| ヨウシュヤマゴボウはよく目立つ。濃い紫色の実は旨そうだが、これを試食したことはない。ヒヨドリやジョウビタキがさかんについばんでいるのを見るが、おそらく人の味覚とは違う世界なのだろう。 さて夏休み最終日でもあり、寝転がって漫画を読んでいた小学4年生の子供が退屈そうにしていたので、私の仕事に連れ出してみた。と言っても近所の「お化け山」。今日はナミテントウの行動をビデオ撮影するため、いくつか採集してこないといけない。それを手伝わせるつもりでいたが、子供はナミテントウをまったく見つけることができない。どういう場所に目をつければいいか、一応説明するが私の言葉は彼の耳を素通りしているようだ。私がナミテントウを見つけ、さらにヤマノイモの葉っぱでダイミョウセセリ幼虫を見せたり他にも様々な昆虫を次々と披露してやると彼はマジックを見るように驚くばかりだ。 しかしそうかといって我が子に無理矢理、昆虫に興味を抱かせようとも思わない。少しだけ昆虫のことが印象に残ればいいだろう。ナミテントウを探し歩くうちに子供はすぐに野歩きに飽きて来た。そこでヨウシュヤマゴボウの実で遊んでみる事にした。実を地面に投げつけ、その痕跡の大きさを競うのである。ヨウシュヤマゴボウの実は、これをお互いの身体に投げつけ合って、相手に甚大なる染みをつけるというまさに野蛮な遊びが私の小学生のときには流行っていた。この遊びでは「むらさき爆弾!」といいながら攻撃を仕掛けるのである。 | |