| ![](http://www.shinkai.info/photo/walking/1386-1.jpg) | | | お茶畑と雑木林、という組み合わせが狭山丘陵を代表する風景とでも言えるだろう。
私が仕事をする上では茶畑に直接関わることはあまりないが、島状に点在する雑木林を渡り歩くときには、茶畑の縁を通過していくことになる。 本来のチャは、樹高が5メートルにもなるそうだが、茶摘み用に栽培されているチャは、常に刈り込まれて1メートル以下しかない。 秋に咲く白い花や、茶色の球形の実を見れば、チャがツバキ科の植物ということが、素人でもすぐにわかる。しかし、普段、日本茶をすすりながらツバキをイメージする人はほとんどいないだろう。
私の場合、季節で言えば、冬に緑茶を一番良く飲む。特に食後の緑茶が最高に美味しい。しかしながら東京の水道水で入れた緑茶が、美味しいわけがない。普段はそれでも慣れてしまって平気で飲んでいるが、しばらく九州で過ごしてからまた東京でお茶を飲むと、ほんとうにびっくりする。よくもまあ、こんなひどい水道水を毎日、飲食用に使っているものだと。
(E-330 14-54ミリズーム)
『「昆虫ある記」武蔵野編の終焉にあたりーその5』
昆虫写真家の大先輩方として、前回挙げたお名前のなかで、抜けていた方がいらっしゃる。正直書くと、忘れていたのであった。あまりにも身近な方であるが故に。 その方とは私と同じ清瀬市在住の藤丸篤夫さんである。ごめんなさい。 私は、藤丸さんとは共著も出しているというのに、何という失態であろうか!お互いに自転車で行き来できる距離に住んでおり、年に数回ではあるがお会いしているというのに。しかし、藤丸さんは当「昆虫ある記」を読んだことがないらしい。それが唯一救いでもある。誰かが藤丸さんに告げ口しないかぎり、バレはしないと思うのだが、、、。
さて、私が藤丸さんと初めて会ったのは、21年前の冬であった。場所は上野動物園内で、昆虫写真の入賞式の会場であった。当時、昆虫写真の発表の場として、月刊誌「インセクタリウム」があったが、その表紙と表紙裏には毎号、購読者が応募する写真が掲載されたのであった。 毎年暮れには、その年に掲載された昆虫写真のなかから特に優れた写真が選抜されて、表彰されていたわけである。1986年、6月号の表紙写真が藤丸さんのコハンミョウの産卵シーンで、表紙裏には私の撮影したヒメクビナガカメムシの写真が掲載されたのであるが、私たちの写真はそれぞれ写真賞の2等を受賞した。
私の入賞したヒメクビナガカメムシの写真は、初めて「インセクタリウム」に投稿して、しかも最初に掲載された写真でもあったので、かなり嬉しかった。撮影した場所は、当時住んでいた大田区の池上で、アパート近くの池上本門寺の境内であった。 想い出深い写真ではあるが、その後このヒメクビナガカメムシを見たのは多摩丘陵で一度きりで、以後まったく出会いのチャンスがない。
さてさて、同年齢の昆虫写真家としては、沖縄在住の湊和雄さんがいらっしゃる。湊さんは東京出身で、大学を琉球大学に進まれて、卒業後そのまま沖縄で自然界広くを対象とした写真家として活動を続けられている。 私も高校の進学指導では「お前は琉球大学へ行け!」と担当教師から宣言されたこともあったが、ハブが恐いのと暑い所は苦手だったこともあり、またうちは貧乏で下宿などできなかったので、地元の大学を受験したのであった。もっとも地元の愛媛大学には全国でも稀な昆虫学研究室があり、親の膝をかじるにしても、少しは親孝行できるのではないか、と思えた。
その6、に続く。
![新開 孝](sighn_ss.gif) | |