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アトジロサビカミキリ 2004/06/19
マンション裏のムクノキには
フジの大きな蔓が巻き付いる。

その枯れ蔓で交尾していたのが
「アトジロサビカミキリ」。

慌ててカメラを携えて戻ってみると、交尾は終わってオスがマウントしていた(写真上)。

体長8ミリ程であるから撮影接写倍率は等倍を超える。
そうなるとレンズ前面とカミキリムシとの距離はとても短い。
慎重にカメラを構えていてもちょっとした動きが、虫を驚かせてしまう。
やはり神経質なオスはポロリと落下してしまった(写真下、残ったメス)。

アトジロサビカミキリの属するサビカミキリ属は枯れ茎に擬態したような姿で、しかも良く似た種類が多い。新開 孝

イナゴの脱皮 2004/06/17
昨日に引き続き番組収録。
今回のロケは天候に恵まれて
順調に進行する。

昆虫採集が番組のテーマであり、私は必要に応じて虫を探す。
どうしても見つけたい虫に手こ摺ってススキ原を彷徨っていると
イナゴ類の脱皮に出会した(写真)。
パワーショットG5で撮影。


昨夜はライトトラップや外灯周りの撮影もあったので、仕事が終了したのは午後11時も過ぎていた(それでもホテルのすぐ隣の居酒屋で1時半まで飲んだ)。
本日は午後5時過ぎには終了。
かねてから聞いていた飯能駅そばのビール居酒屋にて夕餉の乾杯。
新開 孝

キカマキリモドキ 2004/06/16
飯能市へテレビ番組収録の
仕事で赴いた。
番組スタッフが到着するのを待つ間、木々の梢を眺めていると「キカマキリモドキ」が多数見つかった。
(写真上、サワフタギの葉裏に静止)

カマキリモドキ類の体は
前半部がカマキリそっくり(写真中)。
もちろん姿だけでなく、
鎌状の前脚を振りかざして獲物を捕らえる習性まで
カマキリそのもの(写真下)。

夜の灯りに飛んで来ることが多いが、昼間も活動している。
なお当ホームページ表紙のキャラクターは、このカマキリモドキがモデルである。
新開 孝

モモブトスカシバ 2004/06/15(その2)
中里の林に出向いたのは
午後1時も過ぎて。

屋外スタジオ(と言えば
カッコいいが要はベランダ
の隅っこ)での撮影の合間
せっかく良い天気なのでわずかな時間外を歩いてみた。



ヤマノイモの葉に静止していたのが、毛むくじゃらの
「モモブトスカシバ」。
これでも蛾の仲間である。
うっかりすると折れ曲がった前翅と見えるところは
後ろ脚である。
このように後ろ脚が大きく
しかも毛むくじゃらの体型は、マルハナバチ類への擬態だと言われている。
スカシバ類はその名前のごとく翅が透けており、しかも体型がハチにそっくりなものが多い。
昼間活動し花にもよく飛来する。

羽化して間も無い新鮮な個体だが、こうしてじっとしていると、遠目からは枯れ葉にしか見えない。
初めて見るスカシバなので
きちんと撮影しておくつもりがあっさりと逃げられた。
本種の幼虫はアマチャヅルで育つそうだ。


『新開 孝からのお知らせ』

明日から予定では2日間、某国営放送局の仕事でロケに参加します。
この間は「ある記」のアップはお休みします。
今回のロケでは私も出演します。
放映日など決まりましたらまたお知らせします。

なおすでに某国営放送の「びっくりか」という番組では私が出ております。
この番組を見たという方、身近に意外と多くて、私がびっくりか!です。
前に住んでいたアパートでは隣の奥さんが、わざわざビデオを録画して
テープを進呈してくれました。

皆さん一応に「へえー、昆虫写真家ですよね、へえー!?」と
わかったようなわからないような顔して感心してくれます。
テレビに出ればとにかく市民権を得る?のでしょうか。



