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サムライアリの奴隷狩り 2004/06/29(その2)
午後3時半、中里の林で
黒アリの群れがまさにマスゲームで蛇を描いたように地面をうねり歩きしていた(写真上)。
何かに取り憑かれたような慌ただしい行進は、異様な雰囲気が漂う。
残念ながら写真ではこういったアリの群れ動く様を表現するのは難しい。

一目でこれはサムライアリの行進とわかった。
どこかに見つけたクロヤマアリの巣へ向っているのだな!
そう思い蛇行していく先を追いかけてみた。

すると1メートルも行かない内に、行軍の先頭は落ち葉の下へと次々となだれ込んで行く。
意外にすぐ近くに巣があった。数分と経たず今度はクロヤマアリの白い幼虫や繭をくわえたサムライアリが物凄い勢いで地面に溢れ出てくる!

繭や幼虫をくわえたサムライアリたちは、今行進してきた道を逆に辿って引き返していく。(写真下)
その作業の実に速いこと!

それに対して抵抗するクロヤマアリの姿はほとんど見られなかった。新開 孝

クロツヤキマワリの産卵 2004/06/29(その1)
昨日も登場したクロツヤキマワリが
今日は産卵をしていた。

写真ではキノコの一種に産卵管を刺し込んでいるが、別のメスでは朽ち木の屑に産卵していた。

こうなると卵も是非見てみたい。

キノコからいっぱい突き出た茶色のものは、アブ類の蛹殻のようだ。
こちらも少し気に掛かる。新開 孝

カナヘビの昼寝 2004/06/28(その3)
どうもこうもなく眠いんですわ。

ちとカメラのシャッター音
がうるさいけれど、

ああ、たまらん!おやすみなさい。


近くの薮ではハエを捕らえ損ねたカナヘビが、ガサゴソはねていたけれど、こちとら
もうお腹一杯なんですう。


新開 孝

クロツヤキマワリ 2004/06/28(その2)
今日の食事はキノコです。

それもキクラゲ。

こうしてカリカリに干したものが、上等なんですう。


新開 孝

夏のオオカマキリ 2004/06/28(その1)
アキノノゲシの葉裏には
アブラムシのコロニーが鮮やか!
それをじっと睨んでおるのが
オオカマキリの幼虫である。
体長は3センチほど(写真上)。

「達磨さんがころんだ!」
「おいおい、今動いたのお、
そこのお方!」
と言いおき、お尻振り振りしたアブラムシ目掛けて鎌パンチが
パシン!と弾ける(写真中)。

「いただきます!」って、おい
いっぺんに3匹も4匹も
それは暴食やがな!
反則やでえ!

しかしアブラムシコロニーの
壊滅を案ずることもなかった。
このオオカマキリはやがて、
近くを通りかかったショウリョウバッタ幼虫に目移りして、去って行ったのである。

オオカマキリはまさにハンター。動く獲物でないと納得しない。新開 孝

野津田公園の観察会 2004/06/27
町田市、野津田公園で昆虫観察会を行った。
主催は「(株)風の旅行社」。

青空こそ見えないが、梅雨の最中にしてはむしろ好天に恵まれた、と言っていいだろう。

(写真上、コウゾで交尾中のキボシカミキリ。)

(写真下、エビイロカメムシ。この成虫は確かに海老色だ!)

今回は「30種類の昆虫を覚えよう!」というお題目を立て種名リストまで用意した。
もちろん結果的にはそれ以上の昆虫が登場したのであるが、
私としては数種類だけでもいいから、植物や他の生き物との連なりで昆虫というものを心に留めていただければ、それでいいと考えていた。
昆虫はただ単に姿だけでも楽しめる生き物であり、そのカタログ集を紹介するだけでも私の仕事はある程度は成立する。
しかし、昆虫が生きる上では生態系の複雑なしがらみが背景にあることを知ってもらいたい、そういう思いが強く私にはあった。

今日、集まっていただいた方々は年齢層も様々。中でも中学2年生の男の子二人はさすがによく動き、よくしゃべる。私が貸してあげた捕虫網を振り回し、狩猟本能をむき出しにする様は、なんとも懐かしい光景だった。
参加者数は9名と、観察会を行うには最適の人数でありとてもやり易かった。
これまでは20人以上の参加者を相手に観察会を経験してきたが、やはり少々無理があったと思う。

そこでふと、私は25年前の昔を想い出した。
私が初めて自然観察会という行事に参加した日のことである。

それは「夜の鳴く虫を聞く会」という実に洒落たお題目の催しであった。
秋の夜、山間の牧場近くの草地を巡りながら、参加者一同かぼそい虫の鳴き声に神経を集中するのである。
牧場というのは農薬をあまり使わないので、鳴く虫達の数も種類も多くまさに昆虫天国!
そしてそれぞれの虫の名前を講師の方からリアルタイムに教わる。
これはなんとも贅沢なひとときであった。
私はこの自然観察会のおかげでひと晩のうちに10種類以上の鳴き虫を憶えることができた。

