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ヒラタアブの一種 2006/10/14
 キクイモの花にヒラタアブの一種が来ていた(オオフタホシヒラタアブだろうか?)。

 彼らは花粉を丁寧に舐めており、花蜜をもとめて花の蜜腺まで頭を突っ込むような仕草は見られなかった。

(E-500 ズイコーマクロ90ミリF2)

 今日のレンズは新型デジタルマクロレンズというわけではないので、お断りしておこう。そういうレンズはまだOLYMPUSから出ていない。
 あまりフィールドで撮影する時間がなく、防湿庫で眠っていたズイコーマクロ90ミリF2という昔の銀塩カメラ時代のレンズを少しだけ使ってみただけのこと。
 OLYMPUSのフォーサーズシステムの中でもマクロレンズは、シグマのレンズを別とすれば、まだ50ミリと35ミリしかない。
 レンズのワーキングディスタンスの長さからして、チョウやハチなど動きの早い虫をねらう場合、35ミリ、50ミリマクロではどうしても寄り過ぎてシャッターチャンスを逃すケースが多い。

 さて、ズイコーマクロ90ミリF2は明るいレンズではあるが、重い上にフォーサーズアプターを付けてE-500に付けた場合、当然ながら実絞り撮影となるから使い勝手は良くない。しかも撮影倍率は2分の1倍までであるから、かなり撮影範囲も制限を受ける。やはり仕事上では使えない。
 ただ、わずかに固めのマニュアルフォーカスリングは操作性がよいと感じる。フォーサーズのマクロレンズの電動マニュアルフォーカスも、その繰り出し速度を調整できる仕組みにしてくれたら、もっと使い易くなるのだが、、、、。新開 孝

クヌギクチナガオオアブラムシ 2006/10/13(その1)
 大きなクヌギの幹で、多数のクロクサアリが群れている(写真上)。

 クロクサアリはクヌギの根際の空洞内に営巣しており、そこから樹上へと列をなし餌探しに出掛ける。彼らの餌の多くはアブラムシ類が出す甘露と呼ばれる汁である。クヌギには多種類のアブラムシがついているが、そのほとんどが高い梢の枝や葉っぱで生活している。

 ところがアブラムシのなかでも、クヌギの低い場所に好んで生活するものがいる。そのアブラムシは「クヌギクチナガオオアブラムシ」で、幹の表面の窪んだ谷間に体を埋めるようにして群れている。
 クロクサアリが幹に縦長く群れているのは、このアブラムシの甘露を摂取するためだが、ときには土や木屑を塗り固めて、「アブラムシの谷」を完全に覆い隠してしまうことも多い。

 このクヌギクチナガオオアブラムシは、自分の体長よりかはるかに長い口吻をもっており、その口吻から繰り出される口針はさらに長く、その口針をクヌギの幹内に深く差し込んで植物の汁を吸い上げる。クロクサアリにとってみれば、アブラムシはまさに栄養供給ポンプ、あるいは食物供給ポンプという役割を果たしているわけである。だから、このアブラムシを彼らが大事そうに取り囲んでいるのであり、あるいはその餌資源の魅力に囚われてしまっているのかもしれない。
 アブラムシをきちんと撮影したいので、なんとかアリたちを一時的にでも排除しようと息を吹きかけたり、筆でかきとったりしてみるが、すぐに戻ってきてしまい自分たちの体でアブラムシの谷を覆い隠してしまうのである。

 クヌギクチナガオオアブラムシは、通常一匹のメス成虫とそのメスが産み落とした子供たちとで一つのコロニーを形成していることが多いようだ。どうやらクヌギの幹表面の谷間の一つ一つの面積は小さいので、どうしてもアブラムシが離れ離れとならざるを得ないのではないか、と想像する。

 (E-500  マクロ35ミリ+1.4倍テレコン)
 新開 孝

コウチスズメの幼虫 2006/10/13
 空堀川遊歩道にあるドウダンツツジの植え込みで、一部がまるで刈り取ったように、枝だけになっていた。しかも路面には多数の糞がころがっている。

