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ミツバチだって、楽したい? 2006/09/30(その2)
 クマバチが筒状花で吸蜜しようとしても、花の入り口がクマバチの体にとっては狭過ぎて、花の奥深くにある蜜腺まで潜り込めない。そこでクマバチは花を抱きかかえるようにして花弁に穴を穿ち、花の外側から蜜を吸う(写真上)。
 そういうのを知恵とは言わないのだろうが、いつ頃どうやって身につけた知恵なのだろうか?と不思議に思いたくなる。

 クマバチの行為を「盗蜜」と呼ぶのは、花にとっては昆虫に花粉媒介を委ねるがために誘いの蜜を用意してあるのに、その花粉媒介という見返りがないからという説明に沿っているからである。

 さて、クマバチの緩慢に近い動きとは対照的に、俊敏で細やかな動きのニホンミツバチがいる。彼らは花の入り口から中へと潜り込み、せっせと蜜を集めている(写真中)。さすがにニホンミツバチは花の花粉媒介に役立っているようだ。

 ところが、花壇で彼らをしばらく眺めているうちに、ニホンミツバチの中にもクマバチのごとき「盗蜜」を働くものがいることがわかった。
 クマバチが穿った穴に気付いたニホンミツバチは、「盗蜜」行為に嵌ってしまうのだろうか。花に潜り込むことなど忘れてしまったかのように、次々と花の付け根に真っ先に向っていく。

 
(EOSキッスデジタルN   シグマ50ミリマクロ)
 
新開 孝

コミスジ若令幼虫の今日 2006/09/30(その3)

 昨日アップしたコミスジ幼虫は、私が予測したように左右から葉っぱへの切り込みを終えていた。
 しかもさらに主脈に沿っても切り込みを入れたので、切り取られた部分は完全に萎れている。萎れた部分が脱落しないのは、幼虫があらかじめ糸を吐いて脱落防止を施してあるからだ。

 萎れさせた枯れ葉をこうして自分が休む場所の周辺にぶらさげておき、そこへ自らの姿を隠蔽させようという、幼虫の作戦なのである。またカールした枯れ葉に潜めば、さらに安全な隠れ家というわけである。

(EOSキッスデジタルN  シグマ50ミリマクロ)新開 孝

クズとコミスジの初令幼虫 2006/09/29
 クズの葉っぱの先を食べかじり、残した主脈の先端近くにコミスジの初令幼虫(おそらく1令)が居座っていた(写真上)。

 画面左奥に見える一筋のかじり痕も、この幼虫の仕業である。コミスジの幼虫には、葉っぱを食べるにしても彼らなりの作法とも言えるものがあって、そのおかげでコミスジの幼虫探しはとても簡単である。

 画面左奥に見える一筋のかじり痕の次には、主脈を対称軸として今度は右側からも同じようにかじり痕を入れると予想される。そして、左右からの浸食はやがて主脈まで達することとなり、さらに主脈そのものにもかじり溝を加えることによって、左右ラインに囲われた葉っぱの先端部分はじわじわと枯れて萎縮していくことだろう。

 幼虫の姿そのもの(写真下)が、そもそも枯れ屑のごときであり、その幼虫が留まる場所を枯らしてしまえば、まことに見事な隠蔽工作が完成するわけである。

(EOSキッスデジタルN   シグマ50ミリマクロ)

 
新開 孝

ツマグロヒョウモン 2006/09/28(その1)
 朝からよく晴れて、気温もぐんと上がったせいで活動する昆虫の姿がとても多い。アブラゼミも鳴き始めた。

 今朝も1時間だけ近所を歩くことにしたが、撮影しているうちに30分以上も時間超過してしまった。

 空堀川遊歩道にあるセンニチコウの花畑には多数のイチモンジセセリをはじめ、モンシロチョウ、そしてツマグロヒョウモンが吸蜜に来ていた。とりわけツマグロヒョウモンはメスが2匹、オスが3匹もいた。

(E-330  魚眼8ミリ)
 

