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キョウチクトウスズメ蛹、ふたたび 2008/11/08
 キョウチクトウスズメ蛹の翅部分に紋様が浮かび上がってきた。
黒色ではあるが迷彩紋様の特徴がわかる。

 この蛹は、蛹になってからすでに3週間ほど経っている。頭部に透けて見える眼といい、羽化はもう明日、明後日ころに迫っていることは間違いないだろう。

 (写真/E-3  ズイコーデジタル35ミリマクロ+1.4倍テレコン) 

 新開 孝

2008/11/07(その1)
 今日は天気情報によれば、雨のはず。

 しかし、朝から妙に生暖かく、そして陽射しも強い晴れ日となった。朝起きたときは長袖シャツにしてみたが、庭の作業を終えるころにはTシャツ一枚になった。

 あまりに青空がまぶしいので午前中だけ少しの時間、出掛けてみた。雨なら室内作業に没頭する予定だったのだが。
 出向いた場所は「関尾之滝」。ここは我が家からほぼ真西に位置しており、都城市の盆地を縦断する経路を約30分車で走る。

 「関尾之滝」は去年の12月にも、ウスタビガのメスを撮影したことで紹介した。ウスタビガの繭はいくつか見つかったので、今年も同じ木で発生した可能性も高い。しかし、昨年と同じ場所でウスタビガの繭は見つからなかった。
 田んぼをつき抜ける歩道にはハンミョウが多く、ときおりトノサマバッタも跳ねる。ムラサキツバメのオスが日光浴していた。オスの紫は鈍い色で、メスの強く輝くような派手さが無い。

 「関尾之滝」もついでに覗いてみれば、虹が出ていた(写真上/中)。
ここは有名な観光地なので、滝のすぐ下流にはこのような(写真下)吊り橋があって、この橋から滝を正面に見る事が出来る。

(写真/E-3  ズイコーデジタル14−54ミリズーム)

 ほぼ一ヶ月前から準備していたある昆虫の生態を、ようやく今日になって撮影できた。これはビデオの仕事。
 一ヶ月以内には撮影できるだろうと思っていたが、気温が低かったり天候も崩れたりしてのびのびになっていた。つまりここ一ヶ月の間は、この撮影のことが気になっていろいろと他の仕事にも支障を生じてきた。
 昆虫の生態撮影というのは、おおよその予定はたつものの、実際の撮影ができるまでには予測不可能な要素が多く、いつになったら撮影できると断言することは極めて難しい。

 そのような様子をはたで見ているぶんには、とても仕事をしている姿には映らないようで、過去にもこのことが原因で夫婦喧嘩の種にもなったりした。例えば夏休みの休暇スケジュールなどせっつかれても、ぼくに到底決めようがない、という状況が多かった。ま、今になってもその状況にはあまり変わりないけれど。

 「関尾之滝」を撮影しながら、今日の気象条件ならイケル!と思えた。そこで急いでうちに引き返し、撮影準備を整えたのであった。

新開 孝

撮影現場で慌てる前に 2008/11/07(その2)
 OLYMPUS Eシステムの現行カメラでは、内蔵ストロボと外部ストロボを組み合わせたワイヤレスRCフラッシュシステムが使えるので便利だ。

 このRCモードでは、内蔵ストロボは外部ストロボへの通信用として使われ、通常の発光機能はない。ただし近接撮影ではこの内蔵ストロボの光も若干影響してくることがあるので、注意したい。通信用とはいえ、発光することに変わりはない。通常は外部ストロボの光量の方が大きいので相殺されて気にならないだけだ。

 今日は野外でE-3を使って撮影中、内蔵ストロボの発光をマニュアルで操作しようとしたら、マニュアルモードが選択できなくなっていた。ありゃ、故障か!?と一瞬焦ったが、車に戻ってから冷静になってみると、うちを出る前にRCモードを使ったことを思い出した。
 背面モニターのインフォメーションをよ〜く見れば、「RC」という文字が出ている(写真上/矢印の先)。うん!?だが、これはちょっと気付きにくい表示だ。RCモードでは、ストロボの機能が制限されるのだから、もっと目立つように注意勧告してもいいのではないか。そして、その表示場所もストロボの雷マークのセクションに据えるべきではないか、と思えた。

 E-3は昨年購入してからもう少しで1年が経つ。いろいろ問題点もあるが、このカメラボディの感触がぼくの手に馴染んできた。この1年間、よく働いてくれたと思う。

新開 孝

アカギカメムシ 2008/11/06
 谷間の道を奥に進む。いったいどこまで行けるのか?