新開 孝

痒くて、たまらんがな! 2004/06/15(その1)
とは、言わないが見ている方が
痒くなりそうだ。
さすがの擬態名人「ナナフシ」もダニの嗅覚?からは逃れられない。

エノキの梢には虫喰いあとがたくさんあって、その犯人の中でもナナフシは目立って大きくなった。
体長は5センチを超す。

エノキの小木で2匹のナナフシが見つかったがいずれの体にも多数のダニが付着しており、どうやら長らく滞在しているこの場所が災いの元のようだ。



『オオフタオビドロバチ』

先日からずっとこの泥バチの営巣を撮影している。
本種は全国どこにでも普通に見られ、
体も大きい(体長15ミリ)のでその一挙一動を
眺めているだけでも飽きることが無い。

彼らは雨のかからない場所と乾燥したトンネル(日本の里山自然では竹筒が最適)があれば、
そこで子育て用の巣をこしらえる。
巣といっても親バチはそこで多少休むことがある程度で、
あくまでも育児専用である。
彼らの行動全般はおよそ把握できていても、
いざ撮影となると予想に反した微妙な変化があって、
センサーを使った自動撮影に委ねるわけにもいかない。
ハチたちにもけっこう個性があり、その違いを把握したいこともあって
結局、無駄な待ち時間を多大に浪費してでも
ベランダスタジオから離れることができないのである。

さて昨日アップした撮影場面で、「あれ!」と疑問に思った方もいたようだ。
キャノンのカメラやレンズなのにニコンのストロボコネクターやんけ!?
正確にはキャノンのコネクターの上にニコンのものが差し込まれているのだがその理由は簡単で、もともと私はニコンユーザーであったこと、
そしてニコンのコネクターは使い易く気に入っていることなど。
泥バチの撮影場面では逆光のストロボをキャノンのストロボ1台、
そして正面からサンパックB3000Sを使用している。
サンパックストロボは完全マニュアルで作動するので接続ケーブルは
何でもいいわけだが、キャノンのストロボケーブル類は
はっきり言って昆虫接写撮影には向かない。

『EOS1Dマークツウーの使用感補足』

昨日、パソコン上のソフト「EOS Viewer Utility」について
従来より画像表示速度が速くなった、と書いたがこれは誤りだった。
実は事前に確認しようと敢てテストしたのだが、そこで扱ったRAWデータが
EOS1Dで撮影したもので、つまり400万画素の容量であったがために
画像表示が速かったのである。
これは重大な過ちである!(申し訳ありません!)
実際は「EOS Viewer Utility」での表示速度は従来とほとんど変らず
遅いので、画像確認では実用上使えない。
このソフトはもっぱらデータ取り込みに使うだけで、
私の場合、画像確認では「iview MediaPro」を使っている。
このソフトはとにかく画像表示が速いのでとても気に入っている。
そして実画面サイズでのチェックでも手のひら操作で自由に画面移動できる。

「iview MediaPro」はまさにお薦め画像ソフト。
写真データの整理でもこのソフトのカタログ入力が重宝する。

マークツウーは800万画素を超えるので、
CFカードも2ギガ以上が必要かと以前は考えていたが、
1ギガで銀塩フイルム2本分(JPGも同時撮影)というのはそれほど
辛くもないなあと感じている。
通常は1ギガ2枚あれば事足り、予備でもう1ギガあれば良しと
そういう体制でいまのところは凌いでいる。
というのも私の撮影量の少なさのこともあるが、
もう一つはカードやマイクロドライブ一枚あたりに大容量のデータを
溜め込むのは危険であろうと思うからだ。
それよりも現場でポータブルストレイジャーのハードディスクに
吸い上げ、なおかつデジタル撮影のメリットを最大限に活かすためにも
大型液晶画面で事細かく現場チェックするほうがいいと考える。
撮影現場での休憩時間にこうした画像チェックを行うのは
ラボ通いの労力を無くした分に比べれば、はるかに楽ちんな作業だと言える。
現状ではまだ2ギガ以上のカードを購入するつもりはない。

