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コンボウヤセバチ 2006/08/06(その1)
 ベランダに置いた棚を、ゆっくりと物色するかのように飛翔していたのは、コンボウヤセバチであった。

 コンボウヤセバチがうちのベランダにやって来た理由は、ここで毎年営巣する泥バチ類をねらってのことではないか、と思う。

 コンボウヤセバチ科は国内では2属5種が記録されているが、これまでにわかっている種では、寄主は単独性のカリバチやハナバチであるそうだ。
 あるいは稀に竹筒内の巣や泥巣から羽化することもあるということだから、うちのベランダで営巣するオオフタオビドロバチやスズバチがねらわれてもおかしくないわけである。

 それにしても本種はこれまで2、3回しか見た事がない。いずれもあっと言う間の出来事で、しっかりとその姿を観察できたことはなかった。
 今日はしっかりとその姿を観察できたが、ほんとうに変ちくりんなハチである。

(EOS-5D  マクロ100ミリ)
新開 孝

キイロショウジョウバエ 2006/08/06(その2)
 我が家では、カブトムシとノコギリクワガタを子どもが飼っている。
マンションの灯火に飛来したものや、裏の小さな林で見つけたもので、特別に採集に出向いたものではなく、日常生活の中で偶然に拾った個体ばかりである。

 で、その餌にはデザートの残りのメロンやバナナを与えているが、そこにはすぐにキイロショウジョウバエが発生する。
 キイロショウジョウバエは、私が飼っているヒメカマキリモドキ(本日、最後のメスが死んでしまった)の生き餌としても重宝してきた。

 このキイロショウジョウバエも、ルーペで拡大してみればそれなりに可愛い姿なのである。
 およそ10日間で、卵から成虫にまで成長するというから、キイロショウジョウバエの繁殖力は凄まじい。

(EOS-5D  マクロ65ミリ)新開 孝

森のクラゲ 2006/08/05(その1)
 ここ数日、真夏の猛暑が続く。
 
 緑の水中を漂う「森のクラゲ」がなんとなく涼しげで、羨ましい。


 
 「森のクラゲ」の正体は、アサギマダラの蛹殻である。
 じつは先日、8/1に高尾山で撮影していたカットで、キジョランの葉うらで見つけたもの。見つけたそのときには、まだアサギマダラ成虫がぶら下がっていたことは、すでにアップしている。


(E-500  マクロ35ミリ+1.4倍テレコン)


新開 孝

クマバチの芸術 2006/08/05
 クマバチの巣を眺めていると、坑道の拡張作業でもしているのか、ときおり巣穴からポロポロと小さな木屑がこぼれ落ちてくる。あるいは排便であろう粘液も落ちてくる。

 そこで、巣穴の下、50センチくらいのところに白紙を受け皿として置いてみた。木屑のような軽いものは風で飛ばされてしまうが、それ以外はだいたいが落下点に残っている。

 さて、どのくらい待ったであろうか、巣穴の奥でモゾモゾする様子が窺えたので、カメラを構えてみた。
 すると真っ黒なお尻がゆっくり巣穴の外へと差し出されてくる。
 その動きがピタリと止まった次の瞬間、
 ムニュムニューっと、うこん色した一筋の軟便が、垂れ落とされたのであった。

 数回にわたって、それはまさに絵の具がチューブから絞り出される様子そのもの。私が用意した白いキャンパスには、クマバチの芸術作品が出来上がった。

 この作品は、6本足のタコのようにも見えるが、その体にあたる部分は、ほとんど液状の排便を先に見たのであった。液状であるから途切れることなく垂れて、キャンパス上では、水たまりとなったのである。

 このキャンパスをもうしばらく設置しておくと、どんな作品に仕上がっていくだろうか?

(EOSキッスデジタルN  マクロ100ミリ)新開 孝

クマバチの母娘 2006/08/04
 クマバチの巣は、人里の木造建築物に巣をかまえることも多いが、雑木林では梢の枯れ枝に造られる。

 さて、一ヶ月以上も前に雑木林のエゴノキの立ち枯れ枝で、クマバチの巣を二つ見つけていた。その巣の高さは、一つは目線の位置で、二つ目は地上から2メートルほどであり、クマバチの巣としてはかなり低いほうだ。
 林の樹種構成にもよるだろうが、ここ武蔵野近辺では、エゴノキそしてアカマツ、クワなどの朽ち枝部分での営巣が目立つ。

