| 今日は朝から雨。しかも肌寒い。
ニホンホホビロコメツキモドキの産卵痕がついているメダケを昨日中に回収しておいた。時間があるときに調べておこうと思ったからだ。そのメダケは節の数が5個だから、産卵痕も5箇所ある。
さて、今朝になってその産卵痕を一つ一つ注意深く削り開いてみた。するとなんと!すでにふ化幼虫がメダケの筒内にいた(写真上)。しかもそのふ化幼虫はしばらくすると卵の殻らしきものを食べ始めたのである。(幼虫のお尻の先に貫通孔も見える)
幼虫の入っていた産卵痕は、産卵日を特定できない。 ただし産卵痕はかなり新しいようなので、卵のふ化に要する日数はきわめて短いと考えたほうが良い。
ところで今朝は、雨が降るなかエンドウ豆の柵で産卵しているメスを見つけた。それも居間の窓越しに。メダケの竿にしがみついてるメスのシルエットは、遠目にもたいへん目立つからだ。 ふ化幼虫の撮影を終えてからなおさらのこと、今朝見た産卵痕は早めに調べておく必要を感じ、雨のなか梯子に登って回収した。産卵痕のついた節をノコギリで切り取るわけだ。
で、産卵痕のついた節を部屋に持ち帰って慎重に割り開いてみると、あったのである!ニホンホホビロコメツキモドキの卵(写真下)が。長さは3ミリ近くと大きい。はじめて見る卵だ。 なんと卵はメダケの節の内壁にあった。産卵痕はメダケの壁をわずかに貫通してるのだが、その貫通孔のすぐ近くに、卵は反り立つように鎮座していたのだ(写真中/右下の黒点が貫通孔)。産卵管は長く伸び、さらに屈曲も可能なのだろう。
あまりも大きい卵にびっくりしたが、節内に産み落とされている可能性はあらかじめ少しは予想していた。しかし、これまで注意深く卵を捜索してきものの、一昨日には見つからなかったのだ。もしかしたら節を割り開く際の衝撃でもって、卵が降り落とされてしまったことも考えられる。
卵の一端は僅かに茶色で、その部分が節内壁に吸着するための役目を果たしているようだ。メス親が頻繁に産卵管を突き刺していたのは、自分の産卵管がメダケの壁を貫通して内部まで到達できるか否かの検討をつけるためではなかっただろうか。産卵管を通すことさえできれば、穿つ孔はできるだけ小さくしたい、というメス親の計らいなのだろう。外敵の侵入の危険を少しでも防ぎたいという願いがそこに込められているように感じる。
そして産卵を終えたあと、穿った孔をきっちり埋め戻しておけば、安全な密閉ゆりかごが完成する。
(写真上、中/E-3 35ミリマクロ+2倍テレコン) (写真下/E-3 ズイコー38ミリマクロ+オートベローズ)
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