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オオルリ 2008/04/22
 今日は昨夜から行なっている撮影待機の続きで、ほとんど室内にこもっていた。
正午前、気晴らしに窓辺に立ってみれば、林のクヌギ梢にでっかい芋虫をくわえたオオルリのオスの姿があった。芋虫を振り回しながらようやっと飲み込んでいた。
 急いでカメラを用意し、とりあえず証拠写真を窓ガラス越しに撮影しておいた。オオルリがうちの林に来て、しかもそこで獲物を捕らえていたというのはちょっと心躍るものがある。

 ササ刈りを施したおかげで林の風通しは良くなり、それに伴って様々な生き物にとっても居心地の良いすみかに少しづつ様変わりしていくものと、期待したい。例えば、地面に落ちたコナラやクヌギのドングリが芽吹き、そしてその実生が今までの暗黒世界から解放され、これからはすくすくと成長していけるものと思う。

 (写真/EOSキッスデジタルN EF400ミリ+ケンコー2倍テレコン)

新開 孝

ヤママユ3令幼虫 2008/04/21(その2)
 コナラの若葉もずいぶんと大きくなった(写真上)。樹によって若葉の成長ぶりにもだいぶ個体差があるが、今となっては芽吹き、と言えるような段階をうちの近辺で見つけることは不可能だ。

 そのコナラの梢では、ヤママユの3令幼虫が見つかった(写真下)。うっかりすると見落としそうだが、2令のときから見つけておいた幼虫だ。最初に見つけた位置からほとんど移動していない。

 (写真/E-3  シグマ105ミリマクロ)

 山形県在住の永幡嘉之さんから先日、ブログを開設なさったとの連絡をいただいた。

 永幡さんは35歳とまだ若きナチュラリストであり、生物学者。そして自然写真家でもある。音楽を奏でるような文章にも惹き込まれる。

 東北の自然にも憧れがあって、かつて新婚旅行にも青森、岩手、仙台などを巡ったりしたものだ。その奥深い山容を眺めながら、ここにはまだまだ日本の原風景がいっぱい残っているのだろうなあ、などと感激の連続だった。

 ここしばらくは東北へ足を運ぶ機会もなさそうだが、いづれまた東北の旅にも出掛けたいと思う。新開 孝

ヒメクロオトシブミとマルムネジョウカイ 2008/04/21
 ヒメクロオトシブミ(写真上)のゆりかご作りは、一週間ほど前からポツポツと見かけるようになった。とくにコナラの若葉でゆりかごが作られることが多い。クヌギに関してはまだ芽吹きが遅いため、クヌギにやってくるヒメクロオトシブミの姿は無い。

 クリの葉上ではマルムネジョウカイが交尾していた(写真下)。本種は他の小昆虫を襲って捕食する。

 それにしても春の進行はめまぐるしい。爆発的に登場してくる昆虫たちの様子を逐一レポートしようとすると、この「昆虫ある記」も一日に少なくとも3回以上は更新アップしなければならないだろう。
 今日もアゲハがうちの庭のなかを多数飛び交い、キアゲハは吸蜜に訪れていた。
すぐ近くではカワセミのつがいが賑やかに鳴き交わしていた。薮から聞こえてくるモズのねだり鳴きは、すでに巣立ちビナのものではないかと思われる。

 (写真/E-3  シグマ105ミリマクロ)