 不安もよぎる。車体の底からときおり、ゴリ!ガリ!!と不気味な音が、、、。
照葉樹林の森が深い谷間に続く。もうここで止めておこう。ここから先は歩こうと決めた。車から降りて少し歩いた先の橋で、車はそれ以上走行不可能とわかった。ぼくの判断は正しかった。しかし、道はまだまだ奥へと続いている。

 さて、その橋から見える大きなアカメガシワの梢には、アカギカメムシの小集団が点々とあった。なるほど、こんな奥深い谷間に集まっていたのか。これではなかなか目にも触れないわけだ。
 しかし、集団のついている梢まで橋からは遠く、近寄ることがきでない。望遠レンズで覗いてみれば、交尾している番がいくつかいる。
 アカメガシワはこれから寒さが厳しくなっていくにつれ、いづれ葉を落とす。そうなれば、この集団も解散していくか、別のあらたな集合場所へと移動するしかない。アカメガシワは、アカギカメムシにとっての餌となる木であり、そこで卵から成虫に羽化するまでを過ごす場所でもある。したがって、落葉してからのアカメガシワはもうアカギカメムシにとっては、ほとんど意味のない存在になるだろう。

 オオキンカメムシは、ホストのアブラギリを離れ、秋から冬にかけて南へと移動しそこで常緑樹の木陰で越冬集団を形成する。
 アカギカメムシもオオキンカメムシと同じように、常緑樹の葉裏に集まって越冬するようだが、その場所はいったいどこにあるのだろうか?

 この冬、その越冬集団を見つけてみたい。

(写真/E-3  ズイコーデジタル50−200ミリズーム+2倍テレコン)

 新開 孝

ナシイラガの繭 2008/11/05(その1)
 昨日、「めがね橋」近くで見つけたナシイラガ幼虫は、今朝になって繭を完成させていた。

 茶色の液体で繭糸は染まり、固くなっていた。同じ仲間のイラガの繭では、茶色と白色の2色の液体が使われ、繭の紋様には変化が多い。それに比べるとナシイラガの繭は地味で目立たない。

 イラガはあの特徴ある紋様の繭のおかげで知名度がすこぶる高い。虫の冬越しというようなテーマがあれば、そこには必ず登場する。拙著『いのちのカプセルーまゆ』(ポプラ社/2008年)でも取り上げた。
 一方、ナシイラガは繭のことで注目されることはまず無い。ナシイラガの繭が児童書で扱われたことはおそらく皆無だろう。しかし、繭は地味だけど幼虫の姿はなかなか主張があって、ぼくなどは魅力的に感じる。

 ナシイラガ幼虫の写真を見開きページで取り上げたりしたのは、昆虫写真家の中でもぼく一人くらいではないか、と思う(『虫のこどもたち』福音館書店/2007年)。ともかく、ぼくはナシイラガの幼虫が、好きなのだ。食べてしまいたいほど大好きだが、口に入れたりしたら激烈な痛みに襲われることくらいは知っている。

 ナシイラガ幼虫は梨にもつくそうだ。だからか、こんな名前なのだろう。しかし、梨以外のいろんな木でこの幼虫は見つかるから、梨にこだわることはない。

(写真/E-3  ズイコーデジタル35ミリマクロ+1.4倍テレコン)新開 孝

今朝の餌食とは 2008/11/05(その2)
 昨日の朝は、クロコノマチョウがジョロウグモの網にかかっていた。

 今朝は玄関先の網に、このところ大発生しているキオビエダシャクがかかって、もがいていた。つまり、網にかかってすぐの場面だったのだ。
 キオビエダシャクが玄関先の網にかかったのは、これで2度目。しかもまったく同じ場所。

 キオビエダシャクがジョロウグモの網に触れても、翅の鱗粉のおかげでからくも脱出できたのを目撃している。蝶や蛾が、そうやってクモの巣網に捕まる危機を回避できる場合もけっこうあるようだ。そういえば、昨日の夕方、ミヤマアカネの翅にもクモの糸がたくさんくっついていたのを見ている。

 花で待ち伏せしていたアズチグモに、一旦は捕まったツマグロヒョウモンがもがいてもがいて、空中へと逃げ出す瞬間を今日の昼間に見た。これは糸とは関係ないが、クモも狩りに失敗することもある。

