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コウチスズメの幼虫 2005/10/04
 近所のドウダンツツジの生け垣でコウチスズメの幼虫を見つけた。
体の側面には派手な赤い紋様があって綺麗だ。

 さてこの幼虫を今日発売の学研の『日本産幼虫図鑑』で調べてみた。
ところが同じ姿の写真が見当たらない。
 まったく素人の方が絵合わせだけで調べようとすればこれはたいへん困るケースだろう。
 じつはコウチスズメの幼虫の体色や紋様には個体変異がある。
 スズメガ類の幼虫全体にその傾向が強いことをあらかじめ知っていれば、紋様のパターンや形態からだいたいの検討を付けることができる。
 検討がつけば記載文中の変異の解説に納得でき、種名も判明する。もっとも幼虫の個体変異まで網羅して一冊の図鑑に載せることなど、膨大な種数を抱える蛾類では不可能なことである。

 私も、本日の写真の色付きタイプ幼虫を見るのは初めてのことで、ちょっと驚いた。
 しかし、コウチスズメの幼虫は近年、都市部のドウダンツツジの植え込みでよく見つかるようになっているそうだ。(学研『日本産幼虫図鑑』による)

(写真上/Canon EOS-5D EF15mm 使用)

(写真下/OLYMPUS E-300 マクロ50mm 使用)新開 孝

イチモンジチョウ蛹の異変 2005/10/03
 先日スイカズラで見つけたイチモンジチョウの蛹に異変が生じた。
 どうやら幼虫時代に寄生されていたようだ。
羽化が近づいて蛹の色が変化する場合は、全体にほぼ均一に黒化していくはずだが写真の蛹は茶褐色に変色し始めている。
 蛹背後から電灯で照らしてみると、体のあちこちがまだらに空洞化している。この蛹はすでに死んでいるのだろう。
 ならばいずれ姿を現すであろう新たな生命体、その寄生昆虫を待ち構えてやろうではないか。
 とはいっても、今日は本作りの仕事のためずっとパソコンの前に座っての作業が続く。ときおり蛹の様子を窺うことはできるが、張り付くことはできない。
 おまけに夕食のおでんの仕込みもやっているので、あちこちに神経を張りつめている。おでんの煮込み過ぎは禁物だ。
 だからといって、今日中に寄生昆虫が出現するかどうかもわからない。  

(OLYMPUS E-300  50ミリマクロ テレコン使用)
新開 孝

ハラビロカマキリのかっ色型 2005/10/02
 昨日は飯能市で昆虫観察会の講師の仕事があった。
これは「風カルチャークラブ」の講座のひとつで、昆虫観察会の大人版としては珍しい催しと思う。
 さて、観察会は午後3時からだったので、一足さきに家族とフィールドに入ってみた。オオウラギンスジヒョウモンやメスグロヒョウモン、ミドリヒョウモンなどヒョウモン類がさかんにノハラアザミに吸蜜に来ている姿が目立った。
 子供がカマキリを見つけて騒いでいるので覗いてみると、ハラビロカマキリのかっ色型だった。
 ハラビロカマキリのかっ色型を見るのは、これまでわずかに3回しかない。それとは逆にコカマキリの場合、ほとんどがかっ色型で緑色型はたいへん少ない。

  写真は昨日、10/1に撮影。場所は飯能市天覧山。

(OLYMPUS E-300  50ミリマクロ テレコン使用)新開 孝

オオカマキリ怒る!!秋 2005/10/01
 10月に入ったばかりだが、ずいぶんと暖かい一日であった。

飯能市のあるお寺で、これまたずいぶんと威勢のいいオオカマキリに出会った。



(OLYMPUS E-300  7〜14ミリズーム 使用)新開 孝

スイカズラとイチモンジチョウの蛹 2005/09/30
 駐車場に行き来している間のほんの数メートルの薮では、いろいろなチョウに会える。で、先日はイチモンジチョウの若い幼虫を見つけ今も飼っている。
 昨日はこの幼虫の餌を補給するためスイカズラを摘み採ろうとしたら、そこに下垂したイチモンジチョウの蛹を見つけた(写真上)。 