 さっそく近寄ってみれば、コウチスズメの幼虫が見つかった(写真上)。
本種の幼虫は去年の10月4日にもアップしているが、そのときの個体は側面の気門が鮮やかな朱色に彩られたタイプだった(写真下/去年の10月に撮影)。
 こうして並べてみると同種の幼虫とは思えないくらいに姿が違って見えるが、本種の幼虫の体色には、さらに青緑色のタイプもある(写真は学研の「日本産幼虫図鑑」に出ている)。
 まだその青いタイプを見た事が無いので、是非、近いうちに探してみようと思う。

(写真上/E-500  マクロ35ミリ+1.4倍テレコン)
(写真下/EOS-5D マクロ100ミリ)新開 孝

盗蜜、ふたたび 2006/10/12(その1)
 花はかなり減ってきたが、今でも濃青紫色の花弁にはポツポツと、ニホンミツバチがやって来る。

 この濃青紫色の花はサルビアの仲間で、原産地は南米だそうだ。本種は「Salvia guaranitica」という学名で、国内での流通名は「メドーセージ」と呼ばれている。緋色のおなじみのサルビアは、ヒゴロモソウ(S.plendens)と呼ばれ、やはり原産地はブラジルとされる。

 さて、以前にクマバチの盗蜜と、そのおこぼれをニホンミツバチも利用していることを紹介したが、今日はニホンミツバチに混じって、セイヨウミツバチもまったく同じように、クマバチが穿った穴から盗蜜しているのを見た(写真上)。

 今日、メドーセージの花にやってくるミツバチは、皆、盗蜜するばかりで花の入り口から花弁内へと侵入するものは一匹も見あたらない。どの個体もうしろ脚に花粉団子を付けていないので、花蜜収穫をもっぱらとするワーカーが集中していたのかもしれない。蜜だけを効率良く集めるためなら、深い花弁内に潜り込む手間暇を省きたいわけだろうか。

 盗蜜したあとニホンミツバチが口吻を抜き取る瞬間の写真(写真下)では、クマバチが開けた穴が見えていた。

(E-500  マクロ35ミリ+1.4倍テレコン)



 新開 孝

コムラサキの卵 2006/10/12(その2)
 先週はじめ頃、コムラサキのメスがさかんに産卵をしていたヤナギ(シダレヤナギ)の所へ行ってみた。

 そろそろ幼虫が見つかるはずと思って、3本のヤナギをかなりしつっこく探してみたが、幼虫は一匹も見つからなかった。ただ、葉表に並べて産まれた卵を見つけることができた。

 きちんと並べて産まれた卵は、しかし、中が透き通っており、なおかつふ化したときの穴も開いていないので、未受精卵であった可能性が考えられる。

(E-500  マクロ35ミリ+1.4倍テレコン)新開 孝

オオミズアオの幼虫 2006/10/12(その3)
 ミツバチを撮影していると、通りがかりの方から、ハナミズキに大きな芋虫がいた、と教えてもらった。特徴を伺えばオオミズアオであることがわかった。

 さっそく帰り際にハナミズキの梢を見れば、聞いた通りオオミズアオの終令幼虫が、枝に止まっていた。ただし、その梢にはもはや葉っぱが一枚もなく、幼虫がとても目立つ。余計なお世話だろうが、少し葉っぱのついた枝へと移してやった。

 ここにはハナミズキが数本植わっているが、毎年のようにオオミズアオが発生する。

(E-330  魚眼8ミリ)新開 孝

ヒメノコメエダシャクの交尾 2006/10/10(その1)
 今日は午前中だけ、フィールドに出てみた。場所は、昨日も出向いた、埼玉県の多福寺。

 仕事でアブラゼミのオスが必要になったので、セミ捕りをすることにした。幸いにもまだ鳴いているオスがあちこちで見つかる。
 しかし、どのアブラゼミも樹の高いところばかりにいるので、6メートルのタモ竿を修理して、セミ捕りに挑戦してみた。
 ようやくのことタモ竿でもギリギリ届く位置で鳴いているオスを見つけたが、枝の状態からしてネットインするのは難しいことがわかった。案の定、ネットがセミを捕獲する寸前で枝を叩いてしまい、飛び立たれてしまった。

 「うわっ!悔しい!」と思いきや、
 なんと次の瞬間、逃げたはずのアブラゼミがけたたましく鳴き声を張り上げた。アブラゼミはジョロウグモの網糸に脚が絡んでしまって宙吊り状態になったのであった。おかげで難なくネットインできたのであった。ジョロウグモに感謝!!

