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アカスジキンカメムシの孵化 2004/07/28(その1)
一昨日にアップしたアカスジキンカメムシの卵が孵化していた。
おそらく本日中のことであろう。

11卵のうち孵化したものは7頭。
まだ2卵は遅れて孵化しそうだが、あとの2卵は死んでいるようだ。

孵化幼虫はこのまま餌をとることなく
兄弟同士で固まって過ごす。
やがて2令幼虫となるとコブシの実などで吸汁を始める。

もし卵から飼育をすることになった場合、孵化が始まっても慌てることはない。とりあえず水分だけ与えておこう。
新開 孝

ゴマダラチョウ幼虫と卵 2004/07/26(その3)
久々にゴマダラチョウ幼虫を見た(写真、下矢印先)。
頭部には立派な角があり
終令幼虫であることがわかるが
まだ脱皮して間も無いのだろう。
胴体の方は貧弱で小さく、頭でっかちな体型である。
この幼虫を撮影したあと、
画像をパソコン上で見てみると
なんと画面右上(上矢印先)に卵があったことに気付いた。

新開 孝

アカスジキンカメムシの卵 2004/07/26(その2)
数日前から気にかけていたのが
アカスジキンカメムシ。
そろそろ産卵時期であるからだ。
ようやく今日、コブシの葉で卵塊2つを見つけた。

(写真上、矢印先)では10個の卵が並んでいるが、すでに赤い眼点が現れており、産卵されたのは5日くらい前であることがわかる。

もうひとつの卵塊では14個のうち2卵のみ発生が進行している他はなんらかの理由により死卵となっている。



アカスジキンカメムシは5月ころ
越冬幼虫が羽化して成虫となるが
その後しばらくは彷徨い生活を送り、
繁殖活動は早くても7月以降となる。
今頃はまだ粘れば交尾や産卵行動が観察できるチャンスがあるようだ。
新開 孝

昨日のあられ粒、再び 2004/07/26(その1)
エゴノキ根元で見つけた「あられ」粒。
昨日は私が噴出穴を暴いておいたのだが、
今日再び見てみるとあられ粒で噴出穴が塞がっていた。

しかもよく見てみると
穴近くの粒ほど色が赤味を帯びている。
これは真新しい糞であることを物語る証しであろう。
エゴノキの根から外に排出された糞は次々と画面手前に向ってなだれ現象をおこし、平面状に広がっている。
これは地面の傾斜のせいだと考えられる。
想像するに得体の知れない昆虫の幼虫は、噴出口にお尻だけを曝して糞を外へと排泄しているのではないか。
外界へ姿を現わすようなことは決してしないのであろうと思われる。

昆虫の幼虫にはこうして植物の実や葉っぱ、茎の中などに潜入して暮らすものが数多い。
隠れ家と食糧を兼ねたこういう生活はとても快適のように見受けるが、昆虫写真家にとっては表現しようにも苦しむ厄介な存在でもある。
新開 孝

あられ、は珍味か!? 2004/07/25
エゴノキの根元でよく見かける光景(写真上)。
気にはなっていたが今だに正体不明である。

白っぽい粒つぶは近づいてよく見ると、ほら、
よくお茶漬けに入っている「あられ」を思わせる(写真中)。

このあられ粒の出所を調べてみると、エゴノキの根の部分に小さな穴があった(写真下、矢印先)。

おそらくは蛾か何か、とにかく昆虫の幼虫がエゴノキの木の中に潜り込んでいるのは間違いないだろう。
穴近くのあられは糸で綴ってあった。
まあお茶漬けに振りかけて珍味かどうかは知らないが、
これは少なくとも虫のうんちであろうと思う。
新開 孝

セミとカマキリ 2004/07/24
林の縁で見つけたオオカマキリ幼虫はすでに終令であった(写真上)。
やがて迎える脱皮はすなわち羽化となって成虫カマキリになる。
このオオカマキリだけでなく、
今年の昆虫カレンダー全般の進行は例年より駆け足気味である。
 
昨日と同じ時刻に林を歩いたのだが今日もヒグラシ幼虫に出会った(写真中)。
林内の歩道柵ロープを歩いているが、このロープにはすでに羽化殻が多数付いている。
地上に出た幼虫は一旦歩道柵に取り付くと、それ以上の高所へは移動できなくなる。
したがってロープ柵はセミの羽化観察にうってつけの場所とも言える。
そうこうするうちに遊歩道の地面からアブラゼミ幼虫が這い出してきた(写真下)。
この幼虫を撮影している最中にすぐ近くの穴からも幼虫の顔が見えているのに気付いた。

