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トビモンオオエダシャク幼虫 2004/07/09(その1)
抜けるような青空と白い雲。
ようやく絶好の撮影日和となったが中里近辺に昆虫の姿は極めて少なく情けない。

それでも空掘川遊歩道を
とぼとぼ歩いていると、
安全柵で体長7センチの大きな
シャクトリムシを見つけた(写真上)。
トビモンオオエダシャクの幼虫と思われるが、どうも頭の突起がやたらと長いのが気に掛かる(写真下)。
そう言えば幼虫の顔は砂漠に棲むフェネックというキツネの一種を思い浮かべてしまう。

新開 孝

エゴヒゲナガゾウムシ、登場! 2004/07/08
エゴノキの実が大きくなり
遠目にも目立ち始めたころから、
このエゴヒゲナガゾウムシの登場を待ちわびていた。

別名ウシヅラヒゲナガゾウムシとも呼ばれるように、
その風貌の面白さ、
そしてチシャ虫として幼虫が釣り餌にもなるという、その謂れとしての特異な生活史など、まず注目に値する昆虫である。
詳しい生態については拙著『珍虫の愛虫記』を参照していただきたい。


今日はメス3匹、オス1匹を確認。
写真はいずれもメス。
まだ配偶行動などは見られず、もちろんメスの産卵もう少し先になるようだ。
今のところエゴノキの実をかじりつつこれからゆっくり性成熟していくのではないだろうか。


『業務日誌/暑いし!青空無いし!』

いや暑いのは当然でいいのだが、湿った大気のせいで薄雲が多くここ三日間というものスキッとした青空を仰ぐことができない。
野外で青い夏空を背景に抜いて撮影したいと目論んでいたのだが、どうも思い通りにはいかない。
かといってこのところの空梅雨でどこもかしこも乾燥が激しく日影の昆虫もパッとしない。
そんな状況の中でつい先日、午前中できっぱりフィールドから引き上げ、
都内新宿のカメラ店に出向いてみた。
前々から気になっていたポータブルストレージを購入するためだ。
しかし思っていたほど機種は多くないし、どれも機能的にはまだ発展途上の感が強い。
しかし私の場合カードの枚数が少ない現況では、撮影現場でハードディスクに吸い上げる作業も必須となる場面がこれからは出て来る。
そこでとりあえず、各種カードメディアに対応したバッテリー駆動のタイプを試しに購入してみた。容量は20GB。
最大の問題はカードからハードディスクへの吸い上げ転送速度であるが、その速度についてはあまり期待できそうにない。
昼飯のあいだにでものんびり吸い上げ作業をするしかないだろうが、何でもかんでも便利になり過ぎてもまた面白味に欠けるとも言える?かな?

新開 孝

アオスジアゲハ幼虫 2004/07/07
空掘川遊歩道沿いにクスノキの木が一本ぽつんとあり、
若葉にはアオスジアゲハの若い幼虫が
見つかった(写真上、矢印先)。

アオスジアゲハはクスノキの若い葉先に卵を産む傾向があり、
孵化した幼虫もしばらくはその柔らかい葉を食べて過ごすので、この時期の幼虫を見つけるのは容易い。
頭でっかちのプロポーションは
いかにも可愛らしいが、よくよく見れば
頭の方やお尻に角のような突起があったりして、
不思議な雰囲気が漂う芋虫だ(写真中、下))。






『ヘビのおなら/アオダイショウ』

昨日、金山緑地公園に赴いたのはヤナギ類の樹液に集まる昆虫
、とくにクワガタムシとコムラサキの様子を見ておくためだった。
どうも去年とは樹液の出具合や昆虫の集まり方が芳しく無いなあ
そう思いながら梢を眺めていて、ふと足下を見ると
かなりでかい!アオダイショウがゆっくり滑り歩いていた。
長さは1メートル20センチ位か。それよりとにかく胴体が
異様に太い。
これまで見たことがあるアオダイショウの中でも横綱級の体格だ。
アオダイショウはゆっくり水辺にさしかかり、そのまま泳ぎ始めた。
と、しばらくして「ブヒヒヒ、ブリ、ブリ、ブヒヒ」という
人間様でもしばしば発するような聞き覚えのある放屁音が聞こえた。
おお!これはアオダイショウのおなら!ぞなもし!
なんと水中に没した瞬間、放屁とともに排便しているのが見えた。
最初は白い煙幕が水中に漂ったかと思うと、次にはかなり大きめの
黄色混じりの白い卵型の塊が水中にゆらゆらと姿を現わした。
アオダイショウはその間もゆっくり移動しており、
対岸の草薮にすうっーと姿を消してしまった。
水中で放屁したためかその音がよく聞きとれたのであるが、
これはまさに水洗トイレである。
もっとも人間様でも、海水浴場やプールで何喰わぬ顔したまま
小便するお方はおそらく相当な数いらっしゃるはずで、
その経験がある方、目つぶっているから手を挙げなさい!!
新開 孝