 昨夜は子供が通う小学校でPTAの歓送迎会があって、出席した。上の子は今年から中学だが、下の子はまだあと4年間、小学校でお世話になる。新任の先生方と初めてお会いした。
 いろいろな方とお話するうちに、あるお父さんと「山の野遊び」の企画について少し盛り上がった。その方は渓流釣りが好きで昔はよくやっていたそうだが、昔と違って近年になってから川の魚層がずいぶんと変わってしまった、という。それもあって最近は釣りから遠ざかっているそうだ。
 山へ野遊びに子供たちを連れ出して自然体験させようという話のなかで、心配になるのがまず、スズメバチ。そしてもう一つがマムシということだった。マムシについてはこの辺りでは実際に数が多いそうだ(私はまだ自宅近辺でマムシに遭遇していない)。昨年、町内の一斉清掃行事の際に、最初の注意事項の説明でも「マムシには注意して下さい!」と一言あったのが印象に残っている。
 それで「咬まれる人はけっこういるのですか?」との質問をすると、「はい。私の母親も咬まれました。」という。
 その方の実家では牛を飼っており、畑で収穫した牧草を庭に運び込んで裁断機にかけていたときのこと。積み上げた干し草を肩に担ごうとして束ねていたときに手を咬まれたそうだ。マムシはいつの間にか干し草の間に紛れていたのだ。肩から上を咬まれていたら、それこそ大事になっていた可能性もある。
 ちょっと意外なケースなどで、これは侮れないなあと思った。しかしそれで思い出したのだが、マムシではないけど私の庭でも積んでいた刈草をどかそうとして束ねていたら、中からシマヘビが出て来てたまげたことがあった。やはりヘビに対して無知であり洞察力が働かないことも、びっくりする要因となるのだろう。
 庭で履く長靴はいつも玄関の外に置いてあるので、毎朝履くときには必ず中を点検するようになったのはそのシマヘビ遭遇事件以来だ。
 ムカデも多いからこれからの季節は、様々な生物環境に対して少し気を配る必要がある。恐れるのではなく、気を配るのである。そういう気配りさえ怠らなければ、いわゆる危険動物との接触事故もかなり未然に防いだり、あるいは受ける被害も最小限に留めることができるのではないかと思う。もちろん、不運が重なった結果、避けられない被害も万に一つはあるということも少しだけ覚悟しておきたい。

 昨日は草むらに座り込んで撮影していたら、いつの間にか私の手のひらの上をマダニが歩いていた。散歩から戻ると犬の体からは三日に一度はマダニを見つける。今年の春に入ってから、犬の体から飽血して風船のごとく巨大化したマダニが2回見つかったが、おそらく見落とした吸血マダニの数はもっといたはずであろう。
 昆虫写真の撮影では草むらなどに長時間寝転がったり、座り込んだりすることが多いので、こういうときは要注意。

新開 孝

スイバの花 2008/04/20
 畦道にたくさん生えているスイバには、雌株と雄株がある。
 それぞれの株が咲かせている雄花(写真上)、雌花(写真下)も最盛期となった感がある。

 スイバの花は、花といってもそれを眺める人がほとんどいないくらい、小さくて地味な存在だ。どこが花なの?どれが花なの?しかしそんなスイバの花が私はとても好きだ。

 今日はヒメウラナミジャノメ、アオバセセリ、コチャバネセセリ、アゲハ、モンキアゲハ、ツマキチョウ、モンシロチョウ、スジグロシロチョウ、キチョウ、キタテハ、テングチョウが庭の中で飛んでいた。とくにアゲハは多く見た。
 

(写真/E-3  50ミリマクロ)

 今朝は敷地の雑木林で草刈りを行なった。冬の間に刈り取ったササ類が
地下茎から芽吹き始めたので、それをすべて刈るのである。斜面で草刈り機を扱うのはたいへん苦労するが、せっかくの努力を無駄にしないためにも定期的な草刈り作業は続けなければならない。
 ササのタケノコもずいぶん出ていたが全部、刈ってしまった。「ササノコ」も茹でたり、みそ汁の具材にしたり、おいしく食べることができるが、今はそれどころではないという気持ちが強くはたらく。斜面の草刈り作業では、背負い式の草刈り機が切にほしいと思う。

 さて、草刈りを終えたあとは、庭の菜園のエンドウ豆の柵造りだ。もうずいぶん大きくなって豆のさやも少しづつ出来てきた。柵の材料はいくらでもあるから作業は捗る。私は豆ご飯が大好きだから、柵造りも鼻歌気分でこなすことができる。

 林の整備や畑仕事を終えてからは、新規に購入したシグマの105ミリマクロレンズ(フォーサーズ仕様)を使いこなすためにかなり撮影をした。なかなか良い描写で感心したが、しかし操作感や機能的には注文をつけたいことがあり、そのあたりはいづれ発売されるであろうOLYMPUS純正レンズの新レンズに期待をしたいものだ。新開 孝

阿蘇山の今日は、晴れ! 2008/04/19
 今朝は大津町のホテルで朝を迎えたが、窓から見える山にはどんよりと雲が広がっていた。昼頃には晴れてくるという天気情報だったから、ともかく早めに外輪山の撮影ポイントへ出向いた。宿からその地点までは30分程度の距離だ。

 今回も阿蘇の花のハイビジョンビデオ撮影が目的であり、とくに先週撮影できなかったハルリンドウや、花を訪れる昆虫のシーンがねらいであった。
 昨日、下見しておいたポイントにはハルリンドウの蕾みがかなりあって、それらが昼近くになると一斉に開花してくれた(写真上)。ヒトリシズカの花もいくつかあった(写真中)。

