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雨の中のヤマトシジミ 2007/06/15(その1)
 今日も雨は降ったり止んだり。雨が止んだ合間に庭に出てみると、交尾しているヤマトシジミを見つけた(写真上)。画面の左がメス。

 こうして見てみると、メスのほうが翅も傷んでいない、羽化して日も浅い個体であることがわかる。一方、オスは成虫になってからかなりの日数、あらゆる危険をかいくぐって生き延びてきたのだろう。

 撮影しているうちに、また雨が降り出してきた。雨滴を翅に受けて、交尾カップルは足場を失いそうになった(写真中)。どんどん雨脚が強くなり始め、傘をさした私も、Tシャツの腰あたりがびしょ濡れとなる。カップルに傘をさしかけてやりたいところだが、それでは観察にならない。
 
 そのうちにオスの方が足場を失い、宙づりの状態になってしまった(写真下)。しかし、メスは踏ん張る。若くて体も大きいぶん、メスは強い。
 そうこうしているうちに、なんとかオスも脚を踏ん張ることができた。
 さらに雨は激しく降り続けるが、交尾カップルはこの草うらで雨宿りを決め込んだようだ。

(E-300  50ミリマクロ)
新開 孝

カタツムリの脱糞 2007/06/14(その3)
 宮崎に普通にいるカタツムリが、セトウチマイマイなのかどうか、そこのところはまだよくわからない。

 ツクシマイマイというのは、九州北部から山口県に分布しているようだし。

 ともかくも、うちの庭でよく見かけるカタツムリは、東京の清瀬に普通にいた、ミスジマイマイやヒダリマキマイマイでないことだけは、間違いないだろう。


 で、庭の中にあるコンクリート塀にいつもいるカタツムリが、目の前で糞をし始めた。

 これがなかなか作法もあって、見ていて楽しい。

 きちんと折り畳んでから、そっと置き去りにするかのようだ。

 (E-300 マクロ50ミリ)
新開 孝

土用芽(どようめ) 2007/06/14(その2)
 クヌギやコナラで、明るい色の若芽が目立つ。この時期の萌芽を土用芽というが、若芽だけを眺めていると、春に戻ったような気分になる。

 写真上がクヌギで、下はコナラ。

 ちょうど土用芽の若葉が展開するころ、ヒメクロオトシブミの2化目の成虫たちが姿を現す。早春、ゆりかごに産み付けられた卵から育ったヒメクロオトシブミたちだ。そして彼らは、ふたたび若葉を巻いてゆりかごを作り、産卵する。

(E-300 50ミリマクロ)新開 孝

梅雨 2007/06/14(その1)
 朝から降ったり止んだりだったが、概ね雨の一日だったと言える。
 梅雨入り宣言後、湿度ももっとも高かったように感じる。

 我が家は中古住宅を土地ごと購入したのだが、築10年の建物に関して、ほとんど不満を感じるところはなかった。
 しかし、一点だけ不可解なことがあった。それは、屋根に雨樋が無い造りであったことだ。こういう造りは、最近の住宅建築ではかなり珍しいのではないか、と思う。

 雨だれは、地面に深く敷き詰めた砂利石を通って地下に吸い込まれる、という造りなのだ。ところが敷地の一部では地面に染込んだ雨水のため、粘土層が流出してしまい、わずかに地盤沈下を起こしていることがわかった。このことに気付いたのは、物件購入後、リフォームの工事が入ってからだった。

 実際、雨が激しく降ると、地盤沈下の部分には大きな水たまりができてしまう。
このまま放っておくわけにもいかない、という危機感を抱いたのは言うまでもない。
 そこで先月、雨樋を取り付ける工事を行なった。できるだけ安く上がる工法で、なおかつ雨水の排水はきちんと機能するように、という注文を付けた。
 その結果どうやら、雨樋の排水は順調のようで、雨が降るたびに、あちこちの排水経路を観察しているが、深刻だった地盤沈下の進行もこれで食い止めることができそうだ。工事を請け負った業者の方も、その後の様子を見に来てくれた。

