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朝の満月 2007/10/27(その3)
 午前6時半頃、仕事部屋の窓から満月が見えた。

 霧島山のシルエットもしだいに浮き上がっていく。

 妙に生暖かい朝だ。


(写真上/EOS-5D  15ミリ水平魚眼)
(写真中/EOS-5D  400ミリレンズで撮影、トリミング)
(写真下/EOS-5D  シグマ50ミリマクロ)新開 孝

ヒロヘリアオイラガ幼虫 2007/10/27(その2)
 イラガ類の刺に触れて、痛い思いをした経験が私には無い。これはちとマズいかなとも思うが、だからと言って自分でその痛みを体験してみようという勇気もない。

 今日は庭のユズリハの葉を喰うヒロヘリアオイラガ幼虫を見つけた(写真上)。その体はどこを見ても痛そうな刺に満ちているが、色彩や体表面の構造は拡大して見ると、いかにも美しい。

 ヒロヘリアオイラガの頭は、厚い肉ひだに隠れており、その肉ひだの下に頭部を隠したまま、葉っぱを暴食する(写真中)。肉ひだには見せかけの眼状模様まである。

 ほんものの頭部は滅多に現さないが、脅かされて歩くときには、こうして頭部を丸出しにする(写真下)。

(写真/E-500   35ミリマクロ+1.4倍テレコン)

新開 孝

ある昆虫の死 2007/10/27(その1)
 飼い犬の散歩は、平日の朝は嫁さん、夕方は私と、そういう習慣に落ち着いてきた。しかし、土日や祝祭日などの休日の朝には私が犬の散歩に出る。

 散歩コースは日替わりだが、今朝はうちの下に広がる谷戸を一巡するコースにしてみた。

 水田脇の用水路のコンクリート枡を覗き込んでみると、そこにシブイロカヤキリモドキの死骸があった。この枡では、春にある種の幼魚をメダカと勘違いして掬った場所でもある。その幼魚はわが家の水槽で少し成長して元気に泳いでいる。

 さて、最初に目に入ったシブイロカヤキリモドキの死骸は長い産卵管を有したメスであったが、その背面にはもう一匹のシブイロカヤキリモドキが並んでいることに気付いた。水面の反射で2匹目のほうは見えづらかったのだ。

 よく見れば、あとで気付いた個体はオスである。

 シブイロカヤキリモドキの雌雄が、それもくっつくようにして水面に漂う光景に、私はしばし犬を制してそこに留まったのであった。いったいこのシブイロカヤキリモドキたちに何があったのだろうか?

 じつは昨日、今日と立て続けに犬の散歩コースでアオダイショウの幼蛇の死骸を2匹見ている。それらの死骸のあった状況からいろいろ想像してみるに、どうも死因がよくわからないのであった。蛇と見ればすぐにも殺してしまう人も世の中には多いけれど、そういう気配を感じないのであった。不思議なのは2匹ともに外傷が全く見当たらないことだ。

 例えば猛禽類に襲われて、一旦は空中に持ち去られようとしたときに、なんらかのアクシデントがあって地上に落とされた、そんなことでもあったのだろうか?蛇の生態については、まったく無知に過ぎない。

 さて、シブイロカヤキリモドキの死骸に話を戻すと、彼らはもしかしたら交尾中に何らかの天敵に襲われたのかもしれない、とも想像できる。ところがそのときに思わぬアクシデントが生じて、一旦は獲物となってしまった彼らが水路に落下したとか、、、。それではアオダイショウと同じ想像の範疇になってしまうが、、、。

新開 孝

アシダカグモの髑髏(どくろ)マーク 2007/10/26(その2)
 アシダカグモはわが家にたくさん棲んでいて、その姿を見かけない日がないくらいだ。私としては、アシダカグモがクロゴキブリを捕らえたシーンを撮影したいと思っているが、なかなかチャンスが巡ってこない。

 さて、今日見かけたアシダカグモは、頭部背面に髑髏マークがあってちょっと驚いた。アシダカグモにこのような紋様があっただろうか?
 図鑑で調べてみると、オスにはこういう紋様があることがわかった。これまで出会ってきたアシダカグモはみんなメスだったようだ。メスには髑髏マークはない。

 アシダカグモは人の生活に馴染みのあるクモだが、こんな当たり前のことすら見落としていたようだ。それともオスに遭遇する機会が少ないという事情でもあるのだろうか?