 撮影の途中、花にカメラを向ける地元の方に出会った。いろいろとお話するうちに、オキナグサの生えている場所を教えてくれた。案内してあげるとまでおっしゃってくれたが、私はまだビデオ撮影の仕事が完了してなかったので、地図で場所だけを教えてもらった。
 オキナグサは、昔は畦道などに普通に生えていたそうだが、今となってはとても信じられないような話だ。私はオキナグサは一度も見たことが無く、この花にはとても憧れていたので、どうしても見ておきたくなった。
 外輪山のミルクロードから赤水に下る途中、阿蘇山を撮影していると携帯電話が鳴った。なんと知り合いの方がすぐ近くまで来ているという。大分から来られたそのご夫婦(Iさん)とは長い付き合いであり、じつはかつてとんでもなく私がお世話にもなり、なおかついろんなことで影響を多大に授かった方々なのだが、その辺の話はまたの機会ということにしよう。

 さてオキナグサを一緒に見に行こうということで、草千里を経てその場所へと向かった。草千里のおみやげ屋では、『肥後椿』という米焼酎のワンカップを買い求めた。これはIさんのお薦めだったが、うちに帰ってから飲んでみればなるほどまことに旨い!!その褐色の焼酎にはほのかな香りがあって、ロックが合う。草千里の駐車場代410円を払ってまで買い求める自分もスゴい!

 オキナグサはとても感じの良い場所で見つかり、感激しながら撮影したのだが、場所を教わった方との約束もあり、残念ながら写真の掲載は控えることにしたい。 
 
(写真上、中/E-3 50ミリマクロ)
(写真下/リコー Caplio GX100)
 新開 孝

小学校とは? 2008/04/18
 今日は鹿児島県、霧島市のある小学校を訪れた。
先日も曽於市のある小学校の写真を紹介したが、このところ少人数の小さな小学校に興味があって、そういう場所を巡ってみている。

 一年前、宮崎県に引っ越してから、私の子供が通う小学校は全校生徒数70人あまりの小さな学校となった。そのこともあって、小学校という場を強く意識するようになったのもかもしれない。もっとも昆虫写真家の仕事としては、小学校の理科の授業にはかなり関係があって、教科書や教材などはいわゆる昆虫写真の市場でもある。あるいはNHK教育テレビ番組の理科の放送にも映像を提供しているし、自分自身が番組に登場したこともあった。つまり昆虫写真を眺めるお客さんのなかには小学生の子らが多くの割合を占める。児童書を中心に本作りをする私としては、小学生の目線になって物事を考えることも必要だと感じる。その小学生が日常の大半を過ごす学校という場は、やはり見過ごすことができない。
 
 これまで昆虫撮影のフィールド探しをする上では、神社のある場所を巡る、というのも一つのやり方だった。その理由としては神社には鎮守の森が伴うからだ。近代の日本ではその自然環境がものすごい勢いで開発され衰退してきている。そのなかで信仰の対象となる神社はかろうじて森を維持してきた。
 ところがその神社巡りはそれはそれで良いのだが、私はそれに加えて小学校に注目してみたくなった。とりわけ少人数の小学校とは、その眺めがまずのどかで気持ちがよい。なぜ気持ち良いのかは誰でもわかることだろう。
 その一方で、少人数の小学校はその地方の社会のあり方をそのまま物語ってもいる。どんな家族構成の人々たちがその集落に住んでいるのか、小学校のあり方に反映してくる。なぜ子供たちが少ないのか。小学校はそういった社会の事情を写す鏡ともなる。小学校は周辺集落の自然環境の集約的な役目を果たすこともある。なぜなら教育の場では経済至上主義の社会活動とは距離を隔てた立場で物事を捉えることができるからだ。

 私の子供たちが小学校を卒業しても、私はそうなったあとでも今の小学校と密接に関わりたいと思うようになった。その理由は先にも書いたようなことが主な理由だが、もう一つには私が昆虫と出会った体験の原点が、小学校という場にあったことと深く関わっており、その過去の記憶を辿ってみたいからでもある。小学校とは、私にとってはまさに自然を体験する恵まれた場でもあった、と思う。