 季節をはずすと、アブラゼミの捕獲さえもこうして苦労することになる。6メートルのタモ竿の出番は少ないながら、仕事上では必須の道具である。この機会に少し傷んでいる竿を丹念に修理しておこうと思った。

 写真は、交尾していたヒメノコメエダシャク。画面の上がメス。本種は秋になって成虫が現れる。
 幼虫は多食性でいろいろな木につくが、白地に黒の細かい縞模様にオレンジ紋をそえた、かなり派手目の色彩のシャクトリムシ。
 ヒメノコメエダシャクは綺麗なシャクトリムシで、今年の春に撮影をしたが、それらの写真は来年発売予定の写真絵本にたくさん掲載される。乞うご期待。

(E-500  マクロ35ミリ+1.4倍テレコン)

新開 孝

ホコリタケ 2006/10/10(その2)
 ホコリタケの茶色に変色した老菌は毎年よく見かけるが、今日のような未熟な子実体をこれまで撮影したことがなかった。たしか以前に見つけたときは雨上がりで濡れていて、天候も悪く撮影する気がしなかったと思う。

 私がとくにキノコを探し歩くことはないが、こうして出会うと嬉しくなって、しばし時間を費やしてしまう。キノコについての知識はほとんど深まらないので、キノコを撮影するのはいかにも趣味の範疇でしかない。
 キノコを撮影するなら、どうしても昆虫との関係性でとらえたいと考えているが、趣味写真も時々は気分転換にちょうど良い。
 
(写真上/E-330  魚眼8ミリ)
(写真下/E-500  マクロ35ミリ+1.4倍テレコン)新開 孝

アオマツムシ 2006/10/10(その3)
 夜の街を歩くと、とてもうるさい!と感じるほど、アオマツムシはすっかり日本の各地に定着している。
 近年は新潟市にも進出し、昨日、一緒にフィールドを歩いた仙台の中瀬さんのお話では、ポツポツと仙台市内でも記録が出ているような様子であると、聞いた。どうやら東北地方での北上がじわじわと進んでいるようだ。

 さて、アオマツムシは昼間でも姿を晒して鳴いている。
 オスが鳴く場合、たいていはメスのそばだから、鳴き声をたどっていくとオスとメスが一緒に見つかることがほとんどだ(写真上)。

 はねを立てて鳴いているオスが、メスの方へにじり寄って行く場合や、逆にメスがオスの方へと積極的に近寄る場合と、彼らの配偶行動は観ていると興味深い。
 メスはオスの背面に体を乗り上げて、オスの翅の付け根近くの分泌液をなめる(写真中/撮影は昨日)。オスの分泌液はメスの好物らしいが、こうして舐めているうちに交尾が成立する。

 だが、この写真のときにはオスが急に飛び跳ねて逃げてしまった。メスが気に入らなかったのだろうか?見ていると、オスが懸命にメスに対して求愛していることの方が多いようだが、ときにはオスがメスを選ぶ?こともあるようだ。

 いっぽう、今頃はジョロウグモも最盛期であり、その網巣に掛かって餌食となってしまう昆虫メニューの中でも、とくにアオマツムシの姿が目立つ(写真下)。

(写真上、下/E-500  マクロ35ミリ+1.4倍テレコン)
(写真中/EOSキッスデジタルN EF100ミリマクロ)
新開 孝

トンボの催眠術マジックとは? 2006/10/10(その4)
 昨日のこと、近所でお会いした「清瀬自然を守る会」のある方から、トンボを使ったマジック?を教えていただいた。

