| 驚異の体外寄生、その4 2006/05/12(その1) | | 一昨日からスモモキリガ幼虫への体外寄生をアップしてきた。
さて、昨夜から今朝にかけての寄生バチ幼虫の様子を報告したい。
肥大化した寄生幼虫たちは、糸を吐きつつも、しだいに宿主の背中から、腹側へと一斉に移動し始めたのである(写真上)。 そして、ここで興味深いのは、幼虫たちの糸を吐くテンポが非常に鈍いことであった。頭を振り動かしてはいるが、いっこうに繭作りを始めたようには見受けないのである。
幼虫たちの挙動はむしろ宿主の腹側に潜り込むことに専念しているようで、しかもしばらくするうちに、宿主幼虫の体長にぴったり納まるよう、12匹の幼虫たちは見事に整列したのであった(写真中)!! 幼虫たちが潜り込んだことによって、宿主スモモキリガ幼虫の体はまさにジャッキアップされてしまい、しかもしだいに体が扁平へと萎縮してしまった。 宿主の体がここにきて萎縮してしまった理由がよくわからない。
で、糸を吐くテンポが遅いことと、幼虫たちの繭作り行動にはもう一つの特徴がある。それは、個々が納まる繭、つまり個室を設えるのではなく、どうやら12匹全員が納まるべく、大部屋の繭を紡いでいるのではないか、そう思えるのであった。 その様子を俯瞰してみた(写真上)。
こうして見ると、宿主の背中に大きな穴が開いていた事がわかる。 この穴は何を意味するのだろうか?12匹の幼虫たちが吸血していた穴だろうか、それとももしかしたら、、、、、、、!?
いずれにせよ、この寄生バチ幼虫集団の繭作りは極めて鈍く、いまだに粗い糸網のごとくである。
(EOS-5D マクロ65ミリ) | |