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モンキチョウの交尾 2006/08/20(その1)
 昨夜はかなり雨が降っていた。
今朝には雨は止み、草地に出てみるとモンキチョウの交尾カップルを見つけることができた。想像するに雨上がりの草地で、モンキチョウのメスはかなり早い時刻(おそらくは4時前後)に羽化したのだろう。
 
 そして翅を伸ばして休んでいるところへ、オスが飛来して交尾が成立したのではないか。

松山滞在2日目。やはりこちらのうどんは、おいしい!今日の昼食もうどん屋に決めた。

 お盆休みということで、昼間から夕刻にかけては家族と過ごすが、家族が就寝している早朝にはゆっくりと近所で撮影できる。なんといっても、朝食の準備を気にかけることなくうろうろできるのがいい。


 (写真上/E−500 マクロ35ミリ+1.4倍テレコン)
 (写真下/E−330 魚眼8ミリ)新開 孝

ヒメアカタテハの幼虫 2006/08/20(その2)
 ヨモギの葉っぱを丸めたヒメアカタテハの幼虫巣は、葉裏の白地がむき出しになって、その
ためによく目立つ(写真上)。

 巣は糸で軽く綴じられているだけなので、これをそっと開いてみると中の幼虫の姿を見るのは簡単である。すると彼らは用便も巣の中ですませてしまうので、大量の糞が溜まっている。
 
(E−500  マクロ35ミリ+1.4倍テレコン)
新開 孝

アオメアブの獲物 2006/08/19
 昨夜はエンマコオロギの涼しげな鳴き声のなか、就寝した。鳴く虫のなかで私が一番好きな鳴き声は、このエンマコオロギの奏でる求愛歌である。

 ここ松山市ではすでにアオマツムシの騒々しい鳴き声も聞かれ、四国はやはり南国だなあと感じる。

 九州に上陸した台風10号の影響は、松山ではそれほどでもなかったようだが、一部JR線では電車が止まったりしたそうだ。降雨量が一時的に増えて崖崩れなどが発生したらしい。

 今朝は午前6時すぎに実家横の草地に出てみた。すぐ目の前に現れたのは大きな獲物を抱えたアオメアブだった。
 獲物は近くを群れ飛んでいるウスバキトンボ。アオメアブはウスバキトンボの背面から抱えるようにして太い口吻を刺し込んでいる。口吻から注入される毒液は強力で、獲物は瞬時におとなしくなるようだ。

 アオメアブはニイニイゼミなども捕らえることがあるが、さすがにその獲物の体重を支えきれず、獲物を抱えたまま地上に急降下してしまう。

(E-500 マクロ35ミリ+1.4倍テレコン)新開 孝

機材の準備とは 2006/08/17(その1)
 毎年、お盆の今頃は四国に帰省する。私の嫁さんも愛媛出身なので、少なくとも帰省の際の到着空港は同じ松山空港で済む。そしてさらに下の子供の誕生日が8月なので、JALのバースデー割引チケットを利用できるのも助かる。
 なぜかANAはこのサービスを取り止めてしまった。

 去年の夏は小学館ネオ図鑑の仕事もあって、帰省の折りに県内の石鎚山へ通ったりしたが、今夏は仕事内容ががらりと変わった。むしろ私の本音としては動きたくないのである。その理由は昆虫の変態を中心に撮影しているからで、今年の撮影は近場に通うことと、室内撮影が多い。
 だが、そうはいっても家族あっての私でもある。お盆の帰省を利用して違った視点の撮影をすれば良いのである。

 今日はこれまで飼育してきた昆虫のうち松山まで連れ帰るものと、そうでないものなど、整理しながら片付けたりする必要があった。大事な芋虫など数種の昆虫は抱えて帰るのである。

 そして四国滞在中に撮影するための機材もできるだけ絞り込んでパッキングする作業も並行して行なった。
 これまで野外撮影のほとんどは、OLYMPUSのEシステムでこなしてきた。今回も迷う事無くそうする予定だったが、たまにはCanonの機材を野外で使ってみようかと急に思った。それで実際にパッキングしてみたのだが、やはりこれには無理も多い。

 まずは主力カメラのEOS-5Dだが、画質の良さはともかく、内蔵ストロボが無いというのは非常に痛い。野外での身軽な取り回しには内蔵ストロボの活躍大であり、この機能を切り落としたCanonの選択とは、おそらくは価格設定の問題だったのではないかと想像したい。
 NikonのD200があれだけのスペックのカメラでありながら、内蔵ストロボを持っているのは、まさに正解であると思う。ましてやEOS-5Dクラスで内蔵ストロボを欠如してることは今や時代遅れと言われても仕方が無いだろう。

 昆虫写真の現場では、この内蔵ストロボの活躍が無くてはならない程のものとなっており、とくに私などは撮影態勢よりか虫の舞台探しに精力を注ぎたい者にとっては、できるかぎり機材の軽量化とシンプル化を実現することが必須なのである。
 で、結局、OLYMPUSのEシステムのカメラザック(写真上)とCanonのカメラザック(写真下)をそれぞれ詰めてみたのだが、ストロボが1台余分に必要なシステムとなるCanon態勢は、却下となった。