 二つの巣を見つけた時点では、すでに子育てがかなり進んでいると思われ、当初は巣内の花粉団子や幼虫などの様子も覗いてみたいと迷ってはいたが、やはり断念して今日に至ったのである。

 それで今日は、成虫の巣からの出入りを観察してみると、一つの巣内には複数のメスがいることがわかった。つまり越冬明けの母バチが単独で穿ってこしらえた巣内では、すでに娘たち数匹が成虫として育っており、母バチと同居しているのである。
 一旦外に出掛けると長い時では1時間、短くても40分くらいは戻ってこない。 もしかしたらオスバチも羽化している可能性もあるが、まだそこまでは確認できていない。いずれにせよ、オスバチはメスよりか出現が後になる。

 ハチの仲間でも最大級サイズの卵や、そしてまず天敵に襲われることなく完璧な育児をこなすというクマバチ特有の子育て法など、今後はじっくりと撮影してみたい課題でもある。
 そういう撮影については、もはやフィールドで行なうのは無理な話であり、これもたくみにクマバチを自分の住居の敷地内に誘致するのが一番、手っ取り早い。

(EOSキッスデジタルN  マクロ100ミリ)

 なお、本日は二つの巣をそれぞれキッスデジタルNと、OLYMPUSのE-330に50-200ズームという組み合わせの、2台のカメラで待機してみた。
 マクロ100ミリでは近付き過ぎかと思ったが、クマバチの行動にさして影響は与えなかった。ズームレンズは200ミリの望遠側で使い、少し巣から距離をおいてみた。これは35ミリ換算で400ミリ望遠相当になるが、さすがにこの距離だと撮影する上では緊張感から解放され、リラックスして待機できた。
 今日のカットはたまたまキッスデジタルNのものとなったに過ぎない。新開 孝

キボシアシナガバチ 2006/08/03(追加)
 アシナガバチ属(ポリステス)のなかでも、巣の繭のふたが鮮やかな黄色をしているのが、キボシアシナガバチの特徴。

 本種は住宅周辺にもっとも普通に見られるコアシナガバチとよく似ているが、巣がわかれば区別は容易い。
 キボシアシナガバチはとてもおとなしいハチであるから、巣の近くで撮影していても刺しにくることは無い。もちろんハチをいたずらに刺激しないよう振る舞う位は最低限のマナーだ。これは他の昆虫でも言えることだろう。

 さて、働きバチたちは肉団子を抱えてはさかんに帰巣してくる。肉団子が大きいときは、すぐに他の働きバチと分配して、それぞれが幼虫に給仕していく。アシナガバチの巣での子育ての様子を見ていると、見事な分業、助け合いなど、まさに社会性昆虫の暮らしぶりの面白さに惹き込まれる。

 さらに巣の様子を見ていると、すでにオスの姿もあった。まだ一匹しかいないが、これからも羽化してくることだろう。

(E-330  魚眼8ミリ+1.4倍テレコン)新開 孝

ワカバグモの狩り 2006/08/03(その1)
 ワカバグモがササキリ類の幼虫を捕獲していた(写真上)。

 私としては、そのササキリ類が何の幼虫なのか知りたくて、しばらくしつこく観察してみた。するとワカバグモは危険を察知したのか、空中に身を投じてしまった(写真下)。

 写真では、ワカバグモのお尻から伸びているはずの糸が写り込んでいないが、これは空中にぶら下がった瞬間なのである。

 
(EOS-5D  マクロ100ミリ)新開 孝

伝書バトの死と運のつき、とは 2006/08/03(その2)
 おそらくはオオタカの仕業であろうと思う。

 昨日、エントツドロバチを観察した梅の木を今日も再び訪れてみたのだが、その傍らに積んであった枯れ草の山の頂きに、首が喰いちぎられたハトの死骸があった。むしり取られた羽毛が地面に散らばっており、これはまさにオオタカの所業と言える。

 ここの畑で作業しているおばさんは、このところ毎朝6時半には水やりに来ていると、話していた。それ以後もときどき、畑の世話に来ているようなので、オオタカがさて、伝書バトを捕らえて食事にありついて間もなく、それほど時間が経たないうちに、おばさんの登場となってしまったに違いない。と、想像してみた。

 オオタカが選んだ食事場所は、運が悪かったとしか言いようが無い。 
 伝書バトの足輪を見れば、その飼い主の電話番号から、ごく近所から飛来したハトであることもわかった。

