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クヌギの樹液と昆虫 2007/07/15
 以前にうちの林のアカメガシワ樹液に、ヒラタクワガタをはじめ、さまざまな昆虫や他の生き物たちが集まってきたことを何回かに渡って紹介した。

 ところが2週間ほど前から、このアカメガシワの樹液は出が悪くなったのか、ほとんど昆虫たちが寄り付かなくなった。そして、それと入れ替わるようにしてアカメガシワの奥にある大きなクヌギ樹液が出始め、そこに新たな昆虫酒場がオープンしていた。

 その中でも私が嬉しかったのは、スミナガシの登場であった(写真上/カブトムシ♂、カナブンなどもいる)。ゴマダラチョウも来ていたし、ノコギリクワガタも常連客だ。

 しかし、ノコギリクワガタは、あとからやって来た、腹を空かしたでっかいカブトムシに投げ飛ばされてしまった(写真中)。

 ノコギリクワガタは投げ飛ばされて、地面に大アゴがブスリと付き刺さってしまい、なんとも格好がつかない(写真下)。

 こんなハプニングもあるから、野外観察は面白い。

 この逆立ちしたノコギリクワガタの写真を子供に見せたのだが、やはり予想通りの答えだった。

 「なんだよ、ダッセ!!」

新開 孝

台風4号とアシナガバチ 2007/07/14(その2)
 宮崎に引っ越して以来、初めて台風の到来を経験した。

 台風4号はかなりの大型台風ということで、九州各地での被害も多かったようだ(写真上/台風通過直後の霧島山方面)。
 うちではヒマワリや野菜などが次々と倒れてしまい、せっかく種から育てたのになあ、とがっかりはしたが、家屋などへの被害はまったくなかった。

 しかし、今回の台風で一番心配したのは、これまで継続観察している庭のキボシアシナガバチの巣のことであった。これが万が一強風で吹き飛ばされるようなことにもなれば、私としてはかなりの痛手となる。

 それでときおり様子を見ていたが、雨風がひどくなってから支え棒の止めヒモがはずれてしまい、巣のついている梢がひどく煽られるようになっていることに気付いた。これはイカン!ということで、ずぶ濡れになりながらも支柱の増強や支えヒモを追加したりした(写真中)。

 まず、巣のある梢の高さを無理のないところまで低くすることと、できるだけ風で揺れる幅を少なくして、他の枝で巣が叩かれることがないように工夫してみた。
 しかし、できることはそこまでだ。あとは成り行きにまかせるしかない。

 午後7時45分現在、台風は通過したがその吹き返しの西風が、まだある。楽観はできないが、巣とアシナガバチ達はなんとか無事である(写真下/午後4時ころ)。

 明日は青空を背景に彼らの元気な姿を撮影したいものだ。新開 孝

モンキアゲハの蛹とカタツムリ 2007/07/14(その1)
 台風4号が通過してから、敷地内の様子を見て回った。

 するとモンキアゲハの蛹のところにカタツムリが来ていた。カタツムリにとってモンキアゲハの蛹とは何の関係もなく、枝に生えていた苔を食べていたか、ただ単に移動する場所に過ぎなかったのかもしれない。

 しかし、今日の出来事は、すくなくともモンキアゲハ蛹が枝になり切ろうとしたことを物語っているのではないか、そう感じるのであった。

(E-330  ズイコーデジタル50ミリマクロ)
新開 孝

サツマヒメカマキリ 2007/07/13
 今朝、仕事部屋の扉を開けると目線の高さの庭木で、サツマヒメカマキリが雨宿りをしていた。

 雨に打たれていたせいだろうか?サツマヒメカマキリは少し元気が無い。
 そこで、室内撮影を少しだけして、すぐに庭木に戻した(写真上、中)。

 写真のサツマヒメカマキリはおそらくメスだと思われるが、彼女に元気が無い理由はなんとなく解る様な気がする。

 じつは4日前に、やはり庭木のニシキギの葉裏で、サツマヒメカマキリのものと思われる、卵のうを見つけている(写真下)。産下されてから、まだ日も浅い新鮮な卵のうである。

