| 今日は良い天気にもかかわらず一日、室内作業だ。 毎年ながら確定申告の書類作りであるから仕方がないのだが。 しかし夕方近くなってベランダに出てみると、えらい騒ぎに出くわした。 それはクモの子供らが無数に群れ、糸を引いて空中を右往左往している光景だった。どうやらベランダの片隅に産みつけられたオニグモの卵塊がふ化していたらしい。それが暖かい日射しを受けて一斉に分散したようである。 学研の図鑑「クモ」を開いてみると、一つの卵塊には500個もの卵が入っているそうだ。無数にも思えたクモの子らはそれだけの数いたことになるだろう。 風になびいた糸にすがり、そのまま大空へと舞うものもいる。なんとも幻想的な旅立ちではないか。だがしかし、そういう気ままな旅立ちのほとんどは鳥などの餌食になっていくに違いないのである。 | |