(E-330  魚眼8ミリ)

 運が悪いと言えば、今日の私もついて無かった。

 じつは、梅の木の場所に着いてカメラを構えた瞬間、目の前の梢で、エントツドロバチが狩りを始めたのであった。梅の葉っぱを巻いた中には芋虫が潜んでおり、それを懸命に追い出そうとしていることがわかった。
 しかも、しばらくすると葉っぱの隠れ家の中から、たまりかねて芋虫が飛び出し、口から糸を吐き、その命綱の先にぶらり、とぶら下がったのであった。

 これはエントツドロバチが芋虫を狩る瞬間を、見事にとらえることができる、またとないシャッターチャンス!!とにかく芋虫にピントを合せておけばいい。

 ところが、そこで私の運は尽きた。

 芋虫にフォーカスを合わせようとした瞬間、向こうから農家の方が一輪車を押してやってきたのである。少し前から視界に入ってはいたのだが、小道のど真ん中に立ちふさがっていた私は、撮影を中断せざるを得なかったのである。ここでは控えめに道を譲ることが、礼儀というものだろう。
 で、結果は知れている。エントツドロバチは空中で芋虫を見事に捕らえて、一気に上空へと舞い上がっていったのであった。
 私は農家の方に軽く会釈をしてから、呆然とエントツドロバチを見送るしかなかった。

 状況的には撮影を強行しようと思えば、できなかったわけでもない。しかし、私はまさに人の土地に入り込んでいる立場であり、しかもその農家の方とはまだ挨拶も交わしていなかった。農家の方が重い水タンクを載せた一輪車を押しているところを邪魔することなど、許されることではない。他の場所では、事後承諾が通るほどの、農家の方との親しい付き合いもあるが、ここではそうではなかったのである。

 あわよくば、エントツドロバチが獲物を抱えているカットだけでも今日はおさえておこうと考えていた。しかし、仕事のねらいは他にあって、そちらを優先しなければならなかった。それと、昨日見たエントツドロバチの巣はすでに獲物の搬入を終えている可能性もあり、実際にそうであった。
 私が幸運にも見ることができた狩りの主は、昨日と同じ個体かどうかは判然としないが、別の場所で営巣していることは間違いない。
 
 ここの梅の木は、泥バチ類の狩りの様子を撮影する上では、かなりいい条件を備えているように感じる。数日間も通えば必ず良い成果が上がる事だろう。もし私に弟子でもいれば、「お前さん、しばらく頑張ってみんかい!」と、自信をもってそそのかしていたに違いない。

 だが、私は今のところ泥バチの撮影に深入りする時間的な余裕はない。
じつは昨日もエントツドロバチの帰巣を待ちながら思ったことだが、こうした泥バチ、いや「家バチ」とも呼ばれる狩りバチ類の撮影は、来年の宮崎に転居してからじっくり行なえば良いこと、と割り切っているのであった。
 また、そうでもしない限り、ここ武蔵野のフィールドで片手間に撮影したところで、その成果は実に薄っぺらいものでしかないことも、明らかである。

 すでに宮崎のわが敷地内では数多くの泥バチの営巣を確認しており、さらに誘致作戦を展開すれば、それこそ庭の中で多種類の、それもうんと掘り下げた撮影ができることは、間違いないのである。

 エントツドロバチをはじめ、泥バチ、家バチの興味津々の撮影は、来年、宮崎の新住居で再開したいと、考えている。新開 孝

エントツドロバチ 2006/08/02(その1)
 エントツドロバチとは、通常、オオカバフスジドロバチと呼ばれている。
 しかしながら、彼らが泥で作る泥巣の入り口には、必ず煙突状の筒があって、その特徴ある巣作りの様子から、エントツドロバチと言う呼び名はいかにもふさわしい、と思える。

 このエントツドロバチの巣と、そしてハチそのものを目撃する機会はそれほど多くはない。少なくとも私自身の経験では。

 今日は、梅の梢で芋虫を捕らえたばかりのトックリバチを見つけ、撮影しようと近付いて逃げられた。かなり悔しい場面だった。
 泥バチたちが狩りをするシーンは、いざ撮影しようと思い立ってもすぐに叶うような生易しいものではない。毎年この時期には、布団の中で「明日こそはいいチャンスに恵まれたい」、と願いつつ就寝する日が多く、ちょうど昨晩も泥バチの撮影祈願をしたばかり。
 これは祈願成就か!と勇んだのがいけなかったのか、その殺気がハチを追いやってしまったようだ。