新開 孝

アゲハのメス 2006/09/28(その2)
 近所を歩くうちに1時間を過ぎたのでマンション裏まで戻ってきたところ、ヒガンバナで吸蜜しているアゲハが目に止まった。

 すぐにメスとわかったが、うしろ翅はほとんどを失っており、飛び方が弱々しい。
 うしろ翅の欠け方は左右が同じように破れているから、翅を閉じた瞬間に何者かに襲われたのだろう。それにしても翅の根元あたりはけっこうしっかりしていて、そう簡単には破れるものでもないから、これだけの欠損となるからには相当な衝撃を受けたものと想像される。
 吸蜜したあとは、フワフワと低く舞いながら、日当たりの良いヤマブキの植え込みに降り立つと日光浴を始めた。
 そっと近付くと、こちらの動きをよく見ているのだろう、すぐに飛び立ってしまう。が、しかしまた日当たりの良い場所に着地して翅を広げる。こういうことを数回繰り返しているうちに、やがてこのメスのアゲハは力強くはばたき、風をうまく受けてぐんぐんと青空に向って上昇して視界から消えてしまった。
 
 アゲハのメスのお腹は大きく膨らんでおり、空高く舞い上がる元気もあるから、まだこれから多数の卵を産むだろうと思われた。

(E-500  マクロ35ミリ+1.4倍テレコン)新開 孝

ヨコヅナサシガメの幼虫たち 2006/09/27(その1)
 近所の雑木林にあるヤマザクラの幹には、樹種名の木製プレートが巻き付けられている。

 このヤマザクラの幹では、毎年、ヨコヅナサシガメが産卵にやって来て(8月ころ)、多数の幼虫が育っている。
 今日は幼虫集団の中で4令から5令への脱皮がさかんに行なわれており、脱皮中や直後の個体は体色が鮮やかな朱色をしていてとても目立つ。

 ヨコヅナサシガメの本来の産卵場所は、比較的大きな樹木の幹の窪みが選ばれることが多い。産卵場所はそのまま幼虫たちの越冬場所にもなるため、気温の日較差が少ない北向きで、しかも風雨を凌ぎ易い窪みなどの場所がうってつけのようである。
 ところが、こうして人が巻き付けたプレートなどは、適度な窪み的環境を提供しているわけで、ヨコヅナサシガメの産卵習性に見事に合致していたのであろう。
 好適な産卵場所、そして越冬場所があると、ヨコヅナサシガメは毎年、必ず産卵にやって来るようになり、長年使用されるようになる。そのときに訪れるメス成虫がどこで生まれ育ったかについては、マーキング調査をしたという話を聞いた事が無い。

 越冬幼虫が翌年の5月ころに羽化してちりぢりに分散したあと、その後の成虫の生活はほとんどわかっていない。が、しかし、8月ころになると必ずや決まった産卵場所に戻ってくるのである。
 その習性のかたくなさを見ていると、砂浜に毎年やって来るウミガメの産卵習性を連想してしまう。

(E-500  マクロ35ミリ+1.4倍テレコン)新開 孝

ホタルガ 2006/09/27(その2)
 年2回、成虫が現れるホタルガは、ちょうど今頃が2度目の発生時期となっており、街中をゆったり舞う姿をよく見かける。
 昼間にチラチラと舞う様には、よほど自信でもあるのだろうかと思いたくなるほど警戒心が薄い。

 翅を重ねるようにして止まると、前翅の白い帯模様が繋がって「く」の字型になるところも不思議な気がする。
 この白帯模様はいわゆる分断色として、ホタルガの体の輪郭を曖昧にする効果があるようにも見える。

 ホタルガという和名は、頭部が赤い色をしていることからついた名前。

 ホタルガの幼虫は街路樹のヒサカキの葉を食べ、ときには大発生して街路樹が丸坊主にされてしまう。しかし、ヒサカキはしばらくすると若芽を次々と出して葉を茂らせるので、うっかりすると一旦は丸坊主になったことにも気付かないかもしれない。