 
 さて、物件の購入当初、地盤沈下の問題に私ha
気付かなかった。
 それは、物件の下見をしたときに、道路に突き出た太い塩ビパイプの役割を問い質したところ、パイプは浄化槽からの排水パイプだとの、説明を売り主から受けていたのであった。
 ところが、ごく最近になってわかったことだが、浄化槽の排水パイプは別の場所で地下に埋設されており、目視できる構造ではなかった。
 浄化槽の排水目的と説明を受けたその太い塩ビパイプとは、じつは、深刻な地盤沈下を引き起こしていた雨だれを、なんとか地下パイプに誘導し、道路の側溝へと排水する目的で設えたものであることが、雨樋工事を請け負った業者によりはっきりと判明したのであった。
 

 一旦、仕組みがわかってしまうと、何もかもがよく理解できたが、入居後しばらくは、庭の一部の水溜まり、縁側の下の陥没、そして、でっかくて奇妙な排水パイプの関係が全く見えなかった。初めて家を購入するという経験のなかで、かなり慎重に進めたつもりなのだが、所詮は素人。
 地盤沈下という、そのような深刻な事態に対処した売り主自身が、記憶を取り違えるなどということは、まず考えられない。売却に際して、物件の不備をきちんと説明する売り主も、そうそうはいないだろうけど。逆の立場になって考えてみれば、わからないでもない。

 土地や建物、環境などなど、あまりにも私の望み通りとなり過ぎていることに、一抹の不安もあった。だから、きっと何か一つや二つの欠陥がいづれ発覚するだろうとは、覚悟していたことではある。覚悟の上だったし、まあ、土地と建物を所有するとは、こういう様々な問題に向き合うことなのだと、改めて思うしだい。

 庭の片隅では、ガクアジサイとアジサイが花を咲かせている。いったいいつ頃に植えられたものかは知らない。植えた方が誰だったかなど、もう今更どうでもいいことだろう。
 このアジサイを含め、敷地の様々な植え込みを手入れしていかねばならないのは、私と私の家族なのだ。

 新開 孝

ウンモンスズメ 2007/06/13

 昨夜、玄関の灯りに飛来したウンモンスズメが、鉢植えのアボガドに止まっていた(写真上)。

 体全体が迷彩模様だが、息を吹きかけたり、そっと指で触れたりするとウンモンスズメは一瞬、翅を拡げる。すると後ろ翅の赤い模様が目立つ(写真下)。

 ただし、後ろ翅を見せびらかすのはほんの一瞬である。撮影しようと構えていても、シャッターチャンスを捉えるには苦労する。だから今日の写真も後ろ翅が全開になってはおらず、閉じる寸前となってしまった。
 本種は、東京の清瀬市でも撮影し、この「ある記」でも紹介したことがある。

(EOS-5D シグマ50ミリマクロ)

 修理に出していたEOS-5Dが、東京に行っている間にうちに届いていた。

 修理結果を読んでみると、撮像素子前のローパスフィルターに傷がついており、そのためローパスフィルターを交換した、と書かれてあった。
 傷がついた経緯が全くわからないのだが、以前行なったCanonサービスセンターでのクリーニング結果では、落ちない汚れがある、との報告であった。

 ともあれ、修理代金の請求額は送料の1500円(税別)のみで、部品代も工賃も無償であった。ローパスフィルターを交換などということにでもなれば、それなりの修理代金を覚悟していたが、ホッとした。
 修理に掛かった日数はちょうど1週間であった。ちなみに私はCPS会員を今年から退会したのだが、例えCPS会員でも修理の際の部品代だけは支払う必要がある。
新開 孝

『虫のこどもたち』福音館書店 2007/06/12
 昨日、出版社で『虫のこどもたち』の見本をいただいた。
96頁で1785円(税込み)。発売は明日の13日となるそうだ。

 書店で見かけたら、是非、手に取ってみて下さい。じっくり楽しみたい方はご購入ください。新開 孝

キバネツノトンボ、ふたたび 2007/06/11
 今朝は小雨模様となった。昨夜は池袋近くのホテルに投宿。久しぶりに西武池袋線の電車に乗り、池袋で山手線に乗り換え。山手線ではプラットフォームをうっかり間違えてしまった。体はすでに田舎モードにすっかり染まったか、それとも単に老化なのか、、、、。