 逆さになった頭をよく見ると、眼の部分が真珠のような光沢をしている(写真下)。

新開 孝

新機種、EOS-5D 2005/09/29(その2)
さっそく新しいカメラのテストに出掛けてみた。
テストとは形ばかりで、その結果がどうあろうとこのカメラを返品したりするわけでもないから、まあ、いきなり本番といった方がいいだろう。
10/1に行う観察会の仕事の下見も兼ねてのことだから、テストは二の次といえる。
 
 さてEOS-5Dは使ってみると、とにかく操作性はごくシンプルに仕上がっていて、初めて触ってもすんなり使えるカメラだ。画像表示、画像拡大チェック、画像消去など、次々と撮影しながらの各操作はじつに滑らかで迅速。これが1280万画素のカメラかと驚くほどだ。カードへの書き込み中でも手前の画像を読み出し、拡大チェック、消去などがなんのストレスもなく実行できるのは気持ちがいい。
 だが、ミラーアップ時の「パカコン」という作動音はちょいと歯切れが悪い。なんだかのったりやってます、という感じがする。感じとは裏腹に、カメラ内部では凄い作業をこなしていることには間違いないのだが。
 ファインダーが、ずっとこれまで使い慣れてきた35ミリフルサイズになって、なんとも気持ちがいい。これはこれで素直にいいと思う。
 
 写真はナガコガネグモの巣網。

 新開 孝

2枚の枯れ葉 2005/09/29
 飯能市の雑木林を歩いての帰り道。コナラの梢に引っかかった枯れ葉が目に止まった。
 「うん!?枯れ葉?」
 「おお!ホシヒメホウジャクではないか!」

しかも、その枯れ葉そっくりの蛾は、裏側にもう一匹、いたあーっ!!


(Canon EOS-5D 100ミリマクロ使用)
新開 孝

アオスジアゲハの目玉模様(その2) 2005/09/28
 うちで飼っているアオスジアゲハ幼虫も、次々に終令となっている(写真上)。







幼虫の胸部背面(背中の頭より)には一対の目玉模様があるが、幼虫の頭の方から見た場合(写真中)も、背中から見た場合(写真下)も、あるいはお尻側から見ても、それぞれ目玉模様に見える。それはアオスジアゲハの目玉模様は立体的に出来ているからだ。
 立体型になっているわけは、(その1)を見ていただきたい。新開 孝

アオスジアゲハの目玉模様(その1) 2005/09/28
 アオスジアゲハ幼虫の若いころは、背中にいくつか小さな突起がある。
特に大きいのが背中の一番盛り上がったあたり、つまり胸部背面の一対である。
 終令の一段階手前の4令幼虫でこの突起を見てみると(写真上)、この部分が終令期には目玉模様(写真下)に整形されることがよくわかる。新開 孝

ディテール 2005/09/27(その2)
 昆虫の体の細部の状況は、相当に千差万別。さらにステージによってその有様はずいぶんと変化に富んでいる。

 先のアケビコノハ蛹の頭部を横から見てみたのが写真上。
アケビコノハの蛹は指で摘もうとしても、ツルツルとすべってしまうくらい、外見上はテカテカなのだが、そのディテールはと言うと平らな面ではなく、実に細かい複雑なレリーフが施されている。蛹と言えどいかにもおしゃれなのである。

 写真下はイチモンジチョウ幼虫の体に生えている突起。これはいくら触っても刺されたりはしないが、見た目にはいかにも痛そうである。このトゲトゲを見た小鳥が、この幼虫を前にして補食を躊躇するかどうかは、そう簡単に断定できはしない。新開 孝

アケビコノハ、蛹と化す 2005/09/27(その1)
 先日9/21にアップしたアケビコノハが、葉っぱを粗く綴って、その中で蛹になっていた。
 じつは21日の段階で、アケビコノハ幼虫は食草アケビから離れており、蛹化場所を探し求めていたことがわかっていた。そこで私は幼虫を、ヤマグワの大きめの葉っぱ2枚と一緒にケースへ入れておいたのであった。
 野外でこれまでにも偶然にして葉っぱを綴った中からアケビコノハの蛹を見つけたことがあり、蛹部屋にはどういう葉っぱを幼虫が好むかも知っていたからにほかならない。もっとも幼虫はそれほど神経質ではなく、ティッシュのかたまりでも蛹部屋に利用できるくらいの融通さはある。新開 孝

