| テントウムシは「ナミテントウ」とも呼ばれる。
テントムシという和名では、「テントウムシ科」全体を示す場合と混同し易いことや、あるいは世間一般にはテントウムシというと「ナナホシテントウ」、という認識が浸透しているからである。
さて、ナミテントウの今は、交尾(写真上)や産卵行動があちこちで見られる。早いものではすでにふ化幼虫たちがアブラムシをもりもり食べて育っている。
いかにも春たけなわ、という昆虫風景だ。 そして今日は、とりわけ夏日となり気温は28度を超えて、30度!を記録したようだ。
ふとヤマグワの梢を見れば、何かを抱えたナミテントウが葉うらに止まっていた。抱えていたのは「テントウハラボソコマユバチ」の繭だ(写真下)。
ナミテントウの体内で寄生生活を送り成長したコマユバチ幼虫が、ナミテントウの腹側から外へと脱出し、繭を紡いだのである。 おそらくは、自分の体に不調を感じ(人間に例えればの話)、じっとうずくまっているうちに、そのエイリアンは体外に飛び出したのであろう。
しかし、なんという巧妙な寄生手段であろうか。ナミテントウは体の自由が効かなくなっても、その生命はまだ存続しているのである。撮影している最中にも、ナミテントウの脚や口器はもぞもぞと動くのであった。
ナミテントウの命は、ゆっくりゆっくりと時間をかけて消えていくのである。 もしも聞けるものなら、ナミテントウに教えてもらいたい。
「どうなんだい?痛むのかね?」 「、、、、、、、、、、、、、。」 「まさか!?ウトウトと気持ちが良かったりするんではないだろうね?」 「、、、、、、、、、、、、、。」 「おい、どうなんだい!?」
(D-200 マイクロニッコール105ミリ)
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