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キマダラカメムシ 2005/07/24
 キマダラカメムシの体長は25ミリ程度。カメムシの中でも大きい方だろう。熊本県大津町の街路樹、ケヤキの幹で多数見つかった。時刻は午後7時過ぎ。
 本日は熊本滞在最終日でもあり、夕食はホテルから少し歩いて支那そばを食べに行くことにしたのだが、その途中で同行のフリーライターNさんが、またもや目ざとくこのカメムシを発見したのであった。「あ、きれいな虫!」というNさんの声に振り向いてみるが、遠目からは樹肌にカメムシの姿が溶け込んでよくわからない。「おお!これはキマダラカメムシといって少し前までは、長崎にしかおらんかったんよ。このところ九州全体に分布を広げているらしいよ」
 で、カメラを取りに戻るにはすでにけっこう距離があったので先に支那そばを食べてからホテルに戻り、今度は車で出直して撮影となった。あたりはもう真っ暗だ。最初に見つけていた若齢や中令幼虫たちは見失ってしまったが、どうやら黄昏れてから本種はケヤキの幹(高さは地面近くから2メートル高くらいのあたり)で集合しはじめ交尾するらしい。交尾つがいの数はしだいに増えていた。幼虫も見つかることからおそらくもっとケヤキ並木を調べれば、卵も見つかりそうであった。
 
 それにしても今日もまた炎天下の放牧地を歩き回り、ほんとうに疲れた。しかも午前中に引き続き、午後からも4時近くまで延々と歩いたのだからかなり堪えた。これは虫を探す情熱なくしてはできないことだ。私の首筋はすでに日焼けでボロボロに皮が剥け始めている。明日は東京に戻る。新開 孝

再びクロシジミ 2005/07/23
 今朝も放牧地に入る。目的の昆虫を見つけるのは容易ではないが、見つけても関門の一つを通過するだけであり、第二、第三の関門が次々と待ち構えている。阿蘇まで遠征して、多大な時間を費やす今回の仕事のハードルは非常に高いのである。だからこそやりがいのある仕事であり、とりあえずは昆虫探索に集中するためカメラ機材は持ち歩かないことにした。
 さて、その非常に困難な探索中にまたしてもクロシジミに遭遇した。それも個体数は少なくない。さらにクロオオアリが多数通っているススキではクロシジミの卵もいっぱい見つかった。クロシジミのメスはクロオオアリがアブラムシに夢中になっている場所の近くにさりげなく卵を産みつけている。クロシジミはチラチラと草原のススキの間隙を縫うように低く舞う。ときおりヒメジョオンの花で吸蜜する姿もあった。新開 孝

クロシジミとの初対面 2005/07/22
 阿蘇地方は最高気温35度を上回る猛暑が続く。その炎天下のなかまったく日陰のない草原を歩き、撮影する仕事は2時間も経つとかなり堪える。
 ある放牧地で(牧場主から許可を得ている)少しバテ気味になりかけていたとき、目の前のススキにクロシジミを見つけた。クロシジミに出会ったのはこれが初めてなので、興奮してしまう。ススキにはクロオオアリがアブラムシのところへ通ってきており、クロシジミはこのクロオオアリの存在に惹かれているようだ。お腹のでっぷりとしたメスであることもわかる。もしかしたら産卵行動も期待できそうだったが、今回の仕事の目的からはずれてしまうので、じっくり粘ることができず残念だった。他にも数匹のクロシジミを見たが、いずれもメスであった。

 ここ熊本に来てから、おいしいと言える食べ物は今のところ「ゴボ天うどん」とスイカくらいだが、しかし何と言っても地酒の芋焼酎はどれも旨い!これは是非、みやげに買って帰りたいと思う。新開 孝

ユウスゲ再び 2005/07/21
 昨日はユウスゲをコバギボウシと誤って書き込んでしまった。広大な阿蘇の草原にはユウスゲの大群落があり、午後4時過ぎころから開花し始める。
 さて、ユウスゲの花に近寄って見てみると、アブラムシがたくさん着いているものが多いことに気付いた。アブラムシは多数が群れているので世間では気持ち悪く思われて人気がないが、よくよく見ればこれもけっこう可愛い姿をしている。このアブラムシのコロニーにはクロオオアリが訪れていた。

