| 今日は、前から気になっていた冬のアサギマダラ幼虫を撮影しに出掛けた。
場所は高尾山だが、車の運転で往復に要した4時間というのは、現地での滞在時間(1時間)よりはるかに長い。目的を一つに絞ったこともあるが、早朝に動くことができれば、こんな無駄もせずに済んだと思う。
ともかくも高尾山で幼虫を見つけるのはごく簡単であろうと思っていた。で、その通り探索開始後5分もかからぬうちに最初の一匹が見つかった。 アサギマダラの食草、キジョランは常緑のつる植物で、薄暗い林内でさまざまな木々に這い上がっている姿がよく目立つ。乾燥続きであるせいか、キジョランはどの株も葉っぱが萎れて元気がない。最初は人によって根元を刈られたためであろかと、そう思えたほどだが、ほとんどの株が萎れたようになっていることと、近付いて根元まで見ても、刈られた痕跡はまったく見つからなかった。
アサギマダラの越冬北限は、関東山地ということで、ここ高尾山は昔からよく知られた産地の一つである。越冬といっても、幼虫は暖かい日などは少しずつ食草を食べており、完全な休眠状態ではない。 したがって幼虫を見つけるにはその幼虫がかじってつけた丸い穴を探せばいいわけだ。幼虫は必ず、葉裏側の食べ痕のそばで見つかる。 写真の幼虫のステージは2令あたりだろうか?ちょうど葉裏表面をかじっては、乳液を吐き出しているところだった。 幼虫が食事をするときには、あらかじめ円を描くように浅くかじって、キジョランの浸出液を出させてから、その作業を終えてから円内を食べるという作法がある。この食べ方は、カラスウリの葉を丸く穴をあけて食べるクロウリハムシや、トホシテントウ幼虫たちの習性とよく似ている。
このところの暖冬もあって、アサギマダラ幼虫たちは、ゆっくりではあるがキジョランの葉っぱを食べる毎日を過ごしているようだ。そういう真新しい食べ痕が多数、見つかる。 通常、越冬幼虫といえば、じっと動かず深い休眠をとっているものが多いが、アサギマダラの場合は、かなりそのイメージとはかけ離れている。
今日で、高尾山も見納めとなった。
(写真上/E-330 魚眼8ミリ+ケンコーKAGETORI使用) (写真中、下/E-500 35ミリマクロ+1.4倍テレコン)  | |