シオヤアブの交尾 2004/07/06(その2)
先日、ドウガネブイブイを
吸血するシオヤアブを紹介したが今日は交尾カップルを見つけた。
画面左の大きい個体がメス。

交尾しているときでも近づこうとすればすぐに飛んで逃げてしまう。


動くものにはとても敏感なのが
昆虫全般の傾向だが、さすがに交尾中はそう遠くまで飛び去ることができない。
辛抱強く追いかけてやっと撮影できた。



『お父ちゃん、テレビに出てたよお!』

先月末に収録したNHK学校放送の番組が今日にも放映されることを私はすっかり忘れていた。
うちの長男は小学3年生。番組は小学3年対象の理科「ふしぎいっぱい」だから当然、学校の授業で観るわけである。そして息子はいきなり画面に現れたおのれの父親に驚いたようだ。
だが、まあ私はテレビに映った自分の姿をわざわざ見ようとは思わない。
しかも今回の番組では昆虫写真家という肩書きではなく「虫採り名人」!などという
取って付けたようなキャラであるから、、、なあ。
新開 孝

ゴマダラチョウとカナブン 2004/07/06(その1)
クヌギの樹液には
カナブンとゴマダラチョウが
来ていた(写真上、午前10時ころ)。

カナブンはそういう性格なのかいつも忙しい。
そして仲間同士の小競り合いも多い。
自分より大きいカブトムシに
喧嘩を売るほど元気だ。
その傍若無人な振舞いがときにノコギリクワガタの怒りに触れ、挟み投げに遭う場面は、少し哀れだが滑稽でもある。



今日はピカピカの新鮮なゴマダラチョウと肩を並べていたが、
早くも体当たりを頻発(写真下)!
ゴマダラチョウもたまったもんでない。


新開 孝

ナナフシは夜が好き 2004/07/05(その2)
樹液のカブトムシたちを撮影したあとの帰り道。
エノキの梢ではやたらとナナフシが見つかる。
昼間にもナナフシはよく見かけるが、夜の林では少なくとも昼間の倍の数が活動しているのに出会す。

そういえば八丈島の森で夜になると、トゲナナフシがわんさか姿を現わし、食事していたのを思い出した。

ナナフシ類は擬態の典型としてよく知られるが、それでも主な活動時間帯が夜であることは実に興味深い。
いくら擬態が完璧でも、動いてしまえば鳥などの天敵にはいとも簡単に見つかってしまうはずだ。
昼間はできるだけおとなしくしている方が得策なのであろう。
新開 孝

夜のカブトムシたち 2004/07/05(その1)
午後8時。
中里のクヌギ樹液にはカブトムシが群れていた。
中でも一番大柄なオス(写真上、下の赤っぽい個体)は次々と他のオスを追い払うことに忙しい。
その隙をねらうかのように小柄なオスが2匹、待ってましたとばかり、メスにマウントする(写真中)。
樹液酒場はカブトムシの喧噪でにぎやかだが、この騒ぎで他の蛾たちは遠目で静観しているしかなく
なかなか樹液にありつけないでいる。

ライバルを追っ払うことに夢中になっていた大柄オスは、うかうかしていると小さいオスにメスを奪われることに気付いたか、今度はひたすらメスたちにアタックし始めた(写真下)。
だがしかし、メスの方は色気より食事の方を優先してオスには見向きもしない。
肘鉄を次々とくらっても、オスは言い寄ることを止めようとはせず
ガサゴソという音がいつまでも暗闇の林で響いていた。