新開 孝

EOS1D マークツゥー 2004/06/14
本日は異例ながら昆虫写真ではなく、デジタルカメラの登場となった。
その理由は二つ。

先日からベランダにセットしたこのカメラに今日の夕方までずっと張り付いていたこと。
したがってフィールドに出ていない。

もう一つは、
EOS1Dマークツゥーの使用感を書いて欲しいというメールを頂いたことなど。
(使用感についてはほんとうを言うと面倒だったので書かないつもりでいた。)

さて、今回の写真3点は
オオフタオビドロバチの営巣シーンを撮影しているカメラの様子。
(カメラなどに興味が薄い方には本当につまらない写真だと思う。)

私が欲しかったシーンはほぼ撮影できつつあるが残り数カットは絵コンテの段階のものもあり、これら一連のカットは来年出版予定の自著で使用するもの。
未完成なものをここで公開するわけにもいかないので
たいへん恐縮ながら撮影現場のほんの一部を公開しますって!せめてカメラマンくらい登場せんかい!
と言ってこれがしかし自分を自分で撮影するとなると、少しでもカッコ良く撮ろうとして悪戦苦闘の末、疲れるだけなのでこれも御勘弁を。

さてさて、EOS1Dマークツゥー(以下マークツゥーと略)を使い始めて10日ほどとあって、まだこれからいろんな問題に直面することとは思う。
しかし、旧来のEOS1Dを2年間使ってきたので、その使用感との比較ができてマークツゥーの性格は私にとって案外掴み易いと思える。
良い点も悪い点も
ほんの些細なことから書くと、

1、まずは「使用説明書」が手帳サイズとなりポケットなどに携行できるのがいい。
以前のEOS1Dの説明書の半分のサイズとなった。

2、おまけで付いているストラップが巾広になってやたらと重いカメラ重量を支えるにはちょうど良い。
前(以下旧EOS1Dのことを前と略)のカメラ重量1250グラムからわずかだが1220グラムまで軽くはなっているが、他の機種や他社のものと比べても重量ではまず横綱級であろう。おそらくバッテリーを改善しない限り、このカメラの軽量化は無理なのだろう。

3、しかし、そうなるとバッテリ−の設計も変更となって前との共用ができないというデメリットを抱え込むことになる。
前のカメラも併用する私などにとってはバッテリーが同じまま使えるのは大いに助かる。

4、前の受像素子CCDからマークツゥーではそれがCMOSとなったがために、カタログ通りに倍近くバッテリーが持つようになった。撮影内容にもよるが通常なら一日1本で済む。2本あればもちろん安心。

5、カメラ背面の撮影後の画像表示はほんの一呼吸分、前より遅くなっている。他の撮影済みカットへ切り替えるときなど「処理中」という暗黒表示が頻繁に出てくるが、前のカメラではほとんどそういう事は無い。
もっともその遅さはストレスを感じる程でもなく許容範囲と言え無くも無いが。

6、それに関連するがパソコンへ取り込んだデータを扱う新型ソフト「EOS Viewer Utility」での画像表示は前よりかなり速くはなっている。しかしRAWでは画像が完全に表示される一瞬前にブロック画像が出てくるのはメリハリに欠け気持ち良くない分、遅く感じてしまう。

7、おそらく私のパソコンとソフトの相性の問題と思われるが、
カメラからケーブル接続でデータ転送する場合、「EOS Viewer Utility」がうまく機能しない。
どういうことかというと、サムネイル表示ができるだけで他の操作が一切できない。
カードをカードリーダーやノートパソコンのPCスロットから読み込めば、「EOS Viewer Utility」はちゃんと機能するのだが、、、。

8、RAWデータを非常に高速現像展開できるというソフト「Digital Photo Professional」も附属されている。
しかしマックではOSがOSX以降でないと使えない。今だOS9の私のパソコンもそろそろOSのバージョンアップを考えんといかんかもしれない。

