|  | | | 空堀川遊歩道沿いの防護柵は黒い金属製で、その無機質な柵にわざわざ気を止める人など、まずはいないと思われる。
しかし、いくら無機質であっても、河原の草地と遊歩道の反対側にある雑木林とに挟まれたその場は、あらゆる生きものたちが行き交う空間の一つでもある。 だから私は、この金属格子を昆虫たちの生活舞台として、敢て意識して見て回る。
そして今日は、柵の格子にぶら下がるキタテハの蛹を2つ見つけた。 河原の草地に生えているカラムシの群落から、キタテハの幼虫が彷徨って辿りついたと思われる。 そっと蛹に触れてみると、元気に振り子運動を繰り返すのであった。
キタテハ幼虫は、幼虫時代に自分で綴った葉っぱの巣内でそのまま蛹になることも多いが、こうして食草から遠く離れた場所、しかも足場のしっかりした場所を蛹化場所とすることも珍しくない。
(E-330 魚眼8ミリ+1.4倍テレコン、内蔵ストロボ)
『ありがたや!内蔵ストロボ様』
魚眼8ミリレンズで昆虫接写撮影する場合も、ほとんど内蔵ストロボしか使っていない。以前は小型ストロボを付けてたりしていたが、カメラを構えた際のバランスがたいへん悪いので、やはり内蔵ストロボはたいへん重宝する。 内蔵ストロボを使う場合、近接距離での発光ではレンズ長の分だけ光がケラレて、被写体に対しての光りの回りが悪くなるという問題が発生する。
そこでこれまでは自作のディフューザーを内蔵ストロボの前面に取り付ける工夫をしてきた。ともかくこの程度の工作は自分でやることが私のモットーであり、似た様な市販品があっても、絶対に買わないことにしている。工作なら百円単位の材料費で済むところが、市販品だと数倍から十倍前後の価格がついていることが多いからでもある。 ところが、私の自作品ディフューザーには一つ欠点があった。それはレンズとの接地部分にわずかな隙間ができてしまうことだ。 この隙間からこぼれる直射光が、撮影条件によってはあからさまにリング状となって写り込むケースがあり、これは何とか改良しなければ、と思い続けてきた。
ところが先日、森上さんの使っているケンコーのディフュザー「影とり」を、海野さんがこれならどうだろうと仰って、試しに使ってみるとすこぶる調子がいい。なんといってもレンズにぴったりと巻き付くので、光りのこぼれが無いのがいい。 で、昨日、都内に打ち合わせで出向いたおりに、ビックカメラ池袋店でケンコーの「影とり」をさっそく購入してしまった(2350円也)。
ただし、「影とり」はレンズのピントリングに巻き付けて固定するので、マニュアルフォーカスでは使えない。フォーカスリングが回らないオート時のみ使える、というのも、また新たな欠点ではある、、、。  | |