 本日で阿蘇の仕事も4日目となった。
新開 孝

ユウスゲ 2005/07/20
 阿蘇山での撮影中、気になる花があった。放牧地の草原に群れている黄色い花だ。この花は午後4時ころからぽつぽつ咲き始める。場所によってはかなりの大群落となる。この花はユウスゲ。なるほど夕方から咲き始めるからユウスゲということらしい。

(OLYMPUS E-300 ズイコーデジタル7-14ミリ使用)

新開 孝

阿蘇山晴れて、馬に慕われる 2005/07/19
 阿蘇山での撮影は天候も良く、順調に進んでいる。今回も牧場の方から許可を得て放牧地内に入らせてもらったのだが、しばらくして猛然と馬たちが私たちの所へ集結してきた。そのわけは、どうやら私が下げていた発砲スチロール製のクーラーボックスのせいらしい。クーラーボックスの中身に興味を持ってしきりにすり寄ってくるのである。しかし、実はクーラーボックスの中は空っぽであるから、彼らは匂いとかに惹かれているわけではない。はじめはメス馬とその子馬たちであったが(写真上、中)、やがてドカドカッと大柄のオス馬たちも駆けてきた。これにはさすがのNさんも恐がっている。そのうち牛の方もぞろぞろと集まり始め、私たちは巨大な四つ足軍団に取り囲まれてしまった。
 まあ、彼らを無視しておくのがいい、と声掛けるも、脇腹を嘗められたとNさんが騒ぐので、とりあえず放牧地内から退去することにしたのであった。
 
新開 孝

ウスバキトンボの寝姿 2005/07/18
 今日は熊本県の大津町に来ている。しばらくは阿蘇町で撮影の仕事だが、阿蘇町では手頃な宿が見つからず、隣町の大津町にあるホテルに投宿することになった。さて、夕食を終えてのことホテルの外の植え込みを眺めていると、あちこちにウスバキトンボが寝ている姿が多い。今回、同行しているフリーライターのNさんが目ざとく見つけて教えてくれたのだ。それにしても植え込みをライトアップしてありその照明をたっぷりと浴びているウスバキトンボもいて、どう見ても寝不足になりそうな気がしてならない。新開 孝

ドロバチ営巣、終える 2005/07/16
 ベランダの竹筒に育児室を造っていたドロバチも、本日でその作業を終了したようだ。最後の泥壁を丁寧に塗り固めている作業を見ていると、こちらまでなぜかホッとするような気分となる。そこで新しい竹筒を2本ほど追加して置いてみた。
 

 
 








『新開 孝からのお知らせ』

 先日、宮城県、金華山から東京に戻ったばかりですが、明後日からはまた阿蘇山にしばらく遠征します。今度は九州ですね。飛行機での移動となると、撮影機材の一部はあらかじめ宅急便で送る事になります。そのパッキングやら、現在飼育中の昆虫の管理など、またもや慌ただしい一日となっています。ですから、またもやしばらく当「ある記」の更新も途絶えそうです。
 
 新開 孝

モモブトスカシバの産卵 2005/07/15
 今日はうだるような暑さの中、港区の町中を歩いて来た。
なんだかこの辺りは静か過ぎて生活感の乏しい気もするが、しかし一方では下町の雰囲気もあったりして、そういうモザイク模様のような混沌とした雰囲気もまた面白いと感じた。歩いていてよく目につくのはアゲハとアオスジアゲハの姿であった。たまにクロアゲハも姿を現し、まさに夏、真っ盛りの昼下がり。そう言えばナガサキアゲハのメスも見た。
 で、ある家の軒先に置いていたニガウリの植え込み(写真上)に、モモブトスカシバが飛来しているのに出会した。モモブトスカシバはニガウリの茎をなめ回すかのようにしきりに接近しては、上へ下へと小刻みに飛翔を繰り返していた。そしてそのまま降下すると、植え込みポッド内の地面に着地し、なんと産卵を始めたのであった(写真中、下)。グイッと腹部を折り曲げ、産卵管を土の中に何度も射し込んでいた。おそらく土の中でふ化した幼虫は、ニガウリの根から茎内へと侵入していくのだろう。
新開 孝