新開 孝

ヒグラシ 2004/07/04
ヒグラシの鳴き声を聞いた。
腕時計を見ると午後6時過ぎであった。

鳴いているのは1個体のようだ。ヒグラシの真新しい抜け殻は1週間ほど前から目についていた。



今日は子供の相手や夕食用のカレーの仕込みなどに時間を費やし、
フィールドに出たのも夕刻の散歩がてらとなった。
しかし、今年初めて聞くヒグラシの声はなんとも夏を感じさせてくれる。
新開 孝

シオヤアブとドウガネブイブイ 2004/07/03
日射しは強いけれど空気はカラリとして気持ちがいい。
ニイニイゼミの鳴き声も初鳴きを聞いてから一週間目に入る。

中里の林縁で獲物を仕留めた
シオヤアブを見つけた。
たいそう満腹したか腹部が大きく膨らんでいる。
シオヤアブの太い口吻はドオガネブイブイ前翅の隙間から腹部を突き刺して吸血している。
こうしてシオヤアブは体液しか吸わないのであるから、見方によってはずいぶんと贅沢な食事ではないか。


このシオヤアブの属するムシヒキアブ類は、獲物をがっしりと押さえ込むため脚が太く、
それはまるでポパイの腕のようだ。


そして口ひげのような毛はこれまた
「髭おやじ」を思わせる風貌でもある。

新開 孝

イチモンジカメノコハムシの卵 2004/07/02
イチモンジカメノコハムシを見つけるには、食痕の穴が目立つヤブムラサキを探せば良い。
ハムシの姿は丸い形をした鳥の糞にも見える(写真上)。
一寸した振動ですぐにポロリと地面に落ちてしまうので気を付けたい。

今日、見つけた個体は産卵を終えたばかりのメスであった(写真中、矢印先が卵)。
産まれた直後の卵は白くてよく目立つ。

しかし時間が経つとやがて薄茶色へと変り、卵を納めている薄皮膜の色に紛れてしまう。
(写真下)では卵ケースを強い透過光で見てみた。

カメノコハムシの仲間にはこうして
卵を薄皮ケースのカプセルに納めるという変った習性がある。
イチモンジカメノコハムシの場合、
ケースに1個ずつ産むが、ヒルガオで見つかるジンガサハムシでは一つのケースに3個以上入っている。
この卵ケースはメスが分泌して作るものだが、あらかじめケースをこしらえてから卵をその中に産み込む。


『昨日の間違いの訂正』

昨日アップした「ミスジコウガイビル」は誤りで、
実は「オオミスジコウガイビル」との指摘をいただいた。また餌となるのはミミズということである。
(今回の指摘はフォトモや昆虫ツギラマなどでもお馴染みの写真家、糸崎公朗さんからでした。どうもありがとうございました。)
私のうろ覚えで書いてしまったのだが、ナメクジを喰うのはクロイロコウガイビルの方であろうか?
クロイロコウガイビルはうちのマンション周辺ではもっともよく見かける、真っ黒のコウガイビルである。
あらためてオオミスジコウガイビルのことを調べようと思って平凡社の「日本動物大百科/第7巻」を開いてみたらちゃんと写真も出ていた。
最長では1メートルにもなるらしい!
しかし、本種の生態については詳しい記載がなく、沖縄諸島では近年カタツムリの天敵となるコウガイビル類の一種が増えているということが書かれてある。
どうやらナメクジやそしてカタツムリもコウガイビル類の餌となるようだが、
オオミスジコウガイビルもはたしてミミズ専門食なのであろうか?
なおコウガイビル類はいわゆるヒル(チスイビルやヤマビル)などとは全く違うグループの生き物で、
プラナリアなどの属する扁形動物の仲間であることも付け加えておきたい。
新開 孝

オオミスジコウガイビル 2004/07/01
コナラの根際を這う
「オオミスジコウガイビル」を
見つけた(写真上、矢印先が頭)。
長さは30センチを超える!