 自然界には、クモの巣網がいたる所にあり、なおかつ切れ網や流れ糸なども、あちこちに絡んでいる。どこでその糸に絡まれても不思議ではない。クモは網を張らなくても、歩くときにはかならず糸を出しているからでもある。 

(写真/E-3  ズイコーデジタル50ミリマクロ)新開 孝

ナシイラガ幼虫 2008/11/04(その3)
 宅急便を出しに街中へ出たので、その帰りに沖水川に掛かる「めがね橋」に立ち寄ってみた。
 今朝は霧が出ていて、だから「めがね橋」の写真も面白い絵になるかなと期待してみた。車道からガードレールを跨いで、急斜面を下ると川岸に立つことができる。滑り易い渓流石を岸辺まで歩めば、そこが「めがね橋」を上流から眺める撮影ポイントだ。

 急斜面を慎重に降りているとき、地面ギリギリにナシイラガ幼虫の姿が目に入った。成熟してかなり大きい。とまっていた葉っぱは、ムクノキの実生だと思う。

 「めがね橋」の写真はたいした絵柄にはならなかったが、ナシイラガ幼虫を持ち帰って撮影してみた。
 
  幼虫の頭部は写真画面の右側。頭部は体に埋もれるように隠れている。
イラガ類特有の大きな突起は、本来なら赤い色をしているが、それが薄くなっている。おそらく繭作りが近いのだろう、そう思っていたら、やはり夜になってから葉っぱの間に納まって繭作りを始めた。

(写真/E-3  ズイコーデジタル50ミリマクロ)

 新開 孝

眼玉模様 2008/11/04(その1)
 朝食をとっていたときのこと。
 ふと窓を見上げれば、ガラスの向こうからうらめしげな視線と目が合った。

 ジョロウグモの餌食となっていたのは、クロコノマチョウだった。
 前翅の表にある大きな眼玉模様は、少女漫画の主人公みたいだが、普段はほとんど見ることができない。止まっているときには翅を滅多に開かないからだ。

 林の縁には数日前から熟した柿をいくつか置いてある。居間から目の届く場所であり、毎日眺めているうちにクロコノマチョウが集まってくるようになった。

 クロコノマチョウは主に薄暗い林内で過ごしているが、ときおり家の庭などにも彷徨ってくることがある。フワリ、フワリと特有の飛び方で家壁を伝うようにして舞う。朝や夕方の薄暗い時間帯にそれが多い。そういうときにクモの巣にかかってしまうようだ。

 今日になってクロコノマチョウの餌台から柿がぜんぶ無くなっていた。どうやらカラスの仕業のようだ。

(写真上/E-3  ズイコーデジタル50ミりマクロ+ストロボFL36R、RCモード使用)
(写真下/E-520 シグマ105ミリマクロ)
 新開 孝

赤色 2008/11/03(散歩写真)
 ハゼノキの紅葉、そしてサルトリイバラの実。

 散歩道にあちこち、色が見つかる。
  葉っぱや実の色が、赤く染まっていくメカニズムを詳しく聞いたとしても、やはり不思議なことに変わりはない。





 (写真/E-520  ズイコーデジタル14−54ミリズーム)新開 孝

クチブトカメムシの狩り 2008/11/03
 葉っぱの裏側に足場を構え、食事中のテングイラガ幼虫。

 そして、葉上には獲物を探索中のクチブトカメムシ。

 クチブトカメムシは触角と口吻を伸ばしており、すでにテングイラガ幼虫の存在には気付いているようだった。幼虫は脱糞もしているので、そこいらじゅうに自分の匂いをまき散らしているようなものだろう。

 しかし、クチブトカメムシは葉っぱの上に何度も口吻を突き立てていた。獲物を捕捉しておきながらも、葉裏に潜んでいることに気付くまでかなりの時間が掛かってしまった。

 口吻を突き刺されたテングイラガ幼虫は、しばらくして足場を失い宙づりになった。どうやらクチブトカメムシの唾液毒にしびれてしまったのではないだろうか。

(写真/E-3   ズイコーデジタル35ミリマクロ+1.4倍テレコン)新開 孝

グレバの魅力 2008/11/02
 林の中で佇んでいると、何とも言えない芳香を感じた。
 そこでさっそく、クンクンと匂いをたどってみた。

 匂いの元はすぐにわかった。林床に生えたスッポンタケだ。
 高さ15センチ以上もあるキノコだ。筆の先っちょのような部分がテラテラと濡れて光っている。これが「グレバ」だ。