10、今の所使っていないが、前には無かったビデオ出力端子は有り難い。
素直に大きいモニターで画像表示ができて編集者立ち会いの撮影などでは活躍しそうだし、じっくり画像確認しながら撮影したいときなどは良い。
是非ともポータブル液晶テレビが欲しくなる。

簡単に10項目を書いてみた。細かくこだわるとまだまだあるが、今後も少しずつ気が付いたら書いていこう。と、思う。

EOS1Dマークツゥー及び旧EOS1D総じてのカメラ操作性は、
銀塩カメラEOS-1シリーズ時代からずっと共通しており一貫性がある。以前からキャノンEOSユーザーであればほとんど違和感なく迷うこと無くすぐにカメラ操作に慣れることができるのがいい。
そういう意味では他社のカメラを主にしか使っていなかった人が、いきなりEOS1Dシリーズを使う時に受けるであろう違和感や迷いなどを私が汲み取って説明できる立場でもないことはお断りしておきたい。

カメラ使用感が長くなってしまった。
オオフタオビドロバチ撮影について少しお話をしようと思っていたが明日にしたい。



新開 孝

コアシナガバチの娘達 2004/06/13
ベランダの外壁植え込みでは、すでにコアシナガバチの娘達が羽化していた。
(写真上)
巣の最上部にいるのが女王で、下の3頭が娘達。

娘バチの顔(写真中)と
女王バチの顔(写真下)を
それぞれアップで見てみた。
女王は娘達よりわずかに体が大きい。

働き手が増えたのであるから、今後は巣全体がどんどん拡張されていくだろう。

気になるのはすぐそばにあるもう一つの巣である。
そちらも娘バチが誕生しコロニーの進展具合はほとんど同じ。
巣を構えているのがお互い同じ木の梢であり、双方の距離は30センチ程度。
いずれはなんらかの葛藤が生じるのであろうか?


新開 孝

オオフタオビドロバチ 2004/06/12
先日、竹筒をベランダに置くとオオフタオビドロバチがさっそく営巣を始めたのだが、今日は3頭のメスが頻繁に出入りしていた。

当ギャラリーでも昨年撮影したカットを紹介しているが、今日のはリアルタイムな写真である。

どこかしらで獲物の芋虫を狩っては、竹筒まで抱えて持ち帰るのだが、速いときでは3分も経ずに次の獲物を持ち帰ることもある。
しかし通常は、15分から30分くらいの間隔を置いて獲物を搬入することが多かった。
もっとも長い時では1時間も間が空くこともある。

竹筒の全長は20センチ程度だが、このスペースに卵と獲物を納めた小部屋を3室程度こしらえる。
部屋を仕切る壁は泥で作るから、彼らを泥バチとも呼ぶ。
その全室を完成させるまでには、天候の条件も深く関わり早くても4、5日以上はかかる作業となる。

それにしても3頭のオオフタオビドロバチは、それぞれの竹筒を間違えることなく(縦に9本の竹筒が並んでいる)各自の巣場所へと正確に戻ってくるのは実に不思議な光景ではある。
彼らが視覚による場所の記憶を正確に把握しているのは明らかだ。

今回の撮影ではこれまでずうっと怠ってきた表現方法を久々に試みている。
そのテストを兼ねての撮影を半日かけて行った。
まあ、そう大袈裟なものではないが、次回出版予定の本でどうしても使いたいシーンである。
技術的なことはほんとうにたいしたことではないが、
それでも昆虫の生の行動をそこにうまく捉えるにはけっこう時間と知恵が必要とされる。