落ち葉の下へ潜り込みそうだったので、行く手を遮ると
長い「ゴムひも」は素早く
進路を反転した(写真中)。

扇形の頭はうねるようにして進路を探っている(写真下)。

名前のごとく体には3本の黒い筋があり、このヒルに見覚えのある人も多いことだろう。
このオオミスジコウガイビルはうちのマンション周辺でもよく見られる。
まだその現場を見たことが無いが、このコウガイビルはミミズを食べるということだ。





『業務日誌/失ったデータはついに戻らず!』

昨日、紛失した写真データを探索していると書いたが、ついに見つからず断念した。
昨夜は布団に入っても気になって仕方が無かったが、きっぱりデータ回復をあきらめて、再度撮影し直すことに決めた。
今日はその撮影のために半日を費やしてしまったが、
どうせ撮り直すなら前よりいい仕上がりにしようと考えて撮影に入った。
私のパソコン環境の現状ではバックアップとしてCD-Rがもっとも手軽で凡庸性も高いので、容量は低いがこまめに焼き込んでおくしかない。
近いうちにDVDメディアも導入したいが、あまりにもフォーマットが多彩で迷うところだ。

そういえばEOS-1Dマーク2の撮影画像にかなり細かいゴミが出始めた。
ちょうど使い始めて一ヶ月目となるが、やはりこのゴミ問題は避けて通れない。
自分でクリーニングできるキットを教えていただいたりしたが、まだ購入していない。
明日はちょうど都内に出るので銀座のキャノンCPSでクリーニングする予定。
新開 孝

謎の赤頭巾アブ 2004/06/30
昨日の頭でっかちアブ、
気になっていたのでさらに
頭部を前から撮影してみた。
こうしてみると
赤いのは複眼の上半球部で
下半球部は黒い。
まだ種名もわからないが
アタマアブ科の仲間だろうか?
御存知の方がいたら教えて下さい。



『業務日誌/雨から晴天』

今朝は雨となった。
ちょうど雨に打たれるアシナガバチの巣をビデオ撮影する予定を立てていたので好都合であった。
こういうときのためにビデオカメラ用の合羽を作っておきたいと痛切に反省する。
業務用カメラでは市販のものがあるが、キャノンXL-1用の合羽はなかったように思う。
またカメラだけでなくカメラを載せる雲台(このパーツだけでも¥50万近くするんだね!)や三脚もカバーできるといい。

そういえば昨日、EOS-1Dマーク2に一寸したトラブルが発生した。
撮影後の画像確認をしていたときセレクトダイヤルで次々と画像を送っている途中でフリーズしてしまったのである。
一旦カメラの電源を切ると回復したが、こういう現象は以前のEOS-1Dでは全く経験してないので驚いた。
それとは逆に良い点も見つけた。
オートホワイトバランスを初めて使ってみたのだが、明らかにEOS-1Dより適応力が広くて正確である。
接写倍率の高い撮影ではストロボの発光部に光りを柔らかくするためのディフューザーを付けるのだが、それがために照明の色温度が自然光とはかけ離れてしまう。
EOS-1Dではオートホワイトではうまく色温度調整ができなかったが、マーク2では色再現が良好である。

本日は午後からせっかく好天したにも関わらず、
一歩も外に出ることができなかった。
それというのも2ヶ月前に撮影したある重要なカットのデータファイルが見当たらないのである。
現在、その紛失ファイルの納まったフォルダを探索中であるが、かなり難航している。
写真データの整理方法を今一度、構築し直す必要もあるようだ。

新開 孝

樹液の甲虫 2004/06/29(その4)
シロテンハナムグリ(左)と
お馴染みカナブン(右)。

中里の雑木林では目の届く
樹液そのものが少ないが
そこへ集う昆虫の顔ぶれも
地味なものばかりで
寂しいといえば寂しい。

以前はノコギリクワガタに
カブトムシ、などという
にぎやかな場面も見られたが、今では期待できそうにない。

それでも先日、近所の小学生がヒラタクワガタが捕れたよと見せてくれた。
小柄なヒラタだがオスの風格があった。

「樹液レストラン」と語れるような写真を撮影できる場所は、
日本の何処に出掛けてもほんとうに激減してしまった。
新開 孝

赤頭巾バエ 2004/06/29(その3)
とにかく小さいハエである。
体長わずかに2ミリ!

しかしながら葉っぱの上
(カラスウリ)に佇んでいる姿はよく目立つ。





頭部はほとんどが赤い複眼で覆われており、それとは対照的に胸から腹部にかけては墨のような黒色。
この赤、黒バエの種名はまだ調べていない。新開 孝
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