| 近所を歩くうちに1時間を過ぎたのでマンション裏まで戻ってきたところ、ヒガンバナで吸蜜しているアゲハが目に止まった。
すぐにメスとわかったが、うしろ翅はほとんどを失っており、飛び方が弱々しい。 うしろ翅の欠け方は左右が同じように破れているから、翅を閉じた瞬間に何者かに襲われたのだろう。それにしても翅の根元あたりはけっこうしっかりしていて、そう簡単には破れるものでもないから、これだけの欠損となるからには相当な衝撃を受けたものと想像される。 吸蜜したあとは、フワフワと低く舞いながら、日当たりの良いヤマブキの植え込みに降り立つと日光浴を始めた。 そっと近付くと、こちらの動きをよく見ているのだろう、すぐに飛び立ってしまう。が、しかしまた日当たりの良い場所に着地して翅を広げる。こういうことを数回繰り返しているうちに、やがてこのメスのアゲハは力強くはばたき、風をうまく受けてぐんぐんと青空に向って上昇して視界から消えてしまった。 アゲハのメスのお腹は大きく膨らんでおり、空高く舞い上がる元気もあるから、まだこれから多数の卵を産むだろうと思われた。
(E-500 マクロ35ミリ+1.4倍テレコン) | |