 つまりサツマヒメカマキリはすでに産卵時期に入っており、彼ら成虫のシーズンも終盤だと言える。今朝のメスもお腹がしぼんでいた。

 昨日は、トノサマバッタのメスも庭で見つけたが、もうヨレヨレで今にも倒れてしまいそうなくらい、弱っていた。

 ここ南九州では、トノサマバッタの第一化が終わろうとしており、そしてサツマヒメカマキリも、次の世代に移ろう時期となっている。それがちょうど梅雨の終盤と時期が合致しているところが興味深く感じる。

(写真上、中/EOS-5D  EF100ミリマクロ)
(写真下/EOSキッスデジタルN EF100ミリマクロ)新開 孝

『ゴキブリだもん』鈴木知之 2007/07/12(その3)
 サブタイトルには、「美しきゴキブリの世界」、とある本書は、先週、著者の鈴木知之さんからいただいた。

 というか、私が欲しい!と強引にもらったようなものだが、、、。

 まず表紙を見てから、ギャー!!となる方も多々おられるだろうが、そのギャー!!を敢てねらったのだろう。

 でも、ともかくページをめくってみよう。日本そして世界各地のゴキブリ107種の多彩なゴキブリ達が登場する。実際には世界に4000種もいるとされている、凄いヤツラなのだ。

 おそらく本書を開いて読んだ方は、ゴキブリという昆虫への狭い先入観を改めるいい機会になることだろう。

 私は本書をいただいてから、ときどき眺めて読んでは、楽しんでいるが、やはりそこに登場する様々なゴキブリたちに会いに行きたくなる。ところどころに挿入されたコラムの内容もたいへん面白い。

 本書は2005年、幻冬舎コミックス発行、定価1600円+税

新開 孝

隣の畑とキンカン 2007/07/12(その2)
 うちに一本だけあるキンカンが、数日前から開花し始めた(写真上)。

 小さなキンカンの木ではあるが、3週間程前まではナガサキアゲハとモンキアゲハの幼虫たちが、多数、この木で育った。
 あまりにもたくさんの幼虫がついていたので、そのうち丸坊主になるのでは、と少し心配したが、キンカンはその後いたって健康そうに見える。

 このキンカンの花には、これからどんな昆虫たちが訪れてくれるだろうか。

 さて、以前にも書いたことがある隣の畑は、先月末頃、あっという間にサツマイモ畑となった(写真下)。

 おじいちゃん一人で、トラクターとさまざまな機械を使って、見事に作付けが終了した。農業の機械化に今さら驚くほどのことでもないかもしれないが、あんなに広い畑をどうやって使いこなすのか、と一時は思案していた私だから、やはり新鮮な驚きがあった。

(写真上/EOSキッスデジタルN EF100ミリマクロ)
(写真下/E-300 ズイコーデジタル14-54ミリズーム)


新開 孝

ミイデラゴミムシ 2007/07/12(その1)
 うちの近所には、ミイデラゴミムシは多く生息しているようだ。

 本種はホソクビゴミムシ科に属し、その幼生期はケラの産室で育つという。つまり、ミイデラゴミムシはケラがいないと生きてはいけないのである。

 卵からふ化したミイデラゴミムシの幼虫は、自ら土中にあるケラの産室内に潜入して、ケラの卵を食べて育つという。まさに寄生生活である。

 しかし、実際に自分の目でもって、その事実を確認してみたいものだ。

(写真/EOSキッスデジタルN   EF100ミリマクロ)新開 孝

どんな気分? 2007/07/11(その2)
 ツチイナゴの成虫はだいぶ数が減ってきているが、今は若い幼虫がやたらと多い。

 ツチイナゴのふ化ピークは少し前だったようだが、うちで飼っていた卵は今朝になって一斉にふ化していた。部屋の中は涼しいので、野外よりふ化日が遅れたのだろう。

 さて、草むらに佇むツチイナゴ幼虫の顔は、なんだかうれしそうに、そしてにこやかな気分にあるように見える(写真上)。
 (見ようによっては今にも泣き出しそうな、悲しい気分とも。)

 ところが、正面から横向きに回り込んで見てみると(写真下)、

 まるで別人?のようだ。自信に満ちている。凛々しい!?

