| キマダラカメムシの体長は25ミリ程度。カメムシの中でも大きい方だろう。熊本県大津町の街路樹、ケヤキの幹で多数見つかった。時刻は午後7時過ぎ。 本日は熊本滞在最終日でもあり、夕食はホテルから少し歩いて支那そばを食べに行くことにしたのだが、その途中で同行のフリーライターNさんが、またもや目ざとくこのカメムシを発見したのであった。「あ、きれいな虫!」というNさんの声に振り向いてみるが、遠目からは樹肌にカメムシの姿が溶け込んでよくわからない。「おお!これはキマダラカメムシといって少し前までは、長崎にしかおらんかったんよ。このところ九州全体に分布を広げているらしいよ」 で、カメラを取りに戻るにはすでにけっこう距離があったので先に支那そばを食べてからホテルに戻り、今度は車で出直して撮影となった。あたりはもう真っ暗だ。最初に見つけていた若齢や中令幼虫たちは見失ってしまったが、どうやら黄昏れてから本種はケヤキの幹(高さは地面近くから2メートル高くらいのあたり)で集合しはじめ交尾するらしい。交尾つがいの数はしだいに増えていた。幼虫も見つかることからおそらくもっとケヤキ並木を調べれば、卵も見つかりそうであった。 それにしても今日もまた炎天下の放牧地を歩き回り、ほんとうに疲れた。しかも午前中に引き続き、午後からも4時近くまで延々と歩いたのだからかなり堪えた。これは虫を探す情熱なくしてはできないことだ。私の首筋はすでに日焼けでボロボロに皮が剥け始めている。明日は東京に戻る。 | |