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カメムシにあらず! 2005/09/10(その1)
 いやたしかに先日9/7にもアップしたカメムシの卵は、カメムシで間違いないのだが、今日見てみると寄生バチが一匹抜け出たあとだった。
 ふ化を楽しみにしていたのだが卵に黒い筋が現れていたのがずっと気にはなっていた。先日アップした写真の赤い眼点は寄生バチ(タマゴクロバチの仲間)のものだったのである。したがってこのカメムシの卵塊の正体はわからないままとなってしまった。一個でも寄生を免れているという可能性はほぼ無いと思う。



新開 孝

踊る幼虫、サトキマダラヒカゲ 2005/09/08
 強い日射しを受けていたアズマネザサの葉っぱ。「何かある!」と葉うらを覗き込んでみた。思った通りそこにはけったいな幼虫群がいた(写真上)。
 「何じゃ!これは!」
数匹かたまって並んだ幼虫のどれもが頭を高く持ち上げている。いやむしろ体をそり返しているという表現の方がいいか。一瞬、私はハバチ類の幼虫がお尻をそり返して、ふりふりダンスをする光景を思い出した。しかし、目の前の幼虫たちはハバチ類ではなく、あきらかにサトキマダラヒカゲの若い幼虫だ。
 ササの葉に振動を与えると、幼虫たちはぴたりと体を伏せてしまった。どうやら踊っているように見えたが、頭を振ったりしているわけではないようだ。1時間ほどして再びこの場所に戻ってみると、幼虫群のなかの2匹が脱皮を終えた直後であった(写真中、左端。頭に短い角が生えている)。
 そこで近くのアズマネザサを調べてみると、サトキマダラヒカゲの産卵直後や明日にでもふ化しそうな卵塊がいくつか見つかった。



新開 孝

その後の?カメムシ卵 2005/09/07(その3)
 先日の9/4にアップしたカメムシの卵を見に行ってみた。最初に見つけた5日前は透明感のある白色だったのが、今日は光沢感がなくなりうっすらと赤い眼点が現れていた。どうやらこのカメムシもいずれ無事にふ化しそうである。ふ化すればこのカメムシの正体もわかることだろう。



新開 孝

ツユムシの幼虫 2005/09/07(その2)
ツユムシの幼虫が、アケビの葉っぱで強風を凌いで隠れていた。お尻に産卵管があるのでメスだとわかる。さらに右後ろあしが欠けていることも撮影を始めてから気付いた。
 このツユムシ幼虫はあと一回脱皮すれば成虫となるはずだ。しかし、脱皮しても失った後ろあしは再生しない。
新開 孝

アカスジキンカメムシ3令幼虫 2005/09/07(その1)
 スイカズラの葉っぱにしがみついていたこの幼虫は、台風14号の強風にあおられてすぐ近くのコブシの木から吹き飛ばされてきたようだ。コブシの梢を見上げると、難を逃れた兄弟たちが肩を寄せ合っていた。新開 孝

チャバネアオカメムシの卵 2005/09/06
 チャバネアオカメムシは日本全国にもっとも普通に見られる小柄なカメムシ。よく夜の灯りに飛来したりもする。身近な環境にいくらでもいるので、このカメムシの卵を見かける機会も多い。
 これまで何度もこの卵を見つけてはいるが、大抵は寄生バチにやられていることがほとんどだった。今日は久しぶりにチャバネアオカメムシの誕生が期待できる卵を得て、撮影してみた。卵一つを上から見た直径は約0.8ミリ程度だが、樽型をした卵のふたにあたるところには、中の幼虫の顔がうっすらと透けて見えるのがわかる。
 卵がふ化するときには、中の幼虫が頭で樽のふたを押し上げるようにして登場する。




新開 孝

避難民、クビキリギス 2005/09/05
昨夜からの大雨ですぐそばを流れる空堀川も茶色い濁流となっている。川が増水したため河川敷の草原で生活していた様々な生き物たちが行き場を失って、右往左往していたはずだ。そのなかでもよく見かけるのが今日のクビキリギス。
 遊歩道の柵にしがみついていたその姿は、命からがら河川敷から避難してきたように私には見えた。彼は成虫になってからまだ日が浅いらしい。そっと体を摘んでみると頼りなく柔らかい。その柔らかさを活かして捕われの身でありながら、くるりと頭を反転させて私の指に噛み付こうとする。以前、観察会の場でコロギスのメスに噛まれたことがあるがこれはけっこう痛かった。出血もした。ギスと名がつくこの手合いには気をつけたほうがいいようだ。観察会の講師という立場上、参加者の前であまり痛がるのも憚れるし、すぐにもコロギスの習性などを解説しなければならない。痛さをこらえて平然とコロギスを捕らえる際の注意事項などをさりげなく語ったのは言うまでもない。
新開 孝