 学校とはなんだろう?そこで学ぶこととはなんだろう?そんな素朴な疑問に今一度立ち戻り、考える時間を得るためには、地方の片隅にある小さな学校こそがうってつけだと思う。そういう学校は、その風景そのものに存在感がある、と思うようになった。

 霧島市の小学校に赴いたあとは、九州道を一気に北上し、阿蘇山に入った。高速道路を北上中に、霧島山を西側から眺望することができた。これは私が住んでいる三股町からとは真逆の方角となるから、ちょっと新鮮な気分だった。熊本空港の管制塔あたりからだと、その眺めも最高なんだろうなあ、と思えた。
 阿蘇に到着後は、春の植物をロケハンし、明日のビデオ撮影に備えることにした。前回撮影したキスミレ以外に、少なくともさらに3種類のスミレが花を咲かせていた。

(写真上/E-3  7−14ミリズーム)
(写真下/E-3  14−54ミリズーム) 新開 孝

キアゲハ 2008/04/17(その2)
 庭のツツジの花にキアゲハが来た。

 このツツジは小振りな花だが、種名はわからない。わが家の庭にはツツジ類が数種植えられているが、その種名がどれも判然としない。園芸品種は様々な交雑を経ていて余計にややこしいこともあるだろうけれど、ツツジ類はなんともよく判らない。

 今日、飛来したキアゲハは盛んに吸蜜を繰り返していた。天候は朝から曇っていて日射しはほとんど無かったが、わずかに薄日が射した時間帯があった。そのわずかな瞬間を見逃さないぞ!とばかりキアゲハが登場したのだ。
 キアゲハの動きはとても速く、良いカットは撮影できなかった。この少し前にはアゲハも飛来したが、そのときも証拠写真程度を一枚撮影できただけだった。

(写真/EOSキッスデジタルN EF100ミリマクロ)
新開 孝

超接写撮影 2008/04/17(その1)
 昨日、紹介したサツマシジミの卵をもう一度、撮影してみた。今回はズイコー20ミリマクロというレンズを使って、少しだけ拡大率を上げてみた。
 拡大率が飛躍的に大きくなったわけではないが、ライティングを改善して昨日の写真よりか、卵の立体感や色味を再現してみた。

(なお今回の卵は、今日あらためて野外のサンゴジュ花蕾から見つけたもの。)

 このような超接写撮影の際にはピント合わせがたいへん難しい。椅子から立ち上がるだけでもピントが逃げてしまうし、ちょっとした身じろぎも禁物。ピントを正確に合わせるには、ライブビューで拡大機能を使うと便利だが、その拡大されたリアルタイムな画像を見ていると、微細な振動や風の影響を受けるたびに被写体がグラグラ、ユラユラと不安定に動いていることがよくわかる。外の道路を車が通り過ぎるとその振動も拾ってしまう。
 ピントを合わせてからシャッターを切るまでは、まさに息を止めて体を硬直させての作業態勢を維持することになる。これはけっこう疲れる。撮影者も機械と同化しないといけないのだ。車の走行音が遠くから近づいてきたら、そこで待った!となる。じっと我慢をして車が通り過ぎるのを待って、少し間をおいてからシャッターを切るのだ。
 こうしてみると、スタジオの配置が道路に近いというのは問題である。うちは集落から離れた辺鄙な位置にはあるが、敷地に沿った道路は意外と交通量がある。とくに飼料運搬車や材木運搬車のような重量級大型車の通行がときおりあって、これはもう超接写撮影時には大地震を引き起こすのである。まあ、ほんの数秒間ではあるが。

(写真/E-3  ズイコ−20ミリマクロ+OLYMPUSオートベローズ)

 今日は写真データを出版社に送るため、三股町のクロネコ営業所に出向いた。昨日も書いたように、発送伝票に住所氏名を毎回書き込むのが面倒くさいのだが、ふと営業所を見渡せば、「クロネコメンバーズ」というパンフレットとモニター画面が目についた。そしてこの「クロネコメンバーズ」の会員になれば、伝票書きの手間暇を省けるということを初めて知った。さっそく会員申し込み書の手続きをしたのは言うまでもないが、メンバーズカードが届くまでには一ヶ月ほど掛かるとのこと。需要が多いというが、なんでだろう?と素朴に思う。まあ、ともかく急ぎ宅配の「タイムサービス」(宮崎から都内まででも航空便を使って翌日配達が可能なサービス)用伝票については私の住所氏名を入力した伝票を急遽30枚ほど作ってくれるという。
 