(E-500  マクロ50ミリ+1.4倍テレコン)新開 孝

羽化していたキタテハ 2006/09/26(その1)
 デスクワーク中心の日々が始まり、近場のフィールドを出歩くのは一日一時間程度と決めている。

 今日は気になっていたキタテハの蛹を見るつもりで、午前9時には家を出た。
空堀川の防護柵には以前にもアップしたように、今ではキタテハの蛹が3つ、ぶら下がっている。

 そろそろ羽化するころではないかと思っていたら、3つの蛹のうち一匹が、羽化直後のところに出会した。翅はもう半分ほど伸びかけており、強い風にあおられて振り子のごとく大きく揺れていた。

 今日は50ミリマクロ一本だけしか持っておらず、広角レンズで撮影できなくて少しだけ悔やんだ。

 羽化したばかりのキタテハを撮影しているうちに、小雨が降ってき始めた。慌てて帰る途中で、ハラビロカマキリの褐色型に出会した。

(EOSキッスデジタルN  シグマ50ミリマクロ)

新開 孝

ハラビロカマキリの褐色型メス 2006/09/26(その2)
 今日は午後から雨になりそうだったので、午前中の1時間だけ空堀川の遊歩道を歩いてみた。

 するとハラビロカマキリの姿がやけに多く目につき、いずれもお腹が大きく膨らんだメスばかりであった。オス達はもうその役目を終えて、ほとんどが寿命つきてしまったのであろうか。今頃はどこでどう暮らしているのだろうか?

 ハラビロカマキリは例年よりか数が多いのかもしれないが、そのせいであろうか、褐色型のメスに出会えた。去年は飯能市でオスの褐色型を撮影したが、シーズン中に褐色型をみるのは一匹程度だから、やはり極めて少ないと言えるだろう。

(EOSキッスデジタルN  シグマ50ミリマクロ)

 
新開 孝

今日のゴマダラチョウ幼虫 2006/09/25
 マンション裏のエノキには、4匹のゴマダラチョウ幼虫が見つかっている。いずれもまだ若い幼虫だ。

 幼虫にもそれぞれに個性があるようで、自分の台座と決めた葉っぱには一切口をつけず、食事は他の葉っぱに出掛けて行なうもの(写真上)や、そんなことにはおかまない無く、台座の葉っぱも虫食い状態のもの(写真中)もいる。

 そのこだわりのない幼虫の方は、もうじき脱皮を控えているようで今は休眠状態である。すでに後頭部のあたりが膨らんできているが、これは新しいステージの頭が体内で出来上がり準備万端になりつつあることを示している(写真下)。
おそらくこの幼虫が脱皮すれば5令幼虫となるのではないだろうか?

 さて、今時見つかるゴマダラチョウ幼虫はこの先年内に羽化までこぎつけるのかどうか、きわどい時期であろうと思う。
 私の住んでいる清瀬市周辺では、ゴマダラチョウの越冬ステージのほとんどは4令幼虫であるが、ごく稀にツノが立派な5令越冬の場合もある。


(E-500  マクロ35ミリ+1.4倍テレコン)

『忙しいこの頃とは』

 昆虫写真家にとって仕事が忙しいと感じるときというのは、それぞれ個々の方々の事情によってもかなり違うことだろうと思う。
 
 秋というこの時期には、この季節特有の昆虫が次々と出てくるので、さらにまた夏以上に忙しいのであるが、この時期からは来年の春や初夏に向けての出版物の準備もバタバタと慌ただしくなってくるのであり、むしろ撮影活動そのものよりか、デスクワークの方に時間がとられてしまう傾向にある。
 つまり、まだまだ撮影活動も並行して行ないたいのだが、そろそろそれも自粛してデスクワークとの配分関係を逆転していかねばならない。今がちょうどその時期である。

 とりわけ私の場合は、来年の3月には宮崎の新居への移転を控えているから、その準備期間なども考慮すれば、例年よりか全ての作業を前倒しで進めていかないとどうにもこうにも立ち行かなくなるのは火を見るよりか明らかだ。
 しかも、来春にはほぼ同時に2冊の自著本を出すので、これまでになく忙しい。