新開 孝

オキナワツノトンボ羽化する 2004/06/11
前にもアップした石垣島産、オキナワツノトンボの繭から成虫が羽化した。

といっても私が不在中のことであり、しかも翅が伸び切らず羽化不全のためしばらくして死んでしまった。

繭の保管方法が悪かったのかもしれない。

今回の写真は繭殻とそこに残った蛹殻である。
上は蛹殻の顔を正面から、
下は側面から見たもの。

繭内の蛹は羽化の際、体半分を外に現わした後に
脱皮羽化する。
こうした羽化方法は例えば
アリジゴクでお馴染みの
ウスバカゲロウ類に共通した習性だ。



途中からこの『ある記』を見ている方には事情がわからないと思うが、
この繭は去年の夏に幼虫が偶然にも手に入り飼育してきたものである。
石垣島で撮影していたとき、なんと私のTシャツ襟首に幼虫が付着していたのであった。
幼虫は木の枝から落下してきたものと考えられる。
その運命的出会いは私をして再度、石垣島へと走らせたのであるが、、、、。新開 孝

ベニシジミ再び 2004/06/10
昨日6/9に松山のベニシジミ夏型をアップした。

東京に戻ってからマンション裏でも夏型を撮影した。
ところがその夏型の隣では春型の紋様をしたベニシジミも見つかった(写真上)。
この個体は少し翅が傷んでいる。

春型、夏型というよりベニシジミの場合、低温期型、高温期型という表現のほうが相応しいのかもしれない。
それというのも秋になってからは再び春型と同じ紋様に戻ってしまうからである。
翅の紋様の変化は幼虫時期の光周期つまり日の長さによって左右されるようだ。
しかも各型が発現するタイミングはある程度連続的であり、ルーズなようだ。




そのような季節に伴う紋様変化を身近に見ることができるチョウの一つがヤマトシジミだ(写真上、下)。

ベニシジミと同じように秋に現れるものは
春に羽化するタイプとほぼ同じになる。
写真の個体は翅の周縁の黒帯が広くなっており、
これも高温期型と呼ばれる。
春のヤマトシジミ(つまり低温期型)は、
拙著『里山 蝶ガイドブック』の23ページに出ているので参照されたい。
あらためてヤマトシジミを見てみると、
ブルーの発色は地味ながらけっこう綺麗である。
新開 孝

オオフタオビドロバチ 2004/06/10
今朝、ベランダに竹筒アパートを設えていると、さっそく「オオフタオビドロバチ」がやって来た(写真上、中)。

まだ作業中にも関わらず、ハチは筒に入って中を検分し始める。

この様子だと今年も営巣してくれるのは間違いない、そう思い外に出掛けてから用事を済ませて帰ってみると、
すでに竹筒の奥には卵が産まれてあった!

なんとも早い展開だ。
オオフタオビドロバチは私が巣場所をこしらえるのを待ちかねていたようにも思える。

このあと午後四時半には芋虫を一匹運び込んでいた。

マンション裏には
「トックリバチ」(写真下)をはじめ多種類の狩りバチ、花蜂がヒメジョオンの花に来ていた。

できるだけ多種類の家蜂たちを招きたいものだ。
そのためにはちょっとした板切れの置き方だけでも、けっこう気を使うのである。
狭いベランダだけに。
新開 孝

ベニシジミ、夏型 2004/06/09(その2)
このベニシジミも
松山市で撮影したもの。

いかにも新鮮な翅は、少なくとも昨日あたり羽化したのではないかと思わせる。
ベニシジミの夏型を見るのは
今年ではこれが初めてのような気がする。
ベニシジミは朝の日射しを浴びて日光浴していた。

今朝の松山は雲が多いものの
ときおり太陽が顔を出し、
午前8時半を過ぎるころからは晴天となった。

ベニシジミを撮影しているうちに、オオスズメバチ女王が私に接近してきた。
どうも私に関心があるらしくやたらとつきまとう。
ブンブンと、私の耳やら首筋やら大接近して嗅ぎ回るがごとくの行動は、やはり気味が悪い。
そこでゆっくりしゃがみ込み
じっとして去るのを待った。
ようやくにしてオオスズメバチは飛び去ったのだが、
その行く先が気に掛かる。

オオスズメバチが潜り込んだのは、カキの木の梢だ。
そこには多数のドウガネブイブイが群れていることを私は先日見ているから、
もしやこれはオオスズメバチの肉団子作りが撮影できるかもしれん!!
そう思って駆け出したのだが、残念ながらカキの梢をいくら探してもオオスズメバチの姿は見つからなかった。


