| ドングリとコナラシギゾウムシ 2007/09/23 | | 前にも紹介したコナラシギゾウムシの産卵行動。その時点ではコナラシギゾウムシかどうか定かではないと書いたが、先日、写真だけで専門家の方に問い合わせたところ、まずコナラシギゾウムシで間違いない、とのことだった。しかし、いづれにせよ標本を送ってあらためて同定していただくことになっている。
さて、ドングリを利用する昆虫は数多くいて、ドングリ拾いをすればいやでもそのことに気付くはずだ。 ドングリを利用する昆虫のなかでも今回のシギゾウムシ類やチョッキリ類など、その詳しい生態となると、まだよくわかっていない。実際、生態に関する文献を探してもあまり多くは見当たらない。
偕成社の、「わたしの研究」というシリーズの中の、『どんぐりの穴のひみつ』(高橋芳恵、著)という本は、まさにこのシギゾウムシやチョッキリなどの生態観察を綴っている好著だ。著者は主婦の方だが、熱心な観察を長年に渡って継続し、ひとつひとつ謎解きに取り組んで行く。 本書では、シギゾウムシの正確な種同定まで至っていないが、「まずは観察でわかることを続け、自分でできるところまでやってみたい、、、」とあとがきでも書いているように、その探究心には頭が下がる思いだ。
またドングリの内部に形成される虫こぶ(虫えい)のことも、本書で初めて知って驚いた。
昆虫のふしぎに興味を抱くのはそれほど難しいことではないが、それを長年に渡って追求し続け、好奇心を持続できることはたいへんなことだ。
このところ自分は仕事の撮影ばかり優先して、昆虫のふしぎに迫るような観察を怠ってきた。少し反省したいと思う。
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