卵、卵、卵、、、、、。 2005/09/04
 アズマネザサの葉裏に整然と並んだ白い真珠は、カメムシの卵(写真上)。今のところ種名は不明としておこう。小さなアリが来ているからちょっと先行きが心配。全部で35個ある。 
 黄色いアブラムシはキョウチクトウアブラムシで、今頃はツル草のガガイモで繁殖している。そのコロニー内へ糸の先に産みつけられたのが、クサカゲロウ類の卵だ(写真中)。やがてこの卵がふ化すれば、アブラムシにとっては脅威の存在となる。いわゆる「優曇華」。
 そしてメヒシバ(コメヒシバ?)の穂に私の目の前で産卵していったのはイチモンジセセリであった。そっと穂を摘んで持ち帰り、高倍率撮影をしてみた(写真下)。産み落とされたばかりの卵の色彩はやがて変化する。今日は産んでから2時間くらい経っている。新開 孝

お疲れさん、アカスジキンカメムシ 2005/09/03(その2)
 アケビの茎で吸汁していたのは、アカスジキンカメムシのメスだった。近くにはコブシの木もあるので、そこで産卵を済ませてきたのかもしれない。
 このメスの姿をよく見ると、胸部背面が濁ったように青黒く変色している。これは本種の老齢化を示すもので、このメスの月齢はかなりのものだろう。アカスジキンカメムシは死んでしまうともとより、美しい色彩は失せてしまう。生きているときこそ輝いているのだ。カメムシ類全般は死ぬと、甲虫のように美麗な姿を留めることができない。そのへんがカメムシの生き物としての魅力だと感じる。新開 孝

オニグモとアブラゼミ 2005/09/03
 近頃、アブラゼミの死骸をよく見かける。保育園に預けている子供やその友達たちが毎日のようにアブラゼミの死骸や弱った個体を拾ってくるのも、もうアブラゼミのシーズンも終盤に入ったことを物語っている。
 昨日の朝にはオオカマキリに捕まって悲痛な泣き叫び?をしていたアブラゼミもいた。しばらくしてその鳴き声の場所へと駆けつけてみれば、アブラゼミの頭はもはやオオカマキリに食べられた後だった。こうして真夏を謳歌していたアブラゼミたちも自然の摂理の中で様々な「死」を迎えている。
 今日は夕方になって、うちのすぐ近くの橋のたもとでオニグモの網にかかったアブラゼミを見つけた。よく見るとオニグモがアブラゼミに抱きつくようにして吸血していた(写真上)。執拗に撮影しているうちにオニグモは気を悪くしたのか、そそくさと巣網のはじっこへと移動してしまった(写真下)。
新開 孝

再びヨウシュヤマゴボウ 2005/09/02
 先日、ヨウシュヤマゴボウの液果のことを書いたが、あれは有毒らしいというメールをいただいている。私もうっかり「試食したことがない」、などと書き込んでしまったが、やはり口にはしないほうがいいようだ。
 ヤマゴボウ属には有毒物質があるそうで、中毒を起こす事もあるそうだ。しかし、日本の野生種のヤマゴボウでは葉っぱを煮ると食べられるそうだし、ヨウシュヤマゴボウの葉は調理され「ポークサラダ」として缶詰にして販売!されたこともあるそうだ。また問題の液果もパイに入れて焼いたり、ワインや菓子の着色料として使われてきたという。ヤマゴボウ属は毒もあれば、きわどいところで食用やあるいは薬用として人々の生活と深く関係してきたようである。
 ヨウシュヤマゴボウの花はよく見ると、しだいに液果へと成長する段階が揃っている(写真)。新開 孝

イチモンジチョウ 2005/09/01(その2)
 金網に絡んだスイカズラを眺めているとイチモンジチョウのメスがやって来た。どうやら産卵が目的のようだった。しばらくいろいろな植物の葉っぱに止まっては食草探索をしているように見受けたが、そのうちふいっと他所へ飛び去ってしまった。久しぶりにイチモンジチョウの卵を見ることができる、と期待したのだが。
 しかし、ふとスイカズラに目を戻してみるとイチモンジチョウの終令幼虫が食事中であった。カメラが近づく気配に驚いて、幼虫は体を折り曲げるようにして身を固くした。「あたいに触るんでナイヨ!!」そう言いたいのであろう。新開 孝

ミナミトゲヘリカメムシ 2005/09/01(その1)
 近所のコブシではアカスジキンカメムシの幼虫が多数育っている。その様子を撮影していたら、見慣れないカメムシが葉裏に止まっていた。いやほんとうは以前にも撮影したことのあるカメムシだが、そのときの場所は石垣島だったから、今日は少し驚いた。2年前の7月に石垣島のバンナ植物公園内で撮影したと思う。
 カメムシ図鑑によれば、ミナミトゲヘリカメムシは南方系のカメムシで、本州では和歌山県あたりまで分布していることになっている。このカメムシも温暖化と関係して分布を北へ北へと拡大しているのだろうか。
 新開 孝

クワゴの幼虫 2005/08/31(その2)
 大きなクワゴ幼虫がいた。終令幼虫で体長は4センチ以上もある。腹脚でヤマグワの枝につかまり、体前半部はしゃきんと持ち上げている。この姿勢は見るからに「小さく前習え!!」という小学校時代の号令を思い出す。じつに姿勢正しい。そう思うとなんだかしんどそうでもある。そしてクワゴの目玉模様は人も騙せるほど強烈だ。偽物の目が私をじっと睨んでいる。新開 孝
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