「X作戦」は何のため? 2005/09/26
 ジョロウグモのでっかい巣網(写真上)が目立つこの頃。なにか凄い獲物でもかかっていないものかと眺めていたら、足下でX字状の白帯糸を張ったクモが見つかった(写真下)。X字状の網をこしらえるクモは4種類いて、その中でも本州に分布しているのはチュウガタコガネグモ、コガタコガネグモ、そしてコガネグモの3種らしい。
 写真の個体は小さな幼体で、上記3種のうちどれなのか判然としない。この場所では隣接してナガコガネグモが多数、網を張っていた。
 X字状に白く帯糸を張ると、クモにとってどんなメリットがあるのだろうか。図鑑などを調べるとこれはクモ自身の隠蔽工作であるらしい。つまり「X作戦」とでも言えようか。
 確かにクモは脚をX字状に束ねていて、白帯糸にうまく溶け込む視覚的効果を狙ったかのように思える。クモが自分の身を隠すというのは、いったい何者に対してであろうか?天敵か、あるいは巣網にかかる獲物に対してか?
 新開 孝

ぐんま昆虫の森「友の会」 2005/09/25
 今日は「群馬県立ぐんま昆虫の森」に行って来た。清瀬市のうちから所用時間は約1時間半。「ぐんま昆虫の森」は今年の8月にオープンしたばかりだが、48haという広大な里山で自然体験が楽しめる、非常にユニークな施設である。これまでにある各地の昆虫館と一線を画しているのは、とにかく里山環境そのものが舞台となっていることであろう。矢島稔園長が描いた構想は壮大であり理想的なものにより迫っただけに、オープンまでの準備期間はなんと10年!もかけている。
 この里山の森をこれまでに私は仕事で何度も歩いたことがあるが、オープンしてからの昆虫観察館や生態温室といった、建造施設を訪れるのは今日が初めてであった。
 じつは「ぐんま昆虫の森」オープンに伴い、施設内には「ぐんま昆虫の森 友の会」が設立され、私はなんとそこの副会長の任を仰せつかったのである。今日はその最初の総会に出席したのである。小学校のとき学級委員に選ばれてバッチなんぞを胸につけてふんぞりかえった経験があるくらいで、こういう役員という肩書きとは、これまで縁もゆかりもない生活をしてきたから、ちょっと戸惑ってしまったが、引き受けた以上は自分なりにきちんと貢献しようと思う。
 お時間のある方は一度、訪れてみてはいかがだろう。生きた昆虫をいろんな角度や視点で触れることができ、ユニークな催しものも盛りだくさんである。大人も子供も楽しめる。まあ、できれば晴れた日がいいに超した事は無い。

 
 写真上:里山昆虫の解説パネル。アクリルの標本箱はよくできている。
 写真下:蛾類の幼虫の標本は今にも動き出しそう。
 
 
新開 孝

デジタル写真は便利だけれど、、、 2005/09/24
 本日は一日中、ほとんどパソコンの前に座っていた。
ある事情で急遽、デジタル写真を総覧しつつ記憶を辿りながら欲しいカットを選んでいたからだ。
 じつはここ3年間のデジタル写真データの整理が完全ではないため、その作業も実に効率が悪い。デジタルになって便利なことこの上ないのだが、写真という実体感が薄れてしまったのはどうも良くない。モニターで閲覧する写真が、どこかよそよそしいのである。
 どうやら私の場合、写真はプリントアウトしておいた方がいいと思える。大変な作業だが、使えるカットに厳選してでもこれは早く実行しておいたほうがいい。サイズは2Lで充分だ。個々のプリントにはファイル番号と所在するハードディスク番号、フォルダー名くらいは記入しておきたい。
 
 さて明日は久しぶりに群馬に行く。群馬と言えば、やはり「ソースかつ丼」で昼食かと思う。この「ソースかつ丼」、関東甲信越ではあちこちで見かけるが、さすがに関西にはないと思う。
 「ソースかつ丼」とはどんぶりのご飯の上にキャベツの千切りが敷かれて、その上にソース汁につけ込んだ豚カツが乗っているのである。キャベツの千切りが無い場合も多い。つまり卵とじにしないし、タマネギのスライスも絡んでこない。
 私としてはだし汁と溶き卵、タマネギを絡めた、いわゆる「カツ丼」がほんとうは好きだ。好きになったのも私が産まれ育った松山ではそれしかなかったからだ。特に大学の近くにあった大衆食堂の280円のカツ丼は絶品であった。白菜の漬け物も良かった!
 
新開 孝
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