| シリアゲコバチの幼虫、卵(その2) 2007/09/29 | | ハキリバチの一種の幼虫室内を全部、開けてみた。重なり合った葉巻を外側から丁寧に剥いていくと、最後に繭外壁に固く巻き付いた葉だけが残る(写真上)。
中の幼虫を傷つけないように注意深く繭外壁を解剖バサミで切り開くと、すでに成熟しきったハキリバチの幼虫が現れる(写真中)。
竹筒内には、幼虫室が全部で6個入っていた。つまりシリアゲコバチがたくさん産卵しても、おそらく6匹の幼虫しか育ち得ないのだ。
で、6個の幼虫室の繭のうち、ただ一個だけで、そのシリアゲコバチ幼虫が見出された(写真下)。シリアゲコバチ幼虫の体長はすでに3ミリはある。ハキリバチ幼虫はまだ生きているが、動きは鈍く体が少し縮んでいるようだ。
(その1)で書いたように、幼虫室(繭)2個ではシリアゲコバチの卵の殻だけは見つかっている。しかし、肝心のシリアゲコバチ幼虫の姿がいくら探しても見つからないのだ。そして、シリアゲコバチ幼虫が入っていた繭内では、その卵のふ化殻がこれまた見つからない。
このことから、いろいろと推察できるが、今のところは現状を冷静に観察するに留めておこう。
今回、シリアゲコバチの卵に関する情報は、岩田久仁雄著『新・昆虫記』を参照することができた。ヘチマ型の卵が、繭内の前蛹の体表面に産卵されるという、その記載文を読んだおかげで、無駄な遠回りをしないで済んだ。
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