 で、素早く獲物を抱えて飛び去るトックリバチを見送っていると、入れ替わりに他の泥バチの飛ぶ姿を目にした。
 なんとエントツドロバチが芋虫を抱えて、梅の木のウロの中へと飛び込んでいくではないか!
 エントツドロバチの巣は、梅の木の窪んだ場所に隠すようにして設えてあった。その場所なら雨を凌ぐ事が出来る、うってつけの営巣空間だ。

 待つこと40分。ルリジガバチの撮影などを挟んで、腰を落ち着けていると、バシン!!と私の頭に追突したものがいる。それが獲物を抱えたエントツドロバチであった。巣のそばに陣取っている私に機嫌を損ねたのであろうか。しかし、すぐに体勢を直して泥巣の中に獲物を搬入した。

 この泥巣の場所は縦に長いウロの奥にあり、エントツドロバチの姿を真横から撮影するのはほとんど不可能であった。


(写真上/梅の木のウロにあった泥巣口/E-330 魚眼8ミリ)
(写真中/獲物を搬入する/E-500  マクロ35ミリ+1.4倍テレコン)

(写真下/煙突から出て来たエントツドロバチ/E-500  マクロ35ミリ+1.4倍テレコン)
 新開 孝

ルリジガバチ 2006/08/02(その2)
 エントツドロバチが狩りをして戻ってくる間、私は梅の木のかたわらにうずくまっているしかなかった。幸いにしてそこは木陰であったから、炎天下の待機は我慢もできたのであるが、いささか退屈でもあった。

 しかし、ときおり空中で獲物を捕らえるオニヤンマのダイナミックな飛翔や、遠くのエノキの梢に金属光沢の輝きをちらつかせるヤマトタマムシの飛翔など、いかにも心和む夏の風景が目を楽しませてくれる。
 
 ときおり腕時計を気にしてみるなど、わずかな視線の移動のうち、梅の木の反対側に、ほっそりしたハチの姿がチラリと見えた。このハチの登場には我慢ならず、ついに私は監視の持ち場を離れて、そっと梅の木の裏側に回ってみた。

 そのハチは素早く移動すると、並べ置かれた水タンクの上に伏せた板の、庇の下に潜り込んだ。私も急いで庇の下を覗き込んでみた。すると、ヒメグモの一種に飛びかかり、一瞬にして抱きかかえたルリジガバチを目の前にしたのである。

 獲物を口にくわえたまま、一旦は空中に舞い上がったものの、ルリジガバチはどうにか畑の隅に積まれてあった板きれに着地して、クモをくわえ直している。
 クモに飛びかかった直後に、麻酔針を急所へと正確に打ち込んだのであろう。その早業を写し止めることは、至難の技と思える。

 ルリジガバチは見るからにスマートであり、洗練され尽くしたような体型には、惚れ惚れとする。そして、まさに瑠璃色の体表面は派手過ぎもせず、真夏の日射しに控えめに輝いていた。

(E-500  マクロ35ミリ+1.4倍テレコン)新開 孝

高尾山のキジョランとアサギマダラ 2006/08/01(その1)
 今日は高尾山に行ってみた。それも表の高尾山。

 これまで裏高尾へは、毎年何度かは足を運んでいるが、表の高尾山口から登ったことは一度もなかった。その理由は簡単で、あまりにも観光地化し過ぎて訪れる人が多過ぎるからであった。

 しかし、今日はアサギマダラの幼虫探しと、もう一つ「ある昆虫」を探す目的があったので、観光客が多いのどうのは、どうでも良いことにした。

 そこでまずはケーブルカーに乗って、一気に標高472メートルの稜線へと上がった。ケーブルカーを利用したのは、「ある昆虫」が表高尾の登山道で見つからない場合は、あとで他の場所へと移動する時間的な余裕が必要だったからだ。そのためには、高尾山登山口の一日千円という高い駐車場料金も仕方があるまい。

 さて、ケーブルカーの駅から歩いて下りながら、アサギマダラの食草キジョランを探してみた。キジョランは「鬼女蘭」と書くが、鬼女とはその種子の白い毛束からきているそうだ。蘭とはいうものの蘭の仲間ではなく、キジョランはガガイモ科の常緑つる植物である。

 歩いてまもなくキジョランはすぐに現れ始め、さらに登山道からはずれて斜面を薮こぎすれば、やがてキジョランの群落を見る事が出来た(写真上)。キジョランはまだ蕾みばかりで、開花は来週以降であろうと思われた。
 