 さて、昆虫写真の最近の仕事ではデジタルカメラをほぼ100%使っているのであるが、印刷本の仕事に携わる上では、まだまだ過去の銀塩ポジフィルムを使う事が多い。つまりこれまでに蓄積してある写真ストックの量は、ここ3、4年のデジタル撮影の撮りおろしストックをはるかに凌駕しているのであって、特に撮りおろしの効かない外注の貸出し業務では、90%近くを銀塩ポジフィルムで賄うことになる。
 

新開 孝

ヒメシロモンドクガの幼虫 2006/09/24
エノキの葉っぱでヒメシロモンドクガの幼虫を見つけた。

 その派手な色彩やブラシ状の毛束、長いツノ状の毛などを見ていると、いかにも刺されそうに思える。実際、本種はドクガ科に属するのである。

 しかし、ヒメシロモンドクガ幼虫の体には、有毒毛や毒腺細胞をもっていないから、無害の毛虫と言えそうだ。ただし、この毛虫に触れると痒みを感じることもあるそうだ。肌の感受性には個人差があるので、平気な人もいれば、痒くなる人もいるということだろうが、痒い程度なら毒蛾として騒ぐほどのこともないだろう。

 ドクガ科の毛虫のなかでも、有毒な種類はむしろ少数派であるらしい。しかしながら、外見で無毒か有毒かを識別するのは困難だから、とりあえず怪しい毛虫には触らないようにした方がいい。
 
(EOS-500   マクロ35ミリ+1.4倍テレコン)

 新開 孝

アカスジチュウレンジの繭 2006/09/23
 ノイバラを暴食していたアカスジチュウレンジの幼虫が、土のなかで繭を紡いだ。

 といっても飼育下のことで、幼虫が成熟したころを見計らって土を盛ったケースを添えておくと、幼虫は自ら土のなかへと潜り込んだのである。
 ハバチ類は営繭(えいけん)に先立って土中に潜り込むことが多いが、その繭を野外で探し出すのはきわめて難しい。そこで、あらかじめ幼虫を室内に取り込み、これまで飼育してきたのであった。

 幼虫が潜り込んだ土をそっと掘っていくといくつかの繭が見つかった(写真上/画面左は掘り出したままの繭、画面右は土を取り除いた繭)。

 きれいに土を取り除いてみれば、本種の繭はまるでヒメヤママユの繭とそっくりなので驚いた。その網目状の繭を切り開いてみると、中にはさらに薄膜状の繭があって、なんと二重構造になっている。

 内側の薄膜をはがすと、やっと蛹が現れた(写真中/羽化間近の蛹)。

 しかし、他の繭では蛹ではなく、寄生バエの蛹(囲蛹)が出て来た(写真下)。
どうやら私がノイバラから持ち帰った幼虫のうち、すでに寄生を受けていたものが混じっていたようだ。

 (EOS-5D MP−E65ミリマクロ )新開 孝

盗蜜するクマバチ 2006/09/22
 ハナトラノオの花はお盆の頃が最盛期だから、今頃は花の勢いも失せてしまっている。
 
 それでもこのピンク色の花には、まだまだいろんな昆虫たちが訪れており、今日は特にクマバチを撮影してみた。

 クマバチはハナトラノオの花を抱きかかえるようにして馬乗りとなり、やおら花のがく片の隙間に口吻を差込む。そして蜜腺に一番近い外側から花弁を突き破り、蜜を吸うのである(写真上)。

 それに対してトラマルハナバチなどは、花の入り口から体を内部に潜り込ませて蜜を吸うので、おしべの先の花粉が体に付着し、花粉媒介に一役買うわけである(写真中)。

 花にとってはいかにも迷惑なクマバチだが、その仕草はどこか憎めないものがある。まさに要領がいいのである。狡い!とも言えるが、、、。
 そして他の昆虫を眺めてみれば、コアオハナムグリも花の入り口には体の幅が大き過ぎるので、クマバチと同様に花のがくの隙間から頭をこじ入れている(写真下)。
 コアオハナムグリは一カ所の花でネチネチと蜜を嘗めとるので、やがては花弁が大きく裂けてしまい、花を壊してしまう。これは花にとって、クマバチよりかさらにたちが悪いと思えてしまう。

