| 朝日新聞連載カラー写真その1/ウスタビガ 2005/03/15 | | 昨年11月末から朝日新聞夕刊土曜日版で、8回に渡って「雑木林/冬」と題して連載の仕事をした。 ところが地域によっては写真がカラーでなかった、というメールを数人の方からいただいた。その方々の中には是非カラーで見たいというリクエストもあったので、 しばらく折りをみて連載写真をアップしてみることにした。 文章の方は朝日新聞社の了解も必要と思われるので、ここでは割愛して撮影裏話でも簡単に添えてみたい。
今日はその第一回目、「ウスタビガ」。 私の大好きな蛾のひとつが、このウスタビガである。その繭はあまりにもよく知れ渡っているが、一方で成虫の生活には謎が多い(蛾全般に言えることだが)。おそらく余程、運が良くないかぎりこの写真のように羽化した直後の成虫の姿を見る機会は少ないであろうと思う。写真の個体はメスだが、メスの場合は繭にこうしてぶらさがったままコーリングをし、オスを待つことが(長い場合1週間以上!)よくあるので、オスよりか遭遇する確率は高いとも言える。 ウスタビガに惚れ込んでしまった私が、まず最初に取り組んだのは、あの独特な形状をした繭作りの様子を撮影することだった。そのためには冬のあいだに越冬卵を採集して飼育することから始めたのであるが、ウスタビガの幼虫飼育は実に楽しいものだった。それで幼虫期や繭作りの撮影はすんなりと進行できたのであるが、なんと言ってもたいへんだったのが、野外の繭を見つけ出しその羽化シーンを撮影することであった。そのあたりの詳しい撮影記は、以前に『日本野蚕学会』発行の「野蚕」という会報に書いたことがあるが、今日はここまでにしておこう。
| |