その当時の感動やら興奮を思い起こせば、今や自分が自然観察会の講師という立場に置かれていることにかなりの責任感を抱かざるを得ない。


新開 孝

兄弟よ! 2004/06/26(その2)
中里の林に赴いたのは午後5時も過ぎてから。
ヤマブキの植え込みで
迷子になった?クサギカメムシ2令幼虫の兄弟に出会った。

クサギカメムシは10数個以上の卵塊で産み落とされるので、しばらくは孵化幼虫たち兄弟は寄り添うようにして生活する。
しかし、2令幼虫へと脱皮したあとはそれぞれが分散していく傾向があるようだ。

それでも仲間の兄弟への未練はけっこうあるようで、こうして手をつないだかのような行動は微笑ましい。
新開 孝

セマダラコガネ 2004/06/26
近所ではムクゲの花が満開だ。

きっと何か昆虫が来ているだろうと思い覗き込んでみるとセマダラコガネが潜んでいた。

このコガネムシはよくマンションの灯りにも飛来してくるので、顔馴染みである。
中里の林にも多い。

ムクゲの花は韓国の国花になっていることを今日、
初めて知った。
韓国では「無窮花(ムグンファ)」と呼ぶそうだ。
新開 孝

ナガヒラタムシ 2004/06/25
今日は生憎、朝から小雨模様だが
午後になって空が明るくなった。
雨の止んだ1時間程、中里の林を歩いてみた。

さっそくアオハダの梢で見つけたのが、「ナガヒラタムシ」だ。
体長は約15ミリ。
数珠状の長い触角や、
平たい体(写真中、横から見た)、
上翅の点刻模様などこの虫はかなりユニークな姿をしている。
少しでも振動を与えると、すぐに死にまねするが、触角を真直ぐぴったり合わせて、脚は胴体側に格納されてしまう(写真下)。
触角の長さと体の大きさを比較すると、写真の個体はメスのようである。
オスでは触角がもっと長い。

ナガヒラタムシは以前、外灯に飛来したものを撮影したことがあるが、生息地の林で見つけたのは今日が初めてだ。
この虫の属するナガヒラタムシ科は現存する甲虫類の中で起源がもっとも古く、2億年前にも遡るという。
本科は世界で28種、日本では4種ほどが記録されているに過ぎない。
幼虫は朽ち木を食べて育つようだが、成虫の食生活についての記載を見たことが無い。

新開 孝

ネムノキ 2004/06/24
町田市の野津田公園に赴いた。
ネムノキの花蕾が次々と開き始めている。
その様はまるで花火のようだ。花が見ごろになるころには、また訪れてみたいと思った。

キボシカミキリの新成虫が
多数、見つかる。
いずれもヤマグワよりか
コウゾの葉を後食するものばかりで、その理由がわからない。




今日、この公園を訪れたのは今度の日曜日に自然観察会があることもあって、その下見と撮影を兼ねていた。
町田市のフィールドは昔ずいぶんと通ったが、
今は道路事情のこともあって年に2、3回行く程度となった。
新開 孝

コアシナガバチ、巣の拡張 2004/06/23
部屋で仕事をしていると
「カリ、カリ、、、」という
何かを削るような音が聞こえる。
ベランダに出てみれば
コアシナガバチの仕業であることがわかった(写真上)。

ベランダに立て掛けてある
ヨシの簾に飛来しては
その表面を削り取っていく。
まさに鉋がけのごとし。
こうしてコアシナガバチは
削り取った繊維を巣に持ち帰り、
巣部屋の拡張工事に勤しむわけである(写真中、矢印先が拡張部分)。

コアシナガバチの巣では大きな幼虫たちがしきりに餌をねだっている(写真下)。







『シグマレンズとデジカメ』

昨日、EOS-1Dマーク2にシグマレンズのマクロ50ミリをつけたところ撮影ができなかった。
さっそくシグマに問い合わせたところ、私が持っているレンズは接点の関係上、作動しないことがわかった。
このレンズでは製造番号の頭が100、200番代で始まるものが作動しないということであり、300番代以降の新しいレンズでは問題ないそうだ!
ああ、なんじゃい!それは。
しかしシグマでは無償で接点の改造をしてくれるというから、
それは有り難い。
ついでにシグマのホームページを見てみると6/18付でデジタル一眼カメラ対応の新型マクロ50ミリレンズEX-DGが発売されることが出ていた。
ええ!なんじゃい、それは!
そちらを買う方が得策かもしれない(もちろんEOS-1Dマーク2にも対応している)なあ。
無償とはいえレンズ改造のため宅配料金を払ったり梱包したりの手間ひまを考えるとなあ。
おお、そうだ!今所有している50ミリマクロは、ビデオカメラ専用とすればいいかもね。
新開 孝

