| クサカゲロウ幼虫とアブラムシ 2003/12/31 | | 大晦日とあっては昆虫写真家といえど、いささか動きが自由にならない。つまりフィールドに出る時間がわずかしかないのである。しかしながら以前にも書き込んだササコナフキツノアブラムシのコロニーを見ておくことだけは、予定に入れておいた。 午後3時30分、アズマネザサの葉裏をめくってみると、アブラムシ、コロニーにクサカゲロウの幼虫が頭を突っ込んでいた(写真上)。まさに捕食の真っ最中である。この写真の撮影倍率は約3倍であるから、アブラムシとクサカゲロウ幼虫の体がいかに小さいか御想像願いたい。撮影はカメラを手持ちで行った。捕食シーンを迫力ある写真にするためには、撮影倍率をさらに9倍近くまで上げる必要があるが、もはやそうなると大型三脚に加えて、被写体を固定するための三脚とア−ム類、照明用電源などと、かなり機材的な準備を要する。 それにしても、ササコナフキツノアブラムシのコロニーはいずれも小規模なものばかりしか見つからず、冬を辛うじて越しているという感触を受ける。なんとか春を迎えれば、そこで一気にコロニーの勢力を取り戻そうという、そういうアブラムシたちの生活シナリオを私は勝手に描いてしまうが、実際のところどうなのだろうか?このクサカゲロウの一種の幼虫にしても、勢力の落ちたアブラムシコロニーを頼ってばかりで、それでちゃんと成長できるのであろうか?
「昆虫観察トラップ」の歩道柵を最後に見て歩くと、羽化したばかりの新鮮な「ヒラタアブの一種」を見つけた(写真中)。この個体はメスであるが、オス、メスの見分け方は複眼の形状ですぐわかる。その仔細についてはいずれわかり易い写真で紹介しよう。百聞は一見に如かず、である。 ヒラタアブ類はこのように晩秋どころか、本格的な冬に入ってからもゆっくり成虫となり、そしてそのまま冬を越すのである。フタスジヒラタアブ(エリマキアブ)然り!である。
さらに歩道柵では「アメイロハエトリ」(写真下)が歩いていた。うーむ、このクモの餌となり得る獲物はなんであろうか?真冬で獲物がいない、などとということは無いのであろう。それなりに昆虫は動いておるのだ。 まあ、しかしこの「年末」、「新年」という行事を口実に、お酒を昼間からいただけることに、私はとても嬉しい気分で過ごせることを告白したい。ああ、平成15年も今日で終わり、です。
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