| ベランダに置いてある竹筒アパートには、オオフタオビドロバチが営巣している。
以前にこの泥バチに寄生するドロバチヤドリニクバエや、コンボウヤセバチを紹介したことがあるが、オオフタオビドロバチにとって脅威となる天敵が新たに現れたようだ。
新手の寄生者とは、甲虫のなかまのムモンオオハナノミではないかと思われる。幼虫(写真上/泥バチの幼虫を食べている/8月18日撮影)も、蛹(本日、竹筒内を開けてみたところ)も、私は初めて見るのでまだ確証はないが、蛹の形態は図鑑にあるムモンオオハナノミの成虫の姿に符号するのである。
ムモンオオハナノミの寄生方法は非常に驚異的で、まず花を訪れたオオフタオビドロバチの体に1令幼虫が飛び移る。つまり1令幼虫は泥バチが来るであろう花の中で待ち伏せをしているわけである。 運良く泥バチの体に便乗できた幼虫はそのまま巣へと運ばれ、そこで今度は素早く巣内に飛び移るのである。こうして巣の中へ侵入を果たしたムモンオオハナノミの幼虫は、泥バチの幼虫や獲物として貯えられた蛾類幼虫などを食べて育つのである。
ちなみにこのムモンオオハナノミの蛹が見つかった巣部屋の位置は、竹筒の再奥の一室のみであり、同じ竹筒内の別部屋の泥バチ幼虫たちは寄生を免れていた。
(E-500 マクロ35ミリ+1.4倍テレコン) | |