EOS-1Dマーク2 2004/06/22
今日は写真が無いのです。

台風一過の好天に恵まれましたが、本日はある出版社の仕事で標本撮影のテスト日だったのです。

マーク2での標本撮影は初めてです。
しかしさすがに今回は現場であせってしまいました。
というのもまず、ノートパソコンとカメラをケーブルで接続し、パソコンから作動させようとしましたが、パソコン側のリモートキャプチャーというソフトがカメラを認識できませんでした。
これでは撮影画像をパソコン画面に出すためには
わざわざカードをパソコンに移してからでないと確認できません。

次に、シグマのマクロ50ミリをカメラに取り付けるとエラーマークが出て使えません!レンズ接続不良というエラーです。
以前、EOS-1Dではこのレンズが使えたので不思議です。
このトラブルの問題は明日、詳しく追求してみるつもりです。

でもとにかく今日はテスト撮影ですから助かりました。

しかし、いいこともありました。
カメラマン「横塚眞己人」さんにお会いでき、
出版されたばかりの著書『ボルネオの熱帯雨林』にサインをいただけたのです!はい。
木登りするせいですか、握手したときの横塚さんの手はまるでグローブみたく頑丈で大きかった!

新開 孝

飯能市のヨコヅナサシガメ 2004/06/21
先日6/16のテレビ番組収録の仕事で赴いた飯能市では、ヨコヅナサシガメ成虫を2頭見ている。
いずれもヤマザクラの幹を歩いていた(写真は6/16に撮影)。

ヨコヅナサシガメの北上あるいは東方への移動はここ数年前から、あちこちで報告されるようになった。
私の住む清瀬市やお隣の埼玉県さいたま市などでも去年には確認できている。

人から聞いた話では群馬県でも見つかっているようだ。
このままの勢いだと関東全域にまで分布を広げてしまうのだろうか。

ヨコヅナサシガメはその名にふさわしく
サシガメ科でも特に大きい体(体長20ミリ前後)をしている。
そして横に広がった腹部は波打った特異な形状のうえ白黒模様が際立つ。
本種は緩慢な動きながら小型昆虫などを吸血する、肉食昆虫だ。
獲物を襲う時は普段折り畳んでいる管状の口吻を前方に突き出し、一突きで仕留める。
前脚は貧弱で相手を押さえ込むことはできないが、
口吻からは強力な麻痺剤のような成分が注入されるようで、
一瞬にして獲物は動きを封じられてしまう。


『業務日誌』

今日は台風6号の影響もあって午後から風雨が強くなってきた。
午前中は都内の出版社へ打ち合わせに赴いたり、
池袋のカメラ店に立ち寄ったりしていたのでフィールドには出ていない。

「EOS1Dマーク2」は記憶メディアとしてCFカードとSDカードが
同時に2枚挿入できる。つまり異なるカードにバックアップが出来るという仕組み。
それで1ギガのSDカードをカメラ店で見てみると、これも四万円以上するいい値段である。
フィルム代が要らないとはいえ、何かと出費が多くなるのは過渡期だから、、、、、
そういう言い訳も辛いものがあるだろう。
しかもこうした記憶メディア類の寿命は一体どれくらいのものだろうか?
新開 孝

コミスジの蛹 2004/06/20
駐車場へ向う小道に
フジの実生がある。
高さは30センチと小さいが、
そこにコミスジ幼虫がいることに気付いたのは1週間ほど前だ(写真上)。

写真では幼虫が葉軸をかじっている。
これは葉っぱを萎れさせるためである。幼虫はこうして萎れた葉に静止して休んでいると目立たない。幼虫自身も枯れ葉にそっくりだから。
食事をするときは新鮮な葉へ移動する。長距離列車の寝台車から食堂車へと移動するのに似ている。

ところがである。
幼虫を見つけてから数日後のこと。
足下からパリパリと音がする。よく見ればなんと幼虫は自ら萎らせた葉を食べているのであった。
かりかりに乾燥した葉をわざわざ食べる理由とはなんだろう?
寝台車がそのまま食堂車になってしまったようなものか。

葉軸をかじる幼虫を最初見た時、幼虫は新しい休息場所をこしらえているのだと思っていた。だがしかし、そうではなかったのだ。
しかもこうした行動は2回連続して観察できた。

その後数日経って、幼虫は同じ実生の葉軸で蛹へと脱皮した(写真下、本日撮影)。

コミスジの蛹は体の表面に黄金色をまとっていてとても美しい。
残念ながら写真の蛹では葉っぱが邪魔してどうやってもその黄金色を写す角度がとれない。
拙著『里山 蝶ガイドブック』の「コラム10/秘密工房」では蝶の蛹を紹介している。実はそのページでコミスジ蛹も出す予定で撮影していたのであるが、スペースの関係上、入り切らなかった。
蝶の蛹にはなんとも神秘的な雰囲気が漂う。
そんな魅力を感じて私はずいぶんこだわりの写真を撮ってきた。
コミスジ蛹のカットも次回出版予定の本では登場すると思う。

新開 孝
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