オオカマキリはやがて成虫となると、セミたちにとっては天敵という立場になる。
両者は今はまだ静かに成長過程にあるわけだが、
喰う喰われるという自然界の営みにそれぞれが身を投じていくわけだ。
もっともこれまで無事に成長してきただけでも極めて幸運な連中と言える。
新開 孝

ヒグラシの羽化 2004/07/23(その2)
ヒグラシ幼虫はヤマグワの葉裏に
落ち着くと午後6時半ころ
羽化を始めた。

羽化脱皮する直前まで歩くというのは
何だか相当際どい芸当にも思える。
というのも脱皮中の脱いでいく皮は
がっしりと足場を構えて固着してなければならない。
足場ごと地上に落下でもしたらまず命が無い。

ともあれこのヒグラシは無事に羽化できた。

新開 孝

ツクツクボウシとヒグラシ 2004/07/23(その1)
午後4時半。
ヤマザクラの根際でツクツクボウシの
抜け殻を見る(写真上)。
ツクツクの鳴き声は
「トッポジージョ!トッポジージョ!」
と私には聞こえて頼もしい。
もっともトッポジージョなるキャラクターを知る世代も今や少数派だろうが、、、。
そこから林を一巡してまもなく
ヒグラシ幼虫が這っているのに出会した(写真中、下)。
羽化場所を求めて枝を登っていく最中だ。

中里の林内にはセミの羽化殻が急に増えてきた。
新開 孝

アオメアブとショウリョウバッタ 2004/07/22
今日は記録的な猛暑が少し和らいだ。
夕刻に吹く風は涼し気で
午後5時を過ぎた頃から窓を
開けて打ち水をする。
といってもベランダであるが。
さて中里の草地ではショウリョウバッタの大きなメスも見られるようになった(写真上)。
体長は7センチを超えるが、草むらに
じっと佇んでいると姿を見失ってしまう。顔を正面からアップで見てみたが
やはり見事に草化けしている(写真中)。
重量級のメスは翅をはばたいて飛ぶこともできるが「キチキチバッタ」と呼ばれるオスほど飛翔距離は長くない。
したがって子供でも素手で捕まえることができる。
ここの草地にはアオメアブもいる(写真下)。ムシヒキアブの仲間だ。
青目というより緑目に近いが、
これもストロボの光りを当てて撮影すると、赤目アブになってしまう。
そこでカメラの感度をASA400に上げて自然光で撮影してみた。
がっしりとした脚でもわかるように
このお方、肉食昆虫である。
獲物を空中で捕らえて吸血するのである。
妖しい金属光沢の複眼は、自然光下でも微妙に赤く染まる部分があり、その光学的仕組みにはけっこう興味をそそられる。
新開 孝

別府市、神楽女湖(7/19) 2004/07/21
別府市の標高約500メートルの山中にある「神楽女湖(かぐらめこ)」は大分滞在最終日に訪れてみた(写真中、7/19)。
7/17に下見した段階でとにかくギンヤンマの姿が多く、
これはじっくり時間をかけて撮影してみたいと思っていた。
ギンヤンマの飛翔シーンは
数年前にビデオで撮影した経験はあるが、スチールは初挑戦である。
ここの池には他にもトンボや水生昆虫が多く、マツモムシが星の数ほど浮遊していたり、コオイムシ幼虫がいくらでも泳いでいた。
(写真下/ハネビロトンボ)



またカイツブリが二番いて片方は営巣中、もう一方はヒナを引き連れてしきりに給餌していた。
神楽女湖は菖蒲園が見どころとなっていて花の時期には数多くの観光客で賑わうようだ。
しかしその花も終わってしまった今、休日でもここを訪れる人は少ない。
カイツブリやホトトギスなどの鳴き声をのんびりと聞きながら
池の中央に張り出したデッキでごろんと昼寝でもすれば、涼しい風も心地良く仕事のことなどもすっかり忘れることしばしであった。
新開 孝

宇佐市、宇佐神宮の森(7/18) 2004/07/21
大分県北端部の宇佐市にある宇佐神宮の森を訪れてみた。
参道沿いの細い水路にはオオアメンボが多数泳いでおり、森内の地面近くにはこれまた無数のハグロトンボが群れている。
流れの巾は20センチ程度だから水路というより溝と言うべきか。
オオアメンボをアップで撮影するのもこの狭い溝巾のおかげで実に簡単。
普段は朽ち木内で生活するオオゴキブリが
地面を歩いていた(写真上)。
体長は4センチを超える。
私も屋内のクロゴキブリなどは触る気がしないが、このオオゴキブリは甲虫のような体つきなので無造作に手掴かみしても平気だ。
こうして参道巡りしながら昆虫観察も楽しめるのは気分がいい。
そのうちウコンエダシャクの♀が目に入った(写真中)。ウコンエダシャクの♂では前翅に透けた窓があり以前から是非見てみたいエダシャクガであったが、今回は♀だから窓はない。
それでも鮮やかなウコン色が薄暗い森の中で一層映えて感動した。
神宮内には大きな池もあった。
場所によっては蓮の花が群れ咲いている。
しかし何と言ってもヒシやヒツジグサなどが水面を覆い、昆虫の姿が多い。
ギンヤンマは多数がビュンビュン飛び交い、
ベニイトトンボ(写真下)は手で掴めそうなくらいたくさん佇んでいる。
池はけっこう広い。
ふと対岸を見るとアオサギがじっとこちらを見ている(そう感じた)。

