| 東京でもつい最近、セルフの讃岐うどん店が出現したが、なんといっても本場は四国である。そして私が四国で仕事をする際、よく立ち寄るのが愛媛県南予を中心にチェーン店がある『大介』うどんである。撮影の仕事でフィールドを巡るにしても、私は食については少しはこだわる方だ。仕事の段取りの中で、昼飯をどうするかは重要なポイントになる。コンビニのおむすびで済ませることがないわけでもないが、常々それは避けたいと願っている。それくらいなら自宅や宿で、手製おむすびなり弁当箱にめしを詰めたほうがはるかにいい(めしには「塩っぺ」を乗せる)。しかし外食に頼る場合、できれば500円以内で納得のいく食事をとりたい。そんなとき『大介』うどん!である。さて、今日は愛媛県宇和島市の薬師渓谷を訪れてみた。ここは国道56号線から谷間を少し山あいに入ったところだ。渓谷には数段の滝があり涼しいため、夏の間流しそうめんの店が開かれる。しかし昼食はこのそうめん屋ではない。国道を少し南下したところにある『大介』うどんで決まりだ!。外食産業から道路事情までめまぐるしく変貌するニッポンである。宇和島とて例外であり得ない。このあたりを訪れるのも数年ぶりだから、いざ知っているつもりがどうも様子が違う。事前に国道を走りながら至近距離の『大介』うどんの店鋪はきちんと確認しておいたのだ。話が脱線したが、ここで必ず見ることができるチョウがアオバセセリとスミナガシの幼虫である。そしてクロコノマチョウとイシガケチョウも。とくに前2種はヤマビワの木に必ずついている。スミナガシの越冬蛹を初めて見つけたのもここであった。幼生期の写真はタイミングさえはずさなければ容易である。しかしチョウの成虫となるとこれは狩猟の範疇に近い難しさがある。目の前を飛んでいても極めてシャッターチャンスが少ないので、普通種といえど納得いくカットを揃えようとすると侮れない。今日は特にナガサキアゲハの大きなメスがクサギの花に来ており、一旦去ってもしばらく待っていると谷間を大きく回遊しては同じ木に戻ってくることがわかった。優雅な動きのわりに意外とシャッターが切れない。ここはじっくり構えることにした。
写真上:ムラサキシジミのメス、アラカシの新芽に産卵していたが休憩中 写真中:アオバセセリ幼虫、ここではヤマビワが食樹 写真下:クサギで吸蜜するナガサキアゲハのメス | |