 グレバは胞子汁。たっぷりと胞子を含んだ粘っこい液体だ。

 キノコの図鑑などでは、グレバは悪臭を放つと書いてある。大方の人にとってはそうなのかもしれない。しかし、ぼくには良い香りなのだ。林のなかでグレバの匂いを嗅ぐと気持ちが穏やかになるから不思議だ。カメムシの匂いも好きだから、ぼくのようなのは変人なのかもしれないが、世の中にこういった変人は意外と多いものだ。

 グレバがたまらなく香ばしいのは、ぼくだけではない。
 大きなベッコウバエ(写真下)や小さなショウジョウバエ類がたくさん集まっていた。これらのハエ類は、ペタペタとグレバのご馳走をしきりに嘗めている。撮影中は薄暗くて気付かなかったが、あとで写真を見てみると、小さなアリなどもけっこうたかっていた。
 スッポンタケはグレバの強烈な匂いでハエ達を呼び寄せ、胞子の拡散に利用しようという筋書きらしい。

 スッポンタケの柄を持って引っ張ってみると、何の抵抗もなくそれこそスッポンと抜けてしまった。柄の下部がこのように先細りになっているとは初めて知った。熟成するとこのように菌根部から離脱するのだろうか。
 スッポンタケはグレバをよく荒い落としてから、中華スープにして食べられる。

 このスッポンタケはうちの林に生えていたのだが、もっとたくさん見つかるようなら試食してみたい。前に野生キノコは食べないようにしていると、書いたがグレバの魅力に取り憑かれたのかもしれない。

(写真上、中/E-520  ズイコーデジタル14−54ミリズーム)
(写真下/E-3     ズイコーデジタル50ミリマクロ)

 
 新開 孝

その後のキョウチクトウスズメ 2008/11/01(その1)
 10月23日に紹介したキョウチクトウスズメの蛹。

 今朝になって、その蛹の頭部に黒く眼が透けて見えていた。数日中には羽化するものと思われる。
 
 一方、もう一匹の蛹は体をつまむと崩れてしまった。外見上は異常ないように見えたが、じつは体内はドロドロに腐っていた。つまり死んでいたのである。寄生バエの幼虫や蛹の姿もなかった。

 キョウチクトウスズメの成虫がこれから羽化したとしても、冬を乗り切れるのであろうか?成虫越冬できるとは考えにくいのだが、タテハモドキもいまや成虫越冬するようになっているわけだから、この先どうなるものやら。

(写真/E-3  ズイコーデジタル50ミリマクロ+ストロボFL36R使用)新開 孝

JR日豊本線 2008/11/01(その2)
昨日までに返却しなければならなかったDVDビデオ。うっかり返却し忘れたので、今朝はレンタルビデオ店の営業開始前までに返却ポストへ放り込みに出掛けた。

 その帰り道。JR日豊本線の電車がちょうど鉄橋を通過するところだった。三股町を流れる沖水川の橋に車を止めてわざわざ撮影してみた。
 1時間に一本の上り宮崎方面行き。鉄橋を渡りきってすぐに短いトンネルがあり、その先に無人駅「餅原駅」となる。餅原駅はうちの最寄り駅だ。もっとも、手前の三股駅も次の山之口駅も、さらに次の青井岳駅も、そして沓掛駅も、みな無人駅である。

 橋から上流を眺めてみれば、鰐塚山地の山並みと三股町の田園地帯が朝の陽射しに白く輝いていた。

  
(写真/E-520 ズイコーデジタル14−54ミリズーム)
新開 孝

雨の一日 2008/10/31
 毎朝、庭での力仕事を1時間ほどやってから仕事に取り掛かる。庭や林でやるべき作業はいくらでもあって、ともかく余裕がないときは別だが、1時間ていどは何も考えずにただひたすら体を動かす。

 今日は一日のほとんどを室内作業にあてたが、雨にもなったのでちょうど良かった。

 数日前に撮影したサルトリイバラの実は、いっそう赤味が増してきた。

(写真上/E-520  ズイコーデジタル50−200ミリズーム)
(写真下/E-3    ズイコーデジタル50ミリマクロ)

 新開 孝
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