6/6から本日まで四国、松山市に滞在したのは、
仕事ではなくてプライベートな用事であった。
しかし、時間的な余裕ができれば撮影もしようと、カメラは携えて帰った。
こういうときEOS-1D マーク2はバッテリーの持ちが良く、これは荷物の軽減にもなって気が楽だ。


新開 孝

セイヨウミツバチ 2004/06/09(その1)
午前8時。
ノアザミにセイヨウミツバチが来ていた。

撮影場所は、四国松山市。
私の実家の傍らである。
ここは松山平野を流れる
重信川の中流域にあたり、
その土手斜面では朝の散歩がてら昆虫観察を楽しめる。

昆虫観察などと書けばいかにも堅苦しいが、
要するに昆虫の振るまいを眺めているだけで、少しは幸せになれるということだ。

この辺りでは圧倒的にニホンミツバチが多いのであるが、わずかながらセイヨウミツバチも姿を見せるのでどこか近所で養蜂しているのだろう。
もっともセイヨウミツバチの野性巣の可能性も否定はできない。

私は今までに長崎県と和歌山県で、わずか2例ながらもそういう野外巣を見ている。

新開 孝

自然観察会 2004/06/05(その2)
目黒区「自然教育園」での観察会は
三鷹市教育センターの科学研究室が主催するもので、今日は小学5、6年生が主に対象となった。参加者は総勢38名。

2班に別れて昆虫、植物の講師各1人を伴い園内を歩いた。午前と午後で昆虫、植物班を入れ替える。

園内は木が総じて大きいためと、林床がアオキ群落で占められ閉鎖的で、昆虫観察にはどちらかと言えば不向きで実際昆虫の姿も少ない。
それでも一昨日の下見の成果を踏まえながら、なんとか子供達を惹き付けるよう努力した。

こうした観察会では子供達の個性が垣間見えて、指導する立場からすればけっこう面白い。
それぞれの子供の個性を掴みながら楽しく一緒に観察会を過ごせれば、私はそれでいいと思っている。
何時の間にか私の腕を掴み、ずっと寄り添うように歩く男の子も現われた。
黙々と歩くだけのこともあるが、私が虫を見つけて目を輝かせると、パッと花火のように子供達も反応して駆け寄って来る。

午後の昆虫班に1人、背丈の高い女の子が目に付いた。ほかの友だちは皆、2、3人のグループとなって会話は弾んでいる中、
この子は他の子たちからどこか疎遠に振る舞っていた。
昼食のときも1人ぽつんと面白くなさそうに下を向いている。
このYちゃんは、もしかしたら参加はしてみたもののつまらなくて後悔しているのでは?そう私は邪推していた。
しかし、昆虫班の観察歩きが始まると、次々に何かを見つけては「先生、これなんですか?」と好奇心旺盛であり、少し安心した。孤独だけどしっかりしている。

私が予想していたより虫の種類は少なく、
これはいかんと思い、用意した写真のうちアカスジキンカメムシのプリントを皆に見てもらい、
「今日このカメムシを見つけた人は、超ラッキーだよ」と虫探しをたきつけてみた。
「すっげえー、綺麗!!」
「こんなの本当にいるの!?」
とかの声が次々と飛び交う。
午前、午後と渡ってなかなか見つからなかったが、最後の最期、土壇場になって、ついになんとYちゃんがアカスジキンカメムシを見つけてくれた。
これは私も嬉しかった。
どれどれと駆け寄ってきた友だちの後ろへ、Yちゃんは恥ずかしそうに逃げるようにして消えてしまったけれど、
ほんの一瞬、満足げな表情を浮かべたのを私は見逃さなかった。

写真下は、クマザサの葉裏で見つけた
サトキマダラヒカゲの卵塊。
私は自慢げに「林の真珠だよ!」と
解説したのだが、はたして何人の子供が
心に留めたかは、いささか心もとない。

新開 孝
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