 今後、Canonに期待したいのは、35ミリ版フルサイズCMOS搭載のEOS-5Dの後継機種としては、内蔵ストロボ有りであることの一点なのである。それが実現するならば、野外撮影でも大いに活躍できるカメラとなり得るだろう。

(E-300  ズイコーデジタルズーム7−14ミリ/F4))

新開 孝

オオフタオビドロバチの子育て続く 2006/08/17(その2)
 ベランダに置いた竹筒には毎年、オオフタオビドロバチがやってくることは、何度も紹介してきたが、しばらく観察を怠っているうちに少なくとも2匹のメスがここ数日内で次々と営巣していることに気付いた。

 そして本日は、2匹のオオフタオビドロバチが最後の泥壁を仕上げ塗りする場面に立ち会えることができた(写真上)。

 ただし、この場面を覗き見していたのは私だけではなかった。小さな寄生バエのドロバチヤドリニクバエが、近くの竹筒上に居座ってドロバチの一挙一動をじっと窺っていたのである(写真下)。

 このドロバチヤドリニクバエは、ドロバチが巣を離れた隙に巣内へと侵入し産卵するのである。はたして、すでにその産卵が成功しているのかどうか、これもまた興味深々ではある。

(E-500  マクロ35ミリ+1.4倍テレコン)

新開 孝

イチモンジチョウ幼虫の住宅難 2006/08/17(その3)
 スイカズラの葉っぱを注意深く見ていくと、イチモンジチョウの若い幼虫が多い。

 イチモンジチョウ幼虫は卵からふ化した後、まずは葉っぱの先端に向いそこで少し葉をかじってから自分の糞で塔をこしらえる。なかなか面白い習性の持主だ。
 幼虫は葉の主脈だけをかじり残して、そこを休息場所とするが、自分の体にも少々糞をつけてお化粧する。これがなんとも可愛いではないか。
 葉っぱの先端が、何故にお気に入りの場所となるのか理解に苦しむが、「ゴマダラ岬」同様に先っちょ、は居心地が良いのであろうか?

 さて、今日見つけたイチモンジチョウ若令幼虫の居場所近くには、なんと卵が3個も産み付けられていた。卵はよーく眺めると今日明日にはふ化しそうだ。

 通常、一枚の葉っぱには一匹の定員と決まってるはずで、たまに2匹の幼虫が先ちょを分け合って棲息している場合も無いではないが、一枚の葉っぱに今後3匹が加わって4匹が住まうというのは、それはいくら何でも無理な話ではないか、そう心配してしまう。
 先住者優先なのかどうか、そこらの事情は知らないが、新しく産まれてくる3匹の幼虫たちは、いかように振る舞うのか興味津々である。

(E-500  マクロ35ミリ+1.4倍テレコン)新開 孝

ヒカゲチョウの幼虫 2006/08/16(その1)
 マンション裏のアズマネザサでサトキマダラヒカゲの卵探しをしてみた。

 数日前からサトキマダラヒカゲの成虫が、ここからよく飛び出すので、そろそろ産卵しているのではないか、そう思ったからだ。

 葉っぱを一枚、一枚めくっていくうちに、ヒカゲチョウの終令幼虫が見つかった(写真上)。

 体両端に二本のツノが生えたような格好だが、頭の向きは、写真画面の左側である。お尻にも似た様なツノがあるので、なんとも紛らわしい。
 普段、休息しているときには顔面を伏せているが、移動して歩く時や食事をしているときだけは、その「ウサギ顔」(写真下)を拝見することができる。

(EOSキッスデジタルN  マクロ100ミリ/写真上)
(EOSキッスデジタルN  マクロ65ミリ/写真下)新開 孝

キチョウとアズチグモ 2006/08/16(その2)
 ハナゾノツクバネウツギ(アベリア)の花で、おかしな格好をしたキチョウがいた。おかしな格好とは、宙を舞っている瞬間の姿だったからだ。
 キチョウの鮮やかな黄色は遠目でもよく目立つ。ふちどりの黒帯模様がいっそうその黄色を引き立てている。

 さてはと覗き込んでみれば、やはりクモに捕まっていた。アベリアの白い花上に、白い体のアズチグモが潜んでいたのだ。

 アベリアは生け垣や公園、道沿いなどによく植えられているし、花期も長い。そこでは花にやって来る昆虫と、その昆虫をねらうクモ、昆虫たち、と喰うもの喰われるもののドラマチックな世界が窺える。

(EOSキッスデジタルN  マクロ100ミリ) 新開 孝

オニグモ 2006/08/15
 メスでは最大で体長3センチ程にもなるオニグモ。

 人家の軒下などにも棲んでいて、いかにも馴染み深いクモである。
 夜に掛けた網は、通常は朝になって畳んでしまうが、そうはせず同じ巣網を何日も使う場合もよく見かける。しかも、昼間から巣網の真ん中にオニグモが陣取っていることも少なからずあるようだ。