(EOS-5D  EF100ミリマクロ)

『新しいものには訳がある、という理屈』

 里芋の皮を剥いてから、一個ずつ包丁で面取りをしながら考え事をしていた。
里芋はツルツルと滑るから、これはけっこう厄介な作業だ。

 「うちのまな板は、まだ昔ながらの木製だけど、世の中のほとんどは白いプラ製が主流だよなあ。なんでうちは、更新せんのかなあ?」

 聞くところによると、料理専門店などあらゆる厨房では、衛生上の理由からプラ製のまな板を使用するのが法的にも義務づけられているらしい。実際、テレビの料理番組を見ていても、必ずや白いまな板を使っている。
 おそらく日本中の家庭の台所でも、そのほとんどが今や白いまな板を使っているのではないか?それが何パーセントを占めるのかまでは知らないけれど、どうやらうちのように木製のまな板を使う家庭は、もはや少数派ではないだろうか?

 うちの家庭事情から考察すれば、木製まな板を今でも使っている理由はあきらかで、嫁さんが、プラ製の白いまな板を嫌っているからである。そして、まだ現状の木製まな板が充分使えるから、なにも買い替える必要もない!というのが嫁さんの主張である。

 ところで「まな板」という項目でネット検索をしてみると、けっこう木製のまな板も健在であることがわかった。「木曽ひのき」などというオーダーメードの高級なものでは、ヒノキオールといって強力な抗菌作用まであるそうだ。
 いや、とにかくけっこう木製まな板もいろいろ販売されていることがわかって、意味なく少し安心した。

 木製まな板にこだわる理由を自分なりに考えてみて、ふと今晩気付いたことがあった。「ああ、そうか!」

 「トントン、トン!」この音だなあ。キャベツを刻んでいて、さらに感じたのだが、包丁が刻むときの「トントン、トン!」という音は、なにか懐かしい音だ。あの音が台所から響くと、なんとなく幸せな気分に浸れたのではないか?
 それは木製まな板だからこそ、発する音ではないだろうか。

 コトコトと鍋が響く音とともに、夕餉の準備が進行する様は、子供のころにはなんとも心穏やかになれたのではないか?
 まな板を刻み叩く音は、それは台所の光景として心地良いものではなかったのか?

 そんなこんなを、ボーッと考えながら里芋の面取りをしていたら、切りくずを皿に入れ、肝心の芋を残飯入れにどんどん捨てていた。
 
  ありゃあ、これはいかんがな!

 
新開 孝

コナラシギゾウムシ 2006/09/21(その1)
 シギと言えば、野鳥のチドリ目に属する鴫(しぎ)。
海辺や川辺に生息するシギ類は嘴が長く、それが先端にむかって下向きにゆるく曲がる(逆に上向きに曲がる種類はソリハシシギなどと呼ばれる)。そのシギの嘴の様子にそっくりなのが昆虫のシギゾウムシの仲間である。

 コナラシギゾウムシは4月ころから姿を現すようだが、よく見かけるのは9月に入っての産卵期ではないかと思う。これまで本種を見た回数はきわめて少ないが、決して珍しい種類ではない。

 メスはコナラやカシワのドングリの中に産卵するが、その産卵坑を前もって長い口吻を使って穿つ。それはまるで錐揉み作業なのだが、コナラシギゾウムシの産卵行動を自分の目でしかと見た事が無い。

 低い梢でドングリがなっている場所に行き当たれば、その産卵行動の観察も可能性が高くなるが、少し見て回った範囲では、ドングリの成りが不作でうまくいかなかった。

(E-500  マクロ35ミリ+1.4倍テレコン)
 新開 孝
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