 今日は都内で打ち合わせや出版本の打ち上げのため、ゆっくりフィールドを巡る時間はない。しかも生憎の雨。そこで昨日のキバネツノトンボの追加写真を紹介してみたい。

 キバネツノトンボの大きさは、こうして人差し指に乗せてみれば、少しはわかりやすいと思う(写真上)。日本産ツノトンボ類のなかで、一番小柄なのがキバネツノトンボ。

 昨日の水上町の草原では、オスの数とメスの数はほぼ同じくらいという感触を得た。オスではすでに翅が傷んでいるものもいたが、メスは新しい個体ばかりで、お腹が大きいものが目立つ。そろそろ産卵しているだろうかと探してみれば、やっと1卵塊だけが見つかった(写真中)。

 この卵塊をよく見れば、産卵されたばかりの新しいものだとわかる。どうやらキバネツノトンボの産卵期はこれから、というところのようだ。

 さて、キバネツノトンボの棲息する草地には、アリスアブも多く見られた(写真下)。本種はトビイロケアリの巣内で幼虫が育つというたいへん変わった生活を送る。
 クロヤマアリの巣で幼虫が育つキンアリスアブという種類もここには棲息しているのだが、昨日は一匹も見ることができなかった。

(E-500  35ミリマクロ+1.4倍テレコン)

新開 孝

キバネツノトンボ 2007/06/10
今朝は雷雨となり、激しい雨のなか大間々のホテルを出た。

 赤城高原へと向かい、さらに水上に着く頃には、雨脚も弱まってきた。今ならキバネツノトンボの発生期だろうということで、私が数年前に見つけたフィールドを訪れてみた。

 草原を歩いてみると、さっそくキバネツノトンボのオスが見つかった。しばらくするとメスも見つかり(写真上)、しだいに多くの個体がいることがわかった。陽射しが出始めて、気温が上がると活発に飛翔するオスもいた。

 オスはおしりに写真中のような突起を持っているので、すぐにわかる。

 群馬県、水上町にはキバネツノトンボの発生地が小規模ながら点在している。私は偶然にも非常に個体密度の高い発生地を見つけ、以前にはよく通ったものだ。

 さて、このフィールドではヤマビルが多く、私も寸での所で吸血されそうになった経験がある。それで同行の鈴木さんと仲瀬さんには、くれぐれも注意するように言ってたのだが、、、、。

 車に乗ってしばらく移動しているうちに、助手席に座っていた仲瀬さんが、急に騒ぎ出した。何事かと運転席の鈴木さんを見れば、ズボンの上をヤマビルが歩いていた。車を止めて確認してみれば、鈴木さんの体には次々とヤマビルが見つかる。結局、5匹ものヤマビルが取り付いていたのであった。早く気付いたので、 幸いにも吸血されずに済んだ。

 ちなみに鈴木さんによれば、ヤマビル防除にはタバコの葉を靴下にすりこんでおけば、効果絶大ということだった。

(写真上/E-330  魚眼8ミリ)
(写真中、下/E-500 35ミリ+1.4倍テレコン)新開 孝

おにぎり「ソースカツ」 2007/06/09(その2)
 群馬県、大間々市で滞在しているホテル近くのコンビニで夜食を探していたら、「ソースカツ」という新商品を発見。

 群馬といえば、ソースカツ丼だが、それがおにぎりになったというわけだ。店員に聞いてみると先週発売されたばかりらしい。関東限定と書かれてある。

 肝心の味のほうだが、すこし辛い味付けだ。やはり、ソースカツ丼は丼で食べるのが正解のようだ。新開 孝

ぐんま昆虫の森 2007/06/09
 今日は群馬県、「ぐんま昆虫の森」で、昆虫観察会が催された。
昆虫友の会の主催で、私は観察会の講師を務めさせていただいた。

 小雨がときおり降るような空模様だったが、それでも観察会はそれなりに楽しくできたと思う。さすがに活動する昆虫は少なかったが、そのぶん落ち着いて、ゆっくりと虫探しもできた。
 
 昨年の6月にも紹介したと思うが、今回もヤナギでナカグロモクメシャチホコの若い幼虫を見つけた。この幼虫は刺激を与えると、お尻の二本の突起を広げて高く持ち上げ、なおかつその突起からムチのようなものを突出させる。このときになんらかの匂い物質が放出されているのだろうか?

