| 仙台市在住の昆虫写真家、中瀬 潤さんから「カゲロウ観察事典」偕成社の見本誌を送っていただいた(文、写真が中瀬さん、構成は小田英智さん)。
「カゲロウ観察事典」は、偕成社の自然観察事典シリーズ37で、発売日は10月17日になるそうだ。
「カゲロウ」という言葉を聞いて知らない方はいないだろうが、カゲロウという昆虫についての正確な知識となると、あやふやな方のほうが多いはずである。 今回の中瀬さんの著書を開いてみて、私もカゲロウのことをほとんど何も知らなかった、ということをあらためて感じた。
いわゆる川虫と呼ばれる昆虫群のなかでも、カゲロウ、カワゲラ、トビケラなどといったグループは、まずは種名を調べるだけでもけっこうたいへんであり、とっつきにくいと感じてきた。実際、これらのグループをしっかり観察し撮影している昆虫写真家というのは極めて珍しいと言える。
中瀬さんは川虫だけを撮影しているわけではないが、仙台の里山環境という素晴らしいフィールドを巡りながら、川虫の生活を写真で綴る地道な活動を続けられている。 今回の「カゲロウ観察事典」は、その成果のほんの一部をとりわけ子供たちへのメッセージとしてまとめられた。もちろん大人の方にとっても未知なるカゲロウの世界への入門書としてうってつけであり、他に類書は無い。
偕成社の観察事典シリーズは、頁数の割に価格が高めであるが、座右において何度も何度も繰り返し読むタイプの写真本だから、長い目でみれば決して高くはないと、納得いただけるはず。 「カゲロウ観察事典」を手にとれば、この秋からでもさっそく近くの渓流や川に出掛けてみたくなるのではないだろうか。
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