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ゴマダラオトシブミとヒメクロオトシブミ 2007/07/21(その2)
 春先の柔らかい若葉でゆりかごを作るヒメクロオトシブミは、土用芽が出る梅雨のころに2世代目が現れて、再度ゆりかご作りをすることは知っていた(写真上)。

 しかし、ゴマダラオトシブミもこの時期に2世代目が登場するとは、少し驚いた(写真下)。

新開 孝

ツマキシャチホコ幼虫とコナラ 2007/07/21(その1)
 雑木林でよく見かけるのが、このツマキシャチホコの幼虫群だ(写真上/撮影は今月上旬)。
 クヌギかコナラについている事が多く、初めて見る人は、まずギョッ!と驚く。

 幼虫は群れて葉っぱをモリモリ食べるので、梢の一部が丸裸になってしまう。以前にツマキシャチホコの幼虫を撮影したコナラを見に行ってみると、丸裸になっていた枝のあちこちで、若葉が育っていた(写真下)。

 梅雨のころコナラやクヌギでは萌芽がみられ、それを土用芽と呼ぶが、このように昆虫などの食害で葉っぱを失うと、植物には自らを修復しようとする力がある。
 喰う喰われるという、生物のしがらみのなかには、どちらかが一方的に勝ち組になるという単純な図式はあり得ない。

 
新開 孝

ダンゴムシのうんち 2007/07/20(その2)
 東京の清瀬市に住んでいたころは、マンション周辺にダンゴムシはたいへん多かった。雨上がりなどには、ダンゴムシが大群となっている様子を見かけることも珍しくなかった。

 ところが、ここ宮崎の南部、三股町の私の敷地内では、ダンゴムシはたいへん少ない。居るにはいるが、見つかるときはいつも一匹だけで寂しい感じもする。おそらくもっと街中にいけば密度も濃いのだろう。ダンゴムシは人の生活圏に適応力があるようだ。

 さて、ダンゴムシを飼ってみると、これがけっこう楽しい。あの小さな小さなお口で、よく食べること。落ち葉をうまそうに食べてくれる。

 もっとも食べている様子をいつも見られるわけではない。飼育容器の底にたまるうんちの量が、ダンゴムシの食卓を窺わせるのだ。

 写真の画面左は、ダンゴムシの親のうんちで、画面右側がこども(生まれて数日後、体長1.数ミリ程度)のうんちだ。
 ダンゴムシのうんちは直方体をしていて、特徴がある。

 (写真/EOS-5D  65ミリマクロ)新開 孝

今朝のクヌギ樹液 2007/07/20(その1)
 午前5時半。いつものクヌギ樹液ではカブトムシのオスが頭を突っ込んでいた。カナブンも一緒にいるが、樹液を吸えているのだろうか(写真上)。
 ちなみにうちの林で見つかるカブトムシのオスは角も体も小型のものがほとんどだ。

 オオスズメバチもやってきたが、カブトムシにあっさり追い払われてしまった。
 写真には写っていないが、かたわらにはミヤマカミキリのメスが順番をまちわびているようだった。昨日はオスが来ていた。

 しかし、2時間ほどしてカブトムシが姿を消すと、待ってました!とばかりにミヤマカミキリのメスが樹液の出る穴に頭を突っ込んでいた。しばしばカナブンたちを追い払ったりと、威勢もいい。さきほどまではカブトムシには席を譲っておとなしくしていたのに、ずいぶんと元気になったようだ(写真下/一見、他の昆虫たちと平和的に仲良く樹液を吸っているようだが、これはほんのわずかな瞬間の写真で、次の瞬間、ミヤマカミキリはみんなを追っ払った)。

 ミヤマカミキリの独占状態が長く続いていたが、よく見るとコクワガタのメスが樹液の穴にすっぽりと体を埋めていた。樹液の出る場所では、体が小さなサイズで平たい体型のほうが有利なようだ。

