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石垣島日記その2 2003/07/24
石垣島、2日目。先月からずっと雨がないためからからに乾燥しており、昆虫の姿も少なめ。朝晩に雨が短時間降るが焼け石に水であろう。今回のねらいの一つは『マンゲツオオコロギス』。10年ほど前に2度だけ見つけ撮影したのだがすぐに逃げられ思うような写真にならず、ずっと気に掛かっていたのだ。当時はカマキリモドキを追い掛けていたころで、私は血眼になってスィーピング(捕虫網で草むらや梢をまんべんなく掬い、隠れている昆虫を捕まえる手法)を連日行い、その副産物としてマンゲツオオコロギスを捕らえたのであった。6mの捕虫網をかつぎ、届くところは全てという徹底ぶりだったが、今思うとあのころのエネルギッシュな私には脱帽である。今回ももちろんスィーピング探索が中心であるが6m竿は止めて、短い竿にしルッキング探索も重視することにした。というのもコロギス類が作る葉っぱの住居のなかでも、マンゲツオオコロギスが作るものは特上サイズと思う。これを発見できる可能性も見逃せない。
写真上:夕方ねぐらに落ち着いたカラスアゲハのメス(オモト林道)
写真下:チブサトゲグモのメス、ふたほし型というタイプで他にも模様の変異が多い(オモト林道)新開 孝

石垣島日記その1 2003/07/23
動物科学研究所・昆虫研究部のI氏と羽田で合流し、JAL便那覇経由にて石垣島に到着。ホテルに荷物を下ろしさっそくオモト岳へ。去年10月『里山チョウガイドブック』の撮りおろしで来た際、ここの林道が大幅に舗装工事中で入れなかった。気になっていたからまずはここへ。林道が舗装されたことは残念だが、道路沿いの林は以前とさほど変りなく工事から受けたダメージもすでに落ち着いたように感じる。昆虫の姿を探して林道を歩いているうちに強烈な醗酵臭が漂って来る。匂いをたぐって探してみれば、木の根元にパイナップルが積んであった。しかもパイナップルに擬態したかのようなセマルハコガメまで鎮座している!パイナップルの山はクワガタ捕りの業者が置いていったということらしい。I氏は自作の『マレーズトラップ』を林内に手際良く設置し終えた。どんな虫が採れるか楽しみである。夕餉の乾杯は7時近い時刻であったが、まだ外は明るい。蒸し暑いなかでオリオンビールがうまい!
写真上:オキナワナナフシのメスは体の模様の変異が大きい(オモト林道)写真下:パイナップル・トラップとセマルハコガメ(オモト林道)新開 孝

コムラサキ 2003/07/05
土曜日なので下の子供を連れてまたもやヤナギ樹液に行ってみた。今日も晴天、暑い!もうじき4歳の誕生日を迎える息子には捕虫網を持たせる。今日はコムラサキを撮影するつもり。新しく買ったパワーショットG5の初撮りでもあった。どうやらヤナギの枝が混み合ったところに樹液があるようだ。そこは外からはまったく死角になっているが、さきほどからコムラサキのオスが出入りしている。さっそく潜り込むようにしてそっと近寄ると、コムラサキが8頭も群れている!(写真)こんな光景は初めてだ。しかしG5のようなコンパクトカメラでちょうど良かった。体を少しよじるだけでも木の枝が揺れて、チョウが逃げてしまいそうだ。一眼デジカメを構える余裕がない。ところでこのコムラサキは全国的に減少している。里山の普通種であったはずが、めっきり姿を見かけないチョウになったことの要因の一つには、河川改修に伴い多くのヤナギを切ってしまったからではないだろうか。私の四国の田舎でも田んぼの用水路にはたくさんのヤナギが並んでいたが、20年前一気に伐採され風景が一変したときのショックを憶えている。また私の父親の話しによれば戦前の昭和一桁当時、川辺の大柳からカワウソがドボンと飛び込む音をよく聞いたという。ホタルなどはいくらでも群飛していたころだ。そんなことを思い起しながらコムラサキの撮影に夢中になっているうちに子供の姿がはて見当たらない。近くの草むらでバッタを追っていたはずだが、いつのまにか遠くで泣いている。私を見失いはぐれたと思い込んで、探し回っていたようだ。午前中で撮影は終了し帰ることにした。新開 孝

ヤナギ樹液 2003/07/02
晴天に恵まれ今日もヤナギの樹液に行ってみる。樹液に頭を突っ込んだメスにオスがマウントしていたり(写真上)、私の侵入で驚いたオスがポロポロと地面に落下してきて、ここのノコギリ天国は安泰の様子であった。真新しいゴマダラカミキリのメスがヤナギの若い枝をかじっている(写真下)。樹液食堂の主はどうやらこのゴマダラの幼虫たちであろう。ヤナギの幹内でトンネル掘っては樹液井戸をあちこちに作っている。晴れたせいか昨日は2頭しか見なかったコムラサキが今日はやたらと飛来する。ヤナギの葉ではコムラサキの幼虫も見つかった。葉の表面にデンッ!と構えているが体色は葉っぱに紛れて見事に溶け込んでいる。一度目を離すとすぐ見失いそうだ。コムラサキの飼育は24年前にやったきりだ。幼虫に手を伸ばしかけて止める。もう少し肥るまで待つことにした。新開 孝

ノコギリクワガタ 2003/07/01
ノコギリクワガタですら、私の近所ではめっきり数が減ったように思う。少なくとも樹液に来てカナブンやスズメバチと肩並べてなんていう光景はここ数年、数回しか見ていない。ところが保育園で耳寄りな情報を得ることが出来た。うちの子のお友達のお父さんは大のクワガタ好きなのだが、このところ毎朝ノコギリクワガタを見に行っている場所があるという。ヤナギの樹液だがそこにはほとんど人が入らず、行けば必ず数頭のノコギリがいるというのである。私はさっそくその場所へ赴いたのだが、まさに教えてもらった通りノコギリのペアが来ている(写真)。他にコクワガタ、カブトムシ、シロテンハナムグリ、コムラサキ、ヒメジャノメなどもいた。この日は曇っていたので、再度出直すことにした。Mちゃんのお父さん、ありがとうございました!

新開 孝
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