(写真/EOSキッスデジタルN EF100ミリマクロ)

『昆虫の気分』

 昆虫に気分があるかどうかはわからないが、アシナガバチを撮影していて、彼らがときに興奮する様子は手に取るように伝わってくる。
 前脚を宙に高く上げ、翅を細かく震わせるという、はっきりとした仕草を見せてくれるからだ。

 興奮する、という表現を使う事が科学的に正しいかどうかは置いといて、ともかく、その興奮度が高まるにつれ、巣にいる他のメンバーもしだいに同調していくのがわかる。

 そうなってくると、ヤバイ!
 
 ここで、引き際のタイミングを誤ると、アッと言う間も無く、空中からの総攻撃を受ける。先日、迂闊にもこの攻撃を受けてしまったが、レンズに装着していたケンコーのディフューザー「影とり」が楯となってくれ、危うく難を逃れる事が出来た。「影とり」の白い布に、パラパラというハチのぶつかる音が何度もした。「影とり」がなかったら、私は顔面にハチの攻撃をまともに受けていただろう。

 ところが今日は、彼らの興奮する様子を見る事が出来ない状況で、いきなり総攻撃を頭上から受けてしまった。逃げながら何匹かは腕を振り回して追っ払ったが、一匹が首筋を刺した。「あいたたたーっ!!」と思わず叫んでしまった。

 私のすっとんきょうな悲鳴は、台所まで聞こえたようだ。嫁さんが笑いながら「ハチに刺されたの?」と様子を見に来た。

 ハチが一斉に攻撃をかけてきたのは、私が巣のついている木を、おもいっきり揺すってしまったからだ。揺すってしまったのは故意ではなく、手元が狂ったからで、だから突発的な事故ともいえる。

 これで、宮崎に来てからハチに刺されたのは3回目となる。最初はオオモンクロベッコウ、2回目はヒメベッコウの一種、そして今日のキボシアシナガバチだ。

 次は、オオスズメバチ!?  それだけは避けたい。

 
新開 孝

喰う者、喰われる者 2007/07/11(その1)
 バタバタ!!バタバタ!!、と茂みからにぎやかな、そして深刻な音が聞こえてきた。

 何かあったな!そう思って近づいてみれば、蛾の一種がオオカマキリの幼虫に捕まっていた。蛾はシタバガ類だが、まだ種名まで調べていない。とにかくそのシタバガの抵抗たるや凄まじいものがあって、翅をものすごい勢いでバタつかせている。

 しかし、オオカマキリが幼虫とはいえ、前脚の鎌で押さえ込む力はかなりのもので、いくら獲物が暴れようと、いっこうに手放そうとはしない。オオカマキリはガブリと、シタバガの頭から食べにかかった(写真上)。

 すぐ近くのコガネグモの網巣ではアオスジアゲハが吸血されている最中(写真中)。この網巣にはモンキアゲハも簀巻きにされており、そちらは明日のランチになるのだろうか?見れば、網巣の近くにはヤブガラシの花が咲いており、アオスジアゲハをはじめ、さまざま昆虫が訪花している。

 さらに下草を夕日に透かしてみれば、ササグモが蛾の幼虫を捕らえていた(写真下)。

(EOSキッスデジタルN  EF100ミリマクロ)