 観察会を終えてからしばらくすると、晴れ間が出てきた。これなら明日にも期待できそうだ。そこで、今夜も大間々に投宿することにして、明日は昆虫写真家の鈴木知之さん、ライターの仲瀬葉子さんとともに、赤城巡りをすることにした。

(写真/E-500 35ミリマクロ+1.4倍テレコン)新開 孝

ニッポンホホビロコメツキモドキ 2007/06/08
 4月後半ころ、我が家の庭でニッポンホホビロコメツキモドキのメスを見つけ、その奇異な姿を紹介した。

 顔を正面からみると非対称形であり、左の頬が大きく張り出している(写真上)。

 昨日、こんどは本種のオスが現れた。ひん曲がったような顔をしているのはメスだけであり、オスのほうは面白くないといえば面白くない顔(写真中、下)。

 メダケに産卵して幼虫が育つ本種は、5月に入ってからもときどきメスの姿を見かけていたが、オスは今回が初めての登場となった。

(E-500   35ミリマクロ+1.4倍テレコン)

 本日から群馬の「ぐんま昆虫の森」に出掛けます。新開 孝

ムカデは甘党? 2007/06/07(その3)

 縁側から「ムカデがいる〜!!」との声。

 「縁側なら家の外だから、ほっとけばいいじゃん!」と答えるも、
  洗濯物が取り込めないと騒いでいる。

 仕方が無いなあ、と縁側に出てみれば、なるほどムカデが板の隙間から半身を晒 していた。しかし、ムカデの体の下には染みがあり、アリが群れていたので、

 「なんだ、死んでるじゃん。ムカデコロリが効いたかな?
  アリがたかっているよ。」

 と、さらによく覗き込めば、いやいや、そうではなく、
 染みは昨日、子供が落としたアイスの汁だ。
 そういえば縁側でアイス食べていたなあ。

 「ありゃあ!?このムカデ、アイスの汁を舐めているよ。
  アリも来ているわけだ。」

 「おお、夢中になってアイス食べるムカデなんて、イメージ狂うなあ〜。」

  嫁さんがムカデのことを近所のおばあさんに話すと、
 ムカデ退治にはニワトリを放し飼いにすると良いと教えてくれたそうだ。
 
 「なるほどなあ!
  でも、ニワトリの放し飼いって、囲いとかどうやって作るの?うち、広いよ」

 (写真/E-500  35ミリマクロ+1.4倍テレコン)


 新開 孝

眉間にしわ 2007/06/07(その2)
 ミカンの木で、デンと構えた顔(写真上)。

 
 歩き出せば、偽の顔だったことがわかる(写真下)。


 今日の写真に説明はいらないだろうと思う。この幼虫はしかし、クロアゲハなのかモンキアゲハなのか、よくわからなくなった。モンキアゲハの終令幼虫を見るのはこれが初めてであり、いろんな参考書の写真を眺めていると、ますます混乱してきた。まずは飼育してみよう。

 (E-500  35ミリマクロ+1.4倍テレコン)

● 後日、モンキアゲハであることが判明。新開 孝

ナガサキアゲハの終令幼虫 2007/06/07(その1)
 庭の片隅にある一本のキンカンには、たくさんアゲハ類の幼虫がついている。

 今日は、ナガサキアゲハの終令幼虫を見る事が出来た(写真上)。よく探すと3匹いる。
 その幼虫の若いときの姿が、数日前に撮影した下の写真。アゲハ類の幼虫は小さい時にも、臭角を出す。

 (写真/E-500  35ミリマクロ+1.4倍テレコン)新開 孝
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