 先日、体の大きい立派なカブトムシのオスが別の樹液に来ていたが、さんざん他の昆虫たちを蹴散らしたあと、独り占めできた樹液を吸うにも、頭がつかえてどうにも口が届かないという、じつに情けない光景を見た。樹液を吸えないからか、ますますお怒りになる、というわけでノコギリクワガタなどは大きな角でしゃくるようにして投げ飛ばされていた。

(E-330 ズイコーデジタルズーム50-200ミリレンズ+FL-50ストロボ)

 
新開 孝

昨夜のクヌギ樹液巡り 2007/07/19(その2)
 タイトルは大げさ過ぎたかもしれない。

 昨夜の午後8時半ころ、下の子供がカブトムシを見に行きたいと言いだしたので(うちの子供兄弟二人は、いわゆる熱血昆虫少年ではない。虫に対する興味の持ち方は、普通の子供の範疇に入る)、じゃあ、少しだけ見てみようと庭先の林に出てみた。

 玄関を出て数メートル歩けば、もうクヌギ林だ。そして樹液の出ている木はどれとどれ、とわかっているからものの数分とかからないうちに、どんな昆虫がきているかチェックはすぐに終わる。
 
 ところが、懐中電灯に照らし出された大きなクワガタ虫は、うちの林では初登場のミヤマクワガタ♂だった。これには子供たちも興奮したようだ。


 ミヤマクワガタは、昔よく通った関東の多摩丘陵にも棲んでいたが、開発凄まじい多摩丘陵の一角で、ミヤマクワガタに出会ったのはわずかに一回限りであった。そしてその林は今ではもうない。新開 孝

アヤオビハナノミ? 2007/07/19(その1)
 数日前、庭のガクアジサイの上で本種を見つけたが、あまりにも敏捷で活発に動くため、カメラを取って戻ったときにはすでに姿を見失ってしまった。

 ところが今日は、前回と同じくガクアジサイの近くで本種を見つけ、いつも玄関に置いてあるカメラまでダッシュした。前の苦い経験を繰り返したくないから、と必死に走ったかいがあって、現場に戻ってみるとまだハナノミは草むらにいた。

 しかし、ともかく敏捷で落ち着きが無い。それでもなんとかポートレートだけは撮影できた(写真)。

 本種は体長12ミリ程度だが、このサイズのハナノミ類を見る機会は極めて少ない。彼らは遠目で見る限り、動き方の特徴も狩りバチそっくりに見える。

 写真のハナノミは、ハナノミ科、オビハナノミ属Glipaのアヤオビハナノミではないかと推測しているが、正確なところはわからない。

 (写真/EOSキッスデジタルN  シグマ50ミリマクロ)新開 孝

クヌギ樹液酒場の今日 2007/07/18(その2)
 居間や食堂の窓から見える一本のクヌギがある。

 このクヌギの樹は、3月のころから樹液を出していて、いろいろな昆虫が訪れていたが、梅雨半ばから梅雨明けの今日にかけて、ますます夏本番のにぎわいとなってきた。

 今朝もアシナガバチの撮影やビデオ撮影をしている合間に、ときどき覗いてみれば、時刻を追って次々と酒場の客が入れ替わっていくのが面白かった。

 さらに夜9時ころには、夜の昆虫たちも来ており、その昆虫達の紹介はいづれしてみたい。

 写真上は、ノコギリクワガタのオスとゴマダラチョウ、カナブン。
 写真中は、スミナガシとノコギリクワガタ、そしてカナブン。
 写真下は、アカメガシワの葉裏で休むスミナガシ。翅を開けたまま、葉裏にペタ      リと止まる習性は、イシガケチョウと共通する。

(E-300  50-200ミリズーム ストロボ FL-50使用)


 『プリ発光にもうまく同調発光するOLYMPUSストロボFL-50』

 EOSキッスデジタルNの内蔵ストロボを使う場合、マニュアル発光機能が無い。したがって全てオート発光となるので、スレーブストロボを増灯するときには、プリ発光に対応した、例えばハクバのデジタルスレーブストロボなどを使う必要がある。これはしかし非常に不便だ。私はストロボを使用する場合、TTLオート機能などは限られた撮影でしか使用せず、もっぱらマニュアルを使っている。