新開 孝

大分郡庄内町、黒岳登山口(その2) 2004/07/20
再び7月17日。
驚愕のポケモン芋虫に引き続き
思わず唸ってしまったのが
このマエグロツヅリガ(写真上/落ち葉と並ぶ、写真中/同アップ)。
三角形の体型はまるでジェット戦闘機のステルス機。
しかしそれよりも翅の縁がめくれたようになっていて、紋様や色だけでなく立体的に枯れ葉を真似ているところが凄い!
写真中の画面では上が頭で、触角は翅の上にぴったり寝かせている。

で、このマエグロツヅリガを撮影し終えて歩き出したところ、すぐさま見つけたのが
フタスジツヅリガ(写真下、左が頭)。
こちらもよく似ていて枯れ葉そっくり!
マエグロツヅリガは全国的に分布しているものの、数はあまり多くないようだ。




『業務日誌/大分撮影巡りを終えて』

今年は5月につづいて2回目の大分巡り。今月15日に東京を発って、19日の夜帰京した。
短か過ぎる滞在ではあったが、大分の豊潤な自然、里山環境に触れることができ、まさに後ろ髪を引かれる思いで現地を後にした。
昨夜は大分から羽田空港に到着後、高速バスで東所沢駅まで帰ったのだが、
なんと練馬料金所の上りは大渋滞。
私を乗せたバスは下りで問題なかったが
大分のゆったりした生活、交通事情を思えば、都会に住む我々は休日のたびになんと馬鹿げたことを繰り返していることだろう。

さて、今日は大分での昆虫ある記を4回アップしているので遡って見てください。
新開 孝

大分郡庄内町、黒岳登山口(その1) 2004/07/20
7月17日、ブナ帯の山地まで行ってみた。
日本名水「男池」の森であり標高1587メートルの「黒岳」登山口になる(写真上、なんじゃこりゃ!の木に驚く)。
森の入り口ではオオムラサキ♂2頭が飛び交っていた。
さすがに森のなかは涼しい。
風がとくに心地良い。

さてアワブキの葉裏で見つけたのが、この芋虫(写真中、下)。
これも「なんじゃ!こりゃ!」と嬉しくなる。
ウストビイラガというイラガ科の幼虫だが、ポケモンの無茶苦茶な怪物キャラクターに出ていそうだ。
体色はこの2種類が同じ木で見つかった。体長は1センチ程度。
触れるとやはりどこかで刺されるのだろうか?
試す勇気はなかった。
新開 孝

ヒラタクワガタ(大分その2) 2004/07/20
山香町、クヌギ樹液では
シロスジカミキリの羽脱穴も
いくつかあってその一つに
何やら潜んでいることに気付いた(写真上、矢印先)。

よく見るとヒラタクワガタの♂だ。
こやつは本来、夜活動しているのであるが、カナブンたちの騒ぎを横目で眺めているうちに食欲をそそられてしまったのだろうか。
ゆっくりと穴ぐらから姿を現わし始めた(写真中、下)。

体半分を乗り出して樹液を舐め始めたが私の気配に驚いたようで、すぐに引っ込んでしまった。
ヒラタクワガタはいかにも強そうな風体だが、案外と用心深い。




樹液レストランの撮影は今回の大分巡りでは大きなねらいの一つであった。
15日昼過ぎに大分空港へ着きレンタカーを運転して国東半島を走ってみた。
いい感じのクヌギ林はいくらでもある。
関東地方と違ってこちらのクヌギはどれも細い。
しかも林の手入れが行き届き風通しが良く、遠くから眺めるだけでも心地よい景色となっている。
しかしなかなかいい樹液には行き当たらなかった。
そうこうするうちに空は一転、灰色に染まり始めついには激しい夕立ちとなってしまった。
このままでは時間切れだな、明日は大分市で探してみるか、そうあきらめかけて最後に立ち寄った場所でようやく見つけた樹液クヌギであった。
新開 孝
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