| 昨日、多福寺で集めたミノムシは全部、空っぽであった。 それらはチャの生け垣で見つけたもので、大きさなどから見てチャミノガと思われた。 今日は別の場所に赴いて、やはりチャミノガと思われるミノムシをたくさん見た。しかし、ほとんどの蓑が空っぽでありわずかに3個だけ幼虫の入った蓑を持ち帰ることにした。もっと丁寧に探せば幼虫入りの蓑はまだ見つかりそうであった。 さて、冬のミノムシの中をのぞいてみると頭を上にしてじっとうずくまっている幼虫の姿が窺える(写真上)。 このまま冬を過ごし、春になってから葉を摂食したあと今度は蓑の中で逆さの格好になり蛹に変身する。 ところで昨日見つけたヤママユの繭も中を開いてみた。冬の段階で外見上無傷な繭はコンボウアメバチに寄生されている可能性が高い。しかし期待にそぐわず繭のなかには乾涸びた蛹と幼虫時代最後の抜け殻があった(写真下)。蛹にはなったけれど何故か死んでしまったようだ。ヤママユも成虫まで無事に成長を遂げるものは極めて少ないのであろう。 こうして見てみるとミノムシの蓑も繭の一種のような気がする。 しかしミノムシの蓑は幼虫がふ化した段階で作られ、ずっと幼虫時代をその蓑のなかで過ごすのであるから、ヤママユや他の蛾の仲間のように蛹時代だけのシェルター、繭とはかなり意味合いが違ってくる。 絹糸を吐いて、それを巧みに編んで繭を作るという習性が、ミノムシにおいてはやがて幼虫時代全般の隠れ家にまで発展していったのであろうか?
(EOS-1Dマーク2/マクロ100ミリ使用) | |