 ところが、うっかりそのことを忘れて、キッスデジタルの増灯用にOLYMPUSストロボFL-50にUNマルチスレーブユニットを組み合わせて使ってみたら、これがうまく同調発光してくれた。
 
 そこでUNマルチスレーブユニットの性能なのかどうか、サンパックのストロボを組み合わせてみたが、こちらはプリ発光時に発光してしまい、同調できない。普通はそれが正常だと思うが、FL-50はなぜに、こんなに有り難い機能を持ち合わせているのだろうか?

 新開 孝

コガネグモの産卵 2007/07/18(その1)
 仕事部屋の西側の外壁に巣を構えたコガネグモのメスが、今朝、産卵していた。すでに卵のうは完成間近であったが、うっすらと黄色い卵の粒が見える(写真上、下)。

 このコガネグモのメスは、以前にも一度紹介したことがあるが、毎日、観察している限りでは、あまり獲物に恵まれていないようであった。巣網を掛けた場所の条件としては良くなかったのかもしれない。

 ところが、先週あたりから彼女のお腹は急激に膨らんできた。実は先週から、うちの玄関の門灯は夜中は消灯し、新たに夜間ライトを仕事部屋の西側に設置したのであった。そこでたちまち、ここへは毎晩多くの昆虫が飛来するようになったわけで、当然ながらコガネグモのメスはたらふく獲物を得ることができるようになった。

 そうした餌事情が深く関係しているかどうかはさておいて、今頃がこの南九州でのコガネグモ産卵シーズンであるらしい。
 庭に棲んでいる他のコガネグモのメスでは、すでに数日前に産卵しているものもいて、さらにもうじき産卵しそうな、お腹の大きく膨らんだメスは、他にもいるのである。

 

 写真下は地上から4メートル程の高さにあるコガネグモの円網。直径は最大のところで1メートル以上にもなる。

 (写真上、中/E-500  35ミリマクロ+1.4倍テレコン)
(写真下/E-300 50-200ミリズーム)新開 孝

キボシアシナガバチの雄バチ 2007/07/17
 庭のケヤキにあるキボシアシナガバチの巣では、二日前から雄バチの姿が見られるようになった。

 オスは、メスに比べて触角が長く、その触角の先が少しカールしているので区別は簡単。顔つきもほっそりしている(写真上/画面右)。

 その雄バチたちは、もちろん巣の上では働きもせず、プラプラしているだけで、ときおり幼虫の吐き戻す液体を吸ったりしている。ところが、今日観察しているうちに、おそらく女王バチだろうが、その女王が急に怒り出して、雄バチの触角を噛んで引っぱり始めた(写真中/画面では翅を噛んでいる)。それはまさに凄まじい勢いで、

 「出て行け〜!!このドラ息子!」と、思わず擬人的に解釈したくなるような場面であった。

 どうやらオスを巣から追い出そうとしているようだ。そういう行動が数回ほど見られた。オスはしかし、必死?になって巣にしがみついて離れようとはしない。

 ところがしばらくして、自主的に巣から離れるオスが一匹と、女王バチに追い立てられて、あっさり飛び去ったオスが一匹いた。結局5匹いたオスは残り3匹となった。

 自主的に飛び去ったオスは、ほんの少し巣を眺めてホバリングしてから(なごり惜しそうに私には感じられた)、一気に南の方角へと消えていった。

 コアシナガバチの場合、巣上で新女王バチたちと雄バチの交尾が行なわれるが、キボシアシナガバチの場合はそうではないのだろうか?