新開 孝

スカシカギバ 2007/07/10
 先月末ころ、クヌギで見つけたスカシカギバ幼虫はその後、葉っぱを二つに折り畳んでそのなかで蛹になった(写真上)。

 二つ折りの中は薄い繭となっているが、繭というほど堅牢にはできておらず、簡単に開くことができる。

 さて、その繭から今夜、スカシカギバの成虫が羽化していた(写真下)。
 その名前のとおり、前後の翅には曇りガラスのような透けた紋様がある。

 鳥の糞そっくりの幼虫も興味深いが、成虫にも神秘的な魅力を感じる。

(写真上/EOSキッスデジタルN シグマ50ミリマクロ)
(写真下/EOS-5D  EF100ミリマクロ)新開 孝

庭のチョウ、3種 2007/07/09(その3)
今朝も雨音で目が覚めた。

 よく降るなあ、と思うが、これが梅雨というものだろう。

 雨は午前6時過ぎころから断続的な小雨となり、それ以降はほとんど曇り空となった。そして、かなり蒸し暑い。

 しかし、乾燥した冬場にはぜんそく気味の咳が続く私としては、高湿度の環境のほうが体調も良い。ジトジト、ベタベタを好むわけではないが、湿潤な気候も悪くはない。

 今日は夕方になると晴れてきて、涼しい北西の風が部屋のなかを通り抜けて、心地良かった。

 さて、室内撮影をしつつ、ときおりアシナガバチの様子を見たり、ワーカーが外役に出ているだろう現場を見て歩くうちに、出会ったチョウのうち3種を、アップしておこう。今日は他にもいろいろと拾い撮りできたが、厄介な室内撮影をして、かなりくたびれてしまった。

写真上/ヒメジョオンで吸蜜するイシガケチョウ

写真中/交尾するコミスジ

写真下/百日草に来た、アオスジアゲハ(百日草は、種から育てたもの)新開 孝

カタビロアメンボの一種 2007/07/09(その2)
 せいぜい直径が40センチ程度の水溜まりが庭にある。丸石をえぐった、小さな手水だ。


 その小さな小さな水環境を覗き込んでみると、ボウフラがゆらゆらと泳いでいた。鬼ボウフラも多い。 そして水面には芥子粒のようなアメンボが多数浮いていた。

 このアメンボはカタビロアメンボ科の一種だが、体長は2ミリほどしかない。こういうアメンボもいる、ということを知らなければ、まず見落としてしまうだろう。とにかく小さい。

 水面にハサミムシの幼虫が落ちてもがいていると、たちまちカタビロアメンボが吸血に集まってきた。
(E-500  35ミリマクロ+1.4倍テレコン)
  福音館書店から「虫のこどもたち」、ポプラ社から「どこにいるの?シャクトリムシ」を先月から発売中です。新開 孝

頭はどこ? 2007/07/09(その1)
 ハエの死骸をワッセ、ワッセと運ぶアミメアリたち。しかし、獲物は大きく、ジリジリとわずかに移動するだけ。

 ところでハエの頭はどこだあ〜?

 辺りを探してみれば、頭が歩いていた!?

 (写真/E-500  35ミリマクロ+1.4倍テレコン)新開 孝

オオゲジのこども 2007/07/08(その3)
 先日、オオゲジの小さなこどもが部屋のなかを小走りしているのを見かけたばかり。
今朝は風呂場の窓を開けにいってみたら、バスタブの水面にそのオオゲジのこどもが2匹浮いていた。

オオゲジのこどもは泳ぎが得意ではないのか、一匹はすでにクタンとなっていた。
もう一匹のほうは私の姿に驚いてか、もがき泳ぎ?をして逃げようとする。 オオゲジの繁殖期はどうやら梅雨の間らしい。
それにしても、オオゲジとは言え、こどもの顔は可愛らしい。
ほ乳類以外の動物でもカテゴリーを超えて、こどもの表情や体型は可愛らしいと感じられる。

ただしそれは、完全変態をするようなグループでは多くの人から共感を得るのは、ちと難しいかもしれない。

 今回のオオゲジについて、ええ〜!?オオゲジのこどもが、かわいい!?って、声も聞こえてきそうだが、オオゲジの親の姿と比較してもらえれば、少しは納得いただけるのではないだろうか。(写真/EOSキッスデジタルN  100ミリマクロ)新開 孝
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