新開 孝

サツマシジミの卵 2008/04/16
 昨日、レンゲ畑で撮影したサツマシジミはメスであった。撮影しつつメスとわかった時点で、これは何とか採卵してみたい、と思った。
 幸いサツマシジミのメスは吸蜜に夢中であったので、そのままフィルムケースに捕獲することができた。こういうときに備えて、フィルムケースの蓋には目の細かい金属メッシュの通気口を設えており、ケース内が蒸れないようにしてある。

 うちに戻ってから、サンゴジュの花蕾の一杯ついた枝と一緒に大きめのケースにサツマシジミを移した。水分の補給に気を配り、蛍光灯で明かりと適度な温度を保持しておくと、今日になってサツマシジミのメスは産卵を始めた。

 卵は花蕾の付け根に一個づつ産み付けられているが、その直径はわずかに0.65ミリとたいへん小さい。肉眼でもわからないではないが、探すのはかなり難しい。

 サツマシジミというチョウには高校生の頃からずっと憧れていたが、その幼虫を実際に野外で見たのは、わずか4年前の大分県でのこと。卵は今日になって初めて見ることができた。

(写真/E-3  ズイコー38ミリマクロ+OLYMPUSオートベローズ)

 先週、阿蘇山での撮影中、機材撤収のさいに8ミリ魚眼レンズを迂闊にも路面に落としてしまった。そのときは何事もなかったとてっきり思い込んでいたのだが、昨日そのレンズを使ってみればフォーカスリングが重くて回りづらくなっていた。良く見るとフォーカスリングの一部がわずかに凹んでいる。
 オートフォーカスではちゃんと動くので、すぐに困ることは無いけれどマニュアルフォーカスで使えないのはやはり不便だ。代替レンズもないが、とり急ぎ宅急便で修理出しをした。
 そういえば、こちら三股町に来てからクロネコ宅急便の営業所にはずいぶんと通ってきた。これだけ頻繁に利用していれば、私の住所とネーム入りの伝票をどっさりもらえるのではないか、と期待していたがそうでもないらしい。東京の清瀬にいたころは、頼みもしないのにマンションのポストに、私の住所氏名の刻印された発送伝票が定期的に投函されていたのだが。
 ここ三股町では宅配業者間の競争があまり激烈でもなく、クロネコさんの一人勝ちなのだろうか?もっとも、配達業務の正確さ、応対の良さもクロネコさんがダントツに良いのであり、文句は無いし信頼度も高い。しかし、毎回、伝票に住所氏名を書き込むのも面倒だ。まあ、これを面倒と感じるのもIT化の弊害かもしれないが。

 
 新開 孝

レンゲ畑 2008/04/15(その3)
 鹿児島県霧島市と曽於市を回ってから三股町に戻った。
 レンゲがたいへん綺麗に咲いている田んぼを見つけたので、しばし撮影してみることにした。

 レンゲ畑の脇に立つと、ミツバチのブワーンという羽音が聞こえて来る。そのほとんどがセイヨウミツバチだ。しかし、一匹のニホンミツバチもいた。そこでカメラを取りに行って戻ってみれば、もうその姿はない。
 すると数メートル先で大きなクマバチが吸蜜していた(写真上)。クマバチはこのところわが家の庭でもさかんになわばり飛翔をしている。

 白いシジミチョウがころがるように低く飛んではレンゲの花に止まる。よく見ればサツマシジミだ(写真中)。すでに翅は擦れて傷んでいる。
 他ではイシガケチョウ、キタテハ、キチョウ、モンシロチョウ、スジグロシロチョウもレンゲに来ていた。

 あぜ道ではカキドオシの群落があった。腹這いになって撮影していると、特有の香りがしてくる(写真下)。

 (写真上/E-3 14-54ミリズーム 内蔵ストロボ)
 (写真中/E-3  50ミリマクロ+2倍テレコン)
 (写真下/E-3 8ミリ魚眼 ストロボFL-36R使用)

 新開 孝

イチョウとキャベツ畑 2008/04/15(その2)
 今日は風景写真の撮影に出掛けた。 
ほんとうは昨日のうちに出向きたかったのだが、室内撮影があってどうしても動けなかった。今日は日射しはけっこうあるが雲が多く、うちから望む霧島山も霞んで全く見えない。これは厳しいかもしれない、と思いつつも天候の変化にわずかな期待を抱いて鹿児島県霧島市へと赴いた。