 この催眠術マジックは、
 
 1)まず赤トンボを捕まえる。
 2)捕まえたトンボの翅を両手で持って、自分の膝ズボンの上に仰向けにする。
 3)翅を根元から外へと指でかるく擦る。
 4)すると、あら不思議!トンボは膝の上でおとなしく仰向けのままとなる。
 5)で、今度はトンボの近くでパンッ!!と手を打ち合わせると、トンボはびっくりしたように飛んで行くのである。

 この話と実演を見せていただいたあと、私もアキアカネとウスバキトンボでさっそく試してみたところ、ほんとうにうまくいくのでさらにびっくり。
 写真は子供が実演しているところ。

 いったいどういう理由でトンボがおとなしくなるのか、まだわからないが、このマジックができる種類は赤トンボ以外でも可能であるようだ。少なくともウスバキトンボではうまくいった。ただしウスバキトンボの場合は催眠が浅かったようで、手を打つ前に飛んでしまったが、これはいろいろと試してみると面白い野外実験だと思う。

(E-330 ズイコーズーム 7−14ミリ)新開 孝

「矢カマキリ」とは 2006/10/10(その5)
 今回の写真は一昨日、群馬で撮影したもの。

 当日は終日、強風が吹き荒れて、ときにじっと立っているのさえ辛くなるほどであった。したがって撮影のほうも被写体ブレとカメラブレが多発して、シャッター回数に対して、OKカットの歩留まりは良くなかった。

 さて、そのような強風のせいであろうと思われるが、珍事件を目撃した。
ハラビロカマキリのメスの背中に、木切れがグサリと突き刺さっていたのである。もちろん突き刺さる瞬間を見たわけではないから、事の真相は定かでないが、強風のいたずらではないか、と考えるのが私にはもっとも自然であるように思える。

 ハラビロカマキリからその木片を取り除いてみると、傷はきわめて浅いことがわかった。木片の重量からすれば、強風の力を得て突き刺さったにしても、受けたダメージは軽微で済んだようだ。

 強風のせいで、私も自分の帽子を池の中へと吹き飛ばされた。16年前に初めての海外旅行でマレーシアに行くときに買った帽子だ。池の中央まで流されると回収は不可能だったが、中州の草で止まったので、いつも車に積んである6メートルのタモ竿で難なく掬いとることができた。
 やはり帽子にはあごひもを付けておくべきだと、反省した。

(E-500  マクロ35ミリ+1.4倍テレコン)
 新開 孝

ムモンホソアシナガバチ 2006/10/09(その1)
 ヤマザクラの幹で多数のムモンホソアシナガバチが集まっていた。
 ここにいるムモンホソアシナガバチは、全てが新女王である。

 ヤマザクラの幹に穿たれた穴は、もとはアオゲラの巣であったか、あるいは巣作りの途中で放棄された穴だろう。ムモンホソアシナバチの女王たちは、こうした樹のうろなどに潜り込んで冬ごしすることが多い。

(EOSキッスデジタルN   EF水平魚眼15ミリ)新開 孝

サトクダマキモドキの雌雄 2006/10/09
 体の大きなサトクダマキモドキのメスがアカメガシワの葉上で日光浴をしていた(写真上、中)。

 このキリギリスのなかま、サトクダマキモドキは林縁でよく見かける。林の奥ではなく、日当たりの良い林のふちなどに多くいて、歩いていると頭上からいきなり飛び出してきて、びっくりすることがある。

 今日は最初にメスを見つけ、その個体を撮影しているうちに、すぐ近くの梢に小柄なオスも潜んでいたことに気付いた(写真下)。

(EOSキッスデジタルN EFマクロ100ミリ)新開 孝

トンボ池 2006/10/08
 今朝は午前8時半から「ぐんま昆虫の森」に入った。

 晴れてはいたが、風がとても強くて、撮影条件は厳しいものがあったが、トンボ池では、ギンヤンマの連結産卵(写真上)や、アオイトトンボの潜水産卵(写真中)などを見る事ができた。
 赤トンボ類では、ネキトンボが多くいた(写真下)。

 (写真上、中/E-500 ズイコーズーム50-200ミリ+1.4倍テレコン)
 (写真下/E-330 魚眼8ミリ ケンコー「影とり」使用)新開 孝
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