 身近な生き物と言っても、こだわってみればいくらでも謎が次々と湧いて出てくる。

(写真/E-330  35ミリマクロ+1.4倍テレコン)新開 孝

カバマダラとトウワタ 2007/10/26(その1)
 先日、近所のお庭でトウワタとカバマダラの成虫を見つけたことを紹介した(10/21)

 そこで後日、お庭の持主の方を訪れ、わけを話したらトウワタの種子をたくさんいただくことができた。しかもトウワタの株まで譲っていただき、その株には卵と幼虫までついていた。
 今の時期は卵が多く、幼虫はまだ2匹しか見つかっていない。

 幼虫は胴部に3対の突起があって、いかにも毒々しい色彩紋様を着飾っている。葉っぱよりか果実の部分を好んで食べるようだ。もちろん葉っぱも食べる。
 トウワタは西インド諸島原産のガガイモ科の多年生草本。花は鮮やかで人気が高いようだ。江戸時代に観賞用として国内に導入されたそうだ。
 わけてもらったトウワタは、もともと水揚げが悪い。地植えした株がうまく育つかどうかキワドい様子だ。新開 孝

ハキリバチの幼虫 2007/10/25(その2)
 先日、ハキリバチの一種のメスが竹筒内に出入りしていることを紹介した(10/4など)
それから3週間たったが、竹筒の中の様子を見てみた。

 一つの竹筒は比較的最近、営巣したものだろう、入り口近くの育児室にはまだ卵があった(写真上)。育児室の側壁の葉っぱもまだそれほど萎れてはいない。
オレンジ色の塊は、花粉と花蜜を混ぜ合わせた餌である。まさにジャムのようで、いかにもおいしそうに見える。奥の方の部屋では小さな幼虫がふ化していた。

 さらに別の竹筒の育児室では、すでに幼虫が大きく成長していた(写真中)。
 この竹筒はだいぶ前に営巣したもので育児室の側壁の葉は褐色に変色し、萎れていた。同じ竹筒の奥の方の育児室内では繭が紡がれており、でっぷりと太った幼虫が窮屈そうに納まっていた。

 本種は、繭のなかで前蛹というステージのままで冬を越すものと思われる。


(EOS-5D  65ミリマクロ)新開 孝

モンシロチョウの羽化 2007/10/25(その1)
 モンシロチョウは年に数回は発生し、その回数は南に行く程多くなる。

 しかし、とりわけ西日本一帯では真夏に夏枯れ状態が生じ、成虫の姿がかなり減ってしまう。春から梅雨にかけて多くいたモンシロチョウがパッタリと姿を消すのである。
 ところが、今頃の時期になると、再び成虫の姿が増え始める。

 この宮崎でも今月に入ってからしだいにモンシロチョウの姿が増えたのがよくわかる。キタテハのねぐら探しをしていても、同時にモンシロチョウの寝姿もよく見かけるようになる。

 今朝は、うちの畑のブロッコリーの葉裏で羽化するモンシロチョウを撮影してみた。蛹を見つけたのは10月16日(写真上)のこと。

 羽化時刻は、午前7時24分頃。
 ブロッコリーは嫁さんが苗を2株買ってきて植えたものだが、すぐにモンシロチョウが産卵に来ていた。まあ、モンシロチョウの幼虫くらいは大目に見てよ、ということで、今日の羽化撮影もできたわけだ。

(写真/EOS-5D  100ミリマクロ)

 新開 孝

ヒメクダマキモドキ 2007/10/24
 庭のヤシャブシでヒメクダマキモドキの雌雄を見つけた(写真上/オス、写真下/メス)。

 ヒメクダマキモドキは林の梢に多く、昼間でもよく飛んで移動する姿を見る。

 図鑑によると本種は雌雄共に発音して交信するそうだ。その雌雄の鳴き声は混じり合って『ジプチッ』と聞こえるそうだ。『ジ』がオスで、『プチッ』はメスということだ。これまで、そういった鳴き声を聞き分けてないのが少し残念だ。

 本種は房総半島以南に分布するとあるが、暖地性の昆虫で近畿から南の地方に主に生息する。大阪あたりでは都市公園に進出しているそうだ。

新開 孝

アケボノソウ 2007/10/23(その3)
 この花を前に見たのは、20年以上も昔の様な気がする。

 しかし久しぶりに出会っても、この花の名前だけははっきりと憶えていた。
アケボノソウの花はそれだけ印象的な姿をしており、似た様な花は他にないからだろう。

 今日は昨日、ツチトリモチを撮影した林のさらに奥の林道と別の険しい林道などをロケハンしてみた。
 渓流沿いや山腹にはまだまだ濃い照葉樹林が残されていて、フィールド探索範囲は思いのほか広く、深い。