 現場に到着するとやはり危惧していたように肝心の風景撮影はできる状況ではなかった。遠景が霞んでしまいどうにもならない。
 そこでロケハンをかねて曽於市方面へと回ってみた。途中、農道の交差点で信号待ちしていてふと窓の外を見ればキャベツ畑があった(写真上)。つい先日同じ場所を通過しているのだが、そのときには見落としていた。モンシロチョウがけっこう飛んでいたが、さすがに写真には写らない。

 さらに山間の道を進めばある小学校の前に出た。この学校の運動場の真ん中にはイチョウの大木がある(写真中)。校門脇にあるケヤキもかなり立派な木だ。イチョウのおかげで夏場は心地良い日陰ができるのだろう。学校の裏山から撮影したものが写真下。イチョウのすぐ右上に見えているのがケヤキ。 

 今日はどこに行っても車を降りれば、たくさんのハンミョウの姿が路上にあった。

(写真/E-3  14-54ミリズーム /鹿児島県曽於市)新開 孝

イシガケチョウ幼虫、ふたたび 2008/04/15(その1)
 鹿児島県、霧島市隼人町に立ち寄ったついでに道沿いに生えていたイヌビワを見てみた。

 するとイシガケチョウの1令や2令幼虫の食痕や糞塔がいくつも見つかったが、どれにも幼虫の姿がない。どうやら天敵に捕食されたようだ。一匹だけ死骸があったが、それは3令幼虫だった。
 卵から無事ふ化できたイシガケチョウも、成虫にまで生き延びることができる数はきわめて少ないようだ。

 しつこく同じイヌビワの木を探してみたら、なんとすでに4令にまで育った幼虫が見つかった(写真)。

(写真/E-3  35ミリマクロ+1.4倍テレコン)新開 孝

イシガケチョウの初令幼虫 2008/04/14
 先日、ふ化したイシガケチョウの幼虫は、イヌビワの若葉の先端に落ち着いている(写真上/1令幼虫)。
 一番にふ化した幼虫はすでに2令となった。その頭部はまるでアトムのようだ。彼らはイヌビワの葉先をかじり食べ、主脈を残す。そしてその先端部には自分の糞を積み重ねて糞塔をこしらえる。

 幼虫は休むときには糞塔を大事そうに抱えてじっと静止している。いったいそれには、どんな意味があるのだろうか?

(写真/E-3  35ミリマクロ+1.4倍テレコン)
 新開 孝

モンシロチョウのねぐら 2008/04/13(その2)
 今朝はあぜ道のスイバでまだ休んでいるモンシロチョウを見つけた(写真上)。
 スイバはどの株も花茎が高く伸長しているが、写真のは雌株の花穂でありすでに若い果実が多数ついている。
 今日は小雨も振り続け、気温もあまり上がらないので、写真のモンシロチョウもこのまま一日中静かにしているしかないようだ。
 このように朝や夕方、谷津田を歩けばモンシロチョウがねぐらについている様子があちこちで見られる。モンシロチョウはたいへん目立つから、この辺りのチョウのなかでは今の時期、一番数が多いのではないかと感じる。しかし実際にもっとも数の多いチョウは小型のベニシジミの方かもしれない。ベニシジミも草の上で眠っている姿をよく見かけるが、モンシロチョウほどには目立たない。

 さて犬の散歩の途中、左手の薮から目の前にコジュケイが飛び出してきた。さっそく追いかけようとするわが犬を押さえつけ、慌てて逃げようとするコジュケイの姿を見届けようと思った。
 するとコジュケイは道の右手の薄暗い生け垣へと突進していった。なるほど薮の中が安心、というわけだ。日頃、コジュケイが生息の場としているのは薄暗い林床だ。ガサゴソ、薮を歩く音を聞くことはよくあるが、数の割にあまり姿をしっかりと見る機会は少ない。

 ところが右手の生け垣は公民館のフェンス越しにある(写真下)。どうするかと思ったら、コジュケイはそのままフェンスに派手に激突してしまった。かなり痛い思いをしたのではないか、と心配になるほどだったが、一旦地面に落ちてからすぐに立ち直って今度は左手の大きな林を目指して飛び去っていった。

 写真で見るようにフェンスは人の目でははっきりと認識できる。しかしコジュケイにとっては、その粗いフェンスも「かすみ網」と同様、目に入らなかったようである。

(写真/EOSキッスデジタルN EF15ミリ魚眼)新開 孝
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