthus and Hibiscus syriacus (Aug)
四国の宇和海に面した明浜町は、うしろに控えたミカン山と穏やかな湾内の真珠養殖筏が景色の大半を占めている。海と山に挟まれた家並みがまばらにあるかと思えば、くねくねと入り込んだ海岸にそってところどころで集落となる。その一つが俵津。道とも隙間とも判然としかねる、家と家のあいだが造り出した迷路を歩いてみるのもひとつの楽しみだ。するとアゲハやモンキアゲハが多く舞い、あちこちの庭木の花を訪れているのに出会う。が、誰一人としてそのようなことには気にもとめないようだ。もっとも酷暑の昼下がり、呑気にほっつき歩く方がどうかしているのであろう、とは思う。