 さて、今日の雄バチの観察は、庭であらたに見つけた巣で行なった。
 なんと、この巣も仕事部屋のすぐ近くであり、トイレや風呂の窓からもよく見える。さんざん探して、その場所も確認済みだったはずだが、、、、、。写真下はその巣を撮影中の様子。

新開 孝

今朝のクヌギ樹液 2007/07/16(その3)
 午前5時。昨日、スミナガシが来ていたクヌギ樹液を見に行ってみた。
すると先日、撮影に失敗した、オオトモエが来ていた。

 オオトモエの前翅には大きな眼玉模様があり、それを取り囲む太い白い帯が目立つ。そしてこの白帯は、まるでアオバズクの顔の輪郭を思わせるものがあり、興味深い。アオバズクは、夜活動する昆虫たちにとっては、恐ろしい捕食者である。

 オオトモエはかなり神経質だ。撮影しようとしてゆっくり体を動かしても、こちらの姿をしっかり見ているようだ。ちょっとした動作で飛び去ってしまった。

 するとその後には、クロヒカゲとヒカゲチョウたちが、ドッと押し寄せた。まさに眼玉大集合だ。

(EOSキッスデジタルN EF100ミリ 自作ディフューザー使用)


新開 孝

オオヨツスジハナカミキリ、そして初見の虫たち 2007/07/16(その2)
 宮崎の新居に来てから、初めて見る昆虫が次々と増えていく。

 とりわけカミキリムシについては、数年前にカミキリムシ図鑑の標本撮影の仕事をしたこともあって、野外で実際に目にする機会を得るたびに、嬉しくなってしまう。おお、これがムラサキアオカミキリかあ!!などと、、、(本種についてはまだ目撃のみ。しかし町内に生息する)。

 そして今朝もオオヨツスジハナカミキリを庭で初めて見た(写真上)。

 カミキリではないが、さらに驚くべきは、(写真中)のキノカワハゴロモだ(アオバハゴロモ科)。

 本種は体長10ミリはある。こんなのは初めて見たのだが、平凡社の日本動物百科「昆虫1」に、湊和雄さんの撮影された写真が載っていたので、種名がわかった。樹に止まれば隠蔽擬態も完璧だ。

 夜間ライトに集まった虫のなかで、おそらくガガンボの一種だろう、家の外壁に多数見られた。脚をぴったり体に添えて伸ばした格好は、ナナフシのようだ。それが交尾していても、藁屑のようにしか見えない(写真下)。

 
 

 新開 孝

クロセセリの口吻はどのくらい長い? 2007/07/16(その1)
 今年植えた朝顔は、花色が地味なものばかりだったが、今朝あたりから濃紺の花が開き始めた。

 で、そんな朝顔を眺めているとクロセセリがせわしくやって来た。
 クロセセリは朝顔の花に頭を突っ込んではさかんに吸蜜している。

 午後になってアサガオの花がしぼんでからも、またクロセセリが来ていた。さすがに頭を深く花の中に突っ込むことはできないが、何度も挑戦していた。そのたびに一瞬だけ見える口吻は、とても長いのだが、花がしぼんでしまっては、さすがに奥の蜜腺までには届きそうにない。

(EOSキッスデジタルN シグマ50ミリマクロ)新開 孝

キボシアシナガバチの巣 2007/07/15(その3)
 昨日、台風4号は大隅半島に上陸し、我が家のある三股町のちょうど南側を通過していった。

 かなりの強風も続いたが、心配していたキボシアシナガバチの巣はなんとか持ち堪えてくれた。そして、今日は清々しい風の吹く晴天となり、どうやら梅雨明けも間近という気がする。

 長時間、巣にしがみついていたアシナガバチの娘達は、それぞれが外役に出掛けて、忙しい様子だ。ときどき巣を覗きに行っても、巣に留まっているハチの姿は2、3匹しかない。今は娘たちの数も増えて7匹以上にはなっているはずだ。新開 孝

今晩の霧島山 2007/07/15(その2)
午後7時でもずいぶんと明るい。夕食中、窓の外には山並みに沈んでいく太陽が眩しい。

 韓国岳はほとんど一日中、雲が掛かっていたが、高千穂岳はときおり姿を見せてくれていた。新開 孝
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