 撮影地/都城市、三十山林道

(写真上、中/E-330 50ミリマクロ)
(写真下/E-300  8ミリ魚眼)新開 孝

ザトウムシの一種 2007/10/23(その2)
 体から脚が生えているというよりか、体が脚についたおまけと見えるのがザトウムシ類の特徴とも言える。それだけ体に比して脚が長い。

 小さな体が大きなクレーン車数台の先端にぶら下がっているかのようだ。

 彼らは林の掃除屋とも呼ばれるように、小さな昆虫の死骸などを食べて暮らす。

 それにしても、異様に細長い脚は、まるで体を取り囲むガードマンのようにも感じられる。脚にはそれなりの感覚器官が備わっているのだろうか?その長い脚は昆虫の触角にも似通っている。

(写真/E-330   35ミリマクロ+1.4倍テレコン)新開 孝

ホソミイトトンボ 2007/10/23(その1)
 三十山林道の木漏れ日が射す場所では、小さなホソミイトトンボが多数、見られた。

 ホソミイトトンボは夏場は水色をしているが、冬の間は写真のような地味な体色となり、成虫で越冬する。

(写真/E-330 35ミリマクロ+1.4倍テレコン)
新開 孝

ツチトリモチ、ふたたび 2007/10/22(その3)
 今日は初めてのフィールドに入ってみた。照葉樹林の林内を歩けるフィールドである。先日、この場所の入り口まではロケハンしてあったのだが、今日は朝から念入りに道の様子などを調べてみた。

 宮崎に引っ越してから半年。まだ自分のフィールドという確たる感触を得る場所に出会うには、時間があまりにも足りない。しかし、今日の場所はしばらく通ってみたいと思えるほど魅力を感じた。

 そして1時間ほどウロウロと道探しに費やしたあと、「ああ、ここならなあ!」と思える林に踏み込んで5分。そこではツチトリモチの赤い頭が数個、落ち葉の間に見えていた(写真上)。

 どうやらこのツチトリモチを齧る生き物がいるようで、それはナメクジあたりではないかと想像しているが、齧られた痕は黒く変色している(写真上)。

 今日は丁寧に根元を掘ってみた。ツチトリモチを傷つけぬよう、化石の発掘みたいに時間をかけて掘ってみた(写真中)。
 ツチトリモチは寄生植物だから、それが地下で木の根に寄生している様子などをどうしても撮影しておく必要がある。私はある生き物がこうして生活していますよ、という説明的な写真にこだわる。見たままのあるがままの美しさだけではなく、その裏側の生活事情を覗きたいのであり、それをできるだけわかり易く写真で表現したいのである。

 宿主の木の根についた小さな根茎も見つかった(写真下)。このショウガのような塊がやがて太って大きくなり、その瘤一つ一つからツチトリモチの花株が地表へと伸びていくのだろう。

新開 孝

キタテハの顔 2007/10/22(その2)
 毎朝ねぐらの虫を観察しているので、キタテハの顔のアップも条件さえ合えば撮影できる。
 沖縄在住の昆虫/動物写真家の湊さんが『南島漂流記』でルリタテハの複眼のアップを撮影されていたので、というわけでもないが、私もキタテハの複眼毛を撮影してみた。

 タテハ類の複眼毛は昔、樹液を吸っていたヒカゲチョウの撮影をした際に気付いたことがあったが、それ以来あまり気に掛けてなかった。

 こうして見るとチョウの体はずいぶんと毛深いものだ。複眼毛はともかく、モンシロチョウでもアゲハでも、体を仔細に拡大してみるとみんな毛深い。芋虫と言われるものたちも、じつはツルンツルンではなく、細かい毛が無数に生えており、毛虫と芋虫を分けるのは、あまりにも大雑把なやり方でしかないことがわかる。
 
(写真/E-330  35ミリマクロ+1.4倍テレコン)新開 孝

ジガバチの一種のねぐら 2007/10/22(その1)
 昨晩、ススキの葉にねぐらを定めたジガバチの一種を見つけた(写真上/昨日、午後5時40分ころ撮影)。まだ大アゴで葉を噛んでいないから、深い眠りには入っていなかったのだろう。

 そして今朝、夜露の水滴を体一面にまとった同じ個体を見てみた(写真中/午前7時)。大アゴで体をしっかり固定したまま、まだ目覚めてはいないようだった。

 午前8時すぎ、朝陽を浴びてようやく目覚めたようで、太陽の方向に背を向けて体を暖めている(写真下)。

 (写真/E-330  50ミリマクロ)新開 孝
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