ベランダのドロバチ 2005/07/14
 毎年、ベランダにはドロバチ類がやって来ては泥巣を作る。
竹筒を置けばオオフタオビドロバチが必ず巣を作っていたが、昨日はこれまであまり見た事がないドロバチが出入りしていることに気付いた。よく見ると彼女の姿はキイロスズメバチに似ている。竹筒の中に芋虫を運び込むところを2回見たが、いざ撮影しようと構えてみるとこれがなかなか戻って来ない。部屋で仕事をしながらの待機なので、カメラにずっとかじりついているわけにもいかない。
 結局、芋虫を運び込むシーンは撮影できなかった。新開 孝

金華山のウミネコと捕鯨船 2005/07/12
 本日は雨の中、仙台市から少し離れた里山を巡っていた。
仙台市在住の昆虫写真家、中瀬潤さんに案内してもらってゲンゴロウを探してみたのである。その成果はいずれアップするとして、今日の写真は昨日まで滞在していた牡鹿半島突端の鮎川町で撮影したもの。
 
 昨日、書いた「カッパえびせん」に餌付いたウミネコ(写真上、中)。この写真は曇り日に撮ったので面白くないが、晴天日のもっと気持ちいいカット群は、機材の一部をホテルの立体駐車場の車の中に置き忘れたためパソコンに取り込めず、今回のアップに使えなかった。それがちょっと残念。
 鮎川町はかつて捕鯨のさかんな町で有名だが、ちょうどこの日には一隻の捕鯨船が接岸していた(写真下)。おお!この捕鯨船に私は小学生のころずいぶん憧れたもので、木を削って模型船を造ったりしたものである。なんともカッコいい!!

ウミネコの飛翔はOLYMPUS E-300を使って撮影したのだが、このカメラはレリーズのタイムラグがかなり短いことに驚いた。ここぞ、という瞬間がちゃんと撮影できるのである。E-300はカメラとしては少し使いづらい感じがあったが、今回のウミネコ撮影でそれを払拭したような気がする。新開 孝

金華山、晴れる 2005/07/11
8日の午後から宮城県、牡鹿半島突端に位置する金華山に通ってきた。今日が最終日となったが気持ちよく晴れてくれた。昨日の午前中だけは濃い霧と雨で動けなかったが、それでも午後からは晴れたし、結局、4日間の滞在中は天候にも恵まれ、予定していた撮影スケジュールをこなすことができた。今回の主な撮影目的は糞虫のオオセンチコガネだった。
 鮎川の港から金華山までの20分弱の乗船中はデッキに出て、ウミネコの撮影を楽しめる。ウミネコは何故かお菓子の「カッパえびせん」が好物だ。ウミネコの餌付け遊びはここの渡し船の催しの一つになっている。まあ、こういう遊びの良否はともかく、なぜ「カッパえびせん」なのかが不思議だ。ウミネコは普段、もっとおいしい天然魚を食べているはずだが?
 鮎川の船着き場には漁師のおじさんが車屋台を出していて、ここではマテ貝、ウニの生焼き、イカの串焼きなどがとてもおいしい。中でもクジラの串焼きとウニの生焼きは絶品だった!「カッパえびせん」は確かに優れたお菓子ではあるが、私はここの串焼きの方がいい。ちょいと値段は高いけれど、、。串焼きをつまみにビール一杯!といきたいところだが、港から宿まで車の運転があるので、我慢だ。