 キジョランの葉っぱには、アサギマダラ幼虫特有の丸い食痕が多数見つかるが、これは若い幼虫のかじり痕であり、しかもどれも古い。結局、アサギマダラの幼虫は見つからなかった。

 しかし、ここは怪しいなあ、と粘って最後に近付いたキジョランの葉うらでは、羽化したばかりのアサギマダラ成虫が蛹殻にぶら下がっていたのである(写真中)。

 今日は曇っていて気温も低めのせいだろうか、アサギマダラは正午を過ぎてようやくウオーミンングアップし始めた(写真下)。

(E-330  魚眼8ミリ)

新開 孝

カラスアゲハ♂の吸水 2006/08/01(その2)
 高尾山の登山道脇で、カラスアゲハのオスが吸水していた。

 このオスはたいへん落ち着いていて、吸水に余念がない。しかも、吸いながらお尻からはピュップ、ピュップと排水も盛んである。だいたい4秒間隔で排水している。これは撮影チャンスとばかり、その排水の様子(写真上)を道に寝転がってカメラを構えてみた。

 さすがに夏休みともあって、家族連れの登山客の方もいる。小学生の男の子兄弟二人が、撮影する私とカラスアゲハをじっと見学し始めた(写真中)。ご両親は画面の右、登山道の先の方から子供達の様子を見守っている。

 あとで裏高尾に移動してから、新鮮なカラスアゲハ、オスの吸水行動を撮影できた(写真下)。

(写真上/E-500  マクロ35ミリ+1.4倍テレコン)
(写真中/E-330  魚眼8ミリ)
(写真下/E-500  ズイコーデジタル50-200ズーム)新開 孝

クサカゲロウsp.幼虫の食性 2006/07/31(追加)
 アカメガシワの葉っぱの葉柄近くには、一対の花外蜜腺があって、ここには数多くの昆虫が訪れる。

 もう一ヶ月以上も前から気になっているのだが、蜜腺を訪問するお客さんに意外な顔ぶれを見つけている。
 それは、背中にガラクタを山積みした、クサカゲロウの一種の幼虫である。

 アカメガシワの蜜腺カウンターがにぎわっていないときにでも、必ずと言っていいほど、この「がらくた屋」が1匹、2匹、いやそれ以上の数を見かける。

 最初は、このクサカゲロウ幼虫のねらいは、蜜腺にやってくる小昆虫であろうか、と思っていたのだが、どうやらそうではなくクサカゲロウ幼虫は大アゴをしきりに蜜腺にあてがい、吸入している様子である。

 もっとも、本来は肉食のクサカゲロウであるから、蜜腺を訪れた昆虫を獲物とすることもあり得ることだろう。彼らの獲物は、アブラムシ類に限らず、あらゆる昆虫類を餌食とするから、アカメガシワの葉上レストランは、メニュー豊富な五つ星レストランなのかもしれない、と想像してみる。

(E-500  マクロ35ミリ+1.4倍テレコン)新開 孝

ルリシジミのメス 2006/07/31(その1)
 ヤマハギの蕾みで産卵しているルリシジミのメスがいた。

 ヤマハギにまとわりつくように飛んでから、はねを半開して日光浴(写真上)。このあと地面へと舞い降り、何度もクロヤマアリに邪魔されたあと、ようやく吸水を始めた(写真中)。

 地面での吸水では満たされなかったか、今度はヌルデの葉上にあった水滴に口吻を伸ばした(写真下)。

 「ルリ○○○」という瑠璃色の和名がついた昆虫は数多い。植物にも多く見られるが、とくに昆虫だけに絞って見ていくと、では瑠璃色とはどんな色だったのだろうか?と気になってしまう。もっとも命名する段階で、昆虫の体色を厳密に吟味しているわけでもないだろうから、「ルリ」色っぽい、というイメージが先行しているのだろう。
 以前に、この「ルリ」が和名についた昆虫を片っ端から撮影してみて、それを一同に並べてみたら、「瑠璃色」の正体が少しは見えてくるのではないか、とそんな単純な発想で撮影リストを作ってみたことがある。が、しかし、昆虫の体色というのは同じ種類でも条件によって千差万別であり、これを写真でそれぞれきちんと再現するのは不可能に近い。
 
(E-500  マクロ35ミリ+1.4倍テレコン)新開 孝
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