 今日は雨が降ったり止んだりするなか、埼玉県三芳町の多福寺に赴いた。用事は数分程度で済み、帰路についたところで高い梢に大きなオニグモの巣網が目に入った。
 もう少しシャッター速度を遅くすれば、雨脚もよく写り込んだはずだが、どうしても風で巣網がブレてしまう。


(EOSキッスデジタルN  マクロ100ミリ)新開 孝

トックリバチの交尾 2006/08/14(その1)
 最初に目撃したのは、おそらくはムクノキの梢だった、と思う。

 トックリバチの交尾カップルを見るのは初めてのこともあって、何とか撮影しておこうと思った。以前、キアシトックリバチの交尾行動を撮影したのは、四国、松山であったが、そのときはわずか1カットしか撮影できなかったことをよく憶えていたから、なおさら慎重に臨む必要を感じた。

 カップルはしかし、落ち着く場所を求めて、あちこちと飛翔移動した。先導するのはもっぱらオスの仕事であり、メスは着地点を決める役目のようだ。

 やがて、枯れ枝にメスがしがみつくように着地してくれた。林の外から撮影すると、背景は暗くて真っ黒になってしまう。そこで、私は暗がりの林内に回り込み、明るい背景を選んでカメラを構えてみた。

(E-500  マクロ35ミリ+1.4倍テレコン/所沢市 堀之内)新開 孝

オビガ幼虫 2006/08/14
 ぬいぐるみのような毛虫が、スイカズラで多数、見つかった。

 刺激を与えると、体を激しく揺さぶる。毛虫嫌いの方なら、卒倒しそうな光景であろうと思う。

 しかし、その艶やかな毛色はけっこう綺麗と感じる。

(E-500  マクロ35ミリ+1.4倍テレコン)新開 孝

モモスズメの幼虫 2006/08/13
 ヘクソカズラの蔓で、大きなスズメガの幼虫を見つけた。

 しかし、その幼虫はモモスズメ幼虫の黄褐色型であり、本来、ヘクソカズラを食べないはず。そこでよくよく見れば、ヘクソカズラが巻き付いているヤマザクラの枝にもしがみついている。食樹はヤマザクラの方だった。
 

 モモスズメはバラ科の多くの種類につくので、庭先や街路樹などでもよく見つかる。

(E-500  マクロ35ミリ+1.4倍テレコン)新開 孝

「三富昆虫探検隊」 2006/08/12(その1)
 本日の午前中は、埼玉県三芳町の雑木林で昆虫観察会が催され、私は講師として参加させていただいた。参加人数は家族連れの方々数組を含んで、40数名を超える盛況ぶりだった。

 曇り空で今にも雨が降り出しそうな雰囲気のなか、ヒグラシが盛んに合唱し始めた。しかし、正午過ぎまで雨はなく、無事に観察会を終えることができた。

 今回は事前に昆虫リストを作って配布してみた。少し欲張って50種を挙げてみたのだが、リストからこぼれた種類が次々と登場したり、参加者の方たちが見つけてくれて、けっこう種類豊富な昆虫を見る事が出来たと思う。

 40数名もの団体が移動したせいだろうか、昼間なのに大きなヤママユのオスが林内を飛翔し始めた。きっと驚いて飛び立ったのだろう。参加者一同が見守るなか、そのヤママユは運が悪い事にクモの糸に絡まってしまい、空中で静止する格好になったのである。
 私はおかげでこれ幸いとばかり、ヤママユの解説をすることができた。チョコレート色の立派なオスだった。しかも解説していた場所のすぐ脇のコナラの梢には、昨年産み付けられたヤママユの卵が多数見つかり、これはあまりにも出来過ぎだなあ、と嬉しくなった。

 (写真はアリジゴクの巣を観察する参加者の方々/E-330 14-54ズーム)
 新開 孝

隠蔽工作 2006/08/12(その2)
 シャクトリムシのなかでも、自分の体に葉っぱのかけらや、花びらなどを付着させて、隠蔽工作をする種類がいくつか知られている。

 過去に銀塩ポジでは撮影した経験があるが、どうしてもデジタル写真で撮っておきたいと思っていた。

 そのシャクトリムシ類は、それほど珍しいものではないが、いざ探すとなるとけっこう厄介である。
 ところが、今日は講師を務めた観察会中に、参加者の一人の小学生の男の子がそのシャクトリムシをアカメガシワで見つけてくれた。

 もちろん男の子は、それがなんであるか解らず、私に質問してくれたのであるが、私もさいしょは「ニトベミノムシだね」と、気軽に答えてしまった。が、よくよく見ればそれがシャクトリムシだとわかった。しかも2匹も見つかったのである。

(EOS-5D  マクロ65ミリ)新開 孝
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