 さて、金華山での糞虫撮影は順調に終えて、本日は仙台市内に移動した。 

(写真上/金華山のシカ)
(写真下/串焼きの屋台の漁師さん、出勤!)新開 孝

デジタルスレーブストロボ 2005/07/07
 昨日購入したデジタルスレーブストロボを自在アームに取り付けてみた。ただそれだけのことだが、これはけっこう使える。







 さて今日は午前中、編集者の方お二人、私の6畳間の仕事部屋に来ていただいた。最初は近くの喫茶店で打ち合わせをしようと考えていたけれど、予定を急遽変更して私の部屋でお話することにした。ついでに飼っている虫を見てもらったり、近くの雑木林を一緒に歩いてみたりした。ちょうど夏日で日射しも心地よい。
 
 明日から私はしばらく宮城県の金華山に出掛ける。それで今日は午前中の打ち合わせのあと、飼育中の虫の調整をする作業をしていた。なにせ6日間は不在となるので、家族に委ねることのできるもの、そうでないものと区別しながら整理する必要がある。こういうときは本当に困るのだが、仕方がない。だからといって飼育中の虫を連れ歩くわけにもいかないからだ。それは余計に危険でもある。

 というわけで、しばらく「ある記」もお休みします。金華山からのアップは不可能ですが、仙台に入ればアップも可能です。まあ、どうなることやら、、、、です。新開 孝

今日のアケビコノハ幼虫 2005/07/06
 昨日見つけたアケビコノハ幼虫を再び撮影してみた。
アケビのつるについていた幼虫は脱皮前だったから、その脱皮後の姿を見ておきたいと思った。そして私の思惑通り脱皮を終えた幼虫が同じ場所で見つかった。
昨日よりか目玉模様がひときわ鮮やかになっている。

 (写真上/CanonキッスデジタルN 15ミリ魚眼レンズ使用)
 (写真中、下/CanonキッスデジタルN 100ミリマクロ使用)

  『新宿ヨドバシカメラ』

 今日は新宿のCanonサービスセンターに赴き、デジタル一眼カメラのセンサークリーニングをしてもらった。これまでは銀座のプロフェッショナルサービスに出掛けていたが、とにかく応対する係の愛想が悪くて気分良くないし、遠いということもあって銀座には二度と行かなくなった。Canonのプロフェッショナルサービス「CPS」の会員にもなっているが、会費が高い割にはこのところほとんどお世話になることがない。「CPS」会員の特典とは、修理代は無料になることだがそれでも部品代は別途請求される。修理の保険代としてはかなり高額につく。
 センサークリーニングのサービスは無料であるが、無料にしているのはメーカーとしてゴミ対策をカメラ機能として施しようがないことを露呈しているようなものかもしれない。こういうところでは、やはりダストリダクション機能を開発したOLYMPUSを高く評価すべきで、大抵のゴミはカメラ自身が振るい落としてくれる。
 さて、クリーニングしてもらっている間に新宿ヨドバシカメラに立ち寄ってみた。レンズや小物を入れるウエストバックを買うのが目的だったのが、いろいろ見て回るうちに「デジタルスレーブストロボ」というハクバ社の製品を思わず購入してしまった。これは単4電池2本で発光する小さなストロボだが、最近のカメラ内蔵ストロボのプリ発光にも対応しているところが特徴。以前にこのプリ発光があだになって、通常のスレーブストロボではタイミング良く発光できないという不具合を書き込んだことがあるが、その問題をずばり解決したのがこのデジタルスレーブストロボだ。ただし値段が安いこともあり、光量調節はいっさいできない。またチャージ時間も5秒近くかかる。
 さっそくデジタルキッスNの内蔵ストロボとこのデジタルスレーブストロボを組み合わせてテスト撮影したのが今日のアップ写真である。スレーブストロボのガイドナンバーは12と小さいので、逆光を活かすにはかなり近い場所から発光させる必要がある。しかしこのストロボは小さくて軽いので、例えば自在アームの先などに固定するなど、いろいろと工夫の余地があっていい。その小ささゆえ微妙なライティングを野